「水っぽい鼻水が出るのはなぜ…?」
「鼻水が垂れてきて困る!」
「今すぐ止める方法を教えて!」
この記事では、なぜ鼻水が水っぽくなるのか、考えられる原因を医師に伺いました。
また、水っぽい鼻水が止まらない場合の対処法や、病院へ行くべき症状についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
監修者
経歴
福岡大学病院
西田厚徳病院
平成10年 埼玉医科大学 卒業
平成10年 福岡大学病院 臨床研修
平成12年 福岡大学病院 呼吸器科入局
平成24年 荒牧内科開業
水っぽい鼻水の2つの原因
水っぽい鼻水が出る主な原因として
- 風邪のひきはじめ
- アレルギー
が考えられます。
① 風邪のひきはじめ
風邪の初期段階は、ウイルスや細菌等の侵入を阻止しようとして水っぽい鼻水が出るケースが多いです。
また風邪の初期では、ウイルスや細菌が増殖しきっていないため、鼻水が透明でサラサラしているとも考えられています
鼻水は日を追うごとに粘性がある黄色や緑色に変化していきます。
水っぽい鼻水に伴い次の症状がある場合は、風邪の初期段階である可能性が高いと考えられます。
- 喉の痛み
- 咳や痰が出る
- 発熱
- 筋肉痛(関節痛)
- 頭痛
- 倦怠感 等
② アレルギー性鼻炎(花粉症・寒暖差アレルギーなど)
アレルギー性鼻炎の場合、くしゃみを伴うサラサラの水っぽい鼻水が出るケースが多いです。
アレルギーの場合、鼻水・鼻づまりが一週間以上続いたり、連続してくしゃみが出るという特徴もあります。
鼻水に加えて、
といった症状がある場合は、アレルギー性鼻炎が疑われます。
アレルギー性鼻炎の場合、アレルゲンを排除するために鼻水が出ています。そのため、アレルギーの原因が排除されない限り、水っぽい鼻水が出続ける場合が多いです。
アレルギーの原因としては、花粉、ほこり・ダニの死骸(ハウスダスト)、動物(ペット)等が挙げられます。
寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)のケースも
寒いときに、
- 水っぽい鼻水や咳が出る
- 鼻が詰まる
- ムズムズする
- くしゃみ
- イライラする
- 食欲不振
- なんとなく調子が悪い 等
といった症状があるときは、寒暖差アレルギーの可能性があります。
7度以上の気温差(寒暖差)が生じると血管収縮が寒さ暑さの状況に対応しきれなくなり、自立神経が誤作動することで、体調不良が起こると考えられています。
鼻がつまったときの対処法
水っぽい鼻水が止まらないときは、鼻を優しくかみましょう。
鼻をすすらないように、片側ずつ小刻みにゆっくり鼻をかむようにすましょう。
また、次のような方法でも鼻水が止まりやすくなります。
- 深呼吸する
- 息を吐ききって息を止めて鼻をつまむ
- ②の状態のまま、頭をゆっくり上下に動かす(2秒を目安に行う)
- 息が苦しくなってきたところで手を放して呼吸する
鼻水をすするのはNG!
出てきた鼻水はすすって体内に戻すことなく、できるだけ体外へ排泄するようにしてください。
水っぽい鼻水が出てくるとついすすってしまいがちですが、鼻水にはウイルスや細菌の残骸やそれらと闘った白血球の残骸等が含まれています。
「それでも鼻水が止まらない」ときの6つの対処
それでも鼻水が止まらない時は、次の6つの対処法があります。
- 蒸しタオルを鼻に当てる
- 漢方薬を使用する
- マスクを使用して、鼻の乾燥や異物の侵入を防ぐ
- 部屋を加湿して乾燥を防ぐ
- お風呂に入ったり、シャワーを浴びたりする
- 市販の鼻水吸引機を使用して吸い取る
お風呂の湯気の加湿効果によって、鼻水、鼻づまりが解消する場合があります。
鼻水の吸引だけでも耳鼻科の受診は可能です。
漢方薬
小青竜湯(ショウセイリュウトウ)
葛根湯加川芎辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)等
アレルギー性鼻炎の対処法
アレルギー性鼻炎の場合は、
という対処ができます。
部屋の掃除を行うことで、日常的にアレルゲンを除去することも大切です。
「点鼻薬」は、抗アレルギー成分、抗ヒスタミン成分、血管収縮成分、ステロイド成分等を配合するものを選びましょう。
「鼻炎薬」は、抗アレルギー成分、抗ヒスタミン成分等を配合する内服薬を選びましょう。
\花粉症の方へ/
市販の抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬を花粉が飛散するピークの2週間前から服用しておくと、症状が軽く済む場合があります。
寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)の場合は…
寒暖差アレルギーの場合は、
- 体温調節をしっかり行い、気温差が生じないようにする
- 日々の体調管理を徹底する
- 適度な運動を行い、体力をつける
- 体を冷やさない
といった対処をとるとよいでしょう。
こんな症状は病院へ!
- 水っぽい鼻水が止めどなく出てきてしまう
- 水っぽい鼻水が長期間続く(1週間ほど)
- 水っぽい鼻水から強い粘性や緑黄色のある鼻水に変化した
- 風邪でもないのに慢性的に鼻水や鼻づまりが続く
といった症状がある場合は、病院を受診しましょう。
耳鼻いんこう科を探す
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2020-03-11
「鼻をかみすぎて鼻の下がヒリヒリする!」
「思いっきり鼻をかんだら、なんだか耳が痛い…」
そんな経験はありませんか?
この記事では、鼻の下のヒリヒリをはじめ、鼻をかむことで耳や頭が痛くなる理由について、医師に伺いました。
鼻のかみすぎで生じる痛みの対処法や上手な鼻のかみ方もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
鼻の下がヒリヒリ痛い・皮がむける
鼻の下が痛くなったり皮がむけたりするのは、ティッシュによる皮膚への刺激や弱っている皮膚に鼻水が触れて、刺激を与えるのが主な原因となります。
オロナイン・保湿力の高いティッシュで対応
まずは、できるだけヒリヒリする部分に触れないように鼻をかんでください。
そして皮膚を保護する薬を塗りましょう。
市販薬では、炎症を抑える・化膿を防いでくれるオロナインも使用可能です。
ただし、傷口につけるとしみる・痛むというものは、皮膚を余計に傷めてしまうので避けてください。
また、保湿力が高いティッシュも販売されています。
保湿されていると皮膚への刺激が弱まるので、何度も鼻をかむときは皮膚を傷つけないため、おすすめです。
耳が痛い・違和感がある
両鼻を強くかむと、耳の鼓膜に圧がかかり、耳管から風邪のウイルスや細菌を含んだ鼻水が中耳に送り込まれてしまいます。
すると、急性の中耳炎を引き起こす場合があり、耳が痛い・聞こえにくい、めまい、耳の違和感などが現れるようになります。
鼻を強く噛むのは避けて
耳へ鼻水が送られてしまうのは、強く鼻をかむのが原因です。
鼻をかむときは、優しくかみましょう。
治らない場合は病院へ
中耳炎は、自然に治癒する場合もあります。
炎症の程度により異なりますが、1週間ほどで快方に向かいます。
しかし、長期的に耳に違和感がある・痛みが強いという場合は耳鼻咽喉科を受診して、診察・治療を受けましょう。
耳鼻いんこう科を探す
鼻のかみすぎで頭痛がする
鼻が詰まっているときや鼻水がたくさん出て鼻をかむ回数が増えている場合は、急性副鼻腔炎や慢性副鼻腔炎が原因となっている場合があります。
副鼻腔炎は、急性・慢性ともに鼻の奥にある空洞に鼻水や膿が溜まり、鼻づまりの他にも頭痛・顔の痛みなどを引き起こします。
鎮痛剤で頭痛が緩和することも
副鼻腔炎が原因の頭痛は鎮痛剤で一時的に痛みが緩和される人もいます。
軽度の急性副鼻腔炎では、対症療法を行いながら快方に向かうことがあります。
長引く場合は病院へ
対症療法で良くならない場合は、抗菌薬を投与して、原因となっている病原体を殺菌する必要があります。
鼻づまりがなかなか良くならない場合は耳鼻咽喉科を受診しましょう。
副鼻腔炎の症状は、3ヶ月以上続くと慢性副鼻腔炎になり、長引くことがあります。
1ヶ月くらい続いていたら、まずは医療機関へ行きましょう。
その他、日常生活が辛いと感じる症状がある場合も、医療機関を受診してください。
耳鼻いんこう科を探す
鼻血が出た
鼻の入り口から1センチほどの箇所は、毛細血管が非常に多く存在していて、傷をつけたり力を加えたりすると出血する場合があります。
また、鼻をかむときに片方を強く押さえすぎると出血する場合もあります。
鼻血の止め方
鼻血が止まるまで下を向いて軽く鼻をつまみ止血しましょう。
通常は、数分で止まります。
繰り返す鼻血は病気の可能性も
頻繁に鼻血が出る背景には、他の病気が隠れている可能性があります。
その場合は、医療機関を受診して、原因となっている病気の治療を行う必要があります。
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上手な鼻のかみ方
ティッシュを当てたら、片方の鼻を軽く押さえて(穴は塞いで)、優しく少しずつかみます。
一気に強い力で噛むのは避けましょう。
また、湿度の高い空間(お風呂場など)で鼻をあたためて加湿すると、鼻水が出やすくなるので試してみましょう。
鼻の中にティッシュを直接入れる方法は、粘膜を傷つけて血が出る原因となりますので、避けてください。
まとめ
間違った鼻のかみ方をすると、病気を発症する場合があるので注意が必要です。
また、鼻をすすることも病気の原因になります。
鼻をすすると、鼻の内部で細菌が増殖し、中耳炎を発症しやすくなりますのでやめましょう。
<参考>
一般社団法人日本耳鼻咽喉科学会 鼻の病気
http://www.jibika.or.jp/citizens/daihyouteki2/hana_disease.html#fukubiku
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2019-09-27
「なんだか鼻水が臭い…」と感じたことはないでしょうか。
臭いの原因は風邪?でも、風邪を引いたらいつも鼻水が臭うというわけではないですよね。その場合は「副鼻腔炎」を発症している可能性があります。
また、子どもから臭い鼻水が出て気になることもあると思います。今回は鼻水がなぜ臭いのか、そこにはどんな病気が隠れているのか、医師にお話を伺いました。
鼻水の臭いがすることから考えられる病気
鼻水の臭いがする原因として、急性・慢性の副鼻腔炎にかかっている可能性が考えられます。
急性副鼻腔炎
急性副鼻腔炎は、鼻炎が原因で副鼻腔まで炎症が広がった状態です。
鼻の中は、匂いを感じる機能ある部分や異物を排出する働きなどがある鼻腔と、それ以外に副鼻腔という頭の骨の中にある空洞があり、額、目の近く、鼻の横の左右に広がっています。副鼻腔にまでウイルスや細菌が侵入し、炎症を起こし、膿が出て鼻水が臭う場合や、鼻粘膜の炎症で排出された物質が副鼻腔の中まで溜まってしまい、やはり膿が出て鼻水が臭うという事もあります。
このように風邪による鼻炎が原因となり、副鼻腔まで急激に炎症が広がると急性副鼻腔炎と呼ばれ、臭いのあるどろっとした、黄色っぽい膿が、鼻水に混ざって排出されるようになります。黄色っぽい鼻水が緑っぽい色に変化する時は、炎症が悪化している可能性があり、より臭う場合もあるでしょう。鼻水の臭いで気になることがあれば、耳鼻咽頭科への受診をおすすめいたします。
耳鼻いんこう科を探す
慢性副鼻腔炎(蓄膿症)
上記の急性副鼻腔炎の状態が長引くと、慢性副鼻腔炎を発症します。(一般的に蓄膿症とも呼ばれます。)
そもそも、副鼻腔炎にかかる原因は?
上記で解説した、副鼻腔炎にかかる原因としては、下記が挙げられます。
風邪
ハウスダスト
花粉
カビ
風邪以外の原因に関しては、それらが鼻から入って副鼻腔にまで侵入し、炎症を起こして鼻水が臭うこともあります。
副鼻腔炎以外の病気の可能性は?
鼻水が臭う原因は、急性副鼻腔炎や慢性副鼻腔炎が主ですが、
稀に萎縮性鼻炎(鼻粘膜が萎縮したり、乾燥したりして鼻が臭くなる病気)や痂皮(かさぶた)がたまっていると臭いの原因になる場合があります。
鼻水が臭いときの対処法
病院は何科で受診すればいい?
鼻水が臭うと感じたら、耳鼻咽喉科を受診してください。
風邪の後であれば急性副鼻腔炎等を発症しているかもしれません。
また、常に鼻をズルズルと吸っている、風邪ではないのに、夜、鼻が詰まっていて苦しそうに息をしているという場合は慢性副鼻腔炎が疑われます。
耳鼻いんこう科を探す
病院で受ける診察
耳鼻咽喉科では、鼻鏡、ファイバースコープなどを使用し、鼻の中を診察します。レントゲンやCTを用いて、副鼻腔の状態を確認し、細菌培養検査が行われ、原因菌などを探ります。
副鼻腔炎に予防するためには
風邪や花粉症の症状自体を予防する
副鼻腔炎(蓄膿症)は、風邪の鼻炎やアレルギー性鼻炎から続発したりして発症することがあります。風邪が流行る季節や花粉症の人は、マスクを着用し、鼻にウイルスやアレルゲンが入らないように予防しましょう。鼻うがいも有効といわれています。
生活習慣を整えよう。大人はたばこにも注意
そもそも鼻腔には、ウイルスやアレルゲンを異物と判断し、侵入してきたら鼻水と一緒に外に排出する機能があります。しかし、この鼻の機能は、疲労がたまっている・栄養が偏った食生活を送っている・ストレスが多いなどの免疫機能低下する状態では落ち込みます。鼻の機能が落ち込んでしまえば、異物を排出できなくなり、アレルギー反応が強く出たり、風邪をひきやすくなったりすることもあるのです。
鼻の機能を高めるためにも、体を休め、ストレスをためない生活を心がけましょう。子供の場合は、保護者の方が体調面や栄養バランスのとれた食事ができているか確認してあげましょう。また、特に大人の人の場合ですが、タバコも副鼻腔炎の原因となる事があります。タバコを吸う人は、禁煙に努めましょう。
まとめ
鼻づまりは、ひどくなると頭痛や集中力低下につながります。仕事や勉強に身が入らない原因にもなるのです。鼻がつまっていると感じたら、早めに病院を受診してください。