【歯科医に聞く】食いしばりにマウスピースは効果あり?顔が変わるって本当?

更新日:2023-04-24 | 公開日:2021-12-20
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【歯科医に聞く】食いしばりにマウスピースは効果あり?顔が変わるって本当?

「食いしばりにマウスピースは効果的?」
「マウスピースが逆効果、顔が変わるって聞くけど…」

食いしばりに対するマウスピースの効果を、歯医者さんに聞いてみました。
歯科で作るマウスピースの費用や作り方なども詳しく解説します。

監修者
菊地 由利佳 先生


歯科医

菊地 由利佳先生

経歴

歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。

食いしばりにマウスピースは効果アリ?

医師女性

食いしばりにマウスピースを使用すると、

  • 上下の歯に加わる衝撃の緩和
  • 歯の磨り減り・破折の予防
  • 歯茎の炎症の予防
  • 顎関節へのダメージの軽減
  • 筋肉の緊張が和らぐ

などの効果が期待できます。

また、歯や顎関節へのダメージの軽減、筋肉の緊張の緩和によって、食いしばりに伴う「肩こり」「頭痛」の改善も期待できます。

マウスピースは、特にこんな人におすすめ!

医師女性
次のような人には、マウスピースの使用をおすすめします。
  •  就寝中の食いしばり・歯ぎしりを周囲から指摘された
  • 日中、気付くと食いしばっている(作業中など)
  • 歯の先端が磨り減っている・欠けている
  • 歯の表面に細かいヒビが入っている
  • 歯の詰め物や被せ物が取れやすい
  • 起床時に口周辺や顎に痛み・違和感がある
  • 冷たいもので歯がしみる
  • 歯の根っこ部分にくぼみができている
  • 上顎中央部や下顎前歯内側に骨が浮き出ている
  • 頬内側や舌側面に歯の痕がついている

など

マウスピースを使う5つのメリット

女性

医師女性
  1. 歯へのダメージを抑える
  2. 「エラの張り」「顎関節症」を予防・悪化防止できる
  3. 歯並びへの影響を軽減できる
  4. 「頭痛」や「肩こり」の緩和が期待できる
  5. 歯に合わせた調整が可能

などのメリットがあります。

メリット① 歯へのダメージを抑える

食いしばり時に、上下の歯にかかる大きな力を歯列全体に分散できることで、特定の歯への負担を軽減し、「歯の磨り減り」「破折」「歯茎へのダメージ」等を予防できます。

メリット② 「エラの張り」「顎関節症」を予防・悪化防止できる

食いしばりによる顎関節への負担を緩和できるため、「顎関節症」の予防、悪化防止「エラの張り」を抑えるなど効果が期待できます。

メリット③ 歯並びへの影響を軽減できる

食いしばりによる歯を押す力を分散できるため、歯が押されて「歯並びが悪くなる」影響が軽減され、歯の位置を保定できます。

メリット④ 「頭痛」や「肩こり」の緩和が期待できる

噛み合わせが調整されて“筋肉の緊張が緩和”されるため、食いしばりによる「頭痛」「肩こり」の改善も期待できます。

メリット⑤ 歯に合わせた調整が可能

歯科では、歯型をとってマウスピースを作製します。
歯に合わなくなった場合すぐに調整してもらえるため、歯や顎の筋肉の変化に合わせて使用できます。

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反対に…デメリットはある?

女性

医師女性
マウスピースの使用で考えられる「デメリット」は以下があげられます。
  • 装着に違和感が生じる場合がある
    マウスピースの着用に違和感が生じて、就寝中に無意識に外してしまう場合があります。
  • 口が乾いたり、顎の痛みを感じたりすることがある
  • 細菌の繁殖・変形に注意する必要がある
    正しい使用方法を守らないと細菌が繁殖したり、変形したりする場合があります。
  • 定期的な歯科の受診が必要
    食いしばりによりマウスピースが磨り減っていくため、定期的に歯科を受診し、歯のチェックやメンテナンスを受ける必要があります。

簡単!マウスピースの使い方

  1. 歯磨きをしっかりと行う
  2. 口を大きめに開く
  3. 清潔なマウスピースを、歯にはめ込むように装着する

以上で完了です。

よくある質問① 日中もマウスピースをしたほうがいい?

夜だけでなく、日中もマウスピースをするべきなのでしょうか?
女性
医師女性
日中のマウスピースの使用は推奨していません
日中は、できるだけ「食いしばりをしない」と意識して生活することをおすすめします。

日中もマウスピースをすることで食いしばりの緩和が期待できます。
しかし、仕事や学校生活の中では装着が困難な人も多いため、無理してマウスピースを装着するよりは、意識して自分で食いしばりを改善するように心がけてみましょう。

日中に「食いしばりをしない」ためにできること

  • 目に留まる場所に「食いしばり注意」等と書いたメモ貼る
  • 頬や顎の力を抜く
  • 歯が噛み合わないように調整する

などを行ってみましょう。

よくある質問② マウスピースで「顔が変わる」って本当?

マウスピースを使用し続けると「顔が変わる」のは本当なのでしょうか?
女性
医師女性
食いしばりの負担軽減によって「エラの張り」や「顔の歪み」がある程度改善されることはあります。
ただし、「顔が変わる」ほどの変化があるとは、断言できません。

食いしばりによるエラの張りが緩和された場合、「小顔になった」と感じる人もいます。

市販のマウスピースと歯科医院でつくるマウスピースの違い

医師女性
  • 「自分の歯へのフィット感」
  • 「入手のしやすさ」と「価格」

などが大きな違いになります。

「自分の歯へのフィット感」

「市販のマウスピース」は全て同じ形のため、歯に合わない場合があります。

「歯科医院で作るマウスピース」は歯型を取ってから作成し、試着後の調整もしてもらえるため、歯や噛み合わせにしっかりフィットするマウスピースが使用できます。

「入手のしやすさ」と「価格」

「市販のマウスピース」は歯医者の受診が必要ないため、入手しやすく、リーズナブルで手軽に使用できます。

「歯科医院で作るマウスピース」は少なくとも2回の受診が必要になり、多少コストもかかります。

市販のマウスピースは逆効果になることも

市販のマウスピースは噛み合わせの微調整ができないため、自身の歯に合っていない状態で使用していると、逆に「顎関節に負担になる」「噛み合わせがズレる」可能性があります。

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歯医者さんでマウスピースを作るまでの流れ

医師

医師女性
マウスピースを作るまでは、以下のような流れになります。
  1. 口内の検査
    → 歯の磨り減り、噛み合わせ、虫歯や歯周病の有無等の確認
  2. 歯型を取る
  3. マウスピースの作成
  4. マウスピース完成後の試着・調整
  5. マウスピース使用開始
  6. 定期的に受診し、歯の状態等を確認してもらう
    → 必要に応じてマウスピースの調節を行う

※①の検査で虫歯や歯周病が見つかった場合、その治療が優先されるケースが多いです。

マウスピース治療の費用の目安

医師女性
保険適用になるケースが多く、全て込みで7,000円~1万円程度が目安になります。

上記費用の内訳としては、

  • 初診料:1,000円程度
  • 検査(レントゲン等):1,200円程度
  • 口腔内検査:600円前後
  • 歯の型取り:700円以上
  • マウスピースの作成:3,000~5,000円程度

となっています。

なお、マウスピースの作成は使用する材質等によって保険適用外になる場合もあります。
治療費も医療機関によって異なるため、治療前に確認してください。

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