なぜ?40代の「生理中の頭痛」の原因。病気の可能性は?痛みを緩和する対処法も

更新日:2023-02-27 | 公開日:2023-02-27
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なぜ?40代の「生理中の頭痛」の原因。病気の可能性は?痛みを緩和する対処法も

なぜ?40代で生理中に頭痛がする…。
痛みを和らげるにはどうしたらいい?

40代で「生理中に頭痛がする」場合に考えられる原因を、お医者さんに聞いてみました。
頭痛を緩和するための対処法や、病気が疑われる症状についても解説します。

監修者
石野 博嗣 先生

石野医院

石野 博嗣先生

経歴

医療法人社団 石野医院
日本医科大学
日本医科大学付属病院
日本医科大付属第二病院
国立横須賀病院
東部地域病院
石野医院

40代「生理中に頭痛が…」原因は?

今40代ですが、生理になるといつも頭痛がします…。どんな原因が考えられるでしょうか。
女性
医師男性
生理中に頭痛が起こる場合、女性ホルモンの一つである「エストロゲン」の分泌量の変動が影響していると考えられます。
このような頭痛は、40代に限らず、生理があるどの年代の人にもみられます。

生理の前後は、エストロゲンの分泌量が減少することで、脳内の神経伝達物質のバランスが変化します。

その結果、頭の血管が拡張したり、神経に炎症が起きたりして、頭痛が起こりやすくなると考えられています。

更年期も影響する?

医師男性
40代半ばから後半であれば、更年期の影響で頭痛が出ている可能性も考えられます。

更年期の時期は、エストロゲンの分泌量が不安定になることにより、頭痛が起こることがあります。
閉経してエストロゲンの分泌がなくなると、頭痛の頻度は減っていく傾向にあります。

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生理中の頭痛を緩和する5つの方法

  1. 頭部を冷やす
  2. 暗く静かな部屋で安静にする
  3. カフェインを含む飲み物を適量摂取する
  4. 合谷(ごうこく)のツボをおす
  5. 市販の鎮痛薬を使用する
医師男性
応急的に頭痛を和らげる方法として、上記のようなものがあります。

対処法① 頭部を冷やす

保冷剤

医師男性
保冷剤や氷、濡らしてよく絞ったタオル等で頭部を冷やしてください。

保冷剤や氷は、直接ではなく、タオルに包んでからあてましょう。

冷やすことで、拡張した頭の血管が収縮するため、痛みの軽減につながると考えられます。

対処法② 暗く静かな部屋で安静にする

安静

医師男性
光が入らない、できるだけ暗くて静かな場所で安静にしてください。

頭痛が起きているときに体を動かしたり、強い光や騒音等の刺激を受けたりすると、症状が悪化する可能性があります。

外出中の頭痛に備えて、サングラスを携帯することもおすすめです。

対処法③ カフェインを含む飲み物を適量摂取する

カフェインを含む飲み物

医師男性
コーヒーや日本茶、紅茶等のカフェインを含む飲み物を適量摂取してください。

カフェインには血管を収縮させる働きがあり、頭痛が起きてすぐに摂取すると、痛みの軽減が期待できます。

ただし、過剰に摂取すると逆に頭痛を引き起こす恐れがあります。一日あたりカップ1杯程度にしておきましょう。

対処法④ 合谷(ごうこく)のツボを押す

合谷(ごうこく)のツボ

医師男性
頭痛が起きた際に、頭痛緩和に有効と考えられている「合谷」のツボを刺激しましょう。

合谷のツボは、親指と人差し指の骨が交差する部分より、やや人差し指側のくぼみにあります。

あまり強く押し過ぎないように注意してください。

対処法⑤ 鎮痛薬を使用する

医師男性
市販の鎮痛薬(非ステロイド性抗炎症薬)を使用すると、一時的な頭痛の緩和が期待できます。

 

痛くなりそうなときや、痛みが出始めたタイミングで使用することをおすすめします。

これはNG!間違った対処法

  • 頭のマッサージ
  • 入浴で体を温める
  • 体を動かす

これらの行動は、脳の血管を拡張させて頭痛を悪化させる恐れがあるため、できるだけ控えてください。

「生理中の頭痛」考えられる4つの病気

  1. 月経困難症(生理中の不調)
  2. 子宮筋腫(子宮にできる良性の腫瘍)
  3. 子宮腺筋症(出血を繰り返す)
  4. 自律神経失調症(心身にさまざまな不調があらわれる)
医師男性
上記の病気により、生理中の頭痛が引き起こされている可能性もあります。

※これらは40代女性に特有の病気ではありません。40代以外の人もかかることがあります。

病気① 月経困難症(生理中の不調)

医師男性

「月経困難症」は、生理痛や生理に伴って起きる心身の不快な症状です。

月経困難症の頭痛には、

  • ズキズキするような強い痛み
  • 体を動かすと痛みが強くなる

といった特徴があります。

また、頭痛の前に吐き気を生じる場合があります。

月経困難症で頭痛以外に出る症状は?

  • 下腹部痛
  • 腹部の張り感
  • 腰痛
  • 吐き気
  • 食欲低下
  • 過食
  • 下痢
  • 倦怠感
  • 貧血
  • めまい
  • むくみ
  • 冷え
  • のぼせ
  • 睡眠障害
  • 憂うつ・イライラしやすい

月経困難症になりやすい人の特徴

  • 初潮が早かった
  • 妊娠・出産の経験がない(または少ない)
  • ストレス・疲労過多
  • 生活習慣が乱れている
  • 偏食
  • 喫煙している

月経困難症かもと思ったら

医師男性
「月経困難症」は、生活習慣を見直すことによって、症状が改善する場合があります。

ただし、

  • 頭痛が悪化している
  • 頭痛がつらくて動けない(寝込んでしまう)
  • 市販薬が効かない

場合は、「婦人科」で治療を受けることをおすすめします。

セルフケアで様子を見る場合は、普段から「栄養バランスのよい食事をとる」「ストレスをこまめに発散する」「禁煙する」などを意識しましょう。

婦人科を探す

病気② 子宮筋腫(子宮にできる良性の腫瘍)

医師男性
「子宮筋腫」とは、子宮の筋肉にコブ状の良性の腫瘍ができる状態です。

子宮内で筋腫が大きくなると、子宮の内側を覆う子宮内膜の面積が広がり、月経時の経血量が増加します。
その結果、過多月経と呼ばれる貧血の状態を引き起こし、頭痛が起きる場合があります。

子宮筋腫の場合、特徴的な頭痛の痛みは特にありません。

子宮筋腫で頭痛以外に出る症状は?

  • 過多月経(経血の量が異常に多い)
  • 過長月経(生理の出血が8日以上続く)
  • 不正出血(生理以外の出血)
  • 貧血
  • めまい
  • 息切れ
  • 下腹部痛
  • 腹部に、しこりのようなものができる
  • 腰痛
  • 頻尿
  • 便秘

子宮筋腫になりやすい人の特徴

医師男性
子宮筋腫は、30~50歳代の女性に多くみられます。

成人女性の4~5人に1人は筋腫が発生していると考えられています。

子宮筋腫かもと思ったら

医師男性
子宮筋腫が疑われる場合は、「婦人科」で検査を受けましょう。

筋腫が急激に大きくなる場合、まれに悪性腫瘍の可能性があります。
検査を受けることで、早期発見につながります。

婦人科を探す

病気③ 子宮腺筋症(出血を繰り返す)

医師男性
「子宮腺筋症」とは、子宮の筋肉の層に、子宮内膜によく似た組織が入り込んで、出血を繰り返す状態です。

子宮腺筋症の頭痛には、

  • ズキズキするような痛み
  • 息切れやめまいを伴う

といった特徴があります。

子宮腺筋症で頭痛以外に出る症状は?

  • 強い月経痛(下腹部痛)
  • 過多月経(経血の量が異常に多い)
  • 貧血
  • 腰痛
  • 排便時の痛み

子宮腺筋症になりやすい人の特徴

医師男性
子宮腺筋症は、妊娠・出産経験のある40歳代の女性に多くみられると考えられています。

また、帝王切開や筋腫・子宮内膜に関わる手術を経験した人にもみられます。

子宮腺筋症かもと思ったら

医師男性
子宮腺筋症が疑われる場合は、「婦人科」で検査を受けましょう。

女性ホルモンが分泌されるたびに症状が進行するため、放置していると閉経まで悪化し続ける恐れがあります。

婦人科を探す

病気④ 自律神経失調症(心身にさまざまな不調があらわれる)

医師男性
「自律神経失調症」とは、ストレスや疲労過多により、自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが崩れてしまった状態です。

自律神経のバランスが崩れることで、女性ホルモンのバランスも乱れ、さまざまな不快な症状が出ます。

自律神経失調症の頭痛には、

  • 頭が重く、締め付けられるような感じ
  • 頭の奥の方に痛みを感じる
  • 耳鳴りや目の痛みを伴う

といった特徴がみられます。

自律神経失調症で頭痛以外に出る症状は?

  • 腰痛
  • 腹痛
  • めまい
  • 耳鳴り
  • 息苦しさ
  • 下痢
  • 便秘
  • 倦怠感
  • 気分の落ち込み
  • 強い不安感
  • イライラする

自律神経失調症になりやすい人の特徴

  • ストレス過多
  • 疲労過多
  • 睡眠不足
  • 不規則な生活習慣
医師男性
上記に当てはまる場合、自律神経失調症になりやすいと考えられます。

自律神経失調症かもと思ったら

医師男性
  • 毎日適度に運動する
  • 6~8時間程度の睡眠時間を確保する

など、生活習慣を見直すことで症状が改善する場合があります。

ただし、抑うつ症状などの精神的な症状が出ていたり、日常生活に支障が出ていたりする場合は、病院で相談しましょう。

受診する診療科は、以下を参考にしてください。

  • 身体的な症状が強く出ている場合 →「内科
  • イライラ・不安感などの精神的な症状を伴う →「心療内科

内科を探す

心療内科を探す

40代の生理中の頭痛で「病院に行く目安」

医師に相談する

医師男性
  • 頭痛を繰り返している
  • 痛みが悪化している
  • 頭痛がつらくて生活に支障が出ている
  • 吐き気や貧血など、頭痛以外の症状に悩んでいる

といった場合は、一度「婦人科」で相談することをおすすめします。

受診時に伝えるポイント

  • 頭痛が始まった時期
  • いつ、どのように痛むか
  • 頭痛を起こす頻度
  • 痛みの前兆やその他の症状の有無
  • 生理の時期以外に頭痛がすることはあるか
  • 既往歴
  • 親族に頭痛で悩んでいる人がいるかどうか

受診の際、医師に上記の点を伝えると、診察がスムーズに進むでしょう。

婦人科を探す

※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。

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