「前歯だけ矯正したい…」
「どんな矯正方法がある?自分では治せない?」
前歯だけの矯正について、歯医者さんに聞いてみました。
前歯の部分矯正は、できるケースとできないケースがあります。
歯医者での矯正の流れも併せて解説します。
監修者
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歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。
前歯の矯正は自分でできる?
前歯の矯正を自分で行うことはおすすめできません。
「歯を押す」などの行為を行うと、歯にダメージを与えたり、歯並びに悪影響を与えたりする恐れがあります。
「前歯の見た目を改善したい」と考えるのであれば、歯科医師による矯正治療を受けましょう。
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前歯だけの部分矯正ができる例
- 前歯の軽度のガタつき(乱杭歯)
- 歯と歯の間に少し隙間がある
- 奥歯の噛み合わせに異常がない
といったケースは、前歯の部分矯正が可能です。
前歯1本や2本だけの矯正も可能
部分矯正は、特定の歯だけを動かすため、前歯1~2本など気になる部分だけの矯正が可能です。
部分矯正には、「ワイヤーと矯正器具を装着する」「マウスピースを装着する」などの方法があります。
前歯だけの部分矯正ができない例
- 奥歯の噛み合わせが良くない
- 上下の顎の位置に問題がある
- 歯列の歪みが強い(上顎前突・下顎前突)
- 乳歯を矯正したい
- 歯を削りたくない
- といった場合は、前歯のみの部分矯正は行えません。
前歯だけの矯正のメリット・デメリット
前歯だけの矯正の「メリット」
- 短期間で矯正が終了する
- 費用が安く済むケースが多い(全体矯正と比較すると)
- 痛みなどの苦痛が少ない(全体矯正と比較すると)
- 歯磨きなどのケアがしやすい
前歯だけの矯正の「デメリット」
- 噛み合わせに異常が生じる場合がある
- 全体矯正よりも仕上がりが甘い場合がある
- 歯を削るケースが多い(抜歯する場合もある)
- 歯を削る部分が多くなった場合「知覚過敏」のような症状が出ることがある
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矯正方法(費用目安・期間も)
- ワイヤー矯正
- マウスピース矯正
- セラミック矯正
の3つの方法を解説していきます。
矯正方法① ワイヤー矯正
歯表面に、ブラケットという装置とワイヤーを取り付けて行う矯正方法です。
歯並びの状態によっては、抜歯や歯を削る処置が必要になります。
部分矯正では6~10個程度のブラケットを使用するケースが多く、全体矯正になると24個程度のブラケットを使用します。
ワイヤー矯正の治療の流れ
- 歯医者で矯正について相談
- レントゲン、模型などの精密検査
- 矯正開始に向けての準備(虫歯の確認、歯のクリーニング等)
- 器具を装着、矯正スタート
- ブラケット矯正終了
- リテーナー(保定装置)を装着し歯の後戻りを予防
矯正期間中は月に1度ワイヤーの調整や交換のために通院を必要とします。
ワイヤー矯正のメリット・デメリット
▼メリット
- 手軽に開始でき、治療期間も短いケースが多い
- 矯正にかかる費用が比較的安い
- 前歯の歯並びをきれいに調整できるケースが多い
▼デメリット
- 部分的な矯正でも痛みを伴う場合がある
- 歯を削る処置によって、知覚過敏を発症することがある
ワイヤー矯正の費用の目安
一般的な目安としては、15~50万円程度になるケースが多いです。
ただし、受診する医療機関や歯の状態により異なります。
ワイヤー矯正の治療期間の目安
個人差がありますが目安としては、6~12ヶ月程度かかるケースが多いです。
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矯正方法② マウスピース型矯正(インビザライン)
歯型を取ってマウスピース型矯正装置を作成し、歯に装着する矯正方法です。
約2週間ごとに歯の噛み合わせを確認し、調整が必要であれば新しいマウスピースに交換します。
数個のマウスピースを作成し装着して、歯を少しずつ動かす場合もあります。
前歯部分の歯並びを徐々に動かし、理想とする歯並びに近づけていきます。
ワイヤー矯正の治療の流れ
- 歯医者で矯正について相談
- レントゲン等の精密検査
- 矯正開始に向けての準備(虫歯の確認、歯のクリーニング、歯並びの調整等)
- 歯型を取る
- マウスピース型矯正装置完成後、使用開始
- 定期的に歯科で状態を確認してもらう
マウスピース矯正のメリット・デメリット
▼メリット
- 目立ちにくい
- 取り外しが自由にできるため衛生的に使用できる
- 短期間で矯正が完了する
- 抜歯する必要がないケースが多い
- 全体矯正よりも費用がリーズナブルなケースが多い
- 金属を使用していないためアレルギーの心配が少ない
▼デメリット
- 装着を忘れると歯並びが改善されない
- マウスピースの種類によって何回も型取りが必要になる場合がある
- 歯を削るケースもある
マウスピース矯正の費用の目安
目安としては、30万円以上になるケースが多いです。
ただし、受診する医療機関や歯の状態により異なります。
マウスピース矯正の治療期間の目安
個人差がありますが、目安としては、6~12ヶ月程度かかるケースが多いです。
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矯正方法③ セラミック矯正
矯正したい歯を削り、被せ物を装着する方法です。
被せ物の使用により歯並びを改善する方法であり、実際に歯を動かす方法ではありません。
セラミック矯正の治療の流れ
- 歯医者で矯正について相談
- レントゲンなどの精密検査
- 矯正開始に向けての準備(虫歯の確認、歯のクリーニング等)
- 歯並びの調整(矯正したい歯を削る)
- 被せ物の作成
- 被せ物完成後、歯に装着する
マウスピース矯正のメリット・デメリット
▼メリット
- 圧倒的に短期間で歯並びをきれいにできるケースが多い
- 施術時の痛みがほぼない
- 歯並びの改善に加えて歯の色も選べる
▼デメリット
- 歯を削るため歯の寿命が短くなる恐れがある
- 被せ物が欠けたり取れたりする可能性がある
- 経年劣化による歯の変色が起こる可能性がある
セラミック矯正の費用の目安
目安としては、1本5~10万円以上程度になるケースが多いです。
ただし、受診する医療機関や使用する被せ物の材質により異なります。
マウスピース矯正の治療期間の目安
個人差がありますが、目安としては1~3ヶ月程度かかるケースが多いです。
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まずは、歯医者さんに相談を
「前歯だけ矯正したい」と考えているときは、まず歯医者さんに相談して、適切な矯正方法を一緒に考えてもらいましょう。
矯正の相談をするときは、
- どのような前歯にしたいのか
- どの部分が気になるのか
- 現状の前歯の問題点
などを医師に伝えることで、診察がスムーズになると考えられます。
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