【起立性調節障害の子どもの食事】おすすめ・NGの食べ物。運動や睡眠も

更新日:2023-08-24 | 公開日:2022-02-28
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【起立性調節障害の子どもの食事】おすすめ・NGの食べ物。運動や睡眠も

「起立性調節障害の子どもにいい食べ物って?」
「とらないほうがいい食事はある?」

お医者さんに、起立性調節障害の子どもの食事について聞きました。運動の方法や睡眠についてなど、日常生活で気をつけることも解説します。

監修者
永澤 守 先生

かつしかキュアクリニック
院長

永澤 守先生

経歴

平成14年福井医科大学(現福井大学医学部)卒業
岐阜大学高齢科神経内科入局後松波総合病院にて内科研修、
岐阜大学高次救命救急センター出向。
美濃市立美濃病院内科。
東京さくら病院及び同認知症疾患センター勤務の後
令和元年7月かつしかキュアクリニック開業。

起立性調節障害は、食事の見直しが必要

医師男性
起立性調節障害を快方に向かうには食生活の見直しが必要です。

起立性調節障害は、交感神経がうまく働かなくなり、脳や上半身が起き上がれなくなります。食事は、体を作っている基本なので、食事を規則正しくする・体に必要な栄養を定期的に補給することで交感神経の働きをサポートすることができるのです。

※しかし、生活習慣だけ、食事だけ、薬だけで快方に向かわせるのは困難とされており、医師の判断のもとに必要なものを取り入れていく必要があります。

起立性調節障害にいい食事って?

医師男性
まず、水分塩分が必要となります。
その上で、栄養バランスの良い食事をとりましょう。

血液循環を良くして血流を巡らせるために十分な水分と塩分が必要となのです。水分は、1日1.5〜2リットル以上、塩分は、通常より多めに取らせます。(塩分量に関しては、年齢や性別などによっても変わるため、指導を受けている医師の指示に従いましょう。

水は、温かいものか常温のものをとりましょう。食事でも水分摂取を意識して、味噌汁やスープなども取り入れてください。

また、体をつくるタンパク質とビタミン・ミネラルなど、通常の食事は体作りに必要なバランスの良い食事を目指します。食欲がないときは、水分補給と塩分を意識して、おかゆやおじやなどを少しずつ与えましょう。本人が欲しがれば、フルーツや果汁などもあげてください。

おすすめしない食事

医師男性
「冷たい食事」「白糖」のとりすぎには注意してください。

夏場は、冷たいものが喉の通りが良くなりますが、素麺やうどんなどの麺類も、野菜や肉を入れて、暖かくして食べるようにしましょう。

また、体を冷やす食べ物には白糖があります。学校へ行けない状態で、親御さんが仕事へ行っている間にお菓子を食べて過ごしている、というのはとても起立性調節障害によくありません。昼間に食べられるようにお弁当を用意するなどして、栄養バランスを保つようにしましょう。

食事のとり方にも注意

医師男性
朝・昼・晩の3食のリズムをつけて日々を過ごせるようにしましょう。

食事のリズムは、生活リズムを整えるのにも役立ちます。食事をとると胃腸が動き出すので、体全体も機能しやすくなります。
また、起立性調節障害のポイントとなる「自律神経」は胃腸の動きにも関わっています。食事時間を決めると一定の時間で自律神経も働くようになるでしょう。

日常生活で気をつけること

睡眠について

医師男性
眠くなくても、布団にはいる習慣をつけましょう。
夕食後、消化がある程度落ち着く3~4時間後に入眠するのが目安です。

起立性調節障害は、朝起きることができずに午後の方が、調子が良くなるという症状があります。しかし、夜更かしをして、朝はますます起きられなくなります。夕飯後はお風呂や次の日の準備などを済ませ、入眠させるようにリズムをつけましょう。

朝は、決まった時間にカーテンを開けて朝日を浴びるようにして自律神経に働きかけます。

運動について

医師男性
毎日の運動や散歩を取り入れて、筋力低下を防ぎましょう。

起立性調節障害を発症すると、運動する時間が短くなり筋力が減少していきます。筋力が落ちればさらに動くことができなくなるという悪循環に陥ります。日本小児心身医学会では、起立性調節障害の場合、毎日30分程度の歩行を推奨しています。

周囲の人の協力が不可欠

医師男性
親御さんの「病気への理解」と病院での「治療」、学校などの周りの人の「協力」は、起立性調節障害には必要不可欠です。

この病気は、自律神経が関わっており、無理すれば動ける・根性で治せるというものではありません。周りの大人は、病気の性質と治療方法をしっかり学び、子どもと接するようにしてください。

病院受診の受診目安

医師男性

以下の症状のうち、

  • 3つ以上あてまる
  • 2つ以上あてはまり、症状がつよい

という場合は、病院を受診しましょう。

  • 立ちくらみやめまいを常に感じている
  • 立ち上がった際に失神する
  • 気分が悪いことが多い
  • 朝起きられない
  • 午前中は動けないが、午後に動けるようになることが多い
  • 頭痛があることが多い
  • 腹痛があることが多い
  • 動悸・息切れがある
  • 食欲不振を訴えていることが多い
  • 車に酔う(乗り物に酔う)

一時的な不調であれば、食事やホームケアで元気になることも考えられますが、起立性調節障害の場合、自宅ケアでは限界があります。おかしいな・起きられない症状が長引いているなと感じたら、早めに専門医を受診してください。

一番悩んでいるのは、急に体が動かなくなった子どもです。自分の体が急に動かなくなり、混乱しているでしょう。また、起立性調節障害ではなく、何らかの不調が隠れている場合もあります。

病気の早期発見のためにも病院を受診して相談してください。

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