重度の歯肉退縮｜歯茎が下がって歯が抜けそう…元に戻せる？治療法は？

「歯茎が下がって歯が抜けそう…これって大丈夫？」
「原因を教えて…！」

“重度の歯肉退縮の原因”を歯医者さんに聞きました。
歯がぐらつく人は、歯周病が疑われるので要注意です。

歯科での治療法、放置のリスクも併せて解説します。

監修者

歯科医

菊地 由利佳先生

経歴

歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。

なぜ？「歯茎が下がって歯が抜けそう」

1. 重度の歯周病
2. 過度のブラッシング
3. 加齢

などが原因で、歯肉退縮（※）が起こっていると考えられます。

※歯肉退縮…歯茎が下がって歯の根の表面がみえてしまう状態

原因①　重度の歯周病（歯槽膿漏）

歯周病が進行すると、歯肉の炎症によって歯茎がどんどん下がっていきます。
徐々に「歯を支えている骨」が溶かされていき、重度になると歯のぐらつきを感じます。

歯周病の原因は歯垢・歯石の蓄積です。
普段の歯磨きが不十分な人は、歯周病が悪化しやすいので要注意です。

原因②　過度のブラッシング

過度の力でブラッシングを続けていると、歯茎に負荷がかかり、歯肉が退縮してしまうことがあります。

歯肉も皮膚なので、何度も強い力で傷つけられていると再生が追いつかなくなり、その部分の皮膚が縮んでしまうのです。

原因③　加齢

お口が健康な状態でも、加齢に伴って歯肉退縮が起こります。
大体40代後半ぐらいから加齢による「歯肉退縮」を実感する方が多いようです。

特に歯周病がある人、歯磨きが強すぎる人は、加齢に伴う歯肉退縮がより早く進みます。

このまま放置したら歯が抜ける？

歯周病による歯茎の下がりの場合、放置すると歯が抜けてしまうこともあります。

下がった歯茎は自力で元に戻せる？

一度下がってしまった歯茎は、セルフケアでの改善は難しいです。

歯茎の状態を改善させたいのであれば、歯科治療を受ける必要があります。

歯科を探す

歯医者さんでできる「重度の歯肉退縮」の治療法

「重度の歯肉退縮」の場合の歯医者では、

1. 歯肉移植
2. 歯周病治療

を行います。

治療法①　歯肉移植

歯茎の健康な部位を切り取って、退縮している部分に移植する外科治療です。

加齢や過度のブラッシングなどが原因の場合に行われることが多いです。
また、歯周病治療で歯肉退縮が改善しない場合にも検討されます。

治療法②　歯周病治療

歯周病の原因となっている歯石、歯垢を取り除く治療です。
口の中の歯周病菌を減らし、少しずつ健康な状態に戻していきます。

歯垢・歯石は「スケーラー」という専用器具を使用して取り除きます。
歯の表面、歯の根元まで隅々と掃除をしますが、歯石が歯茎の奥まで溜まっている場合には手術も検討されます。

また、歯肉退縮を起こすまで歯周病が進行していると、歯茎が元に戻ることは少ないです。
歯が抜けそうな人には、歯周病治療を終えた後に「歯肉移植」をすることもあります。

「歯茎が下がって歯が抜けそう」なときはすぐに歯医者さんへ！

歯周病が原因の場合、歯が抜け落ちてしまうリスクがあります。
歯が抜けそうなほどに歯茎が下がっているときは、できるだけ早く歯医者で受診してください。

歯は体の健康にもつながるため、放置せず治療を受けましょう。

また、受診が早ければ早いほど、治療期間・費用面などの負担も抑えやすくなります。

歯科を探す