医師が解説【男性更年期障害の乗り越え方】今すぐできる対処法&予防法

更新日:2022-10-25 | 公開日:2022-05-31
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医師が解説【男性更年期障害の乗り越え方】今すぐできる対処法&予防法

男性更年期障害がツライ…
症状を和らげるにはどうしたらいい?

「男性更年期障害の乗り越え方」をお医者さんに聞きました。
セルフケア方法を詳しく解説しますので、つらい症状を改善したい人は必見です。

監修者
岡村 信良 先生

平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医

岡村 信良先生

経歴

平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック

男性更年期障害はなぜ起こる? 

男性更年期障害の症状がツライです…何が原因で不調が引き起こされるのでしょうか?

男性
医師男性

男性更年期障害は、加齢に伴う男性ホルモンの分泌量の低下によって引き起こされます。

男性ホルモンが少なくなると、自律神経に乱れが生じ、心身に様々な不調が出てきます。

男性は40代後半くらいから、精巣機能の低下によって男性ホルモン(テストステロン)の分泌が徐々に減少していきます。

テストステロンには「意欲を促す作用」もあるため、減少することで「気分の落ち込み」も感じやすくなります。

こんな人は症状が悪化しやすい

  • 就寝時間が不規則
  • 睡眠不足
  • ストレス・疲労が溜まっている
  • 栄養バランスに偏りがある
  • 運動する習慣がない
  • 生活環境が大きく変わった(仕事・家庭の変化など)
  • 周囲に気を遣い過ぎる(気配り上手)

上記に当てはまる人は、自律神経の乱れによって症状が悪化しやすいです。

男性更年期障害の症状があるときは、心と体を休めることが大切になります。

最近の不調、更年期のせいかも?

軽度~中等度の症状

  • 疲れやすい・体がだるい(倦怠感)
  • 頻尿
  • 性欲低下
  • 軽い筋肉痛や関節痛
  • のぼせ・ほてり感
  • めまい
  • 耳鳴り
  • 頭痛
  • 冷え
  • やる気が出ない(無気力)
  • 集中力低下
  • 神経質になる・イライラする
  • 不安感

重度の症状

  • 筋肉量低下
  • 体毛が薄くなる
  • 全身に生じる強い倦怠感
  • 筋肉痛や関節痛で動くのがつらい
  • 動悸がする
  • 呼吸困難
  • 睡眠障害(不眠等)
  • 気持ちがひどく落ち込む(抑うつ状態)
  • 物忘れが多い
医師男性

上記症状が見られる方は、男性更年期障害が疑われます。

特に重度の症状が見られるときは、一度病院で相談してみることをおすすめします。

男性更年期障害による気持ちの落ち込みは、悪化すると「うつ病」の発症につながるケースもあります。

「ホルモン補充療法」などで改善を図ることも可能ですので、不調が続くときは早めに泌尿器科で相談するようにしましょう。

知っておこう
男性更年期障害の人は「生活習慣病を発症しやすい」

 

男性ホルモンの減少は、血行不良・代謝機能の低下を招きます。

これにより、肥満・高血圧・糖尿病といった生活習慣病の発症リスクが上昇すると考えられています。

 

生活習慣病は、血管へのダメージによって「心筋梗塞」「脳卒中」を引き起こす恐れがある病気です。

体の健康のためにも、40代からは定期的な健康診断を欠かさないようにしましょう。

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男性更年期障害による症状をどうにかしたい!

医師男性

男性更年期障害の症状を和らげるために、

  • 有酸素運動・筋トレを週に3~4回行う
  • 「ぬるめのお湯」でゆっくりと体を温める
  • 睡眠時間を十分に確保する

といったセルフケアをおすすめします。

それぞれ解説していきます。

① 有酸素運動・筋トレを週に3~4回行う

▼おすすめの有酸素運動

  • ウォーキング
  • ストレッチ
  • ヨガ
  • ジョギング


▼おすすめの筋トレ

  • 腕立て伏せ
  • スクワット
医師男性

週3~4日・1回15~30分を目安に、有酸素運動もしくは筋トレを行いましょう。

ストレスを感じない程度を目安に、体を動かす習慣を少しずつ身に付けていくとよいでしょう。

適度に体を動かすと心と体がリフレッシュするため、「集中力の向上」「抑うつの改善」にも有効と考えられています。

特に大きな筋肉を動かす運動は、男性ホルモンの分泌量の増加も期待できます。

忙しい人のためのおすすめ運動

医師男性

運動の時間を作るのが難しい場合は、

  • 電車で移動する際は一駅手前で降りて歩く
  • エスカレーターではなく階段を使う
  • 歯磨きや家事の最中に「かかとの上げ下ろし運動」を行う

生活の中に運動を取り入れるだけでも効果があります。

時間ができたときは、有酸素運動や筋トレにもトライしてみましょう。

② 「ぬるめのお湯」でゆっくりと体を温める

 

医師男性

38~40度程度のぬるめのお湯で半身浴をして、ゆっくりと体を温めてください。

体を温めて血行が良くなると自律神経が安定しやすいので、気分の落ち込み等の改善が期待できます。

③ 睡眠時間を十分に確保する

しっかりと睡眠をとるためのポイント

  • 23~24時にはベッドに入る
  • 就寝直前までスマホやパソコンを使用しない
  • 就寝前の食事・飲酒・喫煙を控える
  • 就寝の1~2時間前に入浴する
  • 入眠しやすい環境を作る(部屋の照明を暗くする等)
医師男性

男性ホルモンは就寝中に多く作られる(特に深夜1~3時頃)ため、夜ふかしは控えましょう。

1日7~8時間程度睡眠をとることで、自律神経も安定しやすくなります。

【体験談】わたしは男性更年期障害をこうやって改善した!

男性

食事の時間と栄養バランスを気にしました。また最低でも1日6時間以上の睡眠をとるように心がけました。
(40代男性)

男性

大豆食品を沢山摂取するようにしました。また、料理はなるべく薄味で塩分控えめにすることを意識しています。
(40代男性)

男性

なるべく状態のいい日に、ウォーキングサイクリングなどあまり負荷のかからない運動をしていました。
(50代男性)

症状を繰り返さないための「予防法」

医師男性

男性更年期障害を繰り返さないために、

  • 「男性ホルモンの分泌を高める食べ物」を食べる
  • ストレスをこまめに発散させる

などを意識して生活しましょう。

それぞれ解説していきます。

予防法① 「男性ホルモンの分泌を高める食べ物」を食べよう

医師男性

「良質なタンパク質」・「ネバネバ食品」・「ネギ類」・「亜鉛を含む食品」を積極的に食べましょう。

これらの食べ物は男性ホルモンの分泌を増やす効果が期待できます。

良質なタンパク質

豚肩ロース/鶏モモ肉/サバ/アジ/納豆 等

ネバネバ食品

山芋/オクラ/モロヘイヤ 等

ネギ類

タマネギ/ニンニク 等

亜鉛を含む食品

牡蠣/煮干し 等

食事は栄養バランスの良いメニューを基本とし、脂質・糖質の摂りすぎは避けましょう。

栄養の偏りなく食事をとることで、自律神経が安定して男性更年期障害を予防しやすくなります。

忙しい人にはサプリメントもおすすめ!

「男性更年期障害におすすめ」のサプリメント

  • アルギニン
  • シトルリン
  • コエンザイムQ10
  • 亜鉛
  • マカ
  • クラチャイダム(タイ原産の生姜の一種)
  • ジオスゲニ
医師男性

バランスの良い食事を用意するのが難しい人は、上記のサプリメントを使用してみるのも一つの手です。

ただし、使用時に注意が必要なタイプもあるため、一度病院で相談してからの使用をおすすめします。

予防法② ストレスをこまめに発散させよう

おすすめの「ストレス発散方法」

  • 適度な運動で筋肉や脳を刺激する
  • 半身浴でリラックスする
  • よく笑う
  • 自分の好きなことをする時間を設ける
医師男性

ストレスは男性更年期障害の症状を悪化させます。

上記の方法を参考にして、普段からストレスを溜め込まないように心がけましょう。

重度の男性更年期障害は病院で相談しよう

医師男性
  • 全身に強い倦怠感がある
  • 筋肉痛や関節痛で動くのがつらい
  • 動悸がする
  • 呼吸しづらい
  • 不眠で悩んでいる
  • 気持ちがひどく落ち込む
  • 物忘れが多い

などの症状は、重度の男性更年期障害が疑われます。

上記症状に心当たりがある人は、早めに病院で相談しましょう。

特に心の不調は「うつ病」の発症につながるリスクがあるため、要注意です。

また、男性ホルモンが減少している人は生活習慣病を発症しやすい状態なので、日々の健康管理にも気を配る必要があります。

男性更年期障害は血液検査等で診断できます。

症状でお困りの方は、ご自身の体の状態を把握するためにも一度病院で診てもらうことをおすすめします。

男性更年期障害は「泌尿器科」で相談しよう

医師男性

男性更年期障害が疑われる場合は、「泌尿器科」で相談するとよいでしょう。

男性更年期障害と診断した場合は、

  • 男性ホルモン補充療法
  • カウンセリング
  • 漢方薬(補中益気湯、十全大補湯等)を用いた治療
  • 抗うつ薬抗不安薬等を用いた治療

などで改善を図ることが多いです。

医師にはどう伝えたらいい?

受診の際は、

  • 症状が出現した時期
  • 悩んでいる症状
  • 症状が出るタイミング
  • 思い当たる原因(ストレス等)
  • 生活習慣について(仕事内容等)
  • 既往歴

などについて医師に伝えると、診察がスムーズに進むと考えられます。

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