高血圧によるめまいで、なんだかふわふわする…。
どうすれば改善するの?
病院に行った方がいい?
困っためまいの対処法を、お医者さんに詳しく聞きました。
監修者
経歴
福岡大学病院
西田厚徳病院
平成10年 埼玉医科大学 卒業
平成10年 福岡大学病院 臨床研修
平成12年 福岡大学病院 呼吸器科入局
平成24年 荒牧内科開業
高血圧が原因でめまい?
高血圧は、別名が「サイレントキラー」というほど、自覚症状が少ない病気です。
ただし、血圧がかなり高くなっている場合は、まれに次のようなめまいが起こります。
- フワフワするようなめまい(揺れるようなめまい)
- 頭がフワーとするようなめまい
- 耳鳴りのあるめまい
- 頭痛、頭重感のあるめまい
めまいが起こったときは、その場にしゃがみ込んだり、横になれる場所であれば横になったりして安静にしてください。
このめまい…大丈夫なの?
めまいという自覚症状があるのは、状態が悪化しているサインかもしれません。
血圧が不安定で大きく変動しているときに、めまいが起こりやすいといわれています。
早めに病院の診察を受けてください。
市販薬は使っていいの?
高血圧に効果のある薬(降圧薬)は、たくさんあるため、自分で判断するのは困難です。
市販薬は使用せずに、必ず病院を受診して、症状に合った薬を処方してもらいましょう。
必ず病院へ行きましょう
めまいが起こるような高血圧の場合は、すぐに病院へ行きましょう。
また、次のような症状が出ているときも、早急に受診してください。
- 耳鳴りや頭痛、頭重感等の症状がある
- 手足のしびれ、脱力感がある
- 物が二重に見える
- 意識が朦朧としている
- ろれつが回らない、言語障害がある
放置すると…
高血圧によるめまいを放置していると、次のような症状が出る場合があります。
- めまいの悪化
- 手足のしびれ
- 脱力感
- 舌がもつれる、言語障害
- 意識の消失
また、動脈硬化や虚血性心疾患、脳卒中(脳梗塞、脳出血)、腎機能の低下などの合併症を起こす可能性もあるため、早めに病院を受診してください。
病院は何科?
内科・循環器内科の受診をおすすめします。
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早く治したい!自分でできる改善方法
高血圧の状態を改善するための対処法を紹介します。
生活習慣や食事内容を改善して、症状を緩和させるように努めてください。
生活習慣の8ヶ条
- 食塩の摂取量を1日6g未満に抑える
素材の味を活かし、出汁を取るなどして、薄味を心がけ、加工食品や外食を控えましょう。
- 肥満傾向の場合は減量する
肥満の人は心臓に負担がかかり、血圧が上がりやすくなっています。体重を減らし、肥満を解消しましょう。
- 運動を毎日続ける
有酸素運動(早歩き、ジョギング、ヨガなど)を毎日行うと、血圧低下が期待できると考えられています。
- 睡眠時間を十分確保する
睡眠不足は高血圧を助長する場合があります。
- お酒を飲みすぎない
アルコールの過剰摂取は、血圧を上昇させ、心臓に負担をかけます。1日分のお酒は、ビール中瓶1本、日本酒1合程度が適量です。
- 喫煙者は禁煙する
たばこを1本吸うと、血圧が10~20mmHgも上昇することがあります。
- ストレスを溜め込まない
精神的ストレスは、血管収縮を促し、血圧を上昇させやすくします。自分なりのストレス発散法を見つけてください。
- 湯船に浸かる
39度前後のお湯に浸かると、身体がリラックス状態になり、緊張やストレスが緩和されます。
とりたい4つの栄養素
- カリウム
血圧を下げる作用を期待できます。ただし、大量摂取は、不整脈の誘発など、命を危険にする恐れがあります。
※腎臓の機能が衰えている人は、カリウムの血中濃度が高くなりやすいので、お医者さんに必ず相談してください。
<カリウムを多く含む食品>
野菜(ホウレン草、春菊、カボチャ、ブロッコリー、アボカド等)、イモ類、果物(バナナ、スイカ等)、海藻類、アーモンド等
- 食物繊維
ナトリウム(塩分)を吸着して、体の外に排泄する作用が期待できます。
<食物繊維を多く含む食品>
海藻類、キノコ類、ごぼう、雑穀米等
- ビタミンE
抗酸化作用によって、血圧の急上昇を予防できる、弾力のある血管を維持することができます。
<ビタミンEを多く含む食品>
カボチャ、ホウレン草、モロヘイヤ、ナッツ類等
- 不飽和脂肪酸
中性脂肪の増加を抑制する、悪玉コレステロールを減らすといった作用で、高血圧や動脈硬化を防ぎます。また、血栓を防いで血液の流れをスムーズにする作用も期待できます。
<不飽和脂肪酸を多く含む食品>
青魚(あじ、いわし、さば、さんま等)
必要な栄養は食事からの摂取が望ましいですが、食事だけから栄養分を摂取するのが難しい場合は、サプリメントを補助的に取り入れてもいいでしょう。
ただし、サプリメントを使用する場合は、安全で信頼できるものか、摂取しても問題ないのかをお医者さんや薬剤師さんに相談するようにしてください。
おすすめストレッチ
- 肘、肩に力を抜いて軽く足を開く
- 両手を同時に前後に振り、徐々に振り幅を大きくしていく(最終的には肩の高さまで上げる)
- 肩の高さまで上がったところから前後の振りを1回と数えて、100回程度繰り返し行う
- 目安回数まで終えたあとは、徐々に振りを小さくしていきながら動きを止める
※高血圧の方の場合、運動が血圧に負荷を与えすぎてしまうことがあります。
「運動をしてもよいか」を医師に相談しましょう。
参考
国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス めまいと循環器病
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/general/pamph30.html
大阪医科大学 循環器内科 高血圧
https://www.osaka-med.ac.jp/deps/in3/car/html/about/about05.html
三島市医師会 高血圧症
http://website2.infomity.net/8120000094/course/hypertension.html
公益社団法人 千葉県栄養士会 血圧が高い人の食事
https://www.eiyou-chiba.or.jp/commons/shokuji-kou/preventive/ketsuatsu/