排尿の終わりかけの痛み・しみる。女性に多い「急性膀胱炎」かも!早く治すには?

更新日:2022-08-12 | 公開日:2018-12-21
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排尿の終わりかけの痛み・しみる。女性に多い「急性膀胱炎」かも!早く治すには?

「排尿の終わりが痛い…」
「もしかして急性膀胱炎?」

急性膀胱炎について、お医者さんに聞きました。
症状や自分でできる対処法についても解説します。

監修者
荒牧 竜太郎 先生

荒牧内科
院長

荒牧 竜太郎先生

経歴

福岡大学病院
西田厚徳病院
平成10年 埼玉医科大学 卒業
平成10年 福岡大学病院 臨床研修
平成12年 福岡大学病院 呼吸器科入局
平成24年 荒牧内科開業

膀胱炎の症状「おしっこの終わりが痛い」

医師男性
排尿時に、痛みを伴う疾患の多くは、「急性膀胱炎」です。
多くの場合、排尿終了頃に痛みが生じます。

膀胱炎は、健康状態に何も問題がなくても、細菌が尿道から逆行して、膀胱に侵入すると、発症します。

<膀胱炎の症状>

  • 排尿痛(終わりかけの痛みが多い)
  • 頻尿
  • 血尿
  • 尿混濁

など

若い女性が発症する、膀胱炎は、多くは、急性ぼうこう炎(急性単純性ぼうこう炎)と考えられています。膀胱炎を引き起こす原因菌の、多くが大腸菌です。女性の場合は、肛門と尿道が近い位置関係にあるため、細菌が尿道から、膀胱へと移動して、膀胱炎を起こします。

膀胱炎の原因「ストレスやトイレ我慢」など

医師男性
  • 仕事が忙しくて、トイレを我慢しがち
  • 過度のストレスや疲労がたまっている

こうしたことが、ぼうこう炎を引き起こす原因になります。

膀胱炎の原因には、次のようになります。

  • 疲労
  • ストレス
  • 体調不良
  • 尿を我慢することが多い
  • 冷え症
  • 排尿量が少ない
  • 性行為など

早く治したい!自分でできる対処法

早期改善のためには、病院へ行くことをおすすめします。
その上で

  1. 水分をたくさん取るようにして、尿量を増やす
  2. 排尿を我慢しない
  3. 体が冷えないようにする(特に下半身)
  4. 体の抵抗力を落とさないように過度の疲労を避け、十分な睡眠をとる

といったことを意識しましょう。

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「膀胱炎は市販薬で治るの?」 「コンビニでも買える薬はある?」 市販薬が使えるケース・使えないケースや、お薬以外での対処法まで医師が解説します。 病院に行くべき目安もご紹介しています。 市販薬が膀胱炎に効くケース おしっこを我慢した 排尿してもすぐにまたしたくなる 残尿感がある 排尿後に軽い下腹部痛がある といった症状には、市販薬での改善が期待できます。 上記の場合、一時的な細菌感染によって起こる「単純性膀胱炎」が疑われます。 膀胱の機能や形には問題がないため、市販薬を使って様子を見ているうちに治るケースが多いです。 ただし、市販薬を数回使用してよくならない場合は、早急に病院を受診しましょう。 市販薬が使えないケース 尿の回数が増え、排尿しないと我慢できないほどの下腹部痛がある 尿が混濁していて、どろっとした膿が混ざっている 血尿が出た 猛烈な排尿痛がある といった症状には、市販薬は使えません。 上記の場合、「膀胱自体の異常」や「病気」が原因となって、膀胱炎を発症していると考えられます。 市販薬で治らない膀胱の病気 <間質性膀胱炎> 膀胱粘膜が萎縮する病気です。 頻尿や下腹部痛などがあります。 <腎盂腎炎> 膀胱より奥の腎盂(腎臓の一部で、尿が集まる場所)に細菌の感染が進行している状態です。 腎臓にも炎症が起きていて、発熱や腰痛、感染に伴い腎臓周囲の痛みを感じます。体調不良や吐き気、嘔吐などの症状が現れる場合もあります。 初期の膀胱炎に効く市販薬の例 初期の膀胱炎には ボーコレン(五淋散) 腎仙散 といった漢方薬が使えます。 漢方薬は抗生物質と違い、体の機能を徐々に高める作用があります。 症状が出始めてすぐであれば効果を発揮するので、おすすめです。 ボーコレン(五淋散)の効能 尿路の熱感、腫れを引かせます。尿が出やすくなり、排尿痛、残尿感などの症状にも対応します。 五淋散が効く症状 残尿感 頻尿 排尿痛 尿路異常による腫れや熱感 腎仙散の効能 利尿作用があり、尿の出をよくします。炎症を抑え、抗菌作用も期待できます。 腎仙散が効く症状 残尿感 抗炎症作用 利尿作用 排泄痛 抗菌作用 市販薬を使う際の注意点 市販薬は、対応する症状・年齢・働きをよく確認して使用してください。 使用は、個人の判断に委ねられています。 注意!膀胱炎は「ロキソニンで治らない」 ロキソニンは原因である細菌に作用しないため、膀胱炎を治すことはできません。 ただし、痛みを和らげることはできるため、痛みがつらいときに服用するのは可能です。 痛み止めの服用はあくまで対症療法です。 痛みが改善しないときは医療機関で治療を受けましょう。 早く治したい!薬以外にできること 違和感がなくなるまで、おしっこをたくさん出すようにしましょう。 一時的な細菌感染の単純性膀胱炎であれば、水分を多く取り、尿を多く排出することで菌も同時に排出されていきます。 また、ストレス・寝不足、冷えなどは、細菌に対して抵抗力が低くなる原因です。 日頃から、疲れやストレスを溜めない規則正しい生活を心がけましょう。 よくある質問「市販薬はコンビニでも買える?」 一般用医薬品(OTC)は、コンビニエンスストアでも購入できるものがあります。 急を要する場合や病院受診が難しい場合は、使用してもいいでしょう。 よくある質問「処方薬」と「市販薬」の違いは? 「市販薬」は、一般的に生薬を主成分としており、抗菌や利尿作用・血流改善などの力を使って、膀胱内にいる細菌を排出できるように体の機能を高めます。 一方「処方薬」には、医療機関のみで処方できる抗生物質があります。 抗生物質を服用すると、原因である細菌の増殖を抑えることができるため、膀胱炎のより早い改善が期待できます。 早く治したいときは、病院で処方薬をもらうことをおすすめします。 市販薬ではなく「病院を受診すべき」ケース 激しい痛みがある 血尿が出ている といった場合は、泌尿器科を受診しましょう。 上記は、膀胱炎が悪化しているときに現れる症状であり、セルフケアや市販薬だけでは対応できません。 また、市販薬を使ってみたけれども症状がよくならない場合は、早急に医療機関で受診して治療を受けてください。 医療機関で治療を受けた場合、「抗生物質(クラビットやフロモックス)」を処方してもらえます。 泌尿器科を探す ※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。

急性膀胱炎を治すには?

医師男性
細菌性膀胱炎の場合には、抗生物質の服用による治療が行われます。
4~5日分の薬が処方され、およそ1週間で快方に向かいます。

注意しなければならないのが、症状が落ち着いても、自己判断で薬の服用をやめないことです。
服用をやめると、治療が中途半端になり、再発・慢性化を招く恐れがあります。

病院は何科?

医師男性
膀胱炎の疑いがあるときは、泌尿器科を受診しましょう。

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悪化すると…「腎盂腎炎」を引き起こす恐れも

医師男性
ぼうこう炎と聞くと、「よくある疾患だから、すぐ良くなるのでは」と考えがちですが、そうではありません。
悪化すれば、腎盂腎炎を、引き起こす恐れもあります。

<腎盂腎炎>
細菌が腎臓に感染し、炎症を引き起こす疾病。
感染が全身に広がると命に関わる。

膀胱炎の症状がある場合や、膀胱炎を繰り返す場合には、泌尿器科などを受診しましょう。

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