「肝臓の数値が高いのは、ストレスが原因なの?」
肝機能の低下とストレスの関係を、栄養士さんに聞いてみました。
NGな生活習慣・改善のための対策を詳しく解説しますので、肝臓の数値を下げたい方は必読です。
監修者
経歴
株式会社Luce代表/健康検定協会理事長、山野美容芸術短期大学講師、服部栄養専門学校特別講師、日本臨床栄養協会評議員、ダイエット指導士、ヨガ講師、サプリメント・ビタミンアドバイザーなど栄養・美容学の分野で活動をおこなっている。
肝臓の数値が高い…原因はストレス?
ストレスが原因となって、ASTやALTの数値が上がることはあります。
肝臓は自律神経によってコントロールされているため、ストレスにより自律神経のバランスが乱れると、肝臓に悪影響が及びます。
自律神経には、「交感神経」と「副交感神経」があります。
過度のストレスが加わると「交感神経」が緊張し、肝臓を動かすための「副交感神経」がうまく働かなくなります。
この状態によって肝臓に負担がかかると、肝細胞が壊れてASTやALTの数値が上昇します。
ストレスによる肝機能低下で「暴飲暴食をしていないのに、数値が高かった」という状態に陥る人もいます。
「AST・ALTが51以上」の場合は、肝臓病かも…
ASTとALTは、人間ドック学会の基準によると、30IU/L以下が基準値で、
- 31~50 IU/L → 「要注意」
- 51 IU/L以上 → 「脂肪肝の可能性大」
- 100 IU/L以上 → 「肝炎の疑いあり」
と考えられています。
肝臓の数値が悪い状態が続くと、脂肪肝・肝機能障害・肝炎などの病気のリスクが高まります。
悪化して「肝硬変」になると、肝機能を元に戻すことができなくなります。
肝臓は“沈黙の臓器”と呼ばれており、初期症状に気づきにくい点が特徴です。
数値が高いときは「症状が出ないから」と放置せず、病院で治療を受けるようにしましょう。
肝臓に関する相談は、「消化器内科」の受診をおすすめします。
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2023-02-28
脂肪肝ってどんな状態?
自覚症状はある?
脂肪肝について、分かりやすくまとめました。
脂肪肝の人に「おすすめの食べ物」や「控えた方が良い食べ物」もご紹介するので、肝臓の数値に不安がある人は必読です。
脂肪肝とは
脂肪肝とは、肝臓に脂肪が多く蓄積されている状態のことをいいます。
肝臓には、肝細胞の中に脂肪を蓄えて、エネルギー源として利用する機能があります。
しかし、脂肪の量が多くなりすぎると、脂肪が消費しきれずどんどん蓄積されて、脂肪肝になります。
検査でどれくらいの数値が出ると脂肪肝?
ASTとALTは、人間ドック学会の基準によると、30IU/L以下が基準値で、
31~50 IU/L → 「要注意」
51 IU/L以上 → 「脂肪肝の可能性大」
100 IU/L以上 → 「肝炎の疑いあり」
と考えられています。
脂肪肝の症状
脂肪肝はほとんど自覚症状がありません。
人によっては、
疲れやすい
全身の倦怠感がある
お腹が張った感じがする
といった症状が現れるケースもあります。
脂肪肝の原因
文字通り、脂肪を多く含む食事の食べ過ぎが主な原因です。
欧米型の高脂肪な食事が増えてきたことで、脂肪肝の発症率も上昇しています。
その他、
暴飲暴食
過度の飲酒
運動不足
肥満
無理なダイエット
などの原因が挙げられます。
脂肪肝になりやすい人の特徴
肥満傾向
糖尿病・高血圧・脂質異常症を患っている
つい食べ過ぎてしまう
運動不足
お酒をよく飲む
脂肪肝の改善にいい食べ物は?
脂肪肝を改善するには、栄養価が高く低エネルギーな「野菜」「キノコ類」「海藻類」を積極的に食べましょう。
肝臓で栄養を代謝するとき、ビタミンやミネラルが必要となります。
野菜・キノコ類・海藻類には、これらの栄養素が豊富に含まれています。
脂肪肝の人が食べてはいけないものは?
脂肪肝になったからといって、食べてはいけないものはありません。
ただし、
糖質を多く含むもの(ごはん・ジュース・お菓子・果物)
脂質を多く含むもの(揚げ物・お肉)
お酒
はできるだけ控えましょう。
▼摂取量の目安
糖質を多く含むもの
ごはんは1食につきお茶碗1杯程度
(ごはんなどの穀類に含まれる糖質は、肝臓への影響が比較的少ない)
間食は1日200kcalまで
脂身を多く含むもの
週に1〜2回程度まで
お酒
できるだけ禁酒する
我慢できないときは、成人男性の場合、1日に純アルコール20g程度※までとしましょう。女性はさらに少ない量にしましょう。
週2日は休肝日を設けてください。
※1日に純アルコール20g程度の例
ビール・発泡酒:ロング缶1本
酎ハイ:350ml缶1本
日本酒:1合
ウイスキー:シングル2杯
ワイングラス:2杯弱
早く治すために!食事以外で心がける2つのポイント
肝機能の低下が気になるときは、
1日6~7時間の質のよい睡眠をとる
1日30分程度の有酸素運動をする
といった生活習慣を意識しましょう。
肝臓の負担を減らすには、十分な睡眠時間を確保することが大切です。
運動により消費エネルギー量が増加すると、脂肪肝の予防につながります。
脂肪肝を放置するとどうなる?
脂肪肝が悪化すると、「肝炎」や「肝硬変」を引き起こすリスクがあります。
また、肝硬変から肝がんに進行すると命に関わります。
肝臓は沈黙の臓器と呼ばれており、無症状で病気が進行することが多く、放置は危険です。
脂肪肝を疑う場合は、早めにお近くの内科・消化器内科を受診しましょう。
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こんな「生活習慣」に心当たりはありませんか?
ストレスが溜まっている人は、
- 食べすぎ
- お酒の飲みすぎ
- 不規則な生活
- 睡眠不足
- 「サプリメント」や「市販薬」をむやみに服用する
といった習慣があるケースも多いです。
これらは肝臓の数値を高くさせてしまう習慣なので、注意が必要です。
NG習慣① 食べすぎ
食べすぎによって代謝が追いつかなくなると、肝臓に脂肪がため込まれるため、数値が上がります。
ストレスを抱えていると、「ホルモンの分泌」に異常をきたして食欲が増加することも多いです。
特に糖質・脂質の過剰摂取は、肝臓に負担をかけやすいです。
食べすぎが習慣になると、脂肪が肝臓に蓄積されて「脂肪肝」になりやすくなります。
NG習慣② お酒の飲みすぎ
肝臓はアルコールを分解する役割を担っているため、お酒の量が増えると肝臓に負担がかかり、数値も上がります。
ストレスがたまっている人は、お酒を飲んで眠ろうとしたり、深酒をしたりするケースが多いです。
飲酒量が増えた状態が長期間にわたると、アルコール性肝炎・肝硬変になるリスクが上昇します。
NG習慣③ 不規則な生活
食事や睡眠のタイミングがバラバラになると、肝臓が効率的に働けなくなるため、肝機能が低下してしまいます。
ストレスが過剰になると自律神経のバランスが乱れてくるため、「夜になっても眠れなくなる」など不規則な生活になりやすくなります。
NG習慣④ 睡眠不足
寝ているときは肝臓の代謝を抑えて休めることができ、血流も増して「肝細胞の再生」が活発になります。
睡眠不足だと肝臓が休まる時間も短くなるため、肝機能が低下しやすくなります。
通常であれば夕方以降から少しずつ眠くなっていきますが、過度なストレスで「副交感神経」が働かなくなっていると、夜眠れなくなることも多いです。
NG習慣⑤ 「サプリメント」や「市販薬」をむやみに服用する
摂取したサプリメント・薬は、肝臓で分解されます。
過剰に摂取しすぎると肝臓に負担がかかり、肝機能が低下してしまう場合があります。
ストレスがたまっている人は、自律神経の乱れによって体調不良に陥りやすいです。
体の調子を整えようとして市販薬などをむやみに服用し、健康に悪影響を及ぼしてしまうケースもあります。
ストレスがたまったら「体を動かそう!」
ストレス解消のために「暴飲暴食」すると、肝臓に悪影響を与えてしまいます。
肝臓の数値が高い人は、
などの運動で、気持ちをリフレッシュさせることをおすすめします。
ウォーキング・ジョギングでも構いませんが、楽しく続けられる運動のほうがストレス解消に適しています。
有酸素運動をすると脂肪が燃焼されるため、脂肪肝の改善にもつながります。
【肝臓の数値を下げる】脂肪肝の改善方法
肝機能を改善させるにはストレス解消だけでなく、食生活などの生活習慣を改善することも大切です。
- 主食・主菜・副菜の揃ったメニュー意識する
- 「タンパク質」と「ビタミンB群」を積極的に摂る
- 1日6~7時間の質のよい睡眠をとる
- 1日15分程度のウォーキングする
といった習慣をつけると、肝臓の数値が下がりやすくなります。
肝臓は驚異的な再生力を持っており、肝細胞が破壊されると、残った肝細胞は自ら増殖して再生する働きがあります。その間、肝機能は維持されています。
再生力をサポートするために、食事で栄養をしっかりとり、肝臓に負担をかけないようにしましょう。
対処法① 主食・主菜・副菜の揃ったメニュー意識しよう
主食
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ごはん/パン/麺
|
主菜
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肉/魚/卵/大豆製品
|
副菜
|
野菜/海藻/きのこ
|
1食の中で主食・主菜・副菜を揃えるようにすると、自然と栄養バランスが整います。
体の栄養状態がよくなると肝臓の活動が助けられ、肝細胞が再生されやすくなります。
タンパク質・糖質・脂質のバランスが大切!
知っておきたい「計算方法」
|
標準体重(Kg)
|
身長(m)×身長(m)×22
|
適正エネルギー量(Kcal)
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標準体重(Kg)×25~30Kcal
|
タンパク質(g)
|
標準体重(㎏)×1.0~1.2g
|
糖質(g)
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適正エネルギー量(Kcal)×50~65%÷4
|
脂質(g)
|
適正エネルギー量(Kcal)×20~25%÷9
|
※エネルギー量・タンパク質・糖質・脂質は、「1日の摂取目安量」を計算しています。
例)「160cm」の人の場合
標準体重 : 56.3(kg)
適正エネルギー量: 1408 ~ 1689(Kcal)
タンパク質 : 56.3 ~ 67.5 g
糖質 : 176 ~ 274.4(g)
脂質 : 31.3 ~ 46.9(g)
*活動量によっても多少前後します。
バランスよく食べるためには、タンパク質・糖質・脂質の適量を確認することも大切です。
ご自身の「標準体重」と「1日の適正エネルギー量」から計算してみましょう。
対処法② 「タンパク質」と「ビタミンB群」を積極的に摂ろう
「タンパク質」と「ビタミンB群」を含む食材
- 豚ヒレ肉
- いわし
- かつお
- さば
- 鮭
- あさり
- マグロ
- 納豆
- 卵
- 牛乳
など
大豆製品・卵・乳製品・肉類・魚などを積極的に食べ、「タンパク質」と「ビタミンB群」をきちんと摂取しましょう。
良質なタンパク質は、肝細胞の再生に必要な「必須アミノ酸」がそろっています。
また、タンパク質を肝細胞の再生に生かすには、「ビタミンB群」が必要です。
肝機能が低下すると「ビタミンB群」が不足しがちになるので、食事で意識的に摂取しましょう。
※食べる量を増やすとエネルギーや脂質の過剰摂取につながります。量よりも質を意識して食べるようにしましょう。
食生活で気をつけるポイント
炭水化物ばかり食べていると、タンパク質が不足しやすいものです。
麺類を食べるときは、「うどんに天ぷらをトッピングする」・「具の多いパスタを選ぶ」といった工夫をしましょう。
ビタミンB群は、毎日「卵」か「乳製品」か「大豆製品」を摂り、さらに「肉」か「魚」を組み合わせるようにすると、1日に必要な量を満たせます。
対処法④ 1日6~7時間の質の良い睡眠をとろう
良質な睡眠をとる方法
- 就寝の3時間以上前に、夕食を済ませる
- 就寝1~2時間前に入浴する
- 体温が下がったタイミングでベッドに入る
- 寝る前はテレビ・スマホなどの液晶画面を見ない
睡眠時間の長さには個人差がありますが、6~7時間を目安に良質な睡眠をとるようにしましょう。
規則正しい時間に寝ることも大切です。
寝ている間はエネルギーを消費しない分だけ代謝機能が抑えられます。
肝臓の負担を減らすには、しっかりと睡眠時間を確保することが大切です。
対処法⑤ 1日15分程度のウォーキング
ウォーキングなどの有酸素運動を毎日行いましょう。
1日15分程度のウォーキングからはじめて、慣れてきたら時間を伸ばしたり、歩く速度を速めたりしていきましょう。
運動はストレス解消につながりますし、運動により消費エネルギー量を増やすことで、脂肪肝を予防できます。
また、有酸素運動で慣れて余裕が出てきたら、筋トレにも挑戦していきましょう。
筋肉が増えると、脂肪の代謝がさらに促されます。
肝臓の数値が高いときは「消化器内科」へ
「AST・ALTが51以上」の方は、一度消化器内科で診てもらいましょう。
数値が高い人は、脂肪肝などの肝臓病が隠れているケースもあります。
また、
- 倦怠感・疲労感
- 皮膚が黄色い
- 頭痛・めまい
- 発熱
- 食欲低下
- むくみ
といった症状があるときは、早急の受診をおすすめします。
肝臓は初期の段階では自覚症状がありません。
上記は肝臓病の悪化によって現れる症状なので、肝臓の数値が悪い人は要注意です。
「肝硬変」など、健康を大きく損なう状態に陥らないためにも、放置せず受診するようにしましょう。
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2021-09-15
「禁酒の効果はいつから出るの?」
禁酒の効果が出るまでの期間、具体的なメリットについて、栄養士に聞きました。
「平日だけの禁酒に効果はある?」「3週間でどのくらい変わるの?」といった疑問にもお答えします。
禁酒の効果が出るのは、いつから?
小さな変化であれば、翌日から実感できる人もいます。
ただし、変化を感じるまでの期間には個人差が大きいため、すぐに効果を感じられないこともあります。
すぐ効果が実感できる例としては…
顔のむくみであれば、禁酒した翌日の朝にすっきりして見える可能性があります。
また、禁酒によって睡眠の質が良くなると、朝の目覚めも良くなります。
例えば「3週間禁酒を続けると…?」
例えば、500ml 200kcalのビールを毎日飲む人が、3週間禁酒を続けたら、4,200kcal摂取しなくて済みます。1kg減量するためには7,200kcal必要ですので、3週間では600g程度減量できることになります。見た目の変化を実感できる人もいますよ。
「平日だけ禁酒」でも効果ある?
今まで毎日飲酒をしていた場合は、平日だけの禁酒でも効果を感じやすいです。
肌質の改善、疲労感を感じにくくなるなど、何かしらの良い変化を実感できるでしょう。
禁酒することで実感できる3つの効果
禁酒することで
ダイエット
美肌
疲れが取れる
といった効果を期待できます。
禁酒の効果① ダイエット
お酒には糖質が含まれているものが多いです。
そのため、禁酒すると糖質の摂取量を抑えられ、痩せることができます。
また、アルコールは分解する過程で中性脂肪の合成が促されるため、肥満の原因になりやすいです。
禁酒によって脂肪の合成を抑制することも、ダイエットに繋がります。
おつまみは要注意!脂質と塩分で太りやすい
おつまみは味の濃いものや脂質の多いものが多いです。
お酒は食欲を増進させるので、エネルギーや塩分を過剰摂取しやすくなります。
また、塩分はむくみの原因にもなるので、ダイエット時は禁酒しましょう。
禁酒の効果② 美肌
禁酒することで新陳代謝がスムーズになり、美肌づくりに繋がります。
アルコール代謝の過程で生まれるアセトアルデヒドは老化物質の「AGEs」を作り出します。
AGEsが肌細胞に溜まっていると、新陳代謝がうまくいかず、シミ・くすみ・黒ずみなどの原因となります。
禁酒の効果③ 疲れが取れる
寝酒をやめると、睡眠の質が上がるため、疲れが取れやすくなります。
寝酒は一時的に入眠を促しますが、途中で目覚めやすいので睡眠の質を下げてしまいます。
「禁酒の効果を高める」4ポイント
禁酒の効果を高めるために
規則正しい生活を送る
バランスの良い食事を摂る
運動する
ストレスをためない
ということを心掛けましょう。
規則正しい生活を送る
禁酒をしても不規則な生活をしていては、疲れもとれにくく、肌も荒れやすくなります。
日中には体を動かし、夜にしっかり眠りましょう。
睡眠時間は個人差がありますが、6〜8時間程度は確保してください。
睡眠の質を上げるために、就寝前3〜4時間以内のカフェイン摂取は控えましょう。
バランスの良い食事を摂る
偏った食事は糖質・脂質の過剰摂取につながり、肥満の原因になります。
1日3食、主食・主菜・副菜の揃った食事を心掛けてください。
間食する場合は1日200kcal以内にしましょう。
間食はスイーツやスナック菓子ではなく、フルーツやヨーグルトがおすすめです。
また、禁酒をしても食事や間食が多ければ、ダイエットの効果は得られにくいので注意しましょう。
運動する
有酸素運動は脂肪燃焼を促すため、禁酒でダイエットしたい人におすすめです。
週に2回以上、有酸素運動(ウォーキング・ジョギング・水泳など)を30分以上行いましょう。
ストレスをためない
禁酒でストレスを溜めてしまっては、自律神経の乱れ・むくみ・肌荒れ・疲労の蓄積につながります。
趣味の時間を確保する
信頼できる友人・家族と話す
好きな音楽を聴く
などの方法で、ストレスを上手に発散しましょう。
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
厚生労働省 健康づくりのための睡眠指針 2014
リバーシティクリニック 抗糖化コラム
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2021-09-17
「肝臓が悪くなると太るって本当?」
「ぽっこりと出たお腹は肝臓病のサイン?」
肝臓に関する疑問に医師がお答えします。
注意すべき自覚症状や肝機能を回復させる方法、病院に行く目安も解説します。
肝臓が悪いと太るって本当?
肝臓が悪くなると太るのは本当です。
肝臓の働きが悪くなると、脂肪や血流の代謝が鈍くなります。
さらに、脂質の消化や吸収を促進する「リパーゼ」という消化酵素の働きも鈍くなるため、太りやすくなります。
また、肝硬変など、腹水(タンパクを含む体液が腹部に貯留)になるとお腹がぽっこりしたようになります。
肝臓が悪い時の自覚症状
休んでも体のだるさが取れない
疲れが溜まりやすくなる
肩がこる
頭が働かない
お腹に違和感がある
上記症状がある場合、肝機能の低下が疑われるため要注意です。
肝機能を回復する2つの対処法
肝機能を回復させるために
食生活を見直す
アルコール摂取を控える
といった対処をおすすめします。
対処法① 食生活を見直す
食生活を見直し、肝臓を休ませてください。
特に脂肪分・糖質の多い食事は肝臓の負担となるため、控えてください。
タンパク質・ビタミン・ミネラルを積極的に摂り、腹八分目を心がけてください。
間食する場合は、少量のドライフルーツ・ナッツ・和菓子がおすすめです。
<OK>タンパク質が多い食べ物
魚・赤身肉・卵
納豆・豆腐
<OK>ビタミンが多い食べ物
緑黄色野菜(ほうれん草・にんじん・ブロッコリー等)
キノコ類
<OK>ミネラルが多い食べ物
海藻類(わかめ・ひじき等)
キノコ類
<NG>脂肪分・糖質が多い食べ物
油分(揚げ物、炒め物など)
肉類の脂肪分
スナック菓子・洋菓子・パン
対処法② アルコール摂取を控える
できれば禁酒しましょう。
難しい場合は週に2~3日、休肝日を設けてください。
アルコールの代謝には肝臓が使われるため、肝臓が悪くなる原因になります。
飲酒が日常化している人は要注意です。
これはNG!肝臓に悪い食べ物
塩分・脂質が多い食べ物は肝臓に負担を与えやすいので、なるべく控えましょう。
特にウインナー・ベーコンといった肉加工品は、塩分・脂質が多く含まれているので、気をつけてください。
こんな症状は病院へ
疲れがとれない・だるい
風邪のような症状が続く
食欲がなくなる
お腹が張る
といった症状あるときは、一度医療機関を受診しましょう。
上記症状には肝臓の病気が疑われます。
肝炎、肝硬変、肝細胞がんが隠れていた場合、命に関わるケースもあるため、早急な治療が必要です。
◆肝炎・肝硬変…
肝臓の働きが低下する病気です。
むくみ、黄疸などが現れます。
放置すれば肝不全となり、黄疸や静脈瘤を形成して大量吐血などを起こします。
◆肝細胞がん…
肝臓に発生するがんです。
進行すると肝機能が悪くなり、むくみや黄疸が現れます。
放置すると次第にお腹が張っていき、出血して腹部に激痛が起こります。
病院は何科?
「肝臓が悪いかもしれない」と疑うときは、消化器内科を受診しましょう。
消化器内科を探す
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
国立がん研究センターがん情報サービス 肝細胞がん