「亜麻仁油が女性に嬉しいのはなぜ?」
「肌にいいって本当?」
亜麻仁油の効果やデメリットを、栄養士に伺いました。
1日の摂取量目安、おすすめの使い方も解説します。
監修者
株式会社Luce
栄養士・食育栄養インストラクター
神原 李奈先生
経歴
株式会社Luce・健康検定協会 所属
CA(客室乗務員)の仕事をきっかけに、健康と食の強い結びつきを実感し、食の世界に興味を持つ。大手料理教室の講師の経験を経て、栄養士を目指すことに。栄養士免許を取得後の現在は、現役CAとして世界中を飛び回りながら、栄養士として健康や食に関する情報を発信している。
女性におすすめ!亜麻仁油の効果とは?
亜麻仁油には
- 美肌づくり
- 乳がん・更年期にアプローチ
- 血圧コントロール
などの効果があると言われています。
その① 美肌づくり
亜麻仁油に含まれる「セコイソラリシレジノール(SECO)」には、抗酸化作用があります。
細胞の酸化を防ぐことで、シミ・シワ・乾燥などの肌トラブルの予防・改善が期待できます。
また、亜麻仁油に含まれる脂質が細胞膜の成分となり、肌細胞を健康に保つサポートします。
その② 乳がん・更年期にアプローチ
亜麻仁油には「植物性リグナン」という成分が含まれています。
18歳~40代前半ごろの場合、「植物性リグナン」にはエストロゲン(女性ホルモン)の働きを抑える効果があり、乳がんのリスク軽減が期待できます。
一方閉経後には、減少した女性ホルモンを補う物質として働くため、更年期の不調を改善させる可能性があります。
その③ 血圧コントロール
亜麻仁油に含まれる「α-リノレン酸」には、血圧の低下の作用があります。
血圧が高めの方は積極的に取り入れましょう。
デメリットはないの?
体に良いとはいえ、脂質であることに変わりはありません。
過剰摂取すれば肥満の原因となるので、食べ過ぎには注意しましょう。
どのくらい脂質をとると過剰摂取?
日本人の1日の脂質摂取目標量は、1日の摂取エネルギーの20~30%とされています。
1日に2000kcal摂取する人の場合、脂質の摂取量が400~600kcal分(約44g~67g)を超えると過剰摂取になります。
1日どれぐらい亜麻仁油をとればいい?
お食事内容にもよりますが、1日あたり小さじ1杯(約4.6g)を目安にとりましょう。
基本的には、プラスして摂ると言うよりも、今使用している油をアマニ油に置き換えると良いです。
必ず「生」で使いましょう
サラダ・カルパッチョ・ヨーグルト・ジュースなどに加えるなど、生の状態で使いましょう。
亜麻仁油は熱に弱いです。
炒めものや揚げ物などの加熱調理をすると、生臭いにおいが出てしまいます。
こんなことに注意して!
- 早めに使い切る
- 妊娠中・授乳中は控える
ということに注意して、使用しましょう。
また、服用中の薬がある場合は、薬の作用に影響を及ぼすことがあるので、医師や薬剤師に確認してから使用しましょう。
注意点① 早めに使い切る
酸化した亜麻仁油を摂取すると、体調不良を起こすリスクがあります。
亜麻仁油は酸化しやすいので、空気に触れると品質が低下していきます。
開封後はしっかり密閉できる容器で保存し、できる限り早く使い切りましょう。
注意点② 妊娠中・授乳中は控える
妊娠中の摂取は危険性があると言われているので、使用を控えてください。
妊娠中に関しては、早産のリスクがあります。
出産後の女性3,191名 (15~45歳、カナダ))を対象とした症例対照研究において、妊娠15週以降にアマを摂取した妊婦 (71名)では (摂取量不明)、妊娠37週以前の早産の割合が高かったという結果が出ています。
また、授乳中の摂取についても、信頼できるデータが十分にないため、控えておくことをおすすめします。
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2020-01-22
オリーブオイルが健康にもたらす効果はさまざまです。
美肌効果にはじまり、便秘解消やダイエット、生活習慣病の予防にもなります。
この記事では、そんなオリーブオイルの恩恵をよりよく受けるために、おすすめの摂り方や適正摂取量など詳しくご紹介していきます。
オリーブオイルに期待できる「いい効果♪」
オリーブオイルは、
肌
ダイエット
便秘
高血圧
に良い影響を与えます。
メリット① 美肌効果
オリーブオイルには、ビタミンA、ビタミンE、ポリフェノールなど、肌に良い栄養素が含まれています。
そのため、食事に取り入れることで、美肌効果が期待できます。
オリーブオイルを直接塗るのはNG
食用のオリーブオイルを肌に直接塗ると、肌を傷つけてしまう恐れがあります。
肌に塗るのであれば、スキンケア用のオリーブオイルを使ってください。
メリット② ダイエット効果
オリーブオイルには、「血糖値の急上昇を抑える作用がある」という研究データがあります。
これはインスリンの過剰分泌による脂肪蓄積の防止にもつながるため、ダイエット中の方にもおすすめです。
メリット③ 便秘改善
オリーブオイルに含まれる「オレイン酸」には、大腸の動きを促したり、便の潤滑油として働く作用があります。
そのため、食事に取り入れることで、便秘の解消が期待できます。
メリット④ 高血圧予防
オリーブオイルに含まれる「オレイン酸」には、血液内のLDLコレステロールを下げる作用があります。
これにより、高血圧や脳梗塞、心臓病、認知症の発症リスクを下げることができます。
オリーブオイルの効果「これ…本当?」
飲むと美容効果があるって本当?
オリーブオイルをそのまま飲んでも、美容効果を得ることができます。
量は特に決まってはいませんが、摂りすぎには気を付けてください。
歯周病や口臭を予防できるって本当?
オリーブオイルに限らず、植物油でうがいをする「オイルプリング」が口臭予防になると言われています。
しかし残念ながら、この方法には科学的根拠がまだはっきりとしていません。
白髪が予防できるって本当?
オリーブオイルの持つ抗酸化作用により、黒い髪の毛を作り出す「色素細胞」が酸化するのを防ぎ、白髪予防になると考えられます。
なお、オリーブオイルを髪に塗っても白髪予防の効果はありません。食事で摂りましょう。
オリーブオイルの成分一覧
◆オレイン酸
悪玉コレステロールを下げる、血糖値の急上昇を抑える、便秘を解消させる、といった作用があります。
◆リノール酸
総コレステロールの低下につながります。
ただし、総エネルギー摂取量に占めるリノール酸の割合が15%を越えるとコレステロール低下作用が認められなくなるとされています。
◆ビタミンA
皮膚の健康を保つ働きがあります。
◆ビタミンE
細胞膜を構成する成分であり、抗酸化作用、血行促進作用があります。
◆ポリフェノール
オリーブオイルの苦み成分であり、抗酸化作用があるため、肌細胞の酸化を防ぎます。
※肌細胞の酸化は、シミ・しわ・くすみなどを引き起こす原因になります。
エクストラバージンオイルじゃないとダメ?
オレイン酸の作用は変わらないため、通常のオリーブオイルでも健康に良い影響を与えます。
ただし、エクストラバージンオリーブオイルの方は精製度が低く、ポリフェノールやビタミンEなどが多く含まれています。
より良い効果を求めるのであれば、エクストラバージンをおすすめします。
1日の適切な摂取量
オリーブオイルの1日あたりの摂取目安量は特に決まっていません。
食事内容には個人差が大きいため一概には言えないですが、1日あたり大さじ3杯までにすると良いでしょう。
オリーブオイルを健康的に摂取するためには、他の食事の脂質量と調整する必要があります。
厚生労働省が定める日本人の食事摂取基準(2020年版)では、1日における脂質の摂取目標量は、食事から得られるエネルギーの20~30%が良いとされています。
例えば、一日に2000kcal摂取する人は、そのうちの400~600kcal分の脂質を摂る計算になり、これを重量(g)に換算すると約44g~67gです。
脂質は、調理に使う油脂だけでなく食材にも含まれているため、トータルの食事メニューでバランスをとる必要があります。
ちなみに、アメリカ合衆国食品医薬品局(FDA)では、バターなど動物性食品から摂る飽和脂肪酸のうち、大さじ2杯(およそ23g)をオリーブオイルに変えることで「冠動脈性心疾患のリスクを下げられる可能性がある」としており、該当食品への予防効果を示すラベル表示を許可しています。
オリーブオイルを摂りすぎると…
体に良いからと言って摂りすぎると、肥満の原因になります。
「朝?夜?」いつ摂るのがいいの?
便秘解消にオリーブオイルを摂取するなら、朝がおすすめです。
副交感神経が優位な朝は、腸の動きも活発になりやすいからです。
血糖値の上昇を緩やかにしたい場合は調理に使用し、食事で摂取すると良いでしょう。
サラダのドレッシングに使用する、パンにつける、お味噌汁に垂らすなど、取り入れやすい方法がおすすめです。
おすすめの「食べ合わせ」
お味噌汁・納豆
腸内環境を整える発酵食品である納豆や味噌汁と一緒に摂ることで、便秘解消に役立ちます。
トマト
トマトに含まれるリコピンは、オリーブオイルなどの油脂と共に摂取すると吸収率があがります。
リコピンにはインスリンの作用を良くする働きがあり、オリーブオイルと同様に、血糖値の上昇を抑制するという点において、良い組み合わせでしょう。
レモン
レモンに含まれるビタミンCには、抗酸化作用やコラーゲン生成促進作用があります。
オリーブオイルに含まれるビタミンA・ビタミンEとともに皮膚を健康に保ち、美肌にアプローチしましょう。
にんにく
にんにくの香り成分であるアリシンには血行促進作用があり、オリーブオイルのビタミンEとともに作用すると、冷え性の改善に繋がる可能性があります。
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要
オリーブオイル健康ラボ オピニオンコラム “ブレッド&オリーブオイル”で血糖値スパイクを抑制!
オリーブオイル摂取量 日清オイリオグループ株式会社 もっと知りたいオリーブオイル
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2021-09-02
「トランス脂肪酸は、なぜ体に悪い?」
「マーガリンやお菓子に多いって聞いて心配」
どのような悪影響があるのか栄養士に伺いました。
おすすめの食事や注意すべき点もあわせて解説します。
なぜ?「トランス脂肪酸が体に悪い」といわれる理由
トランス脂肪酸の摂取は、冠動脈性心疾患など心血管疾患のリスクを上げてしまうからです。
もっと詳しく!「体にどんな影響があるの?」
トランス脂肪酸を摂取すると、血中のLDL(悪玉)コレステロールが増え、HDL(善玉)コレステロールが減少し、動脈硬化につながります。
動脈硬化になると、血管に詰まりが発生しやすくなるため、心血管疾患の原因となっていまいます。
WHOでは心血管系疾患のリスクを低くし、健康を増進するための目標として、トランス脂肪酸の摂取を総エネルギー比1%未満に抑えるように定めています。
日本人のトランス脂肪酸の平均摂取量は0.3%であり、WHOの基準よりも少ない傾向にあります。
そのため、日本人の通常の食生活においては、健康への影響は小さいと言えます。
「がん」を引き起こすって聞いたことあるけど…
トランス脂肪酸の摂取は、がんの発症に関係していると聞いたのですが…。
ヨーロッパでの調査(1997〜)で、トランス脂肪酸の摂取量と乳がん、大腸がんの間に相関が見られたという報告があります。しかし、500 名の症例対照調査では、大腸ポリープとトランス脂肪酸との関連はなかったと報告されています。
トランス脂肪酸を多く含む食品一覧
マーガリン
ファットスプレッド
ショートニング
マヨネーズ
ビスケット類(クッキー・パイ・半生ケーキなど)
コーン系スナック菓子
クリーム
ただし、平成22年度に行われた検査によると、マーガリン・ファットスプレッド・ショートニングに含まれるトランス脂肪酸の含有量は、企業努力もあって減少傾向です。
「天然のトランス脂肪酸」も存在する
牛・羊・山羊の「肉加工品」「乳加工品」に天然由来のトランス脂肪酸が微量含まれています。
これは、牛・羊・山羊などの胃に存在している微生物の働きによって、トランス脂肪酸が作られているからです。
良質なたんぱく質源やカルシウム源でもあるため、天然由来のものまで「完全に排除すべき」とは言えません。
普段の食事では「何に注意すればいい?」
トランス脂肪酸を含む食事と上手に付き合っていくためには
魚を積極的に摂る
食物繊維を積極的に摂る
主食・主菜・副菜の揃った献立を選ぶ
といったことを心がけるとよいでしょう。
その① 魚を積極的に摂る
青魚がおすすめです。一食あたり、80〜100g程度を目安に、毎日食べましょう。
バターやクリームなどを使わずに、塩焼きや蒸し焼きにすると、トランス脂肪酸だけでなく、飽和脂肪酸の摂取も抑えられます。
魚油に含まれる多価不飽和脂肪酸には、血中LDL(悪玉)コレステロールを下げる働きがあります。
その② 水溶性食物繊維を積極的に摂る
毎食、海藻・大麦・豆類・野菜など水溶性食物繊維が豊富な食材を取り入れましょう。
一食あたり8g以上(1日あたり24g以上)を目安に摂取してください。
水溶性食物繊維には、血中LDL(悪玉)コレステロールを下げる働きがあります。
その③ 主食・主菜・副菜の揃った献立を選ぶ
「焼き魚」+「玄米」+「味噌汁」+「サラダや煮物」のような献立を目指しましょう。
野菜は1日に350g以上を目指し、毎食サラダや野菜が主材料の副菜を1皿以上食べてください。
主食・主菜・副菜の揃った献立を選ぶことで、魚や食物繊維を含む料理などを取り入れることができ、血中LDL(悪玉)コレステロールの低下につながります。
\塩分の摂りすぎにとりすぎに注意/
サラダなど野菜を食べる際、ドレッシングや醤油などをたっぷりかけないよう注意してください。
脂質や塩分のとりすぎにつながってしまいます。
減塩調味料や柑橘類や酢などの酸味、香辛料やハーブなどを上手に活用し薄味を目指してください。
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
農林水産省 トランス脂肪酸の摂取と健康への影響
農林水産省 食品に含まれるトランス脂肪酸の由来
食品安全委員会 食品に含まれるトランス脂肪酸の食品健康影響評価の状況について
「食品に含まれるトランス脂肪酸」 評価書に関する Q&A
一般社団法人 日本動脈硬化学会 コレステロール摂取に関するQ&A
日本食物繊維研究会誌 Vol.4 No.1 (2000) 食物繊維と脂質代謝
厚生労働省 トランス脂肪酸に関するQ&A