生理中もPMS症状が続くなら「PEMS(周経期症候群)」かも。対処法や受診目安も

更新日:2022-12-26 | 公開日:2022-10-28
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生理中もPMS症状が続くなら「PEMS(周経期症候群)」かも。対処法や受診目安も

生理が始まったのに、PMSのような症状が続く…。

それは、「PEMS(周経期症候群)」かもしれません。
PEMSの主な症状について、お医者さんに聞きました。
症状を緩和するための対処法や、病院に行く目安も紹介します。

監修者
経歴

佐賀大学医学部を卒業後、病院・美容クリニックでの勤務経験を経て、2020年にファイヤークリニック開業。

美容医学、遺伝子学、栄養学、精神医学など肥満治療に関わる多方面から痩身医学研究と実践をする。

精神科医としても臨床に当たっており、西洋医学から東洋医学に渡って世界中から集積した独自の短期集中型医療ダイエットを開発。

生理中もPMS症状が続くなら「PEMS(周経期症候群)」かも

医師男性
PEMSとは、生理前から生理中にかけて、精神的に不安定になる状態です。
  • 一人で過ごしたい
  • 人付き合いが面倒になる
  • 物事が面倒になる

など、社会との関わりがわずらわしく感じるようになります。

生理が近づき、女性ホルモンの分泌量が低下することにより、脳・中枢神経系が影響を受け、PEMSの症状を引き起こすと言われています。
また、セロトニン(精神を安定させる働きをもつ神経伝達物質)の分泌低下や食事・生活習慣なども影響すると考えられています。

ただし、詳しいメカニズムは分かっていません。

PMSとの違いは?

PMS 生理になると症状が軽くなる。
または症状が無くなる。
PEMS 生理中に症状のピークを迎える。

PMSは生理1週間前から症状が出始めて、生理が開始すると症状が軽くなったり、なくなったりします。

一方、PEMSは生理1週間前から症状が出始めて、生理中に症状のピークを迎えるという違いがあります。

心当たりは?PEMSのよくある症状

  • だるくなる
  • イライラする
  • 無気力になる
  • 人付き合いが面倒になり、一人で過ごしたくなる
  • 物事が面倒になる

生理前から生理中にかけて、上記の症状が出ている場合は、PEMSが疑われます。

発症しやすい人は?

  • 几帳面で真面目な性格
  • 仕事量が多い
  • 不規則な生活を送っている
  • たばこを吸う
  • お酒・カフェインを多くとっている
  • 自律神経症状を感じている(倦怠感・頭痛・めまい・動悸など)
医師男性
PEMSは、ストレスによって発症リスクが高まると考えられています。

脳内のホルモンや神経伝達物質は、ストレスの影響を大きく受けます。
そのため、「日常生活でストレスを感じている」「真面目な性格で、物事が上手くこなせないとストレスを感じやすい」といった人は、PEMSを発症しやすいと考えられます。

また、たばこ・お酒・カフェインも発症リスクを高めると言われています。

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自分でできる5つの対処法

  1. 1日3食、栄養バランスのとれた食事をとる
  2. 6~8時間程度の睡眠時間を確保する
  3. 37~39度くらいのお湯で「半身浴」をする
  4. ウォーキングなどの軽い運動を習慣にする
  5. こまめにストレスを発散する

生理前から生理中にかけて不調を感じる人は、普段から上記の習慣をとり入れてみましょう。

対処法① 1日3食、栄養バランスのとれた食事をとる

朝食を食べる女性

医師男性
生理前や生理中は、甘い物を食べたくなりやすい時期ですが、お菓子でお腹を満たすのではなく、食事から栄養をとりましょう。
食事は、主菜・副菜・主食の揃った「和定食」をイメージすると、栄養のバランスがとれやすいです。

朝食を食べる時間がないときは、スティックタイプの栄養補助食品やプロテインなどを利用してもよいでしょう。
甘いお菓子を食べたくなったときは、代わりに果物やヨーグルトを食べることをおすすめします。

食事の際は、ゆっくりとよく噛んで食べると、少量でも満足感を得られます。

また、カフェインやアルコールはPEMSに影響すると言われているので、生理前・生理中の時期は、普段よりも控えめにしてください。

対処法➁ 6~8時間程度の睡眠時間を確保する

起きる女性

医師男性
睡眠不足が続くと、自律神経が乱れやすくなり、生理前・生理中の不調が起こりやすくなります。
毎日、6~8時間程度の睡眠時間を確保しましょう。

必要な睡眠時間には個人差がありますが、

  • 朝スッキリと起きられる
  • 昼間に眠気に襲われない

かどうかを目安にするとよいでしょう。

対処法③ 37~39度くらいのお湯で半身浴をする

入浴する女性

医師男性
バスタブに心臓よりも下くらいまでお湯を入れて、半身浴を行いましょう。
37~39度程度のぬるめのお湯に、10分以上ゆっくりと浸かりましょう。

ぬるめのお湯に浸かることがポイントです。

肩が冷えてきてしまう場合は、

  • お湯で温めたタオルを肩にかける
  • 肩まで浸かる

を繰り返すとよいです。

半身浴を行うことで血管が広がって血流がよくなり、体が温まります。
また、副交感神経が優位に働き、リラックス効果が期待できます。

対処法④ ウォーキングなどの軽い運動を習慣にする

歩く女性

医師男性
ウォーキングなどの継続しやすい運動を習慣にしましょう。 

負荷が大きな運動ではなく、軽く体を動かすことが大切です。

体を動かすことで、

  • 血流がよくなる
  • リフレッシュできる
  • 自律神経が整う

などの効果があります。

おすすめの運動

  • ウォーキング
  • ヨガ
  • ストレッチ

ヨガやストレッチは、就寝前に行うとリラックスできるのでおすすめです。

対処法⑤ こまめにストレスを発散する

医師男性
ストレスは、脳や中枢神経に影響して、PEMSの発症リスクを高めたり、症状を悪化させたりする恐れがあります。
こまめにストレスを発散して、溜め込まないようにしましょう。

おすすめのストレス解消法

  • 寝る前にマッサージする(リンパマッサージなど)
  • 趣味に没頭できる時間を作る(読書・映画・音楽鑑賞など)
  • 友人とおしゃべりする
  • 生活の中に、好きな香りをとり入れる(アロマ・お香など)

こんな症状が出たら病院へ

医師男性
生理前・生理中の不調により、仕事や日常生活に支障が出る場合は、病院を受診することをおすすめします。

放置すると、精神症状が悪化していくリスクが高まります。

病院は何科に行けばいい?

医師男性
婦人科」または「産婦人科」を受診しましょう。

病院では、問診や血液検査・超音波検査などにより、PEMSの症状に似た疾患(※)になっていないかを確認します。
※貧血・うつ・腎臓病・甲状腺疾患・婦人科疾患など。

治療は、ホルモン補充療法や、低用量ピル・漢方薬の服用などを行うことが多いです。

婦人科を探す

産婦人科を探す

医師に伝えるとよいこと

医師男性
悩んでいる症状・症状が出る時期を、生理周期とともに記録しておき、受診時に医師に伝えましょう。

症状の内容や症状が現れる時期によって、PMSやPMDDの可能性もあります。
正確な診断のためにも、上記のことを伝えてください。

婦人科を探す

産婦人科を探す

※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。

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