季節の変わり目は湿疹ができやすいってホント?
季節の変わり目に「全身に湿疹ができる理由」について、お医者さんに聞いてみました。
季節ごとにありがちな原因と対処法を紹介するので、湿疹に悩んでいる人は必読です。
監修者
経歴
札幌医科大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
関東労災病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
横浜市立大学附属病院 形成外科
を経て
平成30年10月より小田原銀座クリニックに勤務
令和2年6月よりよこはま港南台形成クリニックに勤務
なぜ?季節の変わり目に全身に湿疹が出る
季節の変わり目に湿疹ができている場合、下記の原因が考えられます。
季節
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原因
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春に多い
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花粉による肌への刺激
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夏に多い
|
紫外線
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秋に多い
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夏のダメージを受けた肌・寒暖差
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冬に多い
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肌の乾燥
|
なお、季節を問わず「睡眠不足」「食生活の乱れ」「スキンケア不足」などは、湿疹ができる要因となります。
以下、湿疹ができる「よくある原因」について、季節ごとに見ていきましょう。
【春に多い原因】花粉による肌への刺激
冬は肌が乾燥するため、バリア機能が低下しやすいです。
そこに、春先に増える花粉などの刺激が加わると、炎症を引き起こし、湿疹の原因となります。
特に、花粉にさらされる首や顔に湿疹ができやすいため、スキンケアが大切です。
春に湿疹ができやすい人の特徴
など
春に多い「花粉による湿疹」の症状チェック
- 肌がヒリヒリする
- 肌がカサつく
- 肌に赤みがみられる
- 首や顔に湿疹ができる
- 化粧品のノリが悪くなる
【夏に多い原因】紫外線
7~8月頃になると、紫外線や冷房による空気の乾燥の影響で、肌のバリアが低下し、湿疹ができやすくなります。
夏に湿疹ができやすい人の特徴
- 外にいる時間が長い
- アトピー体質
- 不規則な生活を送っている
- スキンケアが不足している
など
夏に出やすい湿疹の症状チェック
【秋に多い原因】夏のダメージを受けた肌・寒暖差
10~11月頃になると、夏の紫外線で受けたダメージや空気の乾燥によって、肌のバリア機能が低下し、湿疹ができると考えられます。
また、ブタクサなどの花粉が刺激となり、湿疹の原因となるケースも多いです。
秋に湿疹ができやすい人の特徴
- 夏に紫外線をたくさん浴びた
- 乾燥肌
- アトピー体質
- 不規則な生活を送っている
- スキンケアが不足している
など
秋に出やすい湿疹の症状チェック
- 肌がカサつく
- 洗顔後に肌がつっぱる
- 化粧のりが悪い
【冬に多い原因】肌の乾燥
冬の時期は空気が乾燥しているため、肌の水分量が減り、バリア機能が低下します。
さらに、「熱い湯船につかる」「暖房が効いた部屋で過ごす」ことも多くなりがちなため、肌が乾燥し、湿疹ができやすいです。
「保温インナー」が影響している可能性も
冬は、衣類の下に「保温インナー」を着用する人が多いです。
このインナーによく使われている「吸湿発熱繊維」という繊維により、汗などの水分が熱に変換され、湿疹の原因となっていることも考えられます。
特に肌が乾燥しやすい人は、皮膚の赤み・かゆみ・ぶつぶつなどの症状が出やすいです。
寒い時期に「保温インナー」をよく着るという人は、素材を綿100%のものに変えてみるとよいでしょう。
冬に湿疹ができやすい人の特徴
など
体が冷えると血行不良になり、肌の代謝が悪化して湿疹が出やすくなります。
冬に多い「肌の乾燥による湿疹」の症状チェック
季節の変わり目の湿疹のセルフケア
- 肌をこすらずに優しく洗う
- 保湿クリームや乳液で肌の乾燥を防ぐ
- 紫外線対策をする
- 6~8時間程度の睡眠時間を確保する
- ビタミンBを積極的に摂取する
湿疹を予防するには、上記のセルフケアが効果的です。
対処法① 肌をこすらずに優しく洗う
洗顔や体を洗う時は、肌への摩擦を起こさないように、優しく洗いましょう。
\洗うときのコツ/
- ボディーソープ・洗顔料を泡立てる
- 泡を肌にのせて優しく洗う
- ぬるま湯で洗い流す
また、熱いお湯は肌の乾燥の原因となります。入浴する際は、40度以下のぬるま湯に20分以内で済ませましょう。
対処法➁ 保湿クリームや乳液で肌の乾燥を防ぐ
洗顔後やお風呂上りに、保湿クリームや乳液で肌を保湿しましょう。
肌に負担をかけないように、優しく伸ばすように塗ってください。
保湿剤で肌の乾燥を防ぎ、バリア機能を保つことで、湿疹を予防することにつながります。
防腐剤・アルコール・香料などが含まれる保湿剤は、肌への刺激となる可能性があるため、注意して使用するようにしましょう。
対処法③ 紫外線対策をする
外出する際は、
などで、紫外線対策をしましょう。
紫外線対策は、夏だけでなく1年を通して意識してください。
紫外線は肌のバリア機能を低下させるため、湿疹予防のために対策が必要です。
日焼け止めは、「肌に負担が少ない」「石けんで洗い流せる」ものを選びましょう。
対処法④ 6~8時間程度の睡眠時間を確保する
6~8時間程度を目安に、しっかりと睡眠時間を確保しましょう。
朝すっきりと目覚められるように、0時までには寝るように心がけてください。
入眠の1~2時間前にぬるま湯につかると、眠りにつきやすくなります。
睡眠中は肌の細胞が修復・再生する時間なので、しっかり睡眠をとることで、湿疹などの肌トラブルを予防できます。
対処法⑤ ビタミンBを積極的に摂取する
卵や納豆などの、ビタミンB群が豊富な食品を積極的にとりましょう。
ビタミンB2やビタミンB6には、「皮膚・粘膜の健康を保つ働き」や「タンパク質の代謝を促進して健康な肌を作る働き」があります。
ビタミンBを豊富に含む食品
- 卵
- 納豆
- マグロ
- 鮭
- 赤パプリカ
- ほうれん草
- アーモンド
- バナナ
水溶性のビタミンB群を無駄なく摂取するために、スープや炊き込みご飯にしたり、生の状態で食べたりするのがおすすめです。
こんな湿疹は要注意!
- 湿疹が広がってくる
- ジュクジュクしてくる
- 水ぶくれができる
- かさぶたができる
- 腫れ・痛みが出現する
- 発熱を伴う
上記の症状が見られる湿疹は、「とびひ(伝染性膿痂疹)」が疑われます。
とびひとは、患部に「黄色ブドウ球菌」や「A群β溶血性連鎖球菌(溶連菌)」などの細菌が感染している状態です。
アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患がある人や、湿疹を掻きむしってしまう人は、発症しやすいので要注意です。
特に、こんな症状は早く病院へ
等の症状がある場合は、「皮膚科」で受診してください。
皮膚科では、アレルギー検査で何に対してアレルギーがあるのか調べてもらえるため、今後の予防にもつながります。
受診時に伝えるとよいこと
- 全身に湿疹が出始めた時期
- 花粉症などのアレルギーの有無
- 湿疹以外に悩んでいる症状
- アトピーの有無
- 過去にかかったことがある病気
受診の際に上記の点を伝えると、診察がスムーズに進むと考えられます。
皮膚科を探す
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
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2020-11-19
「首にだけ湿疹が出て痒い!」
湿疹の原因と対処法をお医者さんに聞きました。
病院へ行った方がいい症状もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
首にだけ痒い湿疹が出るのはなぜ?
首の皮膚は薄く、とてもデリケートです。
汗・髪の毛・化粧品等の刺激を多く受ける部分なので、湿疹等の肌トラブルが起こりやすいのです。
よくある3つの原因
首にだけ湿疹ができる場合、
皮脂欠乏性湿疹
かぶれ(接触性皮膚炎)
慢性単純性苔癬(神経皮膚炎)
などが原因になっているケースが多いです。
それぞれ詳しく解説します。
原因① 皮脂欠乏性湿疹
皮脂の量が減り、皮膚のバリア機能が損なわれると、刺激に対して肌は敏感になります。
その結果、かゆみを感じ、かきむしってしまうことで湿疹が生じます。
乾燥しやすい冬に起こりやすいです。
湿疹の特徴
皮膚が赤くなる
ブツブツする
色素沈着して黒ずむ
なりやすい人
皮脂や角質層の細胞間物質などの分泌量が減った高齢者に多いです。
石鹸で皮脂を落としすぎている人・アトピー性皮膚炎の素因を持つ人なども起こりやすいです。
脂欠乏性湿疹の対処法
熱いお風呂や、長時間の入浴は避けましょう。
低刺激の石鹸やボディーソープを選び、よく泡立ててから優しく洗ってください。
皮膚への刺激が少ない、肌触りの良い服や寝具を使用しましょう。
原因② かぶれ(接触性皮膚炎)
特定の原因物質に直接触れたことで、免疫系が反応を起こし、湿疹やかゆみが生じた可能性があります。
原因物質は金属(ニッケルやコバルトなど)・ゴム(ラテックスを含む)・抗菌薬・香水・保存剤などです。
また、それらの物質が汗と混ざる事によって、より強く反応を起こすことがあります。
湿疹の特徴
特定の物質に触れた部分だけ
皮膚が赤くなる
発疹のなかに小さい水ぶくれができる
腫れる
大きな水疱ができる
なりやすい人
20~30歳代と50~75歳代に多くみられます。
アレルギーを起こしやすい人など、体質も関係しています。
かぶれ(接触性皮膚炎)の対処法
皮膚科で原因物質を特定し、物質と接触しないように心掛けてください。
皮膚炎を起こす特定物質をわかっていたら、すぐに石鹸と水で洗い流してください。
かゆみは、濡らしたタオルなどで冷やすと和らぎます。
市販薬のヒドロコルチゾン(かゆみを抑える薬)もよいでしょう。
原因③ 慢性単純性苔癬(神経皮膚炎)
皮膚をかいたりこすったりすることで、皮膚に暗い色の斑が生じます。
湿疹の特徴
乾燥する
うろこ状のくずができる
皮膚が厚くなる
なりやすい人
20~50歳の人に起こりやすいです。
かき始める・続ける原因はまだわかっていませんが、心理的要因が関係していると考えられます。
慢性単純性苔癬(神経皮膚炎)の対処法
肌触りの良い服を選ぶ・アクセサリーを控える・髪の毛を結ぶなどして、刺激をできるだけ避けましょう。
第一に、かいたりこすったりすることを完全にやめましょう。
なかなか治らない場合は、皮膚科に相談しましょう。
病院ではコルチコステロイドをしみこませたサージカルテープを貼ったり、皮下注射をしたりします。
抗ヒスタミン薬の内服薬を使用する場合もあります。
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病院に行く目安
かゆみが治まらない
市販薬を使用しても改善されない
という場合は、病院に行きましょう。
受診するのは何科?
皮膚科を受診しましょう。
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▼参考
MSDマニュアル家庭版 慢性単純性苔癬(神経皮膚炎)
MSDマニュアル家庭 接触皮膚炎
日本皮膚科学会ガイドライン 接触皮膚炎診療ガイドライン 2020
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2020-06-05
「顔の湿疹が治らない!」
湿疹の原因と対処法をお医者さんに聞きました。
早く治す方法をはじめ、やってはいけない対処法も解説します。
病院へ行った方がいい症状もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
なぜ?顔の湿疹が、なかなか治らない!
顔の湿疹がなかなか治らない場合、アレルギー反応の可能性があります。
また、肌状態は健康状態にも左右されます。ストレスや疲れ、食生活の乱れなどでも湿疹が治らないがあります。
<アレルギーの原因の例>
花粉
ハウスダスト
乾燥
メイク
シャンプー
ボディソープ
金属
ずっと治らないと…どうなっちゃうの?
湿疹が慢性化すると、皮膚が硬くなり、黒ずみや跡が残ることがあります。
先生教えて!早く治す方法は?
「スキンケアのコツは?」「市販薬を何を選べばよいの?」
自宅でできる顔湿疹のセルフケア方法をご紹介します。
洗顔方法
皮脂の表面についた汚れをしっかりと洗い流すことが大切です。
<スキンケアの4ポイント>
低刺激の石けんを使う
優しく洗う(こすりすぎない)
石けんは少量を泡立てて使う
石けんが残らないように、しっかりすすぐ
スキンケアの方法
しっかり石鹸を洗い流した後は、乾燥を防ぐため保湿をします。
乾燥がひどくないときはローションタイプ、乾燥がひどい時はクリームタイプがおすすめです。まずは手を清潔にして行いましょう。こすらずに、力を入れず塗ります。傷口がある場所は避けましょう。
<ローションの場合>
適量を手のひらにとり、その後、手のひらで皮膚に馴染ませるようにやさしく伸ばします。
<クリームの場合>
人差し指でクリームをとって、肌に点在させ、その後、手のひらで皮膚に馴染ませるようにやさしく伸ばします。
皮膚の乾燥は湿疹や痒みの悪化につながります。保湿剤は刺激の少ないものを選び、優しく全体に伸ばすように塗りましょう。
市販薬の選び方
皮膚の炎症を抑えるもの:ステロイド外薬
痒みを伴うもの:抗ヒスタミン薬
原因にもよりますが、基本はステロイド外薬を使用します。
しかし、自己判断はせずに病院を受診することをおすすめします。
皮膚科を探す
やってはいけない“絶対NG”ケア
皮膚を清潔するために、強い力で顔を洗うと皮膚を傷つけてしまい、逆効果になります。
また、1日のうちに何度も洗顔を行うと、皮膚が乾燥してバリア機能が低下してしまうため、注意しましょう。洗顔は、1日2回~3回ほどでよいでしょう。
セルフケアでは治りにくいことも!
セルフケアでは湿疹の原因がわかりません。
そのため、皮膚科を受診して、原因にあった薬を処方してもらうことをおすすめします。
肌荒れで、皮膚科に行ってもいいの?
肌荒れで皮膚科を受診しても大丈夫です。
肌荒れの原因は、人によって様々です。
そのため、原因を突き止めて正しい治療をすることが、早く治すためには必要になります。
また、合わない市販薬を使い続けるより、症状に合った薬を使う方が、金銭的にも安く済みます。
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湿疹が出る病気の場合も…
湿疹がでる「病気」のケースもあります。
病気1. 光線過敏症
日光アレルギーとも呼ばれます。
日光に皮膚が過敏に反応して、炎症が生じることをいいます。
<湿疹の特徴>
日光にあたると、赤くなり炎症を起こす
皮膚が腫れる
水ぶくれができる
かゆみを伴う
病気2. 帯状疱疹
水疱瘡のウイルスによって発症する感染症です。水疱瘡にかかったことのある人なら、誰でもなる可能性があります。
体の片方だけ(右半身だけ、左半身だけ)に症状が出ている場合は、帯状疱疹の可能性が高くなります。
水疱瘡は、治癒してもウイルスが体内に残っています。
ストレスや疲れ、加齢などが原因で免疫力が低下した際に、潜伏していたウイルスが活性化し、皮膚に発疹が起こります。
<湿疹の特徴>
数日間、神経痛のような痛みがある
水ぶくれのような赤い発疹が現れる
強い痛みが起こる
病気3.アトピー性皮膚炎
肌のバリア機能が低下し、皮膚が炎症を起こし、かゆみや湿疹を繰り返す病気です。
<湿疹の特徴>
かゆみがある
赤みやささくれだって皮が剥ける
良くなったり、悪くなったりを繰り返す
病気4.全身性エリテマトーデス
原因が不明な難病です。
自分の体を自分の免疫が攻撃をし、自己免疫反応により自分の体に様々な炎症が起こる病気です。
38度以上の発熱や全身倦怠感、関節痛などの症状が現れます。
<湿疹の特徴>
顔や耳、首の周りなどに蝶の羽のような紅斑がでる
痛みやかゆみはない
こんな症状なら皮膚科へ
基本的に、湿疹が出たら早めに皮膚科を受診しましょう。
跡が残ってしまったり、早く治すのを予防するためにも、早期受診が大切です。
特に、
湿疹が増える
湿疹に痛みがある
発熱
疲労感
全身倦怠感
食欲不振
という症状を伴う場合は、悪化していたり、深刻な病気の可能性もあるのですぐに受診するようにしましょう。
病院での治療法
塗り薬や飲み薬で治療を行います。
皮膚科を探す
参考
公益財団法人 日本皮膚科学科会
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa7/s2_q05.html
第一三共ヘルスケア ひふ研
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_hifuken/symptom/shisshin/
かゆみナビ
https://www.kyowakirin.co.jp/kayumi/
東京医科大学病院 お薬のしおり
https://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/shinryo/yakuzai/data/138.pdf