歯の神経を抜く4つのデメリット|抜くか抜かないか判断に迷っている人へ

更新日:2023-08-31 | 公開日:2022-01-25
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歯の神経を抜く4つのデメリット|抜くか抜かないか判断に迷っている人へ

「歯の神経、抜いた方がいい?」
「歯の神経を抜くデメリットは?」

歯の神経を抜くデメリットを、歯医者さんに聞いてみました。

歯の神経を抜くと判断されるのはどんな場合なのか、歯の神経は再生できるのかなども解説します。

監修者
菊地 由利佳 先生


歯科医

菊地 由利佳先生

経歴

歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。

歯の神経を抜く4つのデメリット

医師女性

歯の神経を抜くデメリットとしては、

  1. 歯の寿命が短くなる
  2. 歯の色が変色する
  3. 虫歯の進行や再発に気が付きにくい
  4. 口の中の変化に気が付きにくい

などがあげられます。

4つのデメリットの理由を詳しく解説していきます。

デメリット① 歯の寿命が短くなる

医師女性
歯の神経を抜くと、歯に栄養を送る「血管」まで無くなります。
歯に十分な栄養が届かなくなるため、歯が脆くなって寿命が短くなります。

デメリット② 歯の色が変色する

医師女性
歯の神経を抜くと血液中の鉄分が変色します。
その変色した鉄分が透けて、歯の色が暗く見えます。

デメリット③ 虫歯の進行や再発に気が付きにくい

医師女性
歯の神経を取ると、その歯の痛みや歯がしみる感覚が失われます
その結果、気が付かない間に虫歯が進行したり、再発していることがあります。

デメリット④ 口の中の変化に気が付きにくい

医師女性
歯の神経を取ると、痛みだけではなく、温度や触れた際の感覚なども失われます
そのため、口の中の変化や異常に気がつきにくくなってしまいます。

神経を抜くか抜かないか、どう判断する?

医師女性
神経を抜くことが、抜かないことよりも歯にメリットがあるかどうかで、神経を抜くかを判断します。

「神経を抜く」と判断されやすいケースの例

医師女性
  • 虫歯が神経にまで拡がっている
  • 歯の神経がすでに死んでいる
  • 食事が摂れないなど重度の知覚過敏

などは、神経を抜く治療が検討されやすいでしょう。

この場合、放置すると歯の神経は腐ってしまい、歯の根から膿が出たり、顎にまで炎症が拡がる可能性があるため、神経を抜いて中をきれいに消毒する必要があります。

神経を抜くメリット・デメリット

メリット

デメリット

  • 痛みを感じなくなる
  • 虫歯が広がるのを抑えることができる
  • 歯を抜かずに残すことができる
  • 歯が脆くなる、寿命が短くなる
  • 歯が変色する
  • 虫歯に気づきにくくなる
  • 口腔内の変化に気が付きにくい

「神経を長く残す」ために何ができる?

医師女性

神経を長く残すためには、

  • 毎日のセルフケアを怠らない
  • 自己判断で歯の異常を放置しない
  • 早い段階から虫歯や知覚過敏などの治療をする

などを心がけましょう。

また、歯に違和感や異常がなくとも、定期的に歯医者で検診やクリーニングを受けるのもおすすめです。
自身では気づけない初期の炎症を見つけてもらえたり、セルフケアでは届きにくい場所まで綺麗にしてもらえるため、炎症の発生の予防につながります。

歯科を探す

「歯の神経は再生する」って聞いたけど…本当?

歯の神経は再生するという話を聞きました。本当でしょうか…?
女性
医師女性
歯の神経は、「歯髄再生治療」で再生することができます。(歯髄=歯の神経)
国内外でも研究や治験が進んでおり、すでに治療法も確立されています。

\「歯髄再生治療」ってどんな治療?/

 

培養した「歯髄幹細胞」「G-CSF」という薬剤を、死んでしまった神経部分に移植する治療法です。

G-CSFによって幹細胞は歯の根に留まって、血管を新しくつくったり、神経を伸ばしたりして、神経が再生されていきます。 

 

移植する「歯髄幹細胞」は、抜いても影響の無い歯(親知らず等)を抜き、その細胞を使って培養します。

「歯髄再生治療」のメリット・デメリット

メリット

  • 自分の歯を使って対象となる歯の神経(歯髄)を再生できる
  • 歯の機能も再生できる
  • 変色した歯の見た目も綺麗になる

歯の神経が再生できると歯を長く保ちやすくなります。
ご自身の歯でしっかりと噛む行為は、栄養摂取の効率だけでなく脳の血流にも良いため、長生きにつながるとも考えられています。

デメリット

  • 幹細胞の増殖を経過観察するのに時間がかかる(半年~1年)
  • 治療費が高額

「歯髄再生治療」にかかる費用は?保険適用になる?

医師女性
対象となる歯の位置によって異なりますが、50~80万円前後の費用がかかります。
その他、血液や尿検査などの費用が別途かかります。

※現時点では保険適用にはなりません

「歯髄再生治療」は、どこで受けることができるの?

医師女性
「治療に使う設備が整っている歯医者」で治療を受けることができます。
すべての歯医者で治療を受けられるわけではありません。

歯髄再生治療をおこなっている歯科は、その旨を謳っていることが多いため、ホームページや電話で問い合わせてから受診しましょう。

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「神経を抜く」と判断されるとき

医師女性

「神経を抜く」と判断されるのは、

  • 神経にまで広がった虫歯
  • すでに神経が死んでいる
  • 食事が摂れないなど重度の知覚過敏

などの場合が多いです。

「神経を抜く」のは痛い?

医師女性
神経を抜く際には麻酔を使うため、個人差はありますが処置中に痛みを感じることは少ないと考えられます。

歯の根は骨に埋まっていて麻酔液を直接打つことはできないため、歯茎など周辺から対象の歯に向けて麻酔液を浸透させます。

「虫歯」である場合の神経の抜き方

医師女性

虫歯である場合は、まず神経が入っている空間(歯髄)に穴を開け、専用の器具で神経を抜きます。

神経を抜いたあとは、消毒をして薬を詰めて被せ物をして完了です。

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神経を抜いたその後「気をつけること」

医師女性

神経を抜いた後は、

  • 硬いものを噛まないようにする
  • 処置した部分は触れない

などに気をつけましょう。

神経を抜いたあとは、歯がもろくなっているため、治療期間中は硬いものは噛まないようにしてください。
治療直後は過敏になっているため、処置した部分はなるべく触れないようにしましょう。

歯科定期検診で健康な歯を守りましょう!

医師女性
定期的に歯科で検診を受けると、早い段階で歯の異常を発見し、治療につなげることが可能です。
3~6ヶ月に1度は歯科で検診を受け、歯を健康な状態に保ちましょう。

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