「生まれつき歯に黄ばんでいるのはなぜ?」
「ホワイトニングや歯磨き粉で歯は白くなる?」
生まれつきの歯に黄ばみについて、歯医者さんに聞きました。
セルフケアや歯科での治療など、歯を白くする方法を詳しく解説します。
監修者
経歴
歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。
なぜ?生まれつき歯が黄ばんでいる原因
- エナメル質形成不全症(MIH)
- テトラサイクリン歯
- 体質
- 遺伝
などの原因が考えられます。
それぞれ詳しく解説していきます。
原因① エナメル質形成不全症(MIH)
生まれつき、歯表面のエナメル質が脆い状態です。
に歯が変色しているという特徴があり、主に永久歯の前歯と6歳臼歯(6歳頃に生えてくる奥歯)にみられます。
重度の人だと、変色に加えて、歯の欠損、歯がでこぼこする、象牙質の露出などの症状がみられる場合もあります。
発症原因としては、母親(妊娠中)の疾患や服薬、早産などが指摘されています。
ただし、どれも決定的原因とはいえず、まだ解明されていない部分が多い分野です。
原因② テトラサイクリン歯
歯が顎の中で作られる時期(出生直後~8歳くらいまで)に「テトラサイクリン系抗生物質」を大量投与されたことによって発症します。
テトラサイクリン歯には、
などの特徴があります。
テトラサイクリン系抗生物質は、昭和40年代頃に風邪薬のシロップに使われていましたが、歯が変色することが判明したため、現在はほぼ使われていません。
昭和40年代頃に生まれ育った人は服用していた可能性が高く、現在の40~50代に多い症状だと言えます。
原因③ 体質
もともとの体質として、日本人は歯のエナメル質が薄い人が多いです。
エナメル質が薄いと内部の暗い色が透けるため、歯が黄色っぽく見えます。
原因④ 遺伝
歯の色は、歯の内側にある象牙質の組織により決定します。
この象牙質は遺伝的影響を受けやすいため、生まれつきの歯の色も遺伝の影響を受けると考えられています。
生まれつきの歯の黄ばみは、歯磨き粉で白くなる?
フッ素配合の歯磨き粉で歯を強化すると、歯の色を薄くする作用が期待できます。
これは、フッ素の「歯の再石灰化」を促す作用によるものです。
歯の表面を酸に強くすることで、生まれつきの黄ばみが改善する場合があります。
ホワイトニング用歯磨きの使用はNG!
ホワイトニング用歯磨きには、「研磨剤」が配合されていることが多いです。
研磨剤には、エナメル質(歯の表面)を削る作用があるため、生まれつきの黄ばみは逆に色が強くなる恐れがあります。
ホワイトニングすれば白くなる?
ホワイトニングは歯の象牙質を漂白できるため、歯科で数回ホワイトニングを行うことで歯が白くなる効果が期待できます。
ホワイトニングってどんな方法があるの?
- オフィスホワイトニング(歯医者で施術を受ける)
- ホームホワイトニング(自宅でケアする)
- デュアルホワイトニング(歯医者と自宅、両方でケアする)
の方法があります。
それぞれ詳しく解説していきます。
その① オフィスホワイトニング(歯医者で施術を受ける)
◆治療の流れ
- まずは問診(診察)、カウンセリングを行い、歯と口腔内の状態を確認。
- ホワイトニング剤の浸透を良くするために、歯をきれいに磨く。
- 歯茎に保護剤を塗布後、ホワイトニング剤を歯に塗る。
- ホワイトニング作用を促すために、歯表面に光を照射。
- ③、④を3回繰り返し行う。
- きれいに水で洗いながし、フッ素配合研磨剤で磨く。
どんな人におすすめ?
歯の黄ばみの原因が、
- 生まれつき(遺伝的要因による黄ばみ)
- 加齢
- 飲食物、喫煙などの着色汚れ
- 薬剤の副作用
- 疾患や外傷
などによるものの人におすすめの方法です。
費用は?
ホワイトニング費用は保険適用対象外です。
上下の施術で3万~7万円程度必要になるケースが多いです。
ただし、費用は施術を受ける歯科により幅があるため、施術を受ける前に確認してください。
また、ホワイトニングを行う歯の本数単位で支払うケースもあります。
歯が白くなるまでの期間は?
一般的には、2週間に1回30分程度の施術を1~3回行うと、歯が白くなるケースが多いです。
受診する歯科によって異なるため、事前に確認しましょう。
歯医者を探す
その② ホームホワイトニング(自宅でケアする)
自分専用のマウスピースを作成後、そこにホワイトジェルを入れて歯に装着する方法です。
好きな時間に好きな場所でホワイトニングができます。
◆治療の流れ
- まずは問診(診察)、カウンセリングを行い、歯と口腔内の状態を確認。
- マウスピースを作成するために歯型をとる。
- ホワイトニングジェルの浸透を良くするために、歯をきれいに研磨する。
- マウスピース完成後、歯科にて使用方法等の説明を受ける。
- 自宅でホワイトニングを開始。
- 歯科での説明に従い、マウスピースにホワイトニングジェルを流し入れて歯に装着する。
- 経過を確認するため、再度歯科を受診する。
どんな人におすすめ?
- 忙しくて歯科に通えないが歯を白くしたい
- 外出を控えたい
などの人におすすめの方法です。
費用は?
保険適用外で、目安としては上下で3万円以上必要になるケースが多いです。
費用は受診する歯科により幅があるため、受診前に確認してください。
歯が白くなるまでの期間は?
毎日2~4時間のホームケアを2週間ほど継続すると、歯が白くなってくると考えられています。
歯医者を探す
その③ デュアルホワイトニング(歯医者と自宅、両方でケアする)
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを組み合わせて行う方法です。
歯を白くするうえで、最も有効な治療法だと考えられています。
どんな人におすすめ?
- 歯をとことん白くしたい
- 白い歯を長期間維持したい
- テトラサイクリン歯による歯の黄ばみがある
などの人におすすめの方法です。
費用は?
保険適用対象外で、5万~8万円程度必要になるケースが多いです。
費用は受診する歯科により幅があるため、受診前に確認してください。
歯が白くなるまでの期間は?
一般的には、1回のオフィスホワイトニングである程度歯が白くなった後、毎日2〜4時間ほどのホームケアを2週間程度継続することで、白い歯を長く維持できます。
受診する歯科によって異なるため、事前に確認しましょう。
歯医者を探す
まずは、歯医者さんで相談してみよう
歯医者を受診すると、歯の状態を確認したうえで、黄ばみの原因に合わせた治療を提案してもらえます。
費用などは医療機関で異なるため、治療を検討している場合は、一度相談してみることをおすすめします。
歯医者を探す
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。