なぜ？生理のときに“歯がうずく・浮く”感覚。ホルモンバランスの影響かも！

「生理になると歯がうずく…」
「このムズムズは何？」

生理になると歯がうずく原因を、歯医者さんに聞いてみました。
症状を繰り返さないための対処法、隠れたトラブルのリスクなども解説します。

監修者

歯科医

菊地 由利佳先生

経歴

歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。

生理中「なんか…歯がうずく？」

生理になると歯がムズムズします…。
なぜでしょうか？

生理中に感じやすい歯の不調として

• 歯がうずく
• 歯茎が腫れる
• 物を噛むと痛む　

などがあります。
上記の歯の不調は、「ホルモンバランスの乱れ」による免疫の低下で生じていると考えられます。

生理が終わると、歯の不調が治まったと感じることがあります。
ただしこれは症状が弱くなっただけで、実際には治っていません。

生理中に出る不調は、普段は軽い症状で済んでいる“炎症のサイン”です。
歯周病などの炎症を放置すれば、進行して「歯がグラつく・抜ける」などの恐れもあります。

毎月の不快症状を繰り返さないために

生理中に歯がムズムズするときの対処法として、歯の隙間などに付着した歯垢などの汚れをきれいに取ることをおすすめします。
歯垢などを取り除くために、

1. 丁寧に歯を磨く
2. フロスを使う

といった方法でケアするとよいでしょう。
汚れがなくなると違和感が治まることが多いです。

対処法①　丁寧な歯磨き

歯ブラシを小刻みに動かして、歯の表面や歯茎、隙間にいる細菌をかき出しましょう。

”痛み”や”うずく感覚”がある周辺は、食べカスや歯垢・歯石が溜まっているケースが多いです。

対処法②　デンタルフロスの使用

歯ブラシで取り切れない汚れをきれいにしましょう。デンタルフロスで歯の隙間に入り込んだ汚れ・食べカスを効率よくかき出します。歯の隙間にフロスを差し込み、左右に動かします。

歯間ブラシは、持ち枝がついているので初心者でも使いやすいです。

※歯茎を傷つけないように優しく行いましょう。

「歯を磨いても治らない」ときは、歯周病・虫歯の疑いアリ

丁寧な歯磨きを続けても歯がうずく場合は、「歯周病が進行している」「虫歯が隠れている」などが考えられます。

生理中はホルモンバランスが乱れて免疫が低下しやすいです。
その結果、炎症が強く出てきて、隠れていた歯周病などの症状が出てくることがあります。

隠れトラブル①　歯周病

「歯周病」は、重度のレベルになるまで症状に気づきにくいです。
軽度～中等度の歯周病の場合、生理などで免疫が低下すると、歯のうずき・軽い歯肉炎などが現われることもあります。

歯周病は、歯茎と歯の間に住み着いた細菌が増殖して“歯周組織に炎症を起こす病気”です。放置すると、歯茎の腫れが強くなり、最終的に歯が抜け落ちる恐れもあります。

こんな症状は「歯周病」かも！早めに歯医者へ

• 歯茎の腫れが続いている
• 歯磨きをすると出血する部分がある

という場合は、歯周病の疑いがあります。早めに歯医者に行きましょう。

フロスが引っかかったり切れたりする場合、歯周病の原因となる「歯垢」や「歯石」が歯の隙間に溜まっていると考えられます。歯石はセルフケアで落とせないため、歯医者で除去してもらう必要があります。

歯医者では、歯茎や隙間にある「歯石」を全て取り除いて細菌を殺菌します。

隠れトラブル②　虫歯

生理で免疫が低下すると刺激が伝わりやすくなり、いつもは痛まない「虫歯」が痛むことがあります。

放置すると、虫歯が内側や神経まで進行して、通常時でも痛みを感じるようになります。
さらに歯根まで進行すると抜歯が必要になる恐れもあります。

こんな症状は「虫歯」かも！早めに歯医者へ

• 歯が痛い
• 歯に黒っぽい部分が見える

という場合は、虫歯の疑いがあります。早めに歯医者に行きましょう。

生理が終わって痛みが引いても、放置すると虫歯を悪化させるリスクがあります。
一度でも痛みを感じたら歯医者へ受診しましょう。

歯医者を探す

歯医者さんを受診するとき、なんて言えば…？

生理中だけに症状がでます。お医者さんにはなんて伝えればいいでしょうか…？

「生理中など、免疫が低くなっている時だけ歯がうずく」という旨を相談しましょう。

歯に異常を感じたら、歯医者で確認してもらいましょう。