水いぼは、数ミリ〜5ミリ程度の盛り上がりができる皮膚疾患です。 手のひら・足の裏にはできないのが特徴です。
子どもの水いぼの治し方を、お医者さんが解説します。
よくある疑問、
「お風呂やプールはどうしたらいい?」
「病院行くなら、小児科?皮膚科?」
にも答えます。
監修者
経歴
北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
横浜栄共済病院 形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長
を経て2024年JUN CLINIC横浜 就任
水いぼは自然に治る?
水いぼは、自然治癒します。
しかし…
ただし、放置した場合、1~2年程度と治るまでに長い年月がかかる場合もあります。
子どもがひっかいてどんどん増えていくこともあります。また、他の子にも感染していくため、子ども自身に精神的負担を与えることも多いです。そのため、「自然に治るからいいや」と油断はできません。
子どもの水いぼの治し方
家庭で子どもの皮膚に水いぼを発見した際は潰さないようにしてください。潰すとそこからウイルスが出て、周りの皮膚や触った人の皮膚にも感染していきます。
基本的にはかゆみや痛みもないのですが、子どもは気になってしまうと無意識に触る場合があります。なおるまでは包帯などを巻いて保護する必要があります。
特に、アトピー性皮膚炎や乾燥肌の子どもは水いぼ が広がりやすいので、ステロイドや痒み止め、保湿剤などその治療をしっかりします。
赤く腫れるときのケア
水いぼは、治っていく過程で赤く腫れることがあります。これは、水いぼに対しての免疫がついたという証明でもあります。
もう少しの辛抱で、その水いぼは無くなります。つらいときは、かゆみ止めを皮膚科で処方してもらえます。
お風呂は入っても大丈夫?
お風呂はいつも通り入っても問題ありません。水いぼを潰さないように、優しく洗ってください。
また、家族の感染に気をつけてください。入浴のお湯や水でうつることはないとされていますが、ウイルスが付着していればタオルや洗浄用のブラシの共有でも家族に感染する可能性があるので、共有は避けましょう。
プールは入っても大丈夫?
水を介して感染する可能性はかなり低いので、プールに入ってあまり問題はないとされています。
ただし、タオル・ビート板からうつる可能性はありますので、十分に注意しましょう。物の共有はしないように気をつけましょう。
プールの水を介してうつることはほぼないので、水いぼがあってもプールに入っても問題ないとされています。ただし、肌と肌を密着させる、水泳用品を共有することは避けましょう。また、水いぼの状態によってはプールに入らない方がいいケースもあります。治療中の場合は医師に確認をとるのがよいでしょう。
※園や学校で独自の基準があるケースもあります。確認してみましょう。
保育園に行っても大丈夫?
保育園に登園してもOKです。
ただし、水いぼを触った手で他者に触ったり、潰してしまった箇所が他の子供の皮膚に付着したりするとその子どもにも感染します。そのため、水いぼが出ている箇所は、包帯などで保護して登園する必要があります。感染防止のため、保育園のプールもお休みしましょう。
市販薬は使っても大丈夫?
水いぼには、市販の木酢エキスやヨクイニンが良いとされています。
入浴後、水いぼが出ている場所や周辺に塗ってください。悪化したり変化がないときは、使用をやめて、医師にすぐ相談しましょう。
「病院行くべき?」水いぼの受診目安
ママ・パパが水いぼに気がついたら、すぐに治療を受けて、水いぼを増やさないようにするのをおすすめします。
水いぼは、放置した場合、数年で自然治癒するとされています。しかし、他者への感染に気を使わなくてはいけないのと、水いぼが増えた時にテーピングや包帯での保護が必要となり、子どもの精神的苦痛も大きい疾病です。
そんな事態を予防するためにも、水いぼが増える前に、一つでも目についたらすぐに治療を受けるのをおすすめします。
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病院での治療方法
液体窒素や塗り薬を使って治療が行われます。
水いぼに麻酔のテープを貼って、麻酔が効いてきた頃に医師がピンセットで水いぼの中身を取り除くという治療もあります。また、内服治療を行う場合もあります。
病院は何科?
皮膚科、もしくは小児科を受診してください。
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2021-02-17
「小さな水ぶくれができて、かゆい…。これは何?」
かゆみのある水ぶくれは何の病気なのか、お医者さんに聞きました。
自分がどの症状に当てはまるか、確認してみましょう。
小さな水ぶくれとかゆみ…どう対処する?
冷たいおしぼりなどで患部を冷やし、かゆみを鎮めましょう。
これはNG!やってはいけない対処法
患部を温めたり、水ぶくれを潰すのはやめましょう。
熱いお湯で洗い物をしたり、熱いお風呂に入浴したりするのは止めましょう。温めるとよけいにかゆくなってしまう傾向があります。
また、水ぶくれをつぶすのもNGです。雑菌が入る恐れがあり、傷跡が残ったり、化膿してしまうリスクがあります。
どんな市販薬を使えばいい?
かゆみの原因がはっきりしている場合は市販薬でも構いません。
ステロイドが配合されている外用薬(フルコートFやベトネベートNなど)がよいでしょう。
よくある2つの原因
かゆみをともなう小さな水ぶくれは
汗疱(かんぽう)
接触皮膚炎(アレルギー)
が原因のケースが多いです。
原因① 汗疱(かんぽう)
汗疱とは、かゆみの強い、小さな水ぶくれができる慢性の皮膚炎です。
数カ月ごと、数年の間隔を空けながら、急にできては消えてを繰り返します。
汗疱(かんぽう)の特徴
最初に水ぶくれができ、それが赤くなってジクジクとしていきます。
その後、鱗屑(りんせつ)と呼ばれる、うろこ状のくずが生じます。
<水ぶくれができやすい場所>
手のひら
手の指の側面
足の裏
汗疱(かんぽう)の原因
ストレスや、特定の金属(ニッケル、クロム等)との接触などが考えられています。
詳しい原因はわかっていません。
また、汗疱という病名ですが、汗が原因となって発症することはありません。
ただし、汗によって症状が悪化するケースはあります。
どんな人に発症しやすい?
10代後半~20代の方に多く発症しますが、どの年代でも発症リスクはあります。
アトピー性皮膚炎など、皮膚疾患を持っている人に発症しやすいです。
自分でできる対処法
こまめに手を洗い、患部を清潔に保ちましょう。
また、市販の軟膏で保湿するのも良いでしょう。
水ぶくれは数週間すると自然と消えますが、細菌感染するケースもあるため注意が必要です。
症状がつらい場合は、お近くの皮膚科で相談してみましょう。
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原因② 接触皮膚炎(アレルギー)
特定の物質に直接触れることによって、皮膚に炎症が生じる状態を指します。
かゆみのある小さな水ぶくれは、アレルギーが原因となっている可能性が高いです。
接触皮膚炎(アレルギー)の特徴
発疹の中に水ぶくれが現れます。
発疹は境界がはっきりしていて、かゆみが強いのが特徴です。
<水ぶくれができやすい場所>
特定の物質に触れた部位にのみ発症
腕や顔、背中など、あらゆる部位に発症する
接触皮膚炎(アレルギー)の原因
原因となるアレルギー物質には、
植物やゴム
保存剤
香水
抗菌薬
などがあります。
どんな人に発症しやすい?
どの年代にも発症しますが、20~30代の方、50~70代の方に多い傾向にあります。
自分でできる対処法
アレルギー物質との接触を避けてください。
接触を避ける工夫として、手袋や保護用の衣類、保護クリームを使用するのがおすすめです。
誤ってアレルギー物質に触れてしまった場合には、石けんと水ですぐに洗い流してください。
また、炎症がある方は以下の処置を行いましょう。
<症状を緩和させる方法>(範囲が狭い場合)
冷水にガーゼを浸したものを、患部に貼りつけてください。
1日に数回、1回あたり1時間程度が目安です。
症状の範囲が広い、症状を繰り返す場合は、皮膚科で相談してみましょう。
かゆい水ぶくれの「病院に行く目安」
市販薬を1週間程使用しても、症状が改善しない
患部に痛みがある
といった場合には、早めに病院を受診しましょう。
市販薬を使っても治らない場合、その市販薬が症状にあっていない可能性があります。また、痛みまで発展している場合は、皮膚状態がさらに悪化してしまうリスクがある状態です。
皮膚トラブルは、原因に合わせた対処が必要です。まずは皮膚科を受診しましょう。
早期に受診することで、悪化を防ぎやすくなります。
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▼参考
MSDマニュアル家庭版 汗疱
大木製薬株式会社 コーフルS
MSDマニュアル家庭版 接触皮膚炎
日本皮膚科学会 接触皮膚炎診療ガイドライン 2020
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2020-11-17
赤い点々の発疹がでた!
発熱もしているし、喉も痛いみたい。
それは「溶連菌」に感染しているかもしれません。
溶連菌のブツブツの特徴や、正しいケア方法を解説します。
溶連菌感染症ってどんな病気?
主に発熱・喉の痛みを引き起こします。
いちご舌(舌に赤いぶつぶつが出るという症状)も特徴的な症状です。
主な症状
喉の痛み
発熱
腹痛
頭痛
吐き気
扁桃腺の腫れ
首のリンパの腫れ
など
他にも口の周りは白いのに額や頬が赤くなるという「口囲蒼白」も特徴です。
溶連菌の「発疹の特徴」
発熱後12〜24時間後に、肌に赤い発疹ができることもあります。
この発疹は、「赤い点々が広がる」、もしくは「日焼けをしたように肌が赤くなる」ようになります。触るとザラザラと感じることもあります。
発疹が「でやすい場所」
このような発疹は顔には出づらく、脇や足の付け根などに比較的よく現れます。
溶連菌の発疹の「ケア方法」
冷やしたタオルを患部に当てるか、保湿ローションを塗って対応しましょう。
通常、溶連菌感染症がよくなっていけば発疹も徐々に快方に向かいます。
病院では、かゆみ止めの内服や外用がもらえます。
発疹からうつる?
溶連菌感染症の発疹から、溶連菌に感染することはありません。
溶連菌の発疹は、溶連菌の毒素による“体の反応”のためです。
主な感染経路は、
飛沫感染(つば・くしゃみ等)
接触感染(菌がついた手で、口や鼻に触れる等)
の2つです。
溶連菌の感染を防ぐには「手洗いとマスク」
菌が手についたまま、食事をしたり鼻に触れたりすると感染するので、石鹸で手洗いをしっかり行いましょう。マスクの着用も予防になります。
大人も溶連菌に感染します。
家族が溶連菌に感染したら、食器やタオルの共有や避けましょう。
子どもの溶連菌の正しい対処
栄養分のあるものを食べさせ、ゆっくり休ませましょう。
喉の痛みが出るので、喉越しの良しがよく消化の良いものを与えてください。
OK「喉にやさしいもの」
喉ごしがよいおやつ(ゼリー・プリン・ヨーグルト等)
おかゆ、パン粥
豆腐
煮込み野菜スープ 等
NG「喉に刺激が強い食事」
熱すぎ・冷たすぎるもの
辛いもの
酸っぱいもの(喉の炎症にしみるもの) 等
病院へ行くべき?
自然治癒もしますが、症状が重くなることがあります。
病院で診断を受け、適切な抗生剤の処方を受けるようにしましょう。
特に、
38度以上の熱が2日間下がらな
水分がとれず脱水症状の危険がある
全身状態がわるく、ぐったりしている
などの症状がある場合は、他の疾患の合併の可能性もありますので病院を受診してください。
病院で抗生剤を投与してから24〜48時間過ぎて、症状が軽くなり熱も下がったら、保育園・幼稚園に登園してもよいでしょう。この時、全身症状が良くなっていれば感染はしませんので、発疹が残っていても登園できます。
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<参考>
“Dr.365”のこどもの病気相談室 こどもの病気治療の本当のこと
著者:白岡亮平