「なんだか最近風邪をひきやすくなった…」
こんな風に感じている方も多いのではないでしょうか?
風邪をひきやすくなるのは、疲労など生活習慣の乱れをはじめ、隠れた病気の可能性もあるので、注意が必要です。
体質を改善して、風邪をひきにくくする方法もご紹介します。
監修者
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医
岡村 信良先生
経歴
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
風邪をひきやすい原因
風邪をひきやすい人の特徴
睡眠不足
睡眠時間が短い場合、免疫グロブリン(IgA)※の分泌量が低下しやすくなると考えられています。
※免疫グロブリン(IgA)
血液中や組織液中に存在している免疫に関わる物質
激しい運動をしている
運動強度が強いほど、免疫グロブリン(IgA)が低下するため、免疫力も低下すると考えられています。
不規則な生活習慣
生活習慣が乱れると、自律神経やホルモン分泌の制御を行っている体内時計も乱れてしまい、免疫力が低下しやすくなると考えられています。
ストレスが溜まっている
過度のストレスを抱えている場合、自律神経のバランスが崩れて、免疫グロブリン(IgA)の分泌が低下して免疫力が弱くなる場合があります。
栄養が偏っている
骨や筋肉等、体の組織を構成しているタンパク質、細胞やホルモンを生成する元となる脂質等と一緒にバランスの良い食べ物を摂るようにしてください。
ドライマウス
口腔内が乾燥し、粘膜も乾燥していると、免疫グロブリン(IgA)の働きが鈍くなり、ウイルスや細菌が侵入しやすくなるため、風邪をひきやすくなります。
冷え性
体温が低下すると免疫力も低下するので、風邪をひきやすくなります。
痩せすぎ
体温維持、身体にビタミンを運ぶ、女性ホルモン調節等の役割を担っている脂肪が少ないと、風邪をひきやすくなります。
腸内細菌のバランスが悪い
腸内細菌のバランスが悪いと、便秘を起こしやすくなる、免疫力が低下する等になり、風邪をひきやすくなると考えられています。
糖質制限をしている
人が生きていくために必要とされているエネルギー源の約半分を糖質が占めています。
その糖質を必要以上に制限すると、身体のエネルギー量が減少します。
すると、体力維持が困難になり、風邪をひきやすくなる等が起こると考えられています。
加齢で免疫細胞が減少している
加齢に伴い、正常に機能してくれる免疫細胞が減少する、新たに生成された免疫細胞の機能も低い等により、免疫力が低下して、風邪をはじめとする感染症を起こしやすくなります。
女性特有の原因

ホルモンの影響
生理前になるとプロゲステロンの分泌が多くなります。
この期間は、免疫力が低下しやすいため、風邪をひきやすくなると考えられています。
妊婦中
妊娠中は、次の理由で免疫力が低下しやすい状態です。
- ホルモンバランスが不安定になりやすい
- つわりがある場合は食事を十分摂取できず栄養不足になりやすい
- ストレスを溜めやすい
- 睡眠不足になりやすい 等
また、お腹にいる胎児を異物として捉えないように、NK細胞やマクロファージ等の細胞性免疫が相対的に減ると考えられています。
産後
産後は、女性ホルモンが減少し、ホルモンバランスが崩れやすくなります。
また、赤ちゃんのお世話に追われ、睡眠不足、疲労、ストレス過多状態になりステロイドホルモン※の分泌が多くなる場合があります。
その結果、免疫力が低下し風邪をひきやすくなります。
※ステロイドホルモン
炎症や免疫を抑制する働きがあるホルモン
赤ちゃんは風邪をひきやすい?
赤ちゃんは、母乳を通してママから免疫をもらっています。(IgA等)
しかし、その免疫が有効に作用する期間は6か月程度と考えられており、それ以降は自力でウイルスや細菌から自分自身を守らなければなりません。
自分を守る免疫力は、いろいろな病原体等に曝されて少しずつ獲得できるものなので、乳幼児はまさに免疫を得る過程にあることで風邪等の感染症を発症しやすいと考えられています。
風邪をひきやすい体質は改善できる?

次のことを実践して、体質改善に努めましょう。
- 喉の潤いを維持する(水分をこまめに摂る)
- 加湿する(加湿器、マスク等)
- 体を温める(湯船に浸かる等)
- 適度に運動する(ストレッチ、ヨガ、ウォーキング等)
- 良質な睡眠を十分とる(抗体を作るリンパ球の働きは睡眠時に活発になる)
- 手洗い、うがいを徹底する
- 栄養バランスの良い食事を摂る
体質改善におすすめの食べ物
次の栄養素を積極的に摂りましょう。
- ビタミンB1
豚肉、マグロ、レバー、ゴマ、ほうれん草、卵、海苔等
- ビタミンE
イワシ、サバ(青魚)、たらこ、かぼちゃ等
上記に加え、生姜、にんにく、ねぎもおすすめです。
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2019-11-01
鼻水、咳や喉の痛みなど、つらい風邪の症状をできるだけ早く治すためには、どうすればいいのでしょう。
この記事では、風邪に効く食べ物・飲み物や、市販薬の選び方、控えるべきNG行動まで医師が解説します。
日頃から免疫力をアップさせて風邪を引かないようにするため、ぜひ参考にしてみてくださいね。
風邪を早く治すための「食べ物」
風邪を早く治すには
ネバネバ系の食べ物(水溶性食物繊維・糖たんぱくが豊富)
フルーツ(ビタミン・ミネラルが豊富)
卵・緑黄色野菜(ビタミンAが豊富)
などの食べ物を摂取しましょう。
ネバネバ系の食べ物(水溶性食物繊維と糖たんぱくが豊富)
里芋・なめこ・オクラ・納豆などに含まれています。
おかゆなどに細かく刻んで、入れたり、スープに入れたりして摂りましょう。
風邪といえば、鼻水の症状が出ますが、鼻水は病原体を洗い流し、奥に入れないように働いてくれています。
風邪になってしまってからも鼻粘膜にいい食事を摂ることで、鼻の粘膜の機能が正常に働き、強化することができます。
フルーツ(ビタミン・ミネラルが豊富)
フルーツには、ビタミンやミネラルなど風邪で消耗しやすい栄養素が多く含まれています。風邪のときに食べるといいでしょう。
体を冷やすイメージがあるフルーツですが、かき氷や氷水のようなものでなければ、食べ物で急に体が冷えるということはないので、風邪のときに食べても大丈夫です。
卵・緑黄色野菜(ビタミンAが豊富)
皮膚粘膜を強化、免疫力をアップさせてくれるビタミンAは、卵や緑黄色野菜に豊富です。人参・ほうれん草・かぼちゃなども食べてください。
風邪を早く治すための「飲み物」
ビタミンCの摂取ができる、レモネードが風邪の時にはおすすめです。
ホットで飲めば体も温まります。
ビタミンCは、体の免疫力である白血球の働きを高めてくれます。また、抗酸化の働きがあり、風邪予防にもぴったりです。
市販薬の選び方
辛い症状があると食事が取れない場合もあり、そのような時には、咳や鼻水などの症状を個別で緩和してくれるものを選ぶといいでしょう。
風邪は、多くの症状が現れます。
しかし、結局は、風邪自体を治療することはできません。自分の免疫力でウイルスを撃退する必要があるのです。
また、市販薬は、一概に価格が高い方がいいとは言い切れません。後発品であったり、容量の違いであったり、様々な要因で価格が決められています。
どの市販薬にすればいいのかと悩む場合は、薬剤師に相談しましょう。
漢方薬の選び方
漢方薬も様々あり、風邪のひき始めにいいもの(葛根湯)や長引く風邪のときに飲むといいタイプ(竹茹温胆湯、柴胡桂枝湯など)などがあります。
普通の薬と漢方薬、併用してもいい?→NGです!
漢方薬は、薬です。他の薬と同様に併用しての使用はおすすめできません。
併用の場合は、事前に薬剤師、医師に相談して確認してください。
お風呂は入ってもいい?
お風呂に入っていけないことはありませんが、無理をするのはやめましょう。
汗をかくためにと、風邪の時に入浴する人がいますが、熱があるときやふらつく際には、入浴で立ちくらみや貧血を起こす場合も多いです。
普段、貧血症状がない人も、発熱により症状が出る可能性があります。
しかし、身体を清潔に保つためにも、昔言われていたように「風邪だとお風呂に入ってはいけない」という事はありません。
ただし、入浴やシャワーは短めにして、脱水、血圧低下などには注意してください。
これはNG!控えるべき3つの行動
体を冷やす外出
過度の飲酒
喫煙
このような行動はNGです。
風邪を早くよくするには、自己の免疫力が必要です。
体を冷やせば、免疫力が上がらずよくなりません。
また、「冷え」は体を冷やし、風邪にかかりやすくします。肩や首周り、足首などを冷やさないように着るものや服装にも気をつけてください。
過度の飲酒は、眠りを妨げ、体力低下を招きます。
また、風邪で喉に負担がかかっているのに喫煙を行えば、さらに喉への負担がかかります。
風邪をひきやすくなる病気
免疫不全症候群
先天的原因と後天的原因(HIVウイルスによるエイズ)に分けられています。
細菌やウイルス等に対する抵抗力や免疫力がないことで、感染症を繰り返しやすくなる状態です。
糖尿病
血糖値が高いため、白血球や免疫細胞の働きが弱まり病原体等と闘うことができない状態になり、感染症に罹りやすいと考えられています。
自律神経失調症
自律神経のバランスが崩れると体温調節が困難になり、身体が衰弱して風邪等を起こしやすくなると考えられています。
肝臓疾患、腎臓疾患(亜鉛吸収障害)
肝臓疾患や腎臓疾患等を発症すると亜鉛不足(亜鉛吸収障害)を起こす場合があります。
亜鉛が不足すると、免疫力が低下して風邪をひきやすくなると考えられています。
白血病
正常な白血球が減少することで、風邪(感染症)に罹りやすくなると考えられています。
癌や恒常性疾患
癌や甲状腺疾患の治療で、二次的に風邪をひきやすくなる場合があります。
治療に用いられる薬によって免疫が下がり、風邪をひきやすくなります。
こんな症状があれば病院へ
次のような症状が現れたら、医療機関を受診しましょう。
- 2週間以上せきが続く場合
- 咳をすると胸に痛みが生じる場合
- 血痰がでる場合
- 高熱(38度以上)が3日以上続く場合
- 一回症状が回復しても、数日後にまた体調が悪化した場合
- 体がガタガタ震えて止まらない場合(悪寒戦慄)
上記以外にも、普段と何か違うと感じる場合は、早めに医療機関(内科)を受診してください。
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2020-12-02
37度の微熱が続いている…これはなぜ?
長引く微熱の原因と対処法を、お医者さんに聞きました。
病気の可能性や病院に行く目安も解説します。
37度の微熱が続く…原因7つ
37度の微熱が続く時、考えられる原因は「体の一時的な変化」である場合と「病気」の2つの場合が考えられます。
体の一時的な変化の原因は
自律神経の乱れ
ホルモンバランスの乱れ
病気の可能性がある原因は
風邪
慢性疲労症候群
アレルギー反応
膠原(こうげん)病(自己免疫疾患)
がん
などの可能性があります。
微熱は風邪などのウイルス感染以外にも、自律神経の乱れやホルモンバランスによっても出ることがあります。
微熱以外に症状がなく、日常への支障を感じていない場合は、一旦様子を見てもよい場合があります。
それぞれ、ひとつずつ詳しく説明していきます。
原因① 自律神経の乱れ
ストレスや疲労、生活習慣の乱れによって自律神経のバランスが乱れると体温を上手く調節できなくなります。
交感神経が過剰に働くと体温が上がりやすくなったり、副交感神経が弱まると体温がうまく下げられなくなったりするため、微熱の状態が続きやすくなります。
自律神経とは心臓を動かしたり、体温を調整したり、消化を助けたりと、私たちが意識しなくても働いている神経のことです。
自律神経は活動時に体を元気にする「交感神経」と、休息時に体をリラックスさせる「副交感神経」がありますが、このバランスが崩れることで体温をうまく調整できなくなり、微熱が続くことがあります。
熱はどれくらい続く?
自律神経の乱れによる微熱の期間は人によって異なりますが、多くの場合は数日から数週間です。
ただし、原因となるストレスや疲労が解消されないと、長引くこともあります。
1か月以上微熱が続く場合や、他の症状が強く現れる場合は、別の病気の可能性もあるため、医師の診察を受けてください。
【見分け方】熱以外の症状
だるさや疲労感
頭痛やめまい
手足の冷えやほてり
夜中に目が覚める
食欲不振
便秘や下痢
全身の疲れや、朝起きたときの倦怠感を感じることが多いです。
また、血管のコントロールがうまくいかず、手足が冷える一方で顔だけがほてるなど、体温調節が乱れることがあります。
自律神経は消化器官もコントロールしているため、食欲不振、胃もたれ、便秘や下痢などが起こることがあります。
自分でできる対処法
自律神経の乱れによる微熱を改善するには、生活習慣を整え、体と心をリラックスさせることが大切です。
深呼吸や軽いストレッチ
ヨガなどの軽い運動
湯船に浸かる
生活リズムを整える
特にストレスや疲労が重なると自律神経が乱れやすくなります。ストレスや疲れを溜め込まず、心と体をリラックスさせることが大切です。
原因② ホルモンバランスの乱れ
女性ホルモンである「エストロゲン」と「プロゲステロン」のバランスが乱れると体温が上昇します。
特に排卵後に分泌が増える「プロゲステロン」は妊娠しやすい環境を整える役割があるため体温を上昇させ、微熱が出ることがあります。
ホルモンバランスは
生理周期
妊娠
更年期
などによって大きく影響を受けます。
特に生理周期の場合は排卵期の度にホルモンバランスが乱れるため、微熱が出やすく感じることがあります。
また、女性ホルモンの分泌が乱れるとストレスが増えて自律神経にも影響を与えるため、自律神経が乱れて結果微熱が続くこともあります。
更年期(40代~50代)では、ホルモンの分泌が不安定になるため、体温調節がうまくいかなくなります。その結果、微熱を感じることがあります。
熱はどれくらい続く?
体温を上昇させる「プロゲステロン」は排卵後に分泌が増えるため、排卵後から次の月経までの約2週間、37度の微熱が続くことがあります。
更年期の場合は数日から数週間程度のことが多いですが、場合によってはもっと長引くこともあります。
【見分け方】熱以外の症状
肌荒れや乾燥が増える
疲労感や眠気がひどい
月経が原因の場合
微熱が出てから2週間ほどで生理が来る
まれに生理周期が乱れる
生理痛がひどくなる
など
更年期症状
のぼせやほてり
汗をかきやすくなる
イライラや不安感が強まる
など
自分でできる対処法
体を温める
深呼吸やアロマテラピーでリラックス
大豆製品をしっかり摂る
軽い運動
睡眠をしっかりとる
冷えはホルモンバランスを崩す原因になります。腹巻きや靴下を履くなどして体を温め、冷たい飲み物を控えましょう。
また、豆製品(納豆、豆腐、豆乳)には、ホルモンバランスを整える「イソフラボン」が含まれているので積極的に摂るのがおすすめですよ。
原因③ 風邪
風邪にかかると、体はウイルスと戦うため免疫反応を起こします。
免疫細胞が活発になる過程で熱が出やすくなったり、鼻やのどの炎症が広がることで体温が上がったりするため、37度前後の微熱が続くことがあります。
風邪はウイルスが鼻やのどなどに感染、炎症を引き起こしておこります。風邪を引き起こすウイルスは200種類以上あり、ウイルスによっては軽度の症状で微熱だけが続くこともあります。
風邪をひいた時に熱が出るのは、体がウイルスと戦っている証拠。
体温を上げることでウイルスの働きを弱めようしていたり、免疫細胞がウイルスを排除しようと活発に働いているため、熱が出るのです。
熱はどれくらい続く?
風邪が原因で微熱が続く期間は3~5日程度が一般的です。ただし、疲労が溜まっていたり、十分な休養が取れていない場合は、1週間以上続くこともあります。
微熱が1週間以上続く場合は、別の病気(例えば、副鼻腔炎や肺炎など)の可能性もあるため、医師に相談しましょう。
【見分け方】熱以外の症状
鼻水、鼻づまり
のどの痛みや違和感
軽いだるさや疲労感
風邪が原因で微熱が続く場合は、鼻やのどの症状が出るのが特徴です。
自分でできる対処法
十分な休養をとる
こまめな水分補給
湿度を50~60%に保つ
栄養をしっかり摂る
免疫機能を高めるためには、十分な休養がとても大切です。睡眠は7~8時間しっかり取り、無理に仕事や家事をしないよう心がけましょう。
また、部屋を暖かくして湿度を保ちましょう。ウイルスは乾燥した環境で増えやすいので、湿度は50~60%に保つと良いです。加湿器を使うか、濡れタオルを部屋に干すのも効果的です。
原因④ 慢性疲労症候群
慢性疲労症候群は、日常生活が困難になるほどの強い疲労感が長期間続く病気です。
免疫や自律神経の働きに異常が生じることで、体温調節がうまくいかなくなり37度前後の微熱が長期間続くことがあります。
慢性疲労症候群は単なる「疲れ」や「過労」とは異なり、十分に休んでも疲労感が改善しません。
免疫系の過剰反応や自律神経の乱れ、エネルギー代謝の低下などによって起こると考えられています。
熱はどれくらい続く?
数カ月から数年など、長く続くことがあります。
ただし熱の程度は日によって変動することが多く、調子が良い日は体温が正常に戻ることもあります。
慢性疲労症候群は現時点では決定的な治療法は確立されていませんが、医療機関では薬物療法を中心に対処してもらえます。
つらい場合は迷わずに病院へ行くようにしましょう。
【見分け方】熱以外の症状
疲れが休んでも改善しない
ほんの少しの動きでも疲れる
長時間寝ても疲労感が取れない
不眠や浅い眠りが多い
頭痛、筋肉痛、関節痛などがある
集中力や記憶力の低下
のどの痛みやリンパ節の腫れ
慢性疲労症候群は、極度の疲労感が続いているのが特徴です。
寝ても回復しない、常に疲れが抜けない、少し動いただけでも疲れるなどの特徴がある場合は医療機関へ相談してみるのもいいでしょう。
自分でできる対処法
慢性疲労症候群の治療法はまだ確立されていませんが、日常生活でできる対策を少しずつ行うのもいいでしょう。
生活の中にこまめな休憩を取り入れる
瞑想、ヨガ、深呼吸などをこまめに行う
栄養をバランスよく摂る
原因⑤ アレルギー反応
花粉やハウスダスト、食物や動物などのアレルゲンに触れた場合に起こるアレルギー反応でも、微熱が出ることがあります。
アレルギー反応とは、体の免疫システムが本来無害なもの(アレルゲン)に対して過剰に反応する状態を指します。
アレルギー反応による微熱は、体の炎症反応が原因です。
花粉やハウスダストなどのアレルゲンに接触すると免疫細胞が過剰に反応し、ヒスタミンなどの化学物質が放出されます。この化学物質が体の中で炎症を引き起こし、微熱として現れることがあります。
熱はどれくらい続く?
通常、アレルゲンに触れなくなれば治まることが多いです。
例えば、花粉症の場合は花粉の季節が終われば症状が治まります。
【見分け方】熱以外の症状
鼻や目のかゆみ
皮膚のかゆみや湿疹
咳やのどの違和感
目の充血や涙目
自分でできる対処法
アレルゲンを避ける
マスクを着用する
体を温めすぎない
湿度を高く保つ
アレルギーによる微熱へ対処するには、なによりもアレルゲンを取り払うことが大切です。外出時にマスクを着用し、帰宅後は服を払ってから家に入るように心がけましょう。
また、乾燥すると鼻や喉の粘膜が弱くなり、アレルゲンの影響を受けやすくなります。加湿器などで適切な湿度(40~60%)を保つことが重要です。
原因⑥ 膠原病(こうげんびょう)
膠原病は、自己免疫疾患の一種で、体の免疫システムが自分自身の細胞や組織を攻撃してしまう病気の総称です。
免疫系の異常による炎症が体内で起こるため、37度前後の微熱が出ることがあります。
自己免疫疾患では、免疫システムが誤作動を起こし、体内で慢性的な炎症が続きます。この炎症によって体温が少し高くなります。
また、炎症を引き起こす物質(サイトカイン)が体内で増えることで体温調節に影響を与え、微熱を引き起こします。
膠原病が疑われる場合は早めに専門医に相談して、正確な診断と治療を受けることが大切です。
熱はどれくらい続く?
炎症が強い場合は、微熱が数週間~数か月続くこともあります。
症状の強さや期間は個人差があるため、定期的な検査で病状を管理することが大切です。
【見分け方】熱以外の症状
関節痛、筋肉痛
倦怠感、疲労感
指先や顔の皮膚が硬くなることもある
赤い発疹が出ることもある
目や口の乾燥が強く出ることもある
自分でできる対処法
体を冷やさない
ストレスをためない
野菜や魚、ナッツ類を積極的に摂る
青魚、果物を食べる
適度な運動
膠原病の治癒には医療機関での治療を受けることも重要です。
自己管理では免疫力を上げることが大切。ストレスは免疫の乱れを悪化させる原因になります。リラックスできる時間を作り、ストレスをため込まないようにしましょう。
また、野菜や魚、ナッツ類、オメガ3脂肪酸が豊富な青魚や、抗酸化作用のあるビタミンCを含む果物を積極的に食べるように心がけるとよいでしょう。
原因⑦ がん
がんは、体を構成する細胞の一部が異常に増殖する病気です。
がん細胞が体内で増えると、体はそれを排除しようと免疫システムが働きます。この免疫反応により炎症が起きることがあり、微熱の原因となります。
がんは早期発見が最重要です。
原因不明の微熱が続く場合には自分で原因を特定しようとせず、すぐに医療機関へ相談することが大切です。
【見分け方】熱以外の症状
体重減少
疲労感が取れない
持続する痛み
しこりや腫れ
皮膚の変化
など
食事の量が変わらないのに短期間で大幅に体重が減る場合は注意が必要です。
ですが、以上はあくまでも目安です。少しでもがんの可能性を感じたら迷わずに病院へ行きましょう。
自分でできる対処法
がんが疑われる場合は、自分でできる対処法は限られています。
十分な休養を取り、栄養バランスをしっかり整えた食事をとりながら、早期に医療機関を受診しましょう。
37度の微熱…インフルエンザの可能性はある?
37度の微熱でも、インフルエンザの可能性はあります。
感染初期の場合や免疫力が低下している人の場合は高熱が出にくいことがあるためです。
インフルエンザは、一般的に高熱(38~40度)が特徴的な病気として知られていますが、場合によっては37度台の微熱から始まることもあります。
例えば、ウイルスが体内で増え始めた初期段階では、免疫反応がまだ完全に活性化していないため、高熱が出ないことがあります。
また、インフルエンザが軽症の場合、微熱や軽い症状だけで済むことも。高齢者や免疫力が低下している人では、高熱が出にくいことがあります。
微熱だからといって安心せず、医療機関で検査を受けることが大切です。
お風呂は入ってOK?
37度の微熱がある時でも、体調が安定していればお風呂に入っても大丈夫です。
ただし、
38度の以上の高熱がある時
体が極端にだるい時
などは避けるようにしましょう。
微熱の時にお風呂に入るメリット
実は、微熱の時にお風呂に入ることでいい効果をもたらす場合があります。
血行が良くなり疲労回復の手助けになる
リラックスして自律神経が整いやすくなる
発汗で老廃物が体外に出やすくなる
などが考えらえます。
お風呂に入ると体が温まり、血流が良くなります。これにより、体内の老廃物が排出されやすくなり、疲労回復や微熱の改善が期待できます。
また、お風呂に入ると体が温まり、血流が良くなります。これにより、体の緊張がほぐれ、副交感神経が働いてリラックスできます。ストレスが減り、風邪の症状が楽になることがあります。
なぜ熱がある時にお風呂に入るのはダメとされるの?
入浴するにはエネルギーを使います。
熱がある時は体がウイルスや細菌と戦っているため、すでに多くのエネルギーを消耗しています。この状態で入浴すると、体力をさらに使い、回復が遅れるのではないかと考えられてきました。
ですが、現代の生活環境ではお風呂に入ることのメリットも多くあると考えられているため、微熱がある時でもお風呂に入ってよい場合が多いです。
【入浴の仕方】微熱がある時のお風呂の入り方のポイント
お湯の温度は38~40度程度のぬるめに
入浴時間は10~15分程度
脱水症状を防ぐために水分補給を忘れずに
入浴後はすぐに体を拭き、体を冷やさないように
の4つのポイントを必ず押さえましょう。
熱いお湯は体に負担をかけるので避けることが大切。ぬるめに設定しましょう。長風呂は避け、短時間で済ませることが大切です。
また、入浴後は温かい部屋で、乾いたタオルでしっかり水分を拭き取りましょう。
仕事や学校は休むべき?
微熱に加えて、次のような症状がある場合は休むようにしましょう。
だるさや疲労感が強い
頭痛や喉の痛み
咳や鼻水、体の痛み
消化器系の不調(吐き気、下痢、腹痛)
集中力の低下やふらつき
肌の異常や発疹
周囲で感染症(インフルエンザ、風邪、胃腸炎など)が流行している場合
特に、感染症の疑いがある場合は、周囲に広めないためにも無理をせず休みましょう。
病院に行く目安は?
微熱が4日以上続く
咳やのどの痛み、鼻水などの症状がある
下痢、吐き気などがある「
関節や筋肉の痛みがある
体力低下が激しい
などの症状がみられる場合は、病院へ行くのが望ましいです。
感染症や慢性的な疾患、ストレスやホルモンバランスの乱れなど、原因を特定することが大切です。
37度前後の微熱だけで、体が元気でいつもと変わらない生活ができる場合は、様子を見てもいいでしょう。
(参考URL)
http://www.nagasaki.med.or.jp/mini_info/index.htm#a_01
長崎県医師会 かぜ対策
https://www.nagahama.jrc.or.jp/care/medical-checkup/himan-yase
日本赤十字社 長浜赤十字病院 肥満と病気、やせと病気
https://www.mcfh.or.jp/netsoudan/article.php?id=1468
公益財団法人 母子衛生研究会 病気・予防接種
http://www.kracie.co.jp/ph/k-kampo/hikihajime_no_hikihajime/results3.html
クラシエ こんなときは早めの対処を!知っておきたいかぜのサイン
https://www.otsuka.co.jp/b240/mechanism/reason2.html
大塚製薬 免疫力低下の原因
http://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/070/070/01.html
糖尿病情報センター 糖尿病と感染症のはなし
https://www.mcfh.or.jp/netsoudan/article.php?id=317
公益財団法人母子衛生研究会 病気・予防接種
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO3942922027122018000000/?page=3
日本経済新聞電子版 一見「風邪」だが実はちがう 受診すべき6つの症状