歯周病で「熱が出る」と危ない？対処法は？新型コロナとの関係も

「歯茎が腫れてて、熱も出てきた…」
「この発熱は歯周病が原因？」

歯周病で熱が出ることはあるのか、歯医者さんに聞いてみました。
「歯性感染症」など発熱を起こるケースを詳しく解説します。

監修者

歯科医

菊地 由利佳先生

経歴

歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。

歯周病で熱が出る！？

歯周病を放置していたら発熱しました…これはなぜでしょうか？

それは歯周病菌が、顎や肺などに広がっている疑いがあります。

歯周病そのものが発熱を引き起こすことはありません。

しかし、歯周病の細菌による炎症が周囲の組織に広がったり、肺に入って炎症を起こしたりすると、発熱する可能性があります。

例えば以下のような病気の可能性があります。

歯周病による「歯性感染症」「誤嚥性肺炎」で発熱がある場合、放置は危険です。

症状が重症化すると

• 再発
• 呼吸困難
• 骨髄炎

といったリスクがあります。

重度の歯周病に心当たりがあり、さらに発熱を伴うときは、早めに医療機関で診察を受けましょう。

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ここからは、それぞれの症状について、詳しく解説していきます。

発熱原因①　歯性感染症（顎の骨などの炎症）

歯周病の原因となっている細菌の感染が、顎の周囲の組織まで広がってしまう病気です。

どう対処すればいい？

歯性感染症は、ご自身で対処できません。
発熱や倦怠感などの全身症状もみられる場合には、医療機関を受診しましょう。

この病気は、自然に治ることはありません。

少し炎症が治ったからと放っておくと、再発するだけでなく、細菌が顎の骨の中に入り込み、慢性の骨髄炎を起こすリスクもあります。

病院での治療法

症状にもよりますが、抗生物質で治療します。
重症化すると、入院や点滴、膿瘍の切開手術が必要になるケースもあります。

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発熱原因②　誤嚥性肺炎　

誤って気管に入った細菌が肺で炎症を起こす病気です。
歯周病菌が原因の一つとして考えられており、その場合は発熱の症状が見られることがあります。

どう対処すればいい？

誤嚥性肺炎は、ご自身で対処できません。
発熱や咳、たんなどの症状が続く場合には、医療機関を受診しましょう。

この病気は、自然に治ることはありません。

歯周病による誤嚥性肺炎を放置すると、慢性的に繰り返すようになったり、呼吸困難などをひき起こすこともあります。

病院での治療法

基本的には、抗菌薬を用いて治療を行います。
呼吸状態や全身状態が良くない場合は、入院して治療します。

また、口腔ケアの徹底や嚥下指導もしていきます。

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新型コロナに対しても「特に注意が必要」

歯や歯茎の病気が原因で

• エンドトキシン血症
• 菌血症

を発症している人は、新型コロナウイルスに感染すると重症化しやすいという研究もあるので要注意です。

この場合、免疫暴走（サイトカインストーム）によって多臓器不全に陥り、命に関わる恐れがあります。

病院は…歯科？内科？

▼口腔内にも症状がある場合

歯科を受診しましょう。

▼発熱のみの場合

内科を受診しましょう。

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