「歯並びがガタガタ…どうして?」
「ガタガタの歯並びを治す方法は?」
歯並びがガタガタになる原因、歯並びの治し方を、歯医者さんが解説します。
悪化を防ぐためにも、口呼吸や頬杖をつく癖に気をつけましょう。
監修者
経歴
歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。
なぜ?歯並びがガタガタになる原因
歯並びがガタガタになるのは、
- 生まれもった骨格(顎が小さい・歯が大きい 等)
- 食生活
- 乳歯から永久歯への移行の問題
- 虫歯や歯が抜けた場所の放置
- 日々の習慣
などが原因として考えられます。
原因① 生まれもった骨格(顎が小さい・歯が大きい等)
生まれつき顎が小さい・歯が大きいと、顎の骨に対して歯が大きく並びきれないために、歯並びがガタガタになることがあります。
顎の骨に対して歯が大きいと、本来生えてくるべき場所に歯が生えてくることができません。
これにより、歯と歯が重なったり、歯の前後から生えてきてしまったりと、歯並びに悪影響が出ると考えられています。
また逆に、顎は成長していても、生えてくる歯の大きさが小さい場合、歯と歯に隙間ができてしまうケースもあります。
原因② 食生活
固いものではなく柔らかいものを好んで食べる食生活は、上下の顎の筋力を弱くしてしまいます。
これにより顎の成長が滞ると顎が小さくなるため、歯が並びきれず、歯並びがガタガタになることがあります。
顎が成長せず小さいままだと、歯が生え揃うための空間が十分確保できず、歯と歯が重なり合うように生えてしまうなどの歯並びへの悪影響が考えられます。
6歳くらいまでの食生活が歯並びに影響します。
原因③ 乳歯から永久歯への移行の問題
永久歯が生える準備が完了する前に乳歯が抜けると、周囲の歯がその部分の隙間に移動してしまいます。
本来生える位置が他の歯で埋まることで、永久歯がズレた場所で生えるため、歯並びがガタガタになることがあります。
原因④ 虫歯や歯が抜けた場所の放置
虫歯でボロボロになった歯や、歯が抜けた部分を放置すると、歯並びに空きができます。
空きがあると、周囲の歯が次第に倒れてくるため、歯並びがガタガタになります。
原因⑤ 日々の習慣
口呼吸
口呼吸が習慣化すると口が開きやすくなるため、舌と下顎が徐々に下がって、顎の幅が狭くなることがあります。
これにより、前の歯が突出する、噛み合わせが悪くなる、といった歯並びへの悪影響を及ぼす可能性があります。
舌の癖
などの癖があると、歯が前に突出しやすくなり、歯並びに悪口を開いて舌で歯の裏側を押す、舌を上下の歯で挟む影響を及ぼします。
頬杖
頬杖が習慣化していると、顎を圧迫して顎の成長を阻害する場合があります。
顎がきちんと成長しないと、噛み合わせがズレる原因となり、歯並びがガタガタになることがあります。
歯並びガタガタの人に生じるリスク
リスク① 食べ物を上手に噛めない
歯並びがガタガタで上下の歯がうまく噛み合わないと、食べ物が上手く噛めずに食べにくくなります。
また、食べ物を噛み砕く、噛み切るなどが困難になり、消化にも悪影響が出る場合があります。
リスク② 虫歯になりやすい
歯と歯が重なり合って生えていると、その隙間に食べカスが挟まりやすくなります。
歯ブラシが届きにくくなるため、虫歯や歯周病を起こすリスクが高まります。
また、歯並びが悪いと施術しにくいため、虫歯の治療が困難になるケースも多いです。
リスク③ 肩こり・ストレートネックを起こしやすくなる
歯並びの悪さで噛み合わせも悪くなると、身体バランスが崩れて血行不良になり、肩こり・ストレートネックを引き起こしやすいです。
ストレートネックとは…
通常「く」の字に曲がっている首の骨が、真っすぐになってしまった状態です。
肩や首の痛みが主な症状ですが、重症化すると、しびれ・頭痛、吐き気などを伴うようになります。
リスク④ 顔の歪み、顎関節症を起こす
歯の噛み合わせが悪いと、左右の歯で均等にものを噛めなくなります。
その結果、口周りの筋肉のバランスが崩れやすくなるため、顔が歪んだり、顎関節症を起こしたりする場合があります。
リスク⑤ 口内炎を起こす
歯並びが悪いと、舌や頬の内側を噛みやすくなり、口内炎を起こすリスクが高まります。
リスク⑥ 精神的ストレス
歯がガタガタのため人目が気になってしまい、会話を避けるようになり、精神的に落ち込んでしまう場合があります。
また、食事が摂りにくい、歯磨きがしにくい等の不便さも、無意識にストレスになっている場合もあります。
歯並びガタガタはどう治す?
ガタガタした歯並びを治すには、歯科で矯正治療を受ける必要があります。
自力で治す方法は?
歯並びがガタガタになっている場合、自力で歯並びを改善させるのは困難です。
歯と歯が重なり合っている、歯と歯の間に隙間があるなどのケースも多いため、治療が必要になります。
悪化を防ぐセルフケア方法はあります
治すことはできませんが、
といった点を意識することで、悪化を予防することは可能です。
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歯並びガタガタを治す矯正方法
- マウスピース矯正
- ワイヤー・ブラケット矯正(表側矯正・裏側矯正)
- セラミッククラウンによる矯正
などが主に検討されます。
その① マウスピース矯正
自分の歯型に合う「マウスピース型の矯正装置」を使用する矯正方法です。
2週間に1回程度のペースでマウスピースを交換しながら、歯を移動させます。
マウスピース矯正は、
- 1~3mmほどのズレが小さい歯
- 抜歯せずに歯並び改善が期待できる歯
などの場合に有効な方法と考えられています。
費用は?
保険適用外で、10~100万円以上必要になるケースが多いです。
受診する医療機関や使用するマウスピースにより異なるため、事前に歯医者に確認をするとよいでしょう。
<マウスピースのメリット>
- 透明タイプの場合、装着していても目立ちにくい
- 取り外しが自由にできるため清潔に使用できる
- 痛みや違和感が生じた場合、調整してもらいやすい
<マウスピースのデメリット>
- 型取りが頻繁に行われるタイプもある
- 1日18~20時間程度装着しなければ改善が見込めない
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その② ワイヤー・ブラケット矯正(表側矯正・裏側矯正)
ひとつひとつの歯に、「ブラケット」という矯正器具を取り付け、そこにワイヤーを通して徐々に歯を動かしていく矯正方法です。
ワイヤー矯正は、矯正が必要なほぼすべての症例で、有効な矯正方法と考えられています。
特に、
- 噛み合わせの位置の改善
- 顎の成長の促進
- 部分的な歯の位置の改善
などを目的として行われるケースが多いです。
費用は?
保険適用外で、80~120万円以上必要になるケースが多いです。
受診する医療機関、使用する器具などによっても異なるため、事前に歯医者に確認しましょう。
<ワイヤー矯正のメリット>
- 歯が重なっている・歯が捻じれているなどの場合にも有効
- 他の矯正器具よりも低価格
<ワイヤー矯正のデメリット>
- 表側矯正の場合、矯正器具が見た目で分かる
- 食事中も外せないため食べにくい場合がある
- 取り外しが自由に行えないため汚れが付きやすい
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その③ セラミッククラウンによる矯正
もともとの自身の歯を削り、上からセラミックの被せものをして、歯並びを調整する方法です。
セラミックによる矯正は、
- 早く矯正治療を終了したい
- 前歯の傾きや捻転が気になる
- 八重歯が気になる
- 前歯の先が欠けている
- 部分的な歯並びを改善したい
などの場合に有効な方法です。
費用は?
保険適用外で、オールセラミック1本9万円以上と高額の費用が必要になるケースが多いです。
受診する医療機関や使用する材質により異なるため、事前に歯医者に確認しましょう。
<セラミッククラウンのメリット>
- 他の矯正治療と比較すると治療期間が短い
- 矯正治療中の痛みがほぼない
- 歯の色が選択できる
<セラミッククラウンのデメリット>
- 歯を削る必要があり、歯にダメージを与える可能性がある
(状態によっては歯の神経処置が必要になる)
- 長期間使用により変色する恐れがある
- 歯に被せるため、取れたりする恐れがある
「歯並びがガタガタで気になる」などの場合には、一度歯医者を受診して矯正についてなど相談してみるのがおすすめです。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。