歯茎が腫れて「痛くない・固い」のは骨隆起の可能性大。癌との違いは？

「歯茎が腫れて固い…でも痛くない」
「これって大丈夫？」

歯茎の固い腫れの正体を、歯医者さんに聞いてみました。
問題のないケース、癌が疑われる要注意なケースを詳しく解説します。

監修者

歯科医

菊地 由利佳先生

経歴

歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。

歯茎が腫れて「痛くない・固い」のは骨隆起の可能性大

歯茎が腫れているのに痛くない、腫れている部分が固いという場合、「骨隆起」の可能性が高いと考えられます。

「骨隆起」とは、歯を支えている骨の表面が過剰に増殖して作られた“コブ状の骨の塊”です。何らかの炎症や腫瘍等が原因で発生するものではないため、基本的に痛みはありません。下顎の内側・上顎の中心部・歯槽骨（歯を支える骨）に発生しやすいです。

「骨隆起」って怖い病気なの？

骨隆起は“骨の塊”であり、基本的に体への悪影響はないため、怖い病気ではありません。

骨隆起ができる「原因」って？

骨隆起ができる原因ははっきりと分かっていませんが、

• 噛みしめる力の強さ
• 遺伝的要因

などが発症に関わっていると言われています。

噛みしめる力が強いと、顎骨（歯茎の骨）に負担がかかり、その刺激で骨が隆起すると考えられています。

骨隆起ができた場合の「対処法」

「気にならないくらいの大きさで痛みがない」といった場合には、そのまま様子をみるという選択ができます。

骨隆起は、部分的に骨が盛り上がっている状態で、基本的には体に悪影響を与えるものではありません。

口の中で邪魔にならなければ、特に治療を受ける必要はないと考えられています。

ただし、こんなときは歯医者で相談を

• 痛みが出てきた
• 歯茎に傷ができている
• 口内炎を繰り返す
• 骨隆起が大きくて喋りにくい
• どんどん大きくなって日常生活に支障が生じている

などの症状がある人は、歯科口腔外科を受診してください。

骨隆起は、小さくなったり、自然に治ったりすることはありません。
口の中で邪魔になってしまう場合は、切除が必要になります。

歯科口腔外科を探す

骨隆起の「治療法」

骨隆起の治療法には、

• マウスピース
• 骨隆起を切除する手術

などがあります。

また、骨隆起の部分に食べ物などが当たることで「痛みや潰瘍が生じた場合」は、口内炎に用いる塗り薬を使用するケースもあります。

治療法①　マウスピース

顎骨に掛かる強い力を緩和するために、マウスピースを使用する場合があります。

噛む力を緩和することで、それ以上大きくなったり、骨隆起が骨折したりするリスクを減らします。

治療にかかる費用は？

保険適用（3割負担）になり、通常3～6千円程度です。

治療方②　骨隆起を切除する手術

骨隆起は、局所麻酔で比較的簡単に切除できるケースが多いです。

手術が検討されるケースとして、

• 義歯（入れ歯）を作成する際に骨隆起が邪魔
• 骨が邪魔でしゃべりにくい
• 物を食べにくい
• 歯磨きが困難になり、虫歯や歯周病を起こしやすくなっている

などが挙げられます。

治療にかかる費用は？

保険適用（3割負担）になり、通常2～3千円程度になります。

歯科口腔外科を探す