鼻水が出て体がだるい…これは風邪?それとも花粉症?
花粉症の薬と風邪薬、どちらを飲めば良いか分からなくてお困りの方に!
この記事では、花粉症の症状は風邪薬を飲むと改善されるのかどうか、薬剤師さんに詳しく伺いました。
「花粉症の薬と風邪薬は併用しても大丈夫?」
「飲みあわせの悪い薬を飲むとどうなるの?」
このような疑問にもお答えしますので、ぜひ参考にしてください。
監修者
順天堂大学 漢方先端臨床医学
薬剤師
中尾 文香先生
経歴
順天堂大学 漢方先端臨床医学
YOJO薬局 薬剤師
臨床と基礎研究の間で奮闘する現役薬剤師。
世の中への情報提供・教育に着目し、活動を広げている。
花粉症に風邪薬を代用できる?
風邪薬にもよりますが、鼻水や咳の症状を抑える成分が含まれていれば効果はあります。
アレルギーを抑える成分(抗ヒスタミン薬)は痒みや鼻水、くしゃみを抑制しますので、そのような成分が含まれている場合は代用可能です。
色々な成分が入っていると症状に合わないことも
ただし、解熱鎮痛剤や喉の腫れを抑える薬など、色々な成分が1つになっている薬の場合は症状に合わない可能性があります。
風邪薬を服用しても症状が軽減されない場合は、風邪薬の内服を避けてください。
分からない時は薬剤師に相談しましょう。
花粉症の薬と風邪薬の併用について
同じ成分や効能の薬でなければ併用しても大丈夫です。
商品名や成分の名前が異なっても作用が一緒の場合があるので、注意しなければなりません。
過剰に薬を飲んでしまうと体に負担がかかることがあるので、分からない時は薬剤師に相談してください。
併用しなければならない場合は、飲み薬を1剤にし、目薬や点鼻薬などの外用薬を併用した方が良いでしょう。
飲み合わせの良くない薬を併用してしまった場合
一度内服してしまった場合は、次回から併用しないように注意してください。
ほとんどの場合、長期間併用していなければ、様子を見て大丈夫です。
しかし、強い副作用が生じると、腎障害や胃炎、胃潰瘍に繋がる可能性があるので、心配な症状がある場合は病院を受診しましょう。
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花粉症?風邪?迷った時はどっちの薬?
症状の対症療法としては花粉症の薬の方を飲む方が良いと思います。
一般的に風邪薬として販売されている市販薬は、薬にもよりますが、解熱鎮痛剤が含まれていたり、喉の腫れに効果のある成分が含まれています。
花粉症を対象とした市販薬には、概ねそのような成分が含まれていません。
花粉症の薬なら不必要な成分を避けられる
もし仮に、風邪ではなく花粉症だった場合、花粉症の薬であれば、不必要な薬剤を摂取しなくて済みます。
しかし、花粉症や風邪の症状に対応する薬も沢山あるため、一概には言い切れません。
花粉症の薬を飲んだ後に寒気・悪寒がしたら風邪の可能性も
解熱鎮痛剤が含まれていない花粉症の薬を飲んで、くしゃみや鼻水、咳などが治まったとしても、寒気や悪寒、熱っぽさ、だるさ等を感じたら風邪の初期症状の可能性があります。
その時は、薬剤を切り替えるか、医療機関の受診を考えてください。
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まとめ
薬は逆から読むと”リスク”となります。
薬を学ぶ者は、薬を扱うことは危険が伴うと昔から学んでいます。
現在数多くの市販薬があるので、選択するのは難しいかもしれません。
ですが、そのために、薬局には薬剤師が常駐しています。
ぜひ、購入する際に心配なことは気軽に相談し、より良いセルフメディケーションを構築してください。
体力・免疫力が低下しないよう普段から心掛けて
また、花粉症や風邪に共通するのは、日頃からの体力・免疫力の低下です。
十分な睡眠や栄養バランス、適度な運動など心がけましょう。
難しい場合は適度なサプリメントの摂取や短時間(1~15分)の瞑想も良いと言われています。
ぜひ健康に、大切な自分の体に気をかけて過ごしてみてくださいね。
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2020-03-05
花粉症といえば、鼻水や目のかゆみ、くしゃみといった症状が一般的ですよね。
実は、花粉のアレルギー症状は、咳や喉のイガイガとして現れることもあります。
「咳だけが出る場合もあるの?」
「花粉症の薬で喉の症状も治るの?」
このような疑問も解決!
花粉症と咳の関係をはじめ、対処法まで詳しく解説します。
風邪との見分け方もお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
花粉症が原因で咳が出るの?
花粉症の症状として咳が出る理由
花粉症は色々な部位に現れるアレルギー症状の総称であり、主な症状を部分別に表現すると
くしゃみ・鼻水・鼻づまり
→アレルギー性鼻炎
皮膚のかさつきや赤み・痒み
→花粉症皮膚炎
目のかゆみ・充血・涙
→アレルギー性結膜炎
となります。
この分類の場合は、咳は「アレルギー性喉頭炎」に入り、他にも喉のイガイガやかゆみなどの症状があります。
花粉症の症状には個人差がある
花粉症は、人によっては、鼻症状や咳などに加えて、頭痛や微熱を伴います。
毎年同じ時期に症状が現れる人は「そろそろ花粉の影響がきたな」とわかると思いますが、初めての発症に場合には風邪の初期症状と勘違いする場合もあるでしょう。
咳の症状だけしか出ない花粉症も!
前述したように花粉症はアレルギーです。
症状には個人差があり、咳、喉のイガイガなど、喉の症状しか出ない人もいます。
花粉症と風邪の見分け方
風邪のように症状に進行が見られず、3~4日同じ状態が続く場合や外出時にのみ症状が強くなるなど、ある一定の条件下で悪化する場合は、花粉症も視野に入れて、体調を確認しましょう。
花粉症による咳を改善する方法
咳が止まらない場合に症状を緩和する方法は次の通りです。
市販薬で改善
咳症状を鎮める咳止めが加わったタイプの薬を使用してください。
抗アレルギー薬で咳を抑えられる?
花粉症用の抗アレルギー薬「アレグラ・アレジオン」は、主にアレルギーによる鼻水、くしゃみの改善なので、咳対応ではありません。
薬剤師に相談し、主として抑えたい症状に合った薬を選ぶようにしましょう。
市販薬は、複数の薬を複合的に使っているため、抗アレルギー薬と咳止めを同時に服用すると、作用が強まったり・副作用が出やすくなるなどがあります。
複数の花粉症の症状で困っているときは、市販薬の重複使用は避けて、病院を受診するようにしましょう。
漢方薬で咳症状を緩和
麦門冬湯(バクモンドウトウ)という漢方薬は、激しい咳や喉の乾燥の緩和に役立ちます。
また、小青竜湯(ショウセイリュウトウ)などは咳とともに、くしゃみや鼻水などの症状を緩和します。
漢方薬は体に優しいと思っている人がいますが、漢方薬も薬であり、禁忌や注意、副作用もあります。
下記の人は必ず医師、薬剤師または登録販売者に相談してください。
医師の治療を受けている人。
妊婦または妊娠していると思われる人。
水様性の痰の多い人。
高齢者。
むくみの症状がある人。
高血圧、心臓病、腎臓病の診断を受けた人。
加湿
喉の乾燥は、咳を悪化させます。
水分補給や眠る時も部屋の加湿をして、喉を守りましょう。
喉に良い食事
生姜やニンニクなどは咳を止める働きがあります。
食事に上手に取り入れましょう。
子どもや赤ちゃんも大人と同じ方法で改善できる?
生活面では同様にしても良いですが、市販の薬は使えないものもあります。
薬剤師に相談してから使用しましょう。
花粉症による咳の症状がひどい場合|何科を受診する?
病院は何科?
咳症状が強い場合は、呼吸器内科を受診してください。
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その他、花粉症全般を診てもらう場合は、呼吸器内科、内科、耳鼻科などを受診しましょう。
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病院での治療法
他の病気が隠れてないかを確認し、気管支の炎症、咳を抑える薬を処方されます。
まとめ
咳症状が長引くと、それだけで体力が奪われます。
また、花粉症の薬は、同じ働きでも人によって差が出る事も多くあります。
自分にあった花粉症の薬を早めに見つけられるように、一度病院に相談するのがおすすめです。
<参考>
Hisamitsuアレルギー専用鼻炎薬アレグラFX
http://www.allegra.jp/file/product.pdf
エスエス製薬アレルギー薬アレジオン20
https://www.ssp.co.jp/uploads/product/all/alesion20/package_insert.pdf?2
第一三共ヘルスケア株式会社プレコール持続性咳止めカプセル
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/package_insert/pdf/precol_seki_cap_1.pdf
いちばんわかりやすい漢方の基本講座 成美堂出版
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784415317618
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2020-03-05
花粉症に効果があるとされている「じゃばら」。
「じゃばらってどんな食べ物?」
「どうして花粉症に良いの?」
この記事では、じゃばらが花粉症に効果的とされている理由、おすすめの摂り方について、栄養士が詳しく解説します。
花粉症がの症状がつらい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
じゃばらが花粉症に効果的って本当?
じゃばらに含まれる成分が、一型アレルギー※のひとつである花粉症にアプローチすると言われており、注目されています。
実際に、花粉症の男女143人にじゃばら果皮粉末カプセルを15日間与えたところ、そのうちの約7割が花粉症の改善を感じたという研究結果があります。
また、他の実験でも、花粉症の成人男女15人がじゃばらの果汁を一定期間摂取した結果、花粉症の代表的な症状が改善されたとの報告もあります。
ただし、これらの実験は対象者の人数が少ないため、今後より多くの実験がされ、確実なデータの発表を待つ必要があります。
※一型アレルギー…アレルゲンを摂取して、5~15分後に症状が現れるアレルギーのこと。花粉症含むアレルギー性鼻炎やアレルギー性気管支喘息などがある。
そもそも「じゃばら」とは
和歌山県北山村発祥の柑橘類の果物です。
「邪気をはらう」から名前がつけられ、冬場気温の低い山間のエリアに育つと言われています。
ゆずに近い品種で、丸い形をしています。風味はまろやかですが、酸味の後にほのかな苦みを感じます。
種がほとんどなく、果汁が多いです。
身が柔らかいのが特徴で、そのまま食べても料理に使っても良いです。
11月から1月の間に収穫されますが、長期保存が可能なので、11月頃から5~6ヵ月保存したとしても果汁量や風味がほとんど劣化しません。
じゃばらの効果・効能
アレルギー症状を抑える
フラボノイド(植物由来のポリフェノールのひとつ)の一種で、じゃばらの皮に多く含まれているナリルチンという成分があります。
花粉症はアレルゲンに対し、過剰に免疫が反応することでアレルギー症状が引き起こされますが、ナリルチンはそのアレルギー症状を抑える働きがあると言われています。
ヒスタミンの分泌を抑制
また、じゃばらにはビタミンCも含まれています。
ビタミンCは、アレルギー反応を引き起こすヒスタミンの分泌を抑える作用があるとされていますので、アレルギー症状を抑える可能性があります。
免疫の正常化
アレルゲンである花粉が体内に入り、免疫グロブリンというタンパク質の一種であるIgE抗体が過剰に作られると、アレルギー症状を引き起こします。
腸内環境と免疫機能には強い関係があるとされており、腸内環境が整うことで免疫機能を正常化でき、IgE抗体の生産を抑えられます。
じゃばらに含まれる食物繊維は善玉菌のエサとなり、腸内環境を整え、免疫機能の正常化に役立ちます。
皮膚や粘膜の炎症改善
じゃばらには、皮膚や粘膜の健康維持に必要なビタミンAが含まれています。
花粉症による鼻炎などの粘膜の炎症や皮膚の炎症の改善に繋がると考えられます。
じゃばらの摂り方
おすすめの食べ方・飲み方
食物繊維を摂りたいのであれば、加工品ではなく、そのまま食べるのがおすすめです。
加工品に関しては、のど飴やジャムなどは糖質が多いため、糖質の摂りすぎになりやすいです。
たまに食べる分には構いませんが、じゃばらの栄養素を摂る手段としてはあまりおすすめできません。
ビタミンCの多い食べ物と合わせると◎
じゃばらのナリルチン含有量は他の柑橘類よりも多いですが、ビタミンCはアセロラやグアバなどの他の果物が多いです。
ビタミンCを多く含むそれらの食べ物と一緒に摂取することで、花粉症の症状を抑えられるかもしれません。
サプリメントもおすすめ
じゃばらを使用した色々なサプリメントが販売されています。
栄養素が凝縮されているため効率よく摂取できるでしょう。
錠剤タイプやカプセルタイプなど形状は商品によりますが、パッケージの表示を確認し、花粉症やアレルギー性の鼻炎対策に特化したものが良いでしょう。
ただ、サプリメントによる過剰摂取は健康に影響を及ぼす可能性があるため、その点は注意してくださいね。
1日の摂取量
一日の摂取量は決まっていません。
妊婦や授乳中の方、子どもも、他の柑橘類と同じように、そのまま食べる分には体への悪影響があるとは考えにくいです。
毎日食べてもOK?
じゃばらは果物なので、そのまま食べる分には毎日摂っても大丈夫だと考えられます。しかし、食べ過ぎは肥満に繋がります。
また、サプリメントなどの濃縮物の摂取の安全性に関しては、信頼できる情報が十分にないとされている※ため、注意が必要です。
過剰摂取による健康被害も今は報告がありませんが、もしかしたら今後何か新たな情報が出てくる可能性はあります。
※国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所の「健康食品」の安全性・有効性情報による
2週間で症状の改善を感じた人も
個人差もあり、まだデータが少ないことから、明確にどれくらいで効果が出るのかは今のところわかっていません。
ただし、実験では2週間ほどで症状が改善されたと感じる人もいるようです。
摂取量やタイミングなどにもよるかもしれませんが、約2週間で何らかの作用があると考えられます。
薬を飲んでいる場合は気をつけるべき?
薬の服用中のじゃばらの摂取については、今のところ問題はないものと考えられます。
じゃばらと同じ柑橘類のグレープフルーツは、フラノクマリン類であるベルガモチンやジヒドロキシベルガモチンを含有しており、血圧を下げる薬(カルシウム拮抗薬)の作用を高めるとして、飲み合わせには注意が必要です。
じゃばらに関しては、同様の作用があるというデータは今のところありません。
じゃばらが購入できる場所
インターネットサイトで購入できます。
都内では、和歌山県のアンテナショップで販売している場合もあります。
じゃばらに代わる柑橘類は?
じゃばらの成分で注目されているナリルチンは、イヨカン、温州ミカン、柚子、サンポウカン、ネーブルなどの他の柑橘類にも含まれています。
しかし、この中でも、じゃばらが圧倒的に多く含んでいることから、花粉症対策としてはじゃばらが適している可能性があります。
《参考文献》
じゃばら
和歌山県東牟婁郡 北山村観光サイト 特産品「じゃばら」
https://www.vill.kitayama.wakayama.jp/kanko/jabara/
農林水産省 登録品種データベース
http://www.hinshu2.maff.go.jp/vips/cmm/apCMM112.aspx?TOUROKU_NO=10&LANGUAGE=Japanese
日本じゃばら普及協会
https://www.jabarakyoukai.com/jabara1.html
独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 2.機能性成分・活用性等調査 - 食品産業センター
https://www.shokusan.or.jp/wp-content/uploads/2019/03/582pdf3.pdf
ナリルチン
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所の「健康食品」の安全性・有効性情報
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail3954.html
グレープフルーツ 薬 飲み合わせ
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所の「健康食品」の安全性・有効性情報
グレープフルーツと薬物の相互作用について (Ver.090129)
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail825.html