血液検査に異常はないのに、体重が減少…。
一体なぜ?
体重減少の原因と考えられる病気を、お医者さんに聞きました。
病院に行く目安も解説するので、心当たりのある方は要チェックです。
監修者
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医
岡村 信良先生
経歴
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
痩せたけど血液検査は異常なし…これは大丈夫?
5%未満の体重減少であれば、あまり心配しなくてもいいでしょう。
無意識のうちに食事内容が変化している、運動量が増えているといった可能性もあります。
ただし、
- 半年で体重の5%(または5kg)以上の減少がある
- 体重の変化以外にも、何かしらの不調がある
という場合は、要注意です。
考えられる2つの原因
血液検査で異常がないのに極端に体重が減少している場合、
- うつ病
- 悪性腫瘍(がん)
の可能性が考えられます。
以下の項目でそれぞれ詳しく解説します。
症状に心当たりがある方は、病院に相談しましょう。
原因① うつ病
うつ病になると、食欲がなくなり、体重が減少することがあります。
うつ病になりやすい人
10~30代の若者や、女性に多い病気です。
親や兄弟にうつ病患者がいる場合、発症リスクが高まります。
また、幼少期の虐待体験や不遇な養育環境に起因する場合もあります。
主な症状
- 気分が落ち込む
- 趣味や娯楽に興味を持てない
- 食欲がない
- 疲れやすい
- 集中力が下がる
- 体重が減る(目安は、1ヵ月で5% 以上)
- 眠れない、もしくは眠りすぎる
- 行動が遅くなり、焦りを感じる
- 自分は価値がない人間だと思う
- 自分の体を傷つける
- 死にたいと思う
上記の症状が5つ以上該当し、症状が2週間以上続く場合にはうつ病の疑いがあります。
うつ病と診断されるには、症状の①と②のどちらか1つが該当している必要があります。
受診するのは何科?
うつ病の疑いがあるときは、心療内科や精神科を受診しましょう。
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2020-05-21
初めて心療内科に行くけど…実際には何を話すの?
心療内科で初診を受ける際の流れについて、お医者さんに聞きました。
当日準備していくことをはじめ、初診でかかる料金、診断書はもらえるのかどうかも解説します。
心療内科の初診の流れ
初めてで緊張する方もいらっしゃるかと思いますが、基本は一般の内科などと変わりません。
問診→診察という通常の病院受診と同じ流れで行われます。
<治療開始までの流れ(一例)>
電話やウェブで予約
来院、問診表を書く
診察を受ける
必要であれば検査
治療の開始
心療内科の予約のしかた
電話予約が一般的かと思われますが、最近ではウェブ予約ができるところも増えてきています。
時間がなくて電話ができない、電話が苦手という方でも予約することができます。初診は日時が決まっているところが多いため、調べてから行くのがよいでしょう。
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受診前に準備しておいたほうがいいことはある?
次のことが伝えられるように準備しておくと良いでしょう。
今、何に困っているのか
受診に至った経緯
いつから困っているのか
どのようなときに、どのような症状がでるか
思い当たるストレス要因 等
初診で聞かれること
(症状や状態にもよりますが)ストレス要因に関連するような質問をされる可能性があります。
例えば、家族との関係や本人の職業・仕事内容、交友関係や休日の過ごし方、趣味などの話です。あくまで関連のある事柄に対してなので、あまり言いたくないことは言わなくても大丈夫です。
いずれにしても専門家がお話を聞くので、安心して相談してみてください。秘密は守られます。
初診で持っていくもの
心療内科の初診には、次のものを持参すると良いでしょう。
保険証
お薬手帳(あれば)
現状「困っていること」や「医師に相談したいこと」を受診の経緯をスムーズに話せるようにメモを持っていくのもよいでしょう。
初診の費用目安
自己負担3割の方で、初診時は約2,500円~3,000円、2回目以降は1,500円程度です。
薬を処方された場合、診察とは別に薬代が5000円前後かかります。
検査を行った場合には別途1,000~3,000円かかりますが、検査の種類にもよります。
こんなときは、悩まず心療内科に相談してください
「ストレスで胃が痛い」「悩み事があり夜眠れず、不眠気味だ」「ストレスが多く髪が抜ける」「イライラが収まらない」などの症状がある場合は、早めに専門医に相談してみましょう。
心配事や悩み事、ストレスがあり、気持ちや情緒が不安定で「いつもと違う」と感じられているのであれば、受診することをお勧めします。
辛い、苦しい、不安な状態を長く我慢してしまうと、症状がより重いものになる可能性もあります。
早期受診のメリット
早期に治療を始めることで、治療期間が短く済む、正常な状態に戻るのも早くなる、通院の回数や医療費も安く済むというメリットがあります。
ストレスが要因の病気は特に、放置し続けることで症状が悪化してしまうケースが多く、うつ病もそのうちの一つです。
何よりも、軽い症状のうちに治療を受けた方が心身の負担もあまりかからずに済みます。
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はじめての心療内科「よくある質問」
「診断書はもらえるの?」「心療内科に行ってはいけないと言われるのはなぜ?」
心療内科に関するよくある質問にお答えします。
質問1.診断書が欲しいのですが…
休職等の申請に診断書が必要な場合、すぐにもらえるものなのでしょうか?
診断書は本来診断がついて初めて発行されるものです。しかし診断書は医師に申し出れば、比較的速やかに発行されるところも多いです。
休職や職場に提出が必要な書類として、すぐに必要な場面が多いためです。病院によっては別に窓口が設けられている場合もあるため、受診の際に確認すると良いでしょう。
質問2.よく「心療内科に行ってはいけない」と言われるけど…
「行ってはいけない」「行ったら最後」と言われているのは、なぜなのでしょうか?
「行ったら最後」ということはありません。
そう言われるのは、精神科や心療内科のお薬を服用すると、患者さん自身の判断で勝手にやめることができず、飲み続けなければならないことが要因となっている可能性があります。
もしくは、薬の副作用が強くて日常生活により支障が出るなどという想像での発言かもしれません。
また、精神科・心療内科に行って診断を受けた時に、自分が精神病患者なのだと認めてしまうのが怖いと思ったり、周りの目を不安に感じる方もいらっしゃいます。
精神科や心療内科は、重い精神疾患を持つ人が行く場所というネガティブなイメージが少なからずあるというのが背景にあるようです。
つらい時は我慢せずに病院に行った方が良いのでしょうか?
ネット上でも多くの情報が錯綜していますが、自分の体の声を聞き、本当に辛い、苦しいと感じていて、日常生活に支障が出ているのであれば、相談だけでもいいので受診してみてください。
実際に、精神的な症状や心身症が現れているにも関わらず、受診を躊躇している方が多くいらっしゃいます。
しかし、自己判断で市販の漢方薬などの薬を飲み続けていたとしても、根本的な治療にはなりません。その点、専門の医師に相談することで、症状の要因をふまえた治療を受けることができます。
一人で抱え込まずにまずは相談してみましょう。
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参考URL
・心療内科で初診を受ける場合の流れを分かりやすく解説!/ひだまりこころクリニック栄院
https://hidamarikokoro.jp/sakae/blog/心療内科で初診を受ける場合の流れを分かりやす/
・精神科・心療内科の診察料金 | こころみ医学
https://cocoromi-cl.jp/knowledge/other/psychiatry/cost/
・診察にはどれくらいの費用がかかりますか? | 心療内科・精神科
https://namba-minato.com/faq/faq09/
・心療内科に行くべきかどうか迷う。受診すべき兆候とは?/神楽坂こころのクリニック
https://www.kagurazaka-mc.com/colum/psychosomatic-medicine/
病気② 悪性腫瘍(がん)
がん細胞がエネルギー吸収を阻害すると、体重が減少します。
がんは、一般的な血液検査で発見されにくい病気です。
悪性腫瘍(がん)になりやすい人
あらゆる年代に発症リスクがあります。
ただし、喫煙や過度の飲酒、肥満は発症リスクを高めると言われています。
主な症状
- だるさ、倦怠感
- 慢性的な微熱
- 腹部や胸、背中の痛み
- 便通異常
- 不正出血 など
受診するのは何科?
内科に相談しましょう。
この症状は早急に病院へ
体重減少に加えて下記の症状がある場合、早急な受診が必要です。
- 発熱が続く
- 寝汗
- 骨の痛み
- 息切れ、せき、喀血
- 強いのどの渇き
- 尿量の増加
50歳以上はこの症状に注意
50歳以上の方は、
- 頭痛
- 食べ物を噛むときのあごの痛み
- 目がかすむ
- ものが二重に見える
- 視野に欠けている部分がある
といった症状にも注意してください。
体重減少に加え、上記いずれかの症状に当てはまる場合は、病院に行きましょう。
原因不明の体重減少は早めに病院で相談を
原因不明の体重減少は、重い病気の可能性も考えられます。
病気の悪化を防ぐためには、早めに詳しい検査を受けることが大切です。
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2022-03-31
「筋肉が落ちるとどうなる?」
「落ちた筋肉を取り戻すには…どうすれば?」
筋肉量の低下による影響を栄養士さんに聞いてみました。
筋肉を取り戻す方法や筋肉が落ちやすい生活習慣なども解説します。
筋肉が落ちたらどうなる?
筋肉が落ちると、
つまずきやすい(体を支える筋肉が弱くなるため)
疲れやすい(代謝や血液の流れなどが悪くなり、疲労物質が滞るため)
太りやすい(基礎代謝が落ちるため)
血糖値が上がりやすい(筋肉はブドウ糖を取り込んで、血糖をコントロールする役割があるため)
などの影響が出てくると考えられます。
さらに筋肉が落ちづづけると…
筋肉量が少ない状態が続くと、日常生活に支障をきたし、病気の発症リスクを高める恐れもあります。
例えば、
老化に拍車がかかる(寝たきりになる等)
バランス感覚がなくなり転倒しやすくなる
骨折しやすくなる
生活習慣病を発症しやすくなる
といったリスクが増えます。
あなたの“筋肉の衰え度”をチェック
▼「筋肉が衰え始めた人」の特徴
つまずきやすくなる
疲れやすくなる
▼「筋肉がかなり落ちている人」の特徴
つまずき、すぐ骨折する
血糖値が高い
風邪や肺炎など病気にかかりやすくなる
手足が冷たい
顔色が悪い
太りやすい
汗をかきにくい
上記に当てはまる人は、筋肉が衰えていると考えられます。
筋肉が少ないと、運動機能だけでなく健康にも悪影響となるため、筋トレ等の対策をおすすめします。
「筋肉がどんどん落ちる」生活習慣の例
次のような栄養・運動・休息不足でバランスの悪い生活習慣は、筋肉がどんどん落ちやすい傾向にあります。
筋肉が落ちるNG生活習慣
欠食が多い(朝ごはんを食べない等)
食生活に偏りがある
運動習慣がない
ほとんど座って生活している
寝る時間を十分に確保できていない
不規則な生活を送っている
落ちた筋肉をとり戻すにはどうすれば?
落ちた筋肉を戻すには、“基本的な生活の改善”を行いましょう。
「タンパク質」と「糖質」を十分に摂る
筋トレを習慣づける
十分な睡眠時間を確保する
この3つをバランスよく続けることが大切です。
対策① 「タンパク質」と適度に「糖質」を摂る
栄養素
豊富に含まれる食材の例
タンパク質
鶏ささみ肉
牛もも肉
赤身マグロ
卵
納豆
プロセスチーズ
など
糖質
ごはん
麺
パン類
芋類
など
食事から「タンパク質」と「糖質」をきちんと摂取しましょう。
タンパク質が不足すると筋肉を作ることができません。
また、糖質が不足すると、タンパク質が体を動かすエネルギー源として使われてしまうため、筋肉の減少につながります。
なお、食事はあくまでも3食とって、栄養のバランスを意識することが前提です。
「朝ごはんを抜く」「タンパク質だけとる」のは控えましょう。脂肪の蓄積につながり、体によくない影響を及ぼします。
対策② 筋トレを習慣づける
落ちた筋肉を戻すには、筋トレが欠かせません。
まずは「スクワット」や「プランク」を続けてみるとよいでしょう。
「スクワット」のやり方
足を肩幅ぐらいに広げる
背中を伸ばしてゆっくりと腰を落とす(かかとに体重をかける)
太ももが床と並行になるまで下げて、戻す
※膝はつま先より前に出さないようにしてください。
※腰に力を入れないようにしましょう。
1セットあたり20〜30回程度続けましょう。
スクワットは、太もも・お尻・ふくらはぎなど複数の筋肉を鍛えられます。
「プランク」のやり方
うつ伏せの状態になる
つま先と肘を肩幅程度に開き、床につけて体を支える
②の状態で30秒〜1分程度保つ
※体は一直線な状態を意識して、腰やお腹を下げすぎないようにしましょう。
プランクは1セット3回程度行いましょう。
インナーマッスルが鍛えられると、他の運動の効果アップや姿勢矯正にも役立ちます。
対策③ 十分な睡眠時間を確保する
1日7~8時間程度は睡眠時間を確保しましょう。
睡眠時に分泌される「体を作るホルモン」は、筋肉を作るうえで重要です。
▼参考
再春館製薬