なぜ?「季節の変わり目に全身に湿疹ができる」よくある原因を季節別に。対処法も解説。

更新日:2022-11-25 | 公開日:2022-11-25
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なぜ?「季節の変わり目に全身に湿疹ができる」よくある原因を季節別に。対処法も解説。

季節の変わり目は湿疹ができやすいってホント?

季節の変わり目に「全身に湿疹ができる理由」について、お医者さんに聞いてみました。

季節ごとにありがちな原因と対処法を紹介するので、湿疹に悩んでいる人は必読です。

監修者

よこはま港南台形成クリニック

本間有貴先生

経歴

札幌医科大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
関東労災病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
横浜市立大学附属病院 形成外科
を経て
平成30年10月より小田原銀座クリニックに勤務
令和2年6月よりよこはま港南台形成クリニックに勤務

なぜ?季節の変わり目に全身に湿疹が出る

医師女性
季節の変わり目に湿疹ができている場合、下記の原因が考えられます。

季節

原因

春に多い

花粉による肌への刺激

夏に多い

紫外線

秋に多い

夏のダメージを受けた肌・寒暖差

冬に多い

肌の乾燥

なお、季節を問わず「睡眠不足」「食生活の乱れ」「スキンケア不足」などは、湿疹ができる要因となります。

以下、湿疹ができる「よくある原因」について、季節ごとに見ていきましょう。

【春に多い原因】花粉による肌への刺激

医師女性

冬は肌が乾燥するため、バリア機能が低下しやすいです。

そこに、春先に増える花粉などの刺激が加わると、炎症を引き起こし、湿疹の原因となります。

特に、花粉にさらされるに湿疹ができやすいため、スキンケアが大切です。

春に湿疹ができやすい人の特徴

  • 乾燥肌
  • アトピー体質
  • 睡眠不足

など

春に多い「花粉による湿疹」の症状チェック

  • 肌がヒリヒリする
  • 肌がカサつく
  • 肌に赤みがみられる
  • 首や顔に湿疹ができる
  • 化粧品のノリが悪くなる

【夏に多い原因】紫外線

医師女性
7~8月頃になると、紫外線冷房による空気の乾燥の影響で、肌のバリアが低下し、湿疹ができやすくなります。

夏に湿疹ができやすい人の特徴

  • 外にいる時間が長い
  • アトピー体質
  • 不規則な生活を送っている
  • スキンケアが不足している

など

夏に出やすい湿疹の症状チェック

  • 肌がカサカサする
  • 毛穴が目立つ

【秋に多い原因】夏のダメージを受けた肌・寒暖差

医師女性
10~11月頃になると、夏の紫外線で受けたダメージ空気の乾燥によって、肌のバリア機能が低下し、湿疹ができると考えられます。

また、ブタクサなどの花粉が刺激となり、湿疹の原因となるケースも多いです。

秋に湿疹ができやすい人の特徴

  • 夏に紫外線をたくさん浴びた
  • 乾燥肌
  • アトピー体質
  • 不規則な生活を送っている
  • スキンケアが不足している

など

秋に出やすい湿疹の症状チェック

  • 肌がカサつく
  • 洗顔後に肌がつっぱる
  • 化粧のりが悪い

【冬に多い原因】肌の乾燥

医師女性

冬の時期は空気が乾燥しているため、肌の水分量が減り、バリア機能が低下します。

さらに、「熱い湯船につかる」「暖房が効いた部屋で過ごす」ことも多くなりがちなため、肌が乾燥し、湿疹ができやすいです。

「保温インナー」が影響している可能性も

 

冬は、衣類の下に「保温インナー」を着用する人が多いです。

このインナーによく使われている「吸湿発熱繊維」という繊維により、汗などの水分が熱に変換され、湿疹の原因となっていることも考えられます。

特に肌が乾燥しやすい人は、皮膚の赤み・かゆみ・ぶつぶつなどの症状が出やすいです。

寒い時期に「保温インナー」をよく着るという人は、素材を綿100%のものに変えてみるとよいでしょう。

冬に湿疹ができやすい人の特徴

  • 冷え性
  • 乾燥肌
  • アトピー体質
  • 睡眠不足

など

体が冷えると血行不良になり、肌の代謝が悪化して湿疹が出やすくなります。

冬に多い「肌の乾燥による湿疹」の症状チェック

  • 肌のカサつき
  • 肌が粉をふいている
  • 肌のかゆみ

季節の変わり目の湿疹のセルフケア

  • 肌をこすらずに優しく洗う
  • 保湿クリームや乳液で肌の乾燥を防ぐ
  • 紫外線対策をする
  • 6~8時間程度の睡眠時間を確保する
  • ビタミンBを積極的に摂取する
医師女性
湿疹を予防するには、上記のセルフケアが効果的です。

対処法① 肌をこすらずに優しく洗う

医師女性
洗顔や体を洗う時は、肌への摩擦を起こさないように、優しく洗いましょう。

\洗うときのコツ/

  • ボディーソープ・洗顔料を泡立てる
  • 泡を肌にのせて優しく洗う
  • ぬるま湯で洗い流す

また、熱いお湯は肌の乾燥の原因となります。入浴する際は、40度以下のぬるま湯に20分以内で済ませましょう。

対処法➁ 保湿クリームや乳液で肌の乾燥を防ぐ

スキンケア

医師女性

洗顔後お風呂上りに、保湿クリームや乳液で肌を保湿しましょう。

肌に負担をかけないように、優しく伸ばすように塗ってください。

保湿剤で肌の乾燥を防ぎ、バリア機能を保つことで、湿疹を予防することにつながります。

防腐剤・アルコール・香料などが含まれる保湿剤は、肌への刺激となる可能性があるため、注意して使用するようにしましょう。

対処法③ 紫外線対策をする

紫外線対策

医師女性

外出する際は、

  • 日焼け止めを塗る
  • 日傘や帽子を利用する

などで、紫外線対策をしましょう。

紫外線対策は、夏だけでなく1年を通して意識してください。

紫外線は肌のバリア機能を低下させるため、湿疹予防のために対策が必要です。

日焼け止めは、「肌に負担が少ない」「石けんで洗い流せる」ものを選びましょう。

対処法④ 6~8時間程度の睡眠時間を確保する

医師女性

6~8時間程度を目安に、しっかりと睡眠時間を確保しましょう。

朝すっきりと目覚められるように、0時までには寝るように心がけてください。

入眠の1~2時間前にぬるま湯につかると、眠りにつきやすくなります。

睡眠中は肌の細胞が修復・再生する時間なので、しっかり睡眠をとることで、湿疹などの肌トラブルを予防できます。

対処法⑤ ビタミンBを積極的に摂取する

卵

医師女性
卵や納豆などの、ビタミンB群が豊富な食品を積極的にとりましょう。

ビタミンB2やビタミンB6には、「皮膚・粘膜の健康を保つ働き」や「タンパク質の代謝を促進して健康な肌を作る働き」があります。

ビタミンBを豊富に含む食品

  • 納豆
  • マグロ
  • 赤パプリカ
  • ほうれん草
  • アーモンド
  • バナナ

水溶性のビタミンB群を無駄なく摂取するために、スープ炊き込みご飯にしたり、生の状態で食べたりするのがおすすめです。

こんな湿疹は要注意!

こんな湿疹は要注意!

  • 湿疹が広がってくる
  • ジュクジュクしてくる
  • 水ぶくれができる
  • かさぶたができる
  • 腫れ・痛みが出現する
  • 発熱を伴う
医師女性
上記の症状が見られる湿疹は、「とびひ(伝染性膿痂疹)」が疑われます。

とびひとは、患部に「黄色ブドウ球菌」や「A群β溶血性連鎖球菌(溶連菌)」などの細菌が感染している状態です。

アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患がある人や、湿疹を掻きむしってしまう人は、発症しやすいので要注意です。

特に、こんな症状は早く病院へ

医師女性
  • 湿疹の範囲が広がっている
  • かゆくて眠れない

等の症状がある場合は、「皮膚科」で受診してください。

皮膚科では、アレルギー検査で何に対してアレルギーがあるのか調べてもらえるため、今後の予防にもつながります。

受診時に伝えるとよいこと

  • 全身に湿疹が出始めた時期
  • 花粉症などのアレルギーの有無
  • 湿疹以外に悩んでいる症状
  • アトピーの有無
  • 過去にかかったことがある病気
医師女性
受診の際に上記の点を伝えると、診察がスムーズに進むと考えられます。

皮膚科を探す

※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。

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