「皮下脂肪が落ちない…」
「なかなか痩せない…どうして?」
皮下脂肪型肥満の人向けのダイエットについて、お医者さんに聞いてみました。
避けてほしいダイエットや、効率よく痩せるためにできることなども解説します。
監修者
経歴
株式会社Luce代表/健康検定協会理事長、山野美容芸術短期大学講師、服部栄養専門学校特別講師、日本臨床栄養協会評議員、ダイエット指導士、ヨガ講師、サプリメント・ビタミンアドバイザーなど栄養・美容学の分野で活動をおこなっている。
皮下脂肪型肥満の「特徴」
皮下脂肪型肥満の人は、お腹まわり(下腹部)や太もも、お尻など、特に下半身に脂肪がつきやすい傾向にあります。
そのため、下半身が大きくなりやすく、まるで洋ナシのような体型に見えます。
皮下脂肪は一度蓄積してしまうと、落としづらい脂肪です。
ダイエットをすると内臓脂肪が先に落ちやすく、皮下脂肪が落ちるのはその後になります。
皮下脂肪型肥満になってしまう原因は…
- 食生活が乱れている(摂取する栄養が偏っている)
- 運動習慣がない
- 脂肪燃焼しづらい体質
など
皮下脂肪型肥満の「効率のよい痩せ方は?」
皮下脂肪型肥満の人が効率よく痩せるためには、バランスのよい食事を心がけるとともに運動を組み合わせることが大切です。
食事と運動を組み合わせ、しっかり筋肉をつけて、基礎代謝を上げる必要があります。
陥りやすい“落とし穴”
痩せるためにダイエットをすると思いますが、皮下脂肪型脂肪の方はダイエットをすると筋肉を落としすぎてしまう傾向にあります。
筋肉が落ちると、基礎代謝が減ってしまうため逆効果になってしまいます。
そのため、筋肉のもととなるたんぱく質を意識して摂取するバランス良い食事を心がけて、さらに筋肉をつけるために運動を取り入れましょう。
おすすめダイエット方法
皮下脂肪型肥満の人がしっかり痩せるためには
- 「主食・主菜・副菜」が食卓に並ぶようにする
- 有酸素運動を行う
- 筋トレを行う
の3つを守るとよいでしょう。
①「主食・主菜・副菜」が食卓に並ぶようにする
皮下脂肪型肥満の方には、食事制限するだけのダイエットはよくありません。代謝が悪くなってしまっているため、食事制限をしてもあまり痩せないだけでなく、余計に太りやすくなってしまいます。
そのため、色々な栄養素をバランス良くとるようにしましょう。例えば「主食、主菜、副菜」が食卓に並ぶようにするとよいです。
栄養素にはそれぞれ役割があり、バランスよく栄養をとることができると、初めてそれぞれの役割を果たします。
特に、野菜などのビタミン・食物繊維、肉や魚や卵に含まれるタンパク質をしっかりとりましょう。
ただし、油が多い料理や、お菓子などの食べ過ぎには注意しましょう。
②有酸素運動を行なう(30分以上)
有酸素運動は脂肪を燃焼させてくれます。息が弾む程度の運動を1回30分以上続けましょう。
おすすめの有酸素運動として、ウォーキングがあります。
ウォーキングをするときは、だらだら歩くのではなく、姿勢をよくして、腕を振りながら歩くとより効果的です。
そして踵、足の外、指先という順番で足をつき、いつもより歩幅が大きくなるように歩くようにしましょう。
③筋トレ(特に下半身)
皮下脂肪型肥満の方は、大きな筋肉の多い下半身を鍛えるのがよいでしょう
筋肉がつくと基礎代謝があがり、より脂肪を燃焼しやすくします。
特に、大きな筋肉は鍛えると効率的に基礎代謝を上げられます。
筋トレは、スクワット・クランチがおすすめです。
スクワットのやり方
スクワットは、太ももやお尻、ふくらはぎの筋肉を鍛えます。
- まず足を肩幅に開く(つま先は膝と同じ方向にする)
- 手は胸の前で軽く組む
- 太ももと膝が平行になるくらいお尻を下げる
- ゆっくり元に戻す
こちらは、まず3〜4回繰り返しましょう。
また、ゆっくり息をしながら行うのがポイントです。
クランチのやり方
クランチはお腹周りの筋肉を鍛えます。
- 仰向けになり、膝を90度に足を曲げる。
- 肩甲骨のあたりから体を起こし、数秒そのままキープ
- 体を戻す
こちらは1回あたり15〜20回行うと良いでしょう。
体を起こすタイミングで、ゆっくりと息を吐きながらお腹をへこませるのがポイントです。
【注意】こんな方法は効果が低いことも…!
「○○だけダイエット」など、一つの食品に偏ったダイエット方法は、一時的に体重は減りますが、リバウンドを起こす上に皮下脂肪の燃焼にはつながりません。
皮下脂肪型肥満の方は、バランスよく栄養素をとり、代謝をよくすることがダイエットの近道です。根気が必要ですが、地道に続けてみてくださいね。
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2022-02-17
“夜だけ炭水化物抜き”にどんな効果があるのか、栄養士さんに聞いてみました。
「なかなか痩せないのはなぜ?」
「太りやすくなるってホント?」
といった疑問にもお答えします。
ダイエットの食事で大切なポイントやおすすめの炭水化物なども要チェックです。
夜だけ炭水化物抜きって「痩せる?痩せない?」
夜に主食を抜くと、最初は痩せることが多いです。
しかし、主食以外の栄養バランスが偏っていると、その後の効果は出にくいです。
糖質はカットできていても、他の栄養素が不足、もしくは過多になっている可能性があります。
なかなか痩せられない方は、「毎日何を食べているのか」をきちんとチェックすることをおすすめいます。
炭水化物完全カットより、バランスや食べ方が大事
糖質を完全にカットしなくても、栄養バランスや食べる順番を工夫することで痩せやすくなります。
ダイエットをするときは、
副菜→主菜→主食の順で食べる
「タンパク質」を毎食取り入れる
減塩を意識する
夕食はできれば18~19時までに食べる
などを心がけましょう。
まずは食事の栄養バランスを整えることが大切です。
副菜・主菜・主食が揃った「和定食」をイメージすると、バランスのよい食事になりやすいでしょう。
① 副菜→主菜→主食の順で食べる
副菜→主菜→主食の順で食べると、満腹を感じやすくなるので食べ過ぎ予防につながります。
また、糖質や脂質が吸収されにくくなり、太りにくくなる効果が期待できます。
特に「海藻」を食事の最初に摂るのがおすすめです。
糖質や脂質、塩分の吸収が緩やかになるため、太りにくく、むくみにくくなります。
<一食分の目安量>
副菜…サラダであれば、両手たっぷり
主菜…たんぱく源は、片手分
主食…こぶしひとつ分以内
② 「タンパク質」を毎食取り入れる
タンパク質は「筋肉を作る材料」になります。
筋力量が増えると基礎代謝を上がって痩せやすくなるため、毎食取り入れることをおすすめします。
また、消化に時間がかかって腹持ちするので、毎食しっかりとると間食や次の食事量を抑えやすくなります。
③ 減塩を意識する
減塩するために、
味噌汁や煮物は出汁パック(塩分無添加)でとる
減塩タイプの調味料を使う
タレや醤油は少量つける
総菜・インスタント食品を控える
漬物、水産・畜産加工品を控える
などを意識しましょう。
減塩することでむくみにくくなるため、見た目もスッキリしやすいです。
減塩で物足りなさを感じる人は、香味野菜やスパイス、ハーブ、酸味をプラスするとよいでしょう。
▼水産加工品の例
スモークサーモン、しらす、干物、いくら など
▼畜産加工品の例
ベーコン、ハム など
④ 夕食はできれば18~19時までに食べる
遅い時間の夕食は、脂肪蓄積につながります。
可能であれば、夕食は18~19時までに食べましょう。
また、食事量を「腹八分目」に抑えることも大切です。
食べるなら…ご飯・パン・麺、どれがいい?
ダイエット中の炭水化物は、
玄米
雑穀米
ブランパン
などがおすすめです。
これらは白米や通常の小麦由来のパンよりも食物繊維含有量が多く、血糖値を上げにくいため、太りにくい炭水化物といえます。
ダイエット中に「おすすめしない炭水化物」
白米
食パン
菓子パン
麺類(パスタなど)
といった炭水化物は、ダイエット中は控えましょう。
これらは、食物繊維含有量が少なく血糖値を上げやすいため、糖が吸収されて太りやすいと考えられます。
ダイエット中におすすめの晩御飯メニュー
和食、洋食それぞれ副菜・主菜・主食ごとに、おすすめメニューを解説します。
和食のメニュー例
副菜:野菜のサラダ、海藻の酢の物、きのこの減塩味噌汁 など
主菜:鯖の塩焼き
主食:玄米、雑穀米
洋食のメニュー例
副菜:ミネストローネ(パスタ除く)、付け合わせの温野菜(根菜や芋類以外の野菜中心)など
主菜:鶏胸肉のハーブグリル
主食:ブランパン
晩御飯後にウォーキングするのもおすすめ
食事の1~2時間後に15~30分間程度「ウォーキング」すると、食べたものが消費されるため、太りにくくなるでしょう。
より効果を実感しやすくするためにも、ウォーキングするときは正しいフォームで歩きましょう。
ウォーキングの正しいフォーム
頭は揺れないようにして、姿勢を真っすぐ伸ばす
目線は20m先を真っすぐに見る
リラックスして肩の力は抜く
ひじを後ろに引くようにして腕を振る
前に出した足はひざを伸ばす
かかとからしっかりと地面を踏む
▼参考
厚生労働省 e-ヘルスネット 糖尿病を改善するための運動
タカハラ整形外科クリニック vol.43歩き方指導 ~個々にあった方法で~