女性が「膀胱炎を繰り返す」ときは、婦人科?泌尿器科?診察では…見せなきゃダメなの?

更新日:2023-04-25 | 公開日:2022-07-28
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女性が「膀胱炎を繰り返す」ときは、婦人科?泌尿器科?診察では…見せなきゃダメなの?

「何度も膀胱炎に繰り返す…」
「病院は婦人科に行けばいいの?」

女性が膀胱炎を繰り返す原因について、お医者さんに聞いてみました。

「泌尿器科に行くケース」と「婦人科に行くケース」も紹介しているので、診療科に迷っている人は必読です。

監修者
荒牧 竜太郎 先生

荒牧内科
院長

荒牧 竜太郎先生

経歴

福岡大学病院
西田厚徳病院
平成10年 埼玉医科大学 卒業
平成10年 福岡大学病院 臨床研修
平成12年 福岡大学病院 呼吸器科入局
平成24年 荒牧内科開業

女性に多い「膀胱炎を繰り返す6つの原因」

  1. 尿を我慢する習慣
  2. 水分の摂取不足
  3. 便秘・下痢
  4. 「抗菌薬」の効き目が悪い
  5. 膣内の免疫機能が低下している
  6. 「細菌性膣症」を患っている
医師男性
膀胱炎は、尿道に細菌が感染することで発症します。
女性が膀胱炎を繰り返す場合、原因として上記の6つが考えられます。

それぞれ解説していきますので、心当たりのあるものがないか確認してみましょう。

原因① 尿を我慢する習慣

医師男性
膀胱内で尿が溜まる時間が長くなると、膀胱内で細菌が繁殖しやすくなり、膀胱炎の発症リスクが上昇します。

原因② 水分の摂取不足

医師男性

水分の摂取量が少ないと、尿が排出されにくくなります。

その結果、雑菌が膀胱で繁殖しやすくなり、膀胱炎の発症につながります。

原因③ 便秘・下痢

医師男性
便秘・下痢が多い人は、便に含まれる細菌が尿道に感染して、膀胱炎を発症しやすくなります。

便秘の場合、肛門付近に便がとどまり続けることで、細菌感染のリスクが上がると考えられています。

また、女性は膣と肛門が近い構造になっています。
尿道も男性より短く、細菌が膀胱内に入りやすいため、便の影響で膀胱炎を発症しやすくなります。

原因④ 「抗菌薬」の効き目が悪い

医師男性

膀胱炎の「原因菌」と「抗菌薬」の相性が悪い場合、菌を除去しきれないことがあります。
膀胱に除去しきれなかった細菌が残り続けていると、膀胱炎を再発しやすくなります。

また、「完治しないまま抗菌薬の服用を止めた」という場合も、膀胱炎を繰り返す可能性が高くなります。

原因⑤ 膣内の免疫機能が低下している

医師男性
膣内の免疫機能が低下していると、雑菌が繁殖しやすくなるため、膀胱炎の発症リスクが高くなります。

特に、

  • 生理中
  • 妊娠中
  • 更年期
  • ストレス・疲労が溜まっている

いずれかに当てはまる人は、免疫力が低下して膀胱炎を発症しやすいです。

「生理中」「妊娠中」「閉経後」の場合、女性ホルモンの「エストロゲン」の分泌量が低下します。
これにより膣内の善玉菌が減少すると、悪玉菌が増えて膣内環境が悪化しやすくなります。

原因⑥ 「細菌性膣症」を患っている

医師男性
細菌性膣症とは、膣内で細菌が増えすぎてしまう状態です。
細菌を含んだ「オリモノ」が膣から尿道に侵入してしまうため、膀胱炎が再発してしまいます。

こんな「オリモノ」は、細菌性膣症かも

  • 量が多い
  • 臭いが強い
  • 色が濃い

女性の繰り返す膀胱炎は「泌尿器科」へ!

医師男性
膀胱炎を繰り返す女性には、泌尿器科の受診をおすすめします。

特に、

  • 排尿痛
  • 頻尿
  • 残尿感
  • 排尿困難

などの症状に心当たりがあるときは、泌尿器科で相談しましょう。

泌尿器科の医師は、「膀胱」や「尿路」が専門分野です。
受診すると、膀胱炎を繰り返してしまう原因を調べてもらえます。

泌尿器科を探す

こんなときは「婦人科」へ!

  • 尿検査を行っても細菌が検出されない
  • 「下腹部」や「膣」の痛み・かゆみ・違和感を伴う
  • 抗生物質(抗菌薬)を服用しても症状が改善しない
医師男性
上記のような症状がある場合は、婦人科の受診を検討してみましょう。

上記症状には、膀胱炎に似た症状が出る「婦人科の病気」も疑われます。
原因が「子宮」や「膣」の病気だった場合、婦人科で治療を受けると快方に向かいやすくなります。

膀胱炎に似た症状が出る「婦人科の病気」

膀胱炎に似た病気 

特徴的な症状例 

過活動膀胱 

頻尿尿意切迫膀胱痛 

骨盤臓器脱 

頻尿排尿困難尿失禁陰部違和感 

子宮筋腫 

頻尿尿意切迫尿失禁 

子宮内膜症 

頻尿排尿痛下腹部痛 

細菌性膣炎 

オリモノの増加/オリモノの色が濃くなる/頻尿 

間質性膀胱炎 

下腹部の痛みや違和感/陰部の違和感 

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子宮内膜症ってどんな病気? よくある初期症状は? 子宮内膜症についてわかりやすく解説します。 病院へ行く目安も紹介するので、心当たりのある症状がないかチェックしましょう。 子宮内膜症ってどんな病気? 子宮内膜症とは、子宮の内側を覆う膜(子宮内膜)が、子宮以外の部分で増えてしまう病気です。 通常であれば、子宮内膜は生理のたびに体の外へ排出されます。 しかし、子宮内膜症になっていると、これらが卵管を通ってお腹の中にばらまかれてしまい「出血」「炎症」「他の組織への癒着」などが起こります。 子宮内膜症の症状チェック 腹痛 腰痛 重い生理痛のような痛み 生理の出血量が多い 不正出血 性交痛 不妊 次第に出血量が多くなる傾向があり、ナプキンの交換が何度も必要になるケースもあります。 特に起こりやすい初期症状は? 子宮内膜症の初期症状として、生理痛(下腹部痛)がみられます。 初期は、生理痛以外に特に症状はみられません。ただし、徐々に生理痛が強くなることが多いです。 症状が進行すると、痛みは月経時だけではなく、月経前後や月経時以外にも起こる場合があります。 子宮内膜症にかかりやすい人の特徴 20~40歳代の女性(月経がある女性) 初潮が早かった人 母親や姉妹が子宮内膜症になった経験がある(遺伝的要因) 妊娠・出産の経験がない(もしくは少ない) 帝王切開を経験したことがある 子宮内膜症になる原因は? 子宮内膜症の原因は、はっきりと分かっていません。 ただし、生理の血がお腹で逆流する現象が影響していると考えられています。 病院には行くべき? 子宮内膜症は、早めの治療が必要です。 症状に心当たりがある場合は、「婦人科」または「産婦人科」を受診しましょう。 治療を行うことで、子宮の機能が改善し、生理時の痛みや出血の正常化を目指せます。 婦人科を探す 産婦人科を探す 放置するとどうなる? 放置していると、臓器と子宮内膜が癒着を起こします。 また、生理のたびに大量に出血をするようになり、痛みや出血で通常の生活を送れなくなる人もいます。 進行すると、生理時以外も腹痛を感じるようになります。 妊娠が望めなくなったり、排便痛・性交痛・腰の痛みなどが慢性化したりするリスクも高まります。 どんな検査を受けるの? はじめに「問診」を行い、どのような症状があらわれているのか確認します。 その後、「内診」を行い、子宮や卵巣などの状態を確認します。 必要に応じて、 直腸診 超音波検査 MRI 血液検査 腹腔鏡検査 などを行います。 内診や検査があるため、脱ぎ着がしやすい服装がおすすめです。 できれば、パンツよりもスカートの方がよいでしょう。 なお、生理中にはできない検査もあるため、できれば生理期間を避けるとよいでしょう。 子宮内膜症の治療法は? 薬を飲む「薬物療法」と「手術療法」があります。 治療方法は、症状・重症度・年齢・妊娠の希望などに応じて決めます。 治療法① 薬物療法 まずは、痛みを和らげるために鎮痛剤を飲みます。 鎮痛剤で効果があらわれない場合は「低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬」「低用量ピル」などのホルモン量の少ないピルを使用します。 女性ホルモンの分泌を抑え、症状を緩和させる作用がある「GnRHアゴニスト(偽閉経療法)」や「黄体ホルモン剤」などを投与するケースもあります。 治療法➁ 手術療法 チョコレート嚢胞(※)と呼ばれる卵巣の内膜症性嚢胞がある場合は、手術を検討します。 妊娠を望んでいるケースは、病気の部分のみを切り取り、卵巣や子宮の正常な部分は残します。 一方、妊娠を望まないケースでは、病気の部分の摘出だけでなく、子宮や卵巣、卵管などを摘出する手術を行うこともあります。 ※チョコレート嚢胞とは   卵巣の内部に子宮内膜が増殖し、出血した血液が卵巣にたまってチョコレートのような状態になることを言います。 婦人科を探す 産婦人科を探す ※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。

婦人科で受診する際に伝えるとよいこと

  • 膀胱炎を発症した回数
  • 出現している症状
  • 症状が出現した時期
  • 生理不順や生理痛の有無
  • おりものの異常の有無
  • 出産経験の有無
  • 患ったことのある病気

上記のことを伝えることで、診察がスムーズに進むと考えられます。

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膀胱炎の診察「陰部を見せなきゃだめ?」

医師男性

「泌尿器科」 → 初診で陰部を診ることは少ない
「婦人科」 → 初診から陰部を診ることが多い
といった傾向があります。

婦人科で陰部を診ることが多いのは、婦人科系の病気の有無を調べるためです。
ただし、「内診に抵抗がある」といった旨を医師に伝えると、違う検査方法を検討してもらえる場合もあります。

特に「内診が必要」なのは、こんなケースのとき

  • 不自然なオリモノ・不正出血がみられる
  • 下腹部痛を伴う
  • 外陰部のかゆみ・痛みを伴う
  • 性器脱が疑われる

などの婦人科疾患が疑われる場合、内診で陰部を診るケースが多いです。

膀胱炎の診察・検査の方法

医師男性

一般的には、

  • 問診
  • 腹部や背中の触診
  • 尿検査

が行われるケースが多いです。

また、必要に応じて、「膀胱鏡」「血液検査」「腹部エコー検査」などが行われるケースもあります。

※初診の際に行われる診察・検査は、受診する病院により異なることがあります。

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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。

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