生きづらいのは「発達障害」?発達障害チェック。病院での診断・治療法も

更新日:2023-02-08 | 公開日:2022-09-28
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生きづらいのは「発達障害」?発達障害チェック。病院での診断・治療法も

毎日、生きづらい…。
もしかして、発達障害が原因?

「大人の発達障害」について、お医者さんに聞きました。

発達障害の人が抱えやすい悩みや発達障害の種類、病院での診断・治療法についても解説します。

監修者
清水聖童 先生

ライトメンタルクリニック
精神保健指定医 精神科専門医

清水聖童先生

経歴
  •  横浜医療センター・横浜市立大学病院にて初期研修
  •  国立精神・神経医療研究センター病院勤務、tDCS研究に従事
  •  都内精神科・心療内科クリニック勤務し心理療法を研修
  •  さくらライフクリニックにて日中は総合診療に携わりつつ、令和2年11月ライトメンタルクリニック開設・院長就任

悪化する前に気軽な受診を治療指針に掲げるライトメンタルクリニック院長。
朝10時から23時まで診療に没頭しており外来診療経験は都内随一。
精神科や心療内科は、受診の抵抗が高いもの。できるだけ受診したくないという気持ちに寄り添いたいと思っています。
そのために、今すぐ自宅でできるセルフケアを発信していきます。

◆所属学会
日本精神医学会
日本生物学的精神医学会

生きづらいのは「発達障害」が原因?

仕事や人間関係でうまくいかないことが多く、生きづらさを感じています…。
「自分は発達障害なのではないか」と思う機会も多いです。
大人になってから発覚することはありますか?
男性
医師男性
はい。
大人になって発達障害が判明するケースもあります。

▼発達障害の方に多いお悩み

  • コミュニケーションがうまくできない
  • 臨機応変な対応ができない
  • 曖昧な表現の場合、言葉の真意を理解できない
  • 他者の気持ちを理解できない
  • 他者と達成感や喜びを共有できない
  • 場の空気を読めない
  • 周囲の人が難なくできることが、自分にはできない
  • 怠けていると誤解されがち
  • 集中力がない・じっとしていられない
  • 計算等の作業が苦手(遅い)

発達障害の方は、上記のような悩みを抱えているケースが多いです。
これらがキッカケで、仕事・人間関係のトラブルにつながることがあります。

発達障害の種類

医師男性

発達障害には、

  • ADHD(注意欠如・多動性障害)
  • ASD(自閉症スペクトラム障害)
  • LD(学習障害)

といった種類があります。

いずれの場合も、生まれつきの脳の働きが異なるという共通点があります。
また、同じ障害であっても、特性の現れ方や生活上の悩みは人によって様々です。

① ADHD(注意欠如・多動性障害)

医師男性
ADHDは、「注意力の欠如」もしくは「多動性・衝動性の症状」、またはその両方の症状が出現する障害です。

神経伝達が正常に行われておらず、特定の脳領域の活動が低下することが原因の一つだと言われています。

ADHD(注意欠如・多動性障害)の特徴

 

▼不注意

  • 集中力がない(注意がそれやすい)
  • 約束を忘れてしまう
  • 失くし物や忘れ物が多い
  • 飽きっぽい
  • マルチタスクが苦手
  • 興味があることだけには没頭できる

▼多動性

  • じっとしていられない
  • おしゃべり
  • おちつかずソワソワしている
  • 場の状況を把握できない
  • 人の話を聞かない

▼衝動性

  • 考えなしに行動する(浪費・奔放な異性交遊など)
  • 事故や怪我が多い
  • 怒りっぽい
  • 暴言を行う・暴力をふるう
  • 時間管理・金銭管理が苦手
  • 片づけが苦手
  • 順番を待てない

大人になるまで見過ごされることはある?

医師男性

大人になるまで気が付かないケースもあります。

ADHDは、親や先生の教えを守っていれば特性が目立たないため、子どもの頃は大きな問題にならないこともあるからです。

社会に出て幅広く能力が求められる時に、発症・顕在化する場合が多くあります。

うつやパニックなどの二次障害があった際に、その背景に発達障害の存在が疑われるケースが多いです。

ADHDの人が持つ「長所」

医師男性
発達障害の特性は、見方を変えれば長所にもなり得ます。

例えばADHDの場合は、

  • 衝動性が強い → 行動力・実行力がある・リーダーシップがある
  • おしゃべりである → 人懐っこい
  • 金銭管理が苦手 → お金に躊躇しない・豪快である

などと捉えることもできます。

② ASD(自閉症スペクトラム障害)

医師男性
ASD(自閉症スペクトラム障害)は、生まれつき、脳に小さな異常が生じていることが原因で起こる「神経発達障害」の一つと考えられています。

「人とのコミュニケーションが苦手」「独自の強いこだわりにとらわれている」等により、社会生活が困難になるケースが多いと考えられています。

ASD(自閉症スペクトラム障害)の特徴

  • コミュニケーションが苦手
  • 独自のこだわりに執着する(臨機応変に対応できない)
  • 興味のあることや関心事が極端に偏る
  • 社会生活に適応しにくい・団体行動が苦手
  • 他者との距離感がつかめない
  • 他者の感情やその場の空気を読めない(想像力が乏しく、言葉の裏を読めない)
  • 曖昧な表現を理解できない
  • 運動が苦手・不器用
  • 感覚過敏・感覚鈍麻
  • 特定領域の記憶力に強い
  • 傷つきやすく、フラッシュバックを起こす
  • 同じ動作を行うことに没頭してしまう

大人になるまで見過ごされることはある?

医師男性

ASDは軽度の場合、「先生からよく注意される」「友達とトラブルを起こしやすい」という程度で済むケースも多いです。

そのため、発達障害ではなく “ちょっと問題がある人”と認識されるだけで、気付かずに成長してしまう場合があると考えられます。

一般的には、1~2歳頃に言語発達の遅れが目立ちはじめて、気が付くケースが多いと考えられています。

また、保育園・幼稚園への入園など、集団行動の生活になったタイミングで、何らかの指摘を受けるケースもあります。

ASDの人が持つ「長所」

医師男性
ASDの場合も、特性が短所となるか長所となるかは、周囲や本人の見方次第です。

例えば、以下のように考えることもできます。

  • 空気が読めない → 表裏がない・率直である
  • だまされやすい → 素直である
  • こだわりが強い → 一貫性がある・専門性が高い
  • 過敏である → 細かいことに気が付く

他にも、「優しくて素直な方が多い」「パターン化された作業が得意」「特定の物事に没頭できる(得意分野の場合、暗記力や探求心が発揮される)」等が挙げられます。

③ LD(学習障害)

医師男性
LD(学習障害)とは、知的発達の遅れや視力・聴覚の異常は確認できないにも関わらず、話す・聞く・書く・読む・計算等の学習能力が低い状態です。

学習障害には、

  • 書字障害(ディスグラフィア)
  • 読字障害(ディスレクシア)
  • 算数障害(ディスカリキュリア)

の3タイプがあります。

LD(学習障害)の特徴

 

▼書字障害(ディスグラフィア)

  • 文字の大きさを揃えて書けない
  • 作文用紙の方眼の大きさに合わせて文字を書けない
  • 鏡文字になる
  • 「てにをは」を使いこなせない

▼読字障害(ディスレクシア)

  • 読解力が低い
  • 正確に文字を読めない
  • 文章をスムーズに読めない

▼算数障害(ディスカリキュリア)

  • 数字を覚えられない
  • 数字の感覚がつかめない
  • 計算式を立てられない

大人になるまで見過ごされることはある?

医師男性
LD(学習障害)は軽度だと発見されにくく、大人になってから、「読書」「話の理解」「考え方を説明すること」等が苦手で困る人もいます。

一般的には、本格的に勉強が始まる小学生になったところで、周囲に気付かれるケースが多いと考えられています。

一人で悩みを抱えず、まずは医療機関に相談を

医師に相談している様子

医師男性
発達障害が疑われる場合には、我慢せずに病院を受診して相談してください。

特に、

  • 不眠や過眠の症状が出現している
  • ストレス過多の状態が続いている
  • 強い孤独感を覚えている
  • 抑うつ状態になっている
  • 強い不安感に襲われる

等の場合には、早目の受診をおすすめします。

放置していると、仕事に行けなくなるなど、日常生活に支障が出る恐れがあります。
また、パニック障害・適応障害などの精神疾患を合併する恐れもあると考えられています。

病院へ行くほどなのか分からない…

 

自分が発達障害なのか分からない場合でも、思い当たることがあるのであれば、一度病院を受診して相談してみましょう

どちらか分からない「グレーゾーン」の状態で過ごしていると、それだけでストレスが増えたり、不安感が強くなったりして、さらに心身に負担がかかってしまう恐れがあります。

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発達障害は「何科」で相談すればいい?

医師男性
大人で発達障害を疑う場合は、「精神科」を受診するとよいでしょう。

発達障害の種類によって診断方法は異なりますが、

  • 問診(生活上での困りごと・生育歴など)
  • 検査(知能検査・心理検査など)

などにより、総合的に判断されることが多いです。

また、周囲の人から見た客観的な情報も重要な診断材料になる場合があります。

発達障害と診断された場合、どんな治療をするの?

医師男性

主に、「環境調整」と呼ばれる治療が中心となります。

環境調整とは、自身の特性で適応できそうなところ、または特性への配慮が受けられるところに生活の場を移すという方法です。

「発達障害支援センター」で相談会に参加したり、同じ境遇の人々と触れ合ったりするなかで、そのヒントを探すこともあります。

この他、発達障害の種類に応じて、薬を用いる「薬物療法」や、ものの受け取り方・考え方に働きかけてストレスに対応できるようにする「認知行動療法」などが行われるケースもあります。

なお、発達障害の特性がキッカケとなって、抑うつ・強い不安感などの精神的な症状(二次障害)が現れている場合は、それらも治療の対象となります。

治療の目的は、本人が「生きやすくなる」こと

医師男性

発達障害は生まれ持った特性です。

そのため、それらを「治す」のではなく、本人が「生きやすいようにする」ことが治療の目的となります。

症状に合った治療を受けることで、生きづらいと感じる部分を少しでも減らしていくことができ、それにより、安定的な役割(仕事等)や居場所の確保につながると考えられています。

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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。

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