小さく歯が欠けるのは「もしや老化？」これ以上は欠けさせない！ストレス・カルシウムも関係ある？

「え…歯が欠けた！」
「歯が欠けるのは老化のせい？」

老化で歯が欠けることはあるのか、歯医者さんに聞いてみました。

歯が弱くなってくる年齢や、欠けた歯の治し方なども解説します。
歯がもろくなる生活習慣などもチェックしましょう。

監修者

歯科医

菊地 由利佳先生

経歴

歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。

虫歯じゃないのに「歯が欠けた」老化のせい？

老化が原因となり、歯が欠けることがあると考えられます。
加齢によって歯が欠けるのは、長年にわたる咀嚼や歯磨きなどが関係しています。
歯の表面のエナメル質が磨り減って薄くなることで、徐々に歯が脆くなっていきます。

また、エナメル質が薄くなると、歯の内部に虫歯菌が侵入しやすくなります。
虫歯の進行で歯が溶かされてしまうことも、歯が欠ける大きな原因の一つです。

特に以下のような人は、老化に伴い歯が欠けるリスクが高まります。

• 食いしばり・歯ぎしりの癖がある
• いつも同じ側の歯を使って噛んでいる
• 硬いものを好んでよく食べる
• 虫歯がある
• 1日の歯磨きが2回以下
• 過剰な回数、力で歯磨きをしている

歯の欠け方はさまざまで個人差があります。
「小さく欠ける」「ギザギザするように欠ける」「歯にヒビが入るほど欠ける」などの欠け方がみられるケースが多いです。

何歳ころから、歯は弱くなってくる？

40～50歳頃から、徐々に歯が弱くなっていく傾向にあると考えられています。

理由はさまざまで、女性であれば「ホルモンバランス」なども影響をもたらします。

下記は、日本における「自分の歯の本数」を年代別に記した表（※）となります。

※厚生労働省「2016年歯科疾患実態調査」より
参照：歯の喪失の実態｜eヘルスネット

こんな「自覚症状」はありませんか？

よくある自覚症状としては、

• 歯、歯茎が痛む
• 冷たいものや熱いものがしみる
• 歯磨きをすると痛みが生じる
• 歯の被せ物と歯の間に段差がある

などが見られることがあります。ただし、自覚症状がない場合もあります。

こんな歯は…「特に欠けやすい！」

• 虫歯が発生している歯
• エナメル質が衰えている歯
• 噛み合わせに問題がある歯

は特に欠けやすい傾向があります。

その①　虫歯が発生している歯

虫歯が進行していると歯が溶かされて脆くなり、欠けやすくなります。

その②　エナメル質が衰えている歯

歯の表面にあるエナメル質が衰えて薄くなると、歯が脆くなり、欠けやすくなります。

また、エナメル質が薄くなっていると、歯が白く見えることがあります。

その③　噛み合わせに問題がある歯

噛み合わせに問題があると、一定の歯に負担がかかり、歯へのダメージが蓄積して欠けやすくなります。

カルシウム不足って関係する？

大人の場合、歯が欠けることにカルシウム不足が直接的に関係することは、ほぼ無いと考えられます。
しかし、長年にわたってカルシウムが不足していると、歯を支える歯槽骨ももろくなるため、歯が欠けやすくなります。

ストレスで歯がもろくなるって本当？

ストレスが直接的な原因になることは、考えにくいです。ただし、ストレスによる「歯ぎしり」「免疫力の低下」などがキッカケで、歯がもろくなることはあります。

歯ぎしりによって歯がすり減ることや、免疫力の低下は、虫歯や歯周病を悪化させるため、歯がもろくなる原因になります。

これ以上「歯を欠けさせない」ためのセルフケア

以上のようなセルフケアは、歯が欠ける原因を作りにくくすると考えられます。
また、歯医者で受診して「噛み合わせの調整」「定期健診」などを行うのもいいでしょう。

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欠けた歯は歯医者さんで治してもらったほうがいい？

欠けた歯は、どれだけ小さくとも歯医者で治してもらったほうがいいでしょう。
そのまま放置すると、さまざまなリスクが伴います。

「放置したリスク」としては、

• 欠けた部分、周囲が虫歯になりやすくなる
• さらに大きく欠けることがある
• 歯茎や骨に炎症が拡がり、歯周病になることがある
• 欠けた歯で口内を傷つけて細菌感染を起こす

などが考えられます。
さらに虫歯や歯周病が悪化すると、最終的に抜歯が必要になることもあります。

「欠けた歯」は、どうやって治療をするの？

歯の欠け方によって、詰め物や被せ物を用いて、欠けた部分を補う治療が行われるケースが多いです。

虫歯が神経まで進行している場合には、歯の神経を抜いて薬を詰める「根管治療」の後に、歯を補う治療が行われる場合もあります。

別に痛くないけど…保険適用になる？

歯が欠けた場合の治療は、保険適用になるケースが多いです。
しかし、素材の見た目や強度にこだわる場合は、保険適用外になるケースもあります。

以下で、欠けた歯の状態ごとの「費用の目安」をチェックしましょう。

「小さく欠けた場合」／歯がしみるなどの症状が無い・見た目に少し分かる

欠けた部分を「詰め物」などで補う治療を行います。

「中くらいに欠けた場合」／歯がしみる・明らかに欠けていると分かる

欠けた部分を「被せ物」で補う治療を行います。

大きく欠けた場合／歯がしみる、歯の内部が見える程度

神経を残せないため、神経を除去する「根管治療」後に、「土台と被せ物」を装着する治療を行います。

上記の費用や歯の状態の程度は、あくまでも目安です。
正確な費用などは、事前に歯医者で確認することをおすすめします。

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