「横向きで埋没した親知らず」は抜かないで大丈夫？抜歯が必要なケースは？

「横向きに埋没した親知らずがある…」
「抜かないで放置しても大丈夫？」

横向きに埋没した親知らずの抜歯について、歯医者さんが解説します。
抜歯が必要なのはどんなケースなのか、チェックしてみましょう。

監修者

歯科医

菊地 由利佳先生

経歴

歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。

横向き＆埋没でも「今すぐ抜かなくてもよい親知らず」もある

横向きで埋まっている場合でも、急いで抜く必要はないケースもあります。
例えば、

• 親知らずが生えてきていない
• 炎症を起こしていない
• 痛みがない
• 虫歯になっていない

といった場合は、今のところ親知らずは悪さをしていません。この場合は急いで「抜く必要はない」ケースが多いです。

ただし、横向きに埋没した親知らずは、口腔トラブルを招きやすいことから、将来的には「抜歯を検討する」ことが多いです。

「早めに抜歯したほうがよい」ケースは？

1. 隣の歯を圧迫するように埋まっている
2. 完全に埋没していない

などのケースは抜歯が必要になることが多いです。

ケース①　隣の歯を圧迫するように埋まっている

隣の歯を圧迫するように埋まった親知らずは、

• 虫歯が増える
• 隣の奥歯が歯周病になる
• 歯列が歪む

などのリスクがあるため、抜歯が検討されます。

「歯ブラシが届きにくくなる」「歯列が歪んで歯に隙間ができる」といった要因が、汚れの蓄積を招き、虫歯・歯周病の発症につながると考えられています。

ケース②　完全に埋没していない

完全に埋没していないで少しだけ歯が出ていると、

• 虫歯が増える
• 歯周病になりやすくなる

などのリスクがあるため、抜歯が検討されます。

この場合、少しだけ出ている部分から細菌感染を起こしやすいため、上記のトラブルを招くと考えられています。

歯科を探す

歯科受診しても「すぐ抜くわけではない」

親知らずの抜歯は、歯医者を受診してすぐに行える治療ではありません。
まずはレントゲン撮影をして「どのように生えているか」を確認し、生え方や隣の歯などへの影響を検討しながら、抜歯方法を見極めます。

横向きなどの難しい症例の場合は、口腔外科、大学病院などへ紹介されることが多いです。

横向き＆埋没した親知らずを「抜歯する方法」

1. 麻酔をして歯茎を切開する
2. 歯を分解しながら取り除く
3. 顎の骨に埋まっている場合は、顎の骨を削る
4. 歯茎を縫合して終了

1～4の流れで抜歯が行われます。

通常は30分程度で抜けますが、難しい並びの場合、1時間程度かかることもあります。
治療後、1週間後に抜糸して全ての工程が終了します。費用は保険適用となり、5,000円程度です。

抜歯は…痛い？

抜歯中は、麻酔をしているのでほとんど痛みはありません。作業の振動を口の中に感じる程度です。
ただし切開をしているので、麻酔が切れた抜歯後に痛みを少し感じる人もいます。

歯科を探す