燃焼した脂肪は、尿で排出されるの?
脂肪の排出と尿の色の関係ついて、専門家に聞いてみました。
脂肪の燃焼を促す「おすすめの生活習慣」も併せて解説します。
監修者
株式会社Luce/健康検定協会
日本エステティシャン協会認定フェイシャルエステティシャン
徳満友美先生
経歴
大手エステティックサービスの提供、技術営業指導員を経て、化粧品、健康食品会社にてスタッフ育成、その後美容皮膚科にて運営、企画を行う。
株式会社Luceでは健康、医療情報メディカルアカデミーを担う。
脂肪を排出した尿は「色」が変化する?
運動した後は、尿の色がいつもよりも濃い気がします。
これって、燃焼した脂肪が排出されている証拠なのでしょうか?
燃焼した脂肪のほとんどは呼吸で排出されるため、尿の色の違いとして気づくことはないでしょう。
運動後に濃い色の尿が出ている場合、発汗によって水分が失われ、尿の成分が凝縮されている可能性が高いです。
「濃いオレンジ色の尿」が出る理由
- 体内の水分が少ない(朝一番の尿など)
- ビタミン剤を飲んで、そのまま尿から排出されている(ビタミンB群など)
- 肝臓に異常がある
「白濁した色の尿」が出る場合は、食生活に注意
などを食べすぎていると、尿が白く濁って見えることがあります。
これは「シュウ酸カルシウム」という成分が尿に多く含まれているからです。
この状態は、「膀胱結石」や「尿路結石」につながりやすいため、食生活を見直すことをおすすめします。
「ケト―シス状態」の尿は、見た目でわかる?
ケトーシス状態は尿の臭いでわかることが多いですが、見た目では分かりづらいです。
ケトーシス状態になると、
- 甘酸っぱいような臭い(ケトン臭)
- 甘い臭い(アセトン臭)
が強くなる傾向があります。
ケトーシス状態とは…
ケトーシス状態とは、糖分の代わりに脂肪をエネルギー源として使っている状態です。
過度の糖質制限を行い、ダイエットのためにあえてこの状態を目指す人もいます。
ただし、健康に悪影響を及ぼす危険性があるため、ケトーシス状態を目指すダイエット法はおすすめできません。ダイエットは「栄養バランスのよい食事」をベースに行いましょう。
脂肪を上手に燃焼&排出させるには?
- 根菜類・香辛料・薬味を多めにとる
- 有酸素運動を行う
- 筋力をアップする
- 水分を十分に摂取する
- 腸内環境を整える
脂肪をしっかりと燃焼させて排出するには、上記の5点を心がけるとよいでしょう。
① 根菜類・香辛料・薬味を多めにとる
根菜類・香辛料・薬味を多めにとると、基礎代謝が上がり、脂肪をため込みにくい状態をサポートしてくれます。
根菜類
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にんじん/大根/ごぼう/サツマイモ/山芋 など
|
香辛料
|
唐辛子/ニンニク/しょうが/ワサビ/ごま など
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薬味
|
ネギ/大根おろし/しそ/海苔 など
|
※食事は3食欠かさず、栄養バランスのとれたメニューを心がけてください。
② 有酸素運動を行う
20~30分以上行うと、脂肪が効率よく燃焼されると考えられています。
③ 筋力をアップする
などを行い、筋力をつけましょう。
基礎代謝が上がり、ダイエットに効果的です。
筋トレは2~3日に1度のペースで、長く続けることが大切です。
その④ 食事の前に水分をとる
食事の前に1杯の水や白湯をとりましょう。
「基礎代謝の向上」や「食べすぎの防止」につながります。
あまり動かない人でも、1日にトータル2リットル以上の水分が必要です。水分はこまめにとるようにしましょう。
その⑤ 腸内環境を整える
腸内環境が整うと、余計な脂肪をためにくくなります。
腸内環境を改善するためには、下記の食品・飲料を積極的にとりましょう。
腸内環境を整える「食べ物・飲み物」
- キムチ
- 納豆
- 漬物
- 乳酸飲料
- 乳酸菌を含むヨーグルト
など
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2022-03-31
「糖質制限をやめてよかったことを知りたい!」
「リバウンドしないように、糖質制限をやめる方法はある?」
糖質制限をやめることで得られるメリットを、栄養士さんに聞いてみました。
「糖質制限のやめどき」や「リバウンドを防ぐ方法」も解説していきます。
【体験談】糖質制限をやめてよかった!
ストレスに気付き、糖質制限をやめました。
普通のご飯量に戻してからは、まず、体のだるさが取れました。体を動かすことも苦にならなくなり、たくさん動くことによりストレスが減りました。糖質制限も大事だとは思いますが、健康でいることの方が大事ですので、なにかの情報を鵜呑みにせず、体の声をしっかり聞くことが大事だと思います。
(30代女性)
糖質制限中は、イライラしたり寝つきが悪かったりという日々が続きました。
ストレスのせいで、ダイエットが上手くいくどころか、肌荒れなどトラブルも増えてしまいましたが、糖質制限をやめてからは快適に過ごせました。
(30代女性)
糖質制限をやめて良かったことは、食事をストレスなく食べられる点と、摂取カロリーと消費カロリーのバランスを考えて食事を摂取するようになったことです。
(30代男性)
糖質制限をしているときは確かに痩せます。
しかし、ずっと我慢して継続する必要があります。むしろ、糖質をとってウォーキングや水泳、自転車などの運動をした方が結果的に長続きしたためです。
(40代男性)
糖質制限をやめると…こんないいことがあるかも
糖質制限をやめることには、
甘いものを欲しなくなる
代謝が上がり、体脂肪が減る
イライラしにくくなる
体臭、口臭が無くなる
といったメリットが挙げられます。
その① 甘いものを欲しなくなる
糖質制限を止め、適正量の糖質を摂るようになると、体に糖質が足りてくるため甘いものへの欲求がなくなっていきます。
糖質制限中は、体内の糖質の量が枯渇した状態となるため、糖質への欲求が強くなり、甘いものへの欲求が強まりやすい状態です。
その② 代謝が上がり、体脂肪が減る
糖質制限を止めると、代謝も上がり体の中の脂肪も燃えやすくなるので、体脂肪も減ってきます。
その③ イライラしにくくなる
糖質制限をやめ、脳へのエネルギーが十分に届くことでイライラしにくくなり、ストレスも軽減されます。
脳のエネルギー源でもある糖質が不足していると集中力がなくなり、イライラしやすくなります。
その④ 体臭・口臭が無くなる
糖質制限を止めることで、体臭や口臭が甘酸っぱい臭いになることを防ぎます。
糖質制限をしていると、体に蓄積された脂肪をエネルギーに変えるようになります。
この時に「ケトン体」という物質が作られます。このケトン体は酸性物質のため、体臭や口臭のもととなります。
こんな人は「糖質制限をやめどき」かも
体重が減らない
イライラすることが多い
筋力が低下したように感じる
甘いものへの欲求を抑えきれない
ふらつき・めまいがする
といった状態は、「糖質制限のやめどき」と言えるでしょう。
その① 体重が減らない
ダイエットには停滞期があり、糖質制限していても体重が落ちなくなることがあります。
このときに過度な食事制限を行ってしまうと、栄養失調になったり、代謝が下がって痩せにくい体になったりするリスクがあります。
体重が減らないときは、きちんと糖質を摂って代謝を高めた方が痩せやすくなります。
その② イライラすることが多い
脳のエネルギー源である糖質が不足することで、イライラしやすくなります。
常にストレス状態にあるので、食への欲求も高まり、過食につながってしまいます。
その③ 筋力が低下したように感じる
糖質制限をしていると、筋肉をエネルギーに変えて使ってしまうことがあり、筋肉量が減ることがあります。
筋肉が減ると痩せにくくなるため、この場合は糖質を適量摂りながらダイエットする方が効果的です。
その④ 甘いものへの欲求を抑えられない
我慢の反動で過食してしまうようであれば、それは逆効果です。
甘いものが食べたくてイライラするときは、糖質制限を止めて適度な糖質摂取を行った方がよいです。
その⑤ ふらつき・めまいがする
過度な糖質制限が続くと、ふらつき・めまいを起こすことがあります。
これは体に必要なエネルギーと栄養素が足りていない状態なので、非常に危険です。
命に関わる恐れもあるため、ふらつき・めまいを感じるときはすぐに糖質制限を止めましょう。
「リバウンドしない」ように、糖質制限をやめる方法
リバウンドの原因は「カロリーの摂りすぎ」です。
まずは、主食・主菜・副菜の揃ったバランスの良い食生活を心がけましょう。
糖質制限中にタンパク質や脂質中心の食生活を送っていた人は、糖質を増やす分タンパク質・脂質を減らして調整するとよいでしょう。
また、我慢して無理に食事制限をしていた人ほど、反動で暴飲暴食してしまいやすいです。
ストレスを感じたときは、食べること以外の方法で心をリフレッシュさせるようにしましょう。
▼参考
e-ヘルスネット
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2022-07-01
「おしっこが臭い…もしかして、何かの病気?」
「女性の場合は何科に行くべき?」
“尿の臭いが気になっている女性”におすすめの診療科を、お医者さんに聞きました。
臭いの特徴によっては、膀胱炎や糖尿病などの病気も疑われます。
心当たりのある症状がないかチェックしましょう。
女性の「尿が臭くなる病気」の代表例
最近、尿の臭いが気になります。病気かもしれないと不安なのですが…女性の場合、どんな原因が考えられますか?
尿が臭う病気としては、「膀胱炎」(尿路の細菌感染)や「糖尿病」などが挙げられます。
病気の例
尿の臭いの特徴
膀胱炎(尿路感染症)
アンモニア臭(刺激臭)
糖尿病
果物のような甘い臭い
リンゴの熟しきった臭い
除光液の様な臭い
「病気ではない」ケースもある!
ストレス・疲労過多
更年期症状
飲食した物の影響(コーヒー・ニンニク・香辛料など)
薬剤・サプリメントの服用
などが原因で尿が臭うこともあります。
上記のいずれかに心当たりがあり、特に不調がないのであれば、一旦様子を見るのもよいでしょう。
こんな症状がでたら、すぐに病院へ!
尿の臭いに加えて、
38度以上の発熱
背中の痛み(背中を叩くと片側に痛みが生じる)
血尿
尿の色が黄白色
等の症状がある場合は、早急に病院を受診してください。
尿路感染症の場合、細菌が腎臓まで達してしまい、腎盂腎炎(※)を発症していることもあります。
また、糖尿病などの重い病気を見逃してしまう恐れもあります。
心当たりのある方は放置しないようにしましょう。
※腎盂腎炎(じんうじんえん):腎臓の尿をためるところが炎症を起こしている状態
「病院は何科に行けば…?」婦人科と泌尿器科
「尿の異臭」に伴う症状
疑われる病気
おすすめの診療科
排尿痛
血尿
残尿感・頻尿
膀胱炎
婦人科/泌尿器科
38度以上の発熱
背中の痛み
腎盂腎炎
泌尿器科
おりものの増加・悪臭
下腹部痛
膣炎
婦人科
頻尿・尿量の増加・残尿感
全身の倦怠感・疲労感
異常にのどが渇く
目がかすむ・視力低下
手足のしびれ
皮膚のかゆみ・乾燥
立ちくらみ
食べているのに痩せる
糖尿病
内科
尿の臭いだけでなく、伴う症状に合わせて診療科を選ぶとよいでしょう。
上記の表にある症状に心当たりがないか、チェックしてみてください。
「排尿痛・おりものの異常」などがある方は、「婦人科」で相談できます。
ただし、高熱など「腎盂腎炎」が疑われる症状があるときは、「泌尿器科」で受診してください。
泌尿器科に行くと、膀胱や尿道に関する専門の治療が受けられます。
また、糖尿病の症状に当てはまるときは、「内科」で相談しましょう。
特に「尿から甘い臭いがする」・「異常に喉が渇く」などの症状は、糖尿病の進行が疑われるため要注意です。
医師に伝えるポイント
尿からどんな臭いがするか
尿が臭い始めた時期
尿の臭い以外の症状
今までに患った病気
服用中の薬・サプリメント
受診の際は上記の点を医師に伝えると、診察がスムーズに進みます。
泌尿器科を探す
婦人科を探す
内科を探す
尿が臭くなる2大疾患を徹底解説
① 膀胱炎(尿路感染症)
膀胱炎とは、大腸菌等の細菌が尿道に侵入し、膀胱に炎症を起こしている状態です。
この場合、尿が出てすぐ、鼻につくような刺激臭(アンモニア臭)を感じることが多いです。
尿の臭いを感じるのは、膀胱で増殖した細菌が尿素と反応し、アンモニアが発生するためだと考えられています。
臭い以外には、
尿が濁る
尿に血が混ざる
排尿時・排尿後に痛みが生じる
頻尿・残尿感
等の症状が出ることがあります。
「膀胱炎になりやすい人」の特徴
トイレに行くことを我慢してしまう
ビデを頻繁に使用している
ストレス・疲労過多
冷え性
上記に心当たりがある女性は、膀胱炎になりやすいといえます。
膀胱炎は女性に多く、子どもから高齢者まで、幅広い世代で発症します。
病院に行くべき症状
頻尿(トイレに行く回数が増えた)
尿が濁っている
排尿時・排尿後の痛みが強い
血尿が出た
38度以上の発熱
背中の痛み
上記の症状が出ている場合は、早急に「泌尿器科」または「婦人科」を受診してください。
個人差がありますが、膀胱炎は3~7日間程度、抗生剤を服用することで症状が改善します
なお、症状が軽ければ、自然治癒することもあります。
自宅で様子を見る場合は、水分をしっかり摂って、トイレを我慢しないように気を付けましょう。
泌尿器科を探す
よくある原因② 糖尿病
糖尿病は、高血糖状態が慢性的に続き、血管にダメージを与えてしまう病気です。
症状がある程度進行すると、尿からリンゴの熟しきった臭い・除光液の様な臭いがすると言われています。
糖尿病の方は、インスリンが十分に機能せず、体が糖を上手く利用できない状態です。
この状態が続くと、エネルギーを得るために脂質を分解するようになります。
尿から甘い臭いがするのは、脂質の分解によって「ケトン」という物質が生成されるからです。
「糖尿病になりやすい人」の特徴
肥満
過食・暴飲暴食
アルコールの過剰摂取
運動不足
ストレス過多
不規則な生活習慣
上記に心当たりがある方は、糖尿病になりやすいといえます。
糖尿病は、中高年世代に多くみられます。
病院に行くべき症状
尿量が多くなっている
トイレが近くなっている
夜中に何度もトイレに行く
食べているのに痩せていく
喉が渇きやすい
全身の倦怠感
手足のしびれ
上記の症状に心当たりがある方は、早急に「内科」で受診しましょう。
糖尿病を自然に治すことはできません。
放置すると、腎不全・失明・神経障害・心筋梗塞といった深刻な合併症を患うリスクがある怖い病気です。
糖尿病を改善させるには、医師の指導のもとで運動療法・食事療法などを受ける必要があります。
疑われるときは早めに病院を受診して、体の状態を調べてもらいましょう。
内科を探す
▼参考
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト 糖尿病
大塚製薬株式会社 「尿」で知る腎臓の病気
兵庫県保険医協会 オシッコの色やにおいと病気
公益財団法人長寿科学振興財団 尿路感染症(膀胱炎など)