「更年期になって、脇が痛みだしたけど大丈夫?」
「押すと痛い!」
原因には“乳がん”や“乳腺症”といった病気も考えられます。
当てはまる症状がないか確認してみましょう。
病院に行く目安も併せて解説します。
監修者
経歴
日本外科学会 専門医
いとう新検見川クリニック
「更年期の脇の痛み」はなぜ起こる?
更年期のホルモンバランスの変化が乳腺に影響を与えると、脇に痛みが起こる場合があります。
乳房周辺に症状が出やすいため、胸に違和感が出る人もいます。
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2020-04-30
脇の下にできるしこりについて、お医者さんに聞きました。
「しこりができたけど痛みはない」
「押したりつまんだりすると痛い」
こういった症状がある場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。
注意すべきしこりの特徴や、病気の可能性なども併せて解説します。
「痛みがある」心配のないしこり
痛みがあるしこりの場合、次の原因が考えられます。
あまり心配しなくても大丈夫ですが、症状が悪化したときは医療機関を受診してください。
① 異物肉芽腫
伸びた脇毛が皮膚の中に入り込むと、異物侵入の反応として“しこり”が生じる場合があります。
脇毛のお手入れが原因で発症しやすいです。
しこりの特徴
小さい
痛みがある
赤みがある
赤みが出てから1週間ほど経つと、痛みが消え、赤かった部分が黒くなり、茶色っぽい硬いしこりが生じます。
異物肉芽腫の対処法
しこりが生じた箇所を清潔に保ちましょう。
痛みや違和感があるときは、皮膚切開で取り出す必要がありますので、早めに医療機関を受診してください。
病院は何科?
形成外科を受診しましょう。
形成外科を探す
② せつ(おでき)
毛根を包んでいる組織に細菌が感染すると、膿が溜まり、しこりができます。
しこりの特徴
腫れている
痛みがある
潰れると臭い膿が出てくる
せつ(おでき)の対処法
脇の下を清潔に保つ
脇の下が蒸れないように保つ
デオドラント製品の過度に使わない
綿・絹などの通気性がよい服を着るのがおすすめです。
デオトラント製品を使いすぎると、毛穴詰まりを起こし、細菌感染や炎症が生じて、毛包炎やおできを発症する恐れがあるので注意しましょう。
おできに気がついたら、すぐに医療機関を受診してください。
病院は何科?
皮膚科・形成外科を受診しましょう。
形成外科を探す
③ アレルギー反応
アレルギー反応として脇の下にしこりが生じる場合があります。
腕に予防接種をした後などに起こりやすいです。
しこりの特徴
リンパの箇所の腫れ
柔らかい
アレルギー反応の対処法
アレルギーの原因物質を遠ざけましょう。
注射によるものであれば、数日〜1週間くらいで自然に消えることがほとんどです。
ただし、違和感がある、どんどんと大きくなるようであれば、医療機関へ行きましょう。
病院は何科?
皮膚科・アレルギー科を受診しましょう。
予防接種をした後であれば、その予防接種をした医療機関を受診しましょう。
皮膚科を探す
④ 副乳
妊娠に伴い乳腺が発達すると、脇の下に乳腺組織が出現する場合があります。
これは副乳と呼ばれており、授乳期の女性に多く見られる症状です。
しこりの特徴
できもののような小さいしこり
痛み、腫れがある
乳汁が分泌することもある
脇の下や肋骨周辺に発生しやすい
副乳の対処法
痛みがある場合は、冷やすと痛みが緩和するケースがあります。
痛みがなければそのまま放置でも大丈夫ですが、痛みが出てきたら、病院へ行きましょう。
病院は何科?
授乳中の場合は、かかりつけの産婦人科を受診しましょう。
それ以外の方は、乳腺外科を受診しましょう。
乳腺外科を探す
⑤ 乳腺炎
母乳が溜まりすぎ、細菌感染などによって乳腺に炎症が起こっている状態です。
授乳中に生じる乳房のしこりは、多くが乳腺炎です。
しこりの特徴
広範囲にしこりが生じてカチカチになっている
痛みがある(感染症の場合は強く痛む)
発熱や吐き気、倦怠感などを伴うケースもあります。
乳腺炎の対処法
授乳・搾乳
しこりを冷やす
などの対処が行えます。
上記のケアをして24時間経過しても改善されない場合は、医療機関を受診しましょう。
病院は何科?
授乳中の場合は、かかりつけの産婦人科を受診しましょう。
それ以外の方は、乳腺外科を受診しましょう。
乳腺外科を探す
⑥ 乳腺症
乳腺の表面にある皮やその周辺の組織が萎縮したり、異常に増殖したりすることで“しこり”を形成します。
乳腺症は、20~40歳代の女性に多い良性疾患です。
しこりの特徴
ごりごりしたような感触
痛みがある
乳頭から分泌物が出ることもある
乳腺症の対処法
まずは日常生活でお茶やコーヒーなどのカフェイン、脂質の多い食事を減らしましょう。
また、ホルモンバランスのために、規則正しい生活を心がけ、ストレスを溜めないようにしてください。
セルフケアを1ヶ月行っても治らない、強い痛みが出ているといった場合は、医療機関を受診しましょう。
病院は何科?
乳腺外科を受診しましょう。
乳腺外科を探す
⑦ 線維腺腫
乳腺周りの線維組織成分と腺細胞成分が増殖し、しこりを形成します。
10~30歳代の女性に多い良性腫瘍です。
しこりの特徴
弾力性がある
くりくりとした感触
よく動く
押すと痛い
線維腺腫の対処法
経過観察で大丈夫です。
もし大きくなってきた場合は医療機関へ行きましょう。
病院は何科?
乳腺外科を受診しましょう。
乳腺外科を探す
「痛みがない」心配のないしこり
次のしこりは、ほとんど痛みがなく、あまり心配はいりません。
強い痛みが出たり、症状が悪化したりしたときは、医療機関を受診してください。
① 女性ホルモンの影響
女性ホルモンの影響を受けて、脇の下にしこりができる場合があります。
しこりの特徴
腫れた感じ
張ったような感覚
女性ホルモンによる“しこり”の対処法
規則正しい生活リズムで、ホルモンバランスを整えましょう。
日常生活で気になるようであれば、早めに医療機関へ行きましょう。
病院は何科?
まずは婦人科へ行きましょう。
婦人科を探す
② 粉瘤(アテローム)
皮膚の下に袋状の組織が発生し、その中に垢などの老廃物が溜まってしまう状態です。
粉瘤は、年代問わず発症する症状です。
しこりの特徴
数mm~1cm程度の大きさ
ドーム状に出っ張るイボ状の塊
触ると周囲の皮下脂肪より硬い
粉瘤の中心部に黒い点がある
しこりが生じている皮膚をつまむと、しこりが付いている
内部に感染を起こすと、赤く腫れたり、臭ったり、痛みを生じたりする場合があります。
粉瘤(アテローム)の対処法
放置しても構わないですが、日常生活で気になるようであれば、医療機関を受診してください。
取り除くには、治療を受ける必要があります。
病院は何科?
皮膚科を受診しましょう。
皮膚科を探す
③ 脂肪腫
皮膚の下に生じる良性の腫瘍で、中には脂肪が詰まっています。
女性に発症しやすい傾向があります。
しこりの特徴
柔らかい
しこりがある部分の皮膚をつまめる
脇の下、背中、肩、首に発生しやすい
脂肪腫の対処法
放置しても構いませんが、日常生活で気になるようであれば、医療機関で相談しましょう。
切除が必要と判断された場合は、手術が行われます。
病院は何科?
皮膚科・形成外科を受診しましょう。
形成外科を探す
④ 女性化乳房症
男性の乳腺組織が肥大する状態です。
乳児期や思春期にみられる男性乳房肥大は、正常で生理的なものであるケースが多いと考えられています。
しこりの特徴
大きさは、500円硬貨より少し小さいことが多い
痛みを伴うケースもある
女性化乳房症の対処法
多くの場合は自然に治るため、特に治療の必要はありません。
ただし、
皮膚への固着
乳頭から分泌物が出る
脇の下のリンパ節が腫れている
といったときは、男性乳がんのリスクがあるため、早めに医療機関へ行きましょう。
がんを発症している場合、放置すると命の危険があります。
病院は何科?
乳腺外科を受診しましょう。
乳腺外科を探す
放置は危険!深刻な病気が原因のしこり
しこりの中には、命にかかわる危険なものもあります。
気づいたら医療機関を受診してください。
① 悪性リンパ腫
血液細胞由来のがんの一つで、リンパ球ががん化した状態です。
ウイルス感染症、免疫不全者に多くみられ、しこりは脇の下、首、鼠径部等に発生しやすいです。
発熱、体重減少、皮膚発疹、むくみ、しびれなどを伴うこともあります。
しこりの特徴
1~5cmほどの大きさ
しこりが固い
触れても動かない
持続的に増大して病状が進行すると、しこりや腫れが全身に拡がります。
病院は何科?
内科を受診しましょう。
内科を探す
② 悪性腫瘍の転移
全身のどこかにできた悪性腫瘍が、脇の下のリンパ節に転移すると、しこりのように腫れてきます。
しこりの特徴
痛みを感じないことが多い
どんどんと大きくなる
いびつな形をしている
病院は何科?
まずは内科を受診しましょう。
肺がんなどの悪性腫瘍が発見された場合、適切な診療科へ案内してもらえます。
内科を探す
③ 乳がん
乳がんが腋窩リンパ節に転移すると、脇の下にしこりを感じる可能性があります。
脇のしこり以外に、乳房のしこり、張り感、乳頭から分泌液が出る、乳首陥没、皮膚にくぼみができる等の症状を伴うことがあります。
また、稀に男性も乳がんを発症するケースがあるため、油断は禁物です。
男性の場合、50歳以上で発症するケースが多いです。
しこりの特徴
ゴツゴツしている
でこぼこというような感触
動かない
病院は何科?
乳腺外科を受診しましょう。
乳腺外科を探す
自分のはどれ?しこり一覧表
痛みの有無
固さ
大きさ
赤み
異物肉芽腫
ある
固い
数ミリ程度
ない(茶色になることがある)
せつ(おでき)
ある
固い
1~2cm程度
ある
アレルギー反応
ある
固い
3cm前後
なし
副乳
ある場合もある
適度な固さ
様々
ある場合もある
乳腺炎
ある
固い
不揃いな大きさ
ある
乳腺症
ある
固い
不揃いな大きさ
ある
線維腺腫
ない
弾力性のある固さ
2〜3cm程
なし
女性ホルモンの影響
ある場合もある
固さがあるものもある
様々
ある場合もある
粉瘤
炎症の際にある
弾力ある固さ
数mm〜1cm程度
感染するとある
脂肪腫
なし
弾力ある柔らかさ
1〜数cm程度
なし
女性化乳房症
肥大すると痛む
柔らかい
様々
なし
悪性リンパ腫
なし
ゴムのような固さ
5mm〜数cm
※ステージによって変わる
ある場合もある
悪性腫瘍の転移
なし
固い
5mm〜数cm
※ステージによって変わる
ある場合もある
乳癌
なし
固い
5mm〜数cm
※ステージによって変わる
炎症がある場合は赤い
こんなしこりは病院へ
しこりが大きくなってくる
しこりの数が増える
しこりの痛みが強い
セルフケアしても症状の改善がみられない
以上のような症状がある場合、何らかの病気の可能性があります。
自己判断せず、病院を受診しましょう。
病院は何科?
原因がわからないときは、まずは内科で相談してみましょう。
なんらかの病気に心当たりがあるときは、以下の一覧表を参考にしてください。
受診すべき診療科
異物肉芽腫
形成外科
せつ(おでき)
皮膚科
形成外科
アレルギー反応
皮膚科・アレルギー科
副乳
乳腺外科
乳腺炎
乳腺外科
乳腺症
乳腺外科
線維腺腫
乳腺外科
女性ホルモンの影響
婦人科
粉瘤
皮膚科
脂肪腫
皮膚科
女性化乳房症
乳腺外科
悪性リンパ腫
内科
悪性腫瘍の転移
内科
乳癌
乳腺外科
皮膚科を探す
形成外科を探す
乳腺外科を探す
婦人科を探す
内科を探す
▼参考
徳島県医師会 異物肉芽腫
徳島県医師会 脂肪腫
森永乳業妊娠、育児情報サイト 脇の下にしこり(副乳)
国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター 悪性リンパ腫とは
公益財団法人長寿科学振興財団 悪性リンパ腫の症状
公益財団法人 難病医学研究財団/難病情報センター サルコイドーシス(指定難病84)
松戸市医師会 乳がんについて
一般社団法人 札幌市医師会 定期的に乳がん・子宮がん検診を受けましょう
東京慈恵会医科大学 外科学講座 乳腺の良性疾患
この痛み…大丈夫?病院行くべき?
更年期障害が起こる時期と乳癌が起こりやすい年代は近いので、
今まで経験したことのないような痛み、気になる痛みについては病院に相談しましょう。
ただし、脇の下の痛みや異常は「乳がん」の可能性もあるからです。
特に注意すべき「乳がん」の症状
脇の腫れや痛みに伴って
- 乳房に硬いしこりがある(痛みはない)
- 胸にえくぼのようなくぼみができる
- 乳頭から血液が混ざった分泌物が出ている
という場合は速やかに、医療機関を受診してください。
上記症状には、乳がんが疑われます。
乳がんは命に関わる病気であるため、早期治療が重要です。
何科で受診すればいい?
更年期に胸が痛むときは、乳腺外科を受診しましょう。
乳腺外科を探す
考えられる2つの病気
更年期に脇が痛むのは、
- 乳腺症
- 乳がん
といった病気が考えられます。
病気① 乳腺症
乳腺症とは乳腺に起こる生理的変化で、良性の病気です。
胸の張り感が強まると、脇が痛むことがあります。
ホルモンバランスの乱れが原因で発症することが多いです。
痛み方の特徴
引っ張られるような痛みを感じる人が多いです。
うつ伏せ寝など、胸が圧迫されている体勢だと痛みが強くなります。
また、腕をたくさん使ったあとに、痛みが強くなるケースもあります。
こんな症状は出ていませんか?
- 胸が張る
- いつもより胸が大きくなる
- 胸の表面にしこりができる
- 胸の表面に凹凸があらわれる
どんな人に多い?
どう対処する?
- 決まった時間に起きて、眠る
- 一日7時間程度の睡眠をとる
- 食事は3食をバランスよく食べる
- 適度に体を動かす
- 趣味に没頭するなど、ストレスを溜めない
上記の対処で生活習慣を整えて、ホルモンバランスの変化の影響が大きく出ないようにしましょう。
ただし、脇の痛みが14日以上続く場合は、医療機関に相談しましょう。
乳がんに症状が似ているため、注意が必要です。
病院は何科?
乳腺症が疑われるときは、乳腺外科を受診してください。
乳腺症の治療では、定期的に受診してもらい、変化がないかを見守っていきます。
痛みが強く、日常生活に支障がでている人には、痛み止めや漢方を処方します。
乳腺外科を探す
病気② 乳がん
乳がんは乳腺の組織にできるがんです。
乳がんで脇の下のリンパ節が腫れると、脇の下に痛みが起こります。
女性ホルモンの分泌期間が長くなることが原因だと考えられています。
また、遺伝や生活習慣(喫煙・運動不足・肥満など)も発症に関わっています。
痛み方の特徴
脇の下が腫れぼったくなり、異物があるような痛みを感じます。
脇の下や脇の奥を強く押したり、無理に動かしたりすると痛みを感じやすいです。
こんな症状は出ていませんか?
- 乳首と乳房がただれる
- 乳首と乳房がへこんでくる
- 血液がまじった分泌物が乳首出てくる
- 胸の形が左右で変わっている
- 乳首の位置がずれてくる
- 乳房の中にしこりができる
どんな人に多い?
- 初潮が平均年齢(10~15才)より早く来た人
- 閉経が平均年齢(50.5歳)より遅かった人
- 出産・授乳未経験の人
- 乳がんを発症している血縁者がいる人
- 喫煙習慣がある人
- 運動をしない人
- 肥満傾向の人
どう対処する?
残念ながら乳がんはセルフケアでは治りません。
転移すると命に関わりますので、早急に医療機関を受診してください。
胸に違和感を覚えたら早急に医療機関を受診しましょう。
病院は何科?
乳がんが疑われるときは、乳腺外科を受診しましょう。
医療機関では、手術・放射線治療・薬物治療などを行います。
病状の進行具合に応じて、治療方針が選択されます。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
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2021-03-26
「脇の下が痛い…!」
「しこりはないけど、大丈夫?」
痛みの原因や何科を受診するべきかを、医師が解説します。
乳がんなど重い病気の可能性もあるので、要注意です。
脇の下が痛いけどしこりはない…これ大丈夫?
生理前に痛みがではじめ生理と共に消失する場合は、あまり心配いらないケースが多いです。
脇の下の痛みは、女性ホルモンの影響によって生じることがあります。
乳腺が生理周期に合わせて発達すると、脇の下付近にある副乳(※)も一緒に発達するため、脇の下に痛みを感じることがあります。
※副乳…本来、消えるはずだった乳腺組織のなごりで、その多くは脇の下にあります。
こんな症状は要注意!
しこりがない痛みでも
症状が2週間以上続いている
症状が日に日に悪化している
しこりや痛み以外の皮膚の症状が出ている
という場合は、乳がんなど病気の可能性があるので、一度医療機関で検査を受けましょう。
しこりがなくても、乳がん…?
脇の下にしこりがなく、痛みがあるだけでも乳がんの可能性はあるのでしょうか?
乳がんの可能性は、大いにあります。
乳がんで、脇の下が痛くなることはよくあります。
脇の下のリンパ節は乳房の近くにあるので、乳がんが転移しやすいのです。また、副乳にできる乳がんの可能性もあります。
実際、ご自身でしこりを確認できないケースでも、検査によって乳がんが発見されることがあります。
乳がんになりやすい体質
40歳代後半〜60歳代後半になりやすい傾向にあります。乳がんは、女性が発症するがんの中で最も多いがんです。男性でも発症することはあります。
乳がん発症には、女性ホルモンの一つであるエストロゲンも深く関与しています。
女性ホルモンのバランスが乱れやすい更年期の女性や、エストロゲンが多い人は注意が必要です。
40歳代後半〜60歳代後半の女性
体内のエストロゲンが多い人
エストロゲンを含む経口避妊薬を使用している人
長期のホルモン補充療法を閉経後に受けている人
自分の親や子どもで乳がんになった血縁者がいる人
初潮年齢が低い人
閉経年齢が高い人
初産年齢が高い人
出産経験や授乳経験がない人
大量に飲酒する人
運動不足な人
閉経後に肥満になった人
乳がんの初期症状
乳がんの初期症状に当てはまる方は医療機関での検査をおすすめします。
脇の下が腫れる
脇の下が熱を持つ
乳房にしこりができる
乳頭からの分泌物が出る
乳頭や乳輪の皮膚がただれる
乳がんの検査方法
乳がんの検査方法は、「問診」と目で見て確認する「視診」、触って確認する「触診」をします。その後「マンモグラフィ(乳房X線検査)」や「乳房超音波」を行うのが一般的です。
問診では「自覚症状」「月経・妊娠などに関する事項」「過去の検診の受診状況」「既往歴や家族の病歴」などを確認します。
検査結果が「要精密検査」となった場合は、必ず精密検査を受けてください。
検査時間は医療機関にもよりますが、来院して帰宅まで1~2時間ほどかかると考えておいてください。
予約制をとっている医療機関もあるので、事前確認をおすすめします。
乳がんの治療方法
乳がんの治療は「手術」「放射線治療」「薬物療法」の3つがあります。治療方法はがんの進行度・体の状態・年齢・本人の希望を考慮した上で、担当医と患者が一緒に選びます。
手術によって、がんを取りきる方法が一般的です。
手術後に病理検査を行い、その後の治療計画を検討していきます。
がんの状態によっては、手術の前にお薬を服用する薬物療法を行うケースもあります。
発見が遅れると命を落とす可能性も…
早めに医療機関を受診し、検査することで痛みの原因をつきとめることができます。
乳がんは転移しやすく、発見が遅れると命を落とす可能性があります。
早期発見と治療が重要になるので、たかが脇の下の痛みだとは思わずに、体に不調がある場合は速やかに医療機関へ行きましょう。
\定期検診を受けましょう/
乳がんの早期発見のためにも、定期的な検診を受けましょう。
特に、40歳以上の女性は2年に1度、検診を受けることを強くおすすめします。
ほとんどの市町村では、検診費用の多くを公費で負担しているため、一部の自己負担のみで検診を受けることが可能です。
医療機関は何科に行けばいい?
脇の下に痛みがあるときは、まずは皮膚科を受診しましょう。
乳がんを疑われる方は、乳腺外科でもかまいません。
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▼参考
国立がん研究センター がん情報サービス