片方の目が見えにくいけど、これ大丈夫…?
片目の視力低下の原因を、お医者さんに聞きました。
目の病気だけでなく脳梗塞の可能性もあるため、要注意な症状です。
片方の目が見えにくい…これ大丈夫?
徐々に見えづらくなってきた場合は、加齢が考えられます。
加齢による視力低下は病気ではないので、心配いりません。
ただし、急激な視力低下は病気の可能性があります。
「急に見えにくくなった」2つの原因
片方の目が見えにくい症状は
- 中心性網膜症
- ぶどう膜炎
の可能性があります。
以下の項目で、それぞれ詳しく解説します。
原因① 中心性網膜症
網膜の中心部が剥がれ、視力が低下する病気です。
片目だけに発症するケースが多く、原因不明なのが特徴です。
中心性網膜症になりやすい人
- 30~40代の男性
- ストレスが溜まっている人
- 休みなく働いている人
- 睡眠が足りていない人
- タバコを吸う人
- 妊娠している人
主な症状
- 物が歪んで見える
- 色が違って見える
- 物が小さく見える
- 視野の中心が暗く見える
どう対処すればいい?
ゆっくり身体を休ませて、ストレスを解消しましょう。
中心性網膜症は、自然治癒することも多い病気です。
ただし、目の違和感は早めに受診したほうが良いので、違和感が2〜3日続いたら、眼科を受診しましょう。
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原因② ぶどう膜炎
光やピントを調節する「ぶどう膜」に炎症が起こる病気です。
ぶどう膜炎を発症すると、片目または両目が見えにくくなります。
ぶどう膜炎になりやすい人
- 膠原病やベーチェット病を患っている人
- 20~30代と50歳前後の人(サルコイドーシスの場合)
- 20~30代の人(ベーチェット病の場合)
- 全体的には40~50代の人
- 血糖値が高い人
※サルコイドーシス…全身の臓器に肉芽腫ができる免疫疾患。
主な症状
- 目がかすむ
- 眩しく感じる
- 近くを見たときに目が痛む
- 視界がモヤモヤする
どう対処すればいい?
ご自身でできる対処法はありません。
2~3日経っても症状が改善しない場合は、眼科を受診しましょう。
日常生活に支障があるようであれば、すぐに受診をしましょう。
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2020-11-27
ストレスがたまっていたり、体が疲れていたりすると、片目がぼんやりとして見えにくくなることがあります。
これはもしかすると「ぶどう膜炎」という目の病気かもしれません。
どうすれば目がよくなるのか、病院を受診したらいいのか、ほかの病気の可能性なども解説しています。
目の症状に不安のある方は、ぜひ確認してください。
ストレス・疲れで「片目がぼやける」ことはある?
疲れが溜まっているときに、片目にものがぼやけて見えることがあります。
これは、「眼精疲労」のほか、30~50代の働き盛りの男性に多い「中心性漿液性網脈絡膜症」という病気のケースがあります。
「中心性漿液性網脈絡膜症」は、脈絡膜血管の血流不足によって、脈絡膜中の液体が漏れ出し、黄斑と呼ばれる部分に水ぶくれができることで起こる病気です。片目に起こることが多いです。
※脈絡膜…光を感じる網膜の外側で眼球を覆い、網膜に栄養を与えている膜のこと。
対処法は?
ストレスを発散したり、しっかりと睡眠をとると良いでしょう。
「中心性漿液性網脈絡膜症」は、自然と治ることもあります。
病院に行くべき?
片目がぼやけていて
視野の中心が暗く見える
ものが実際より小さく見える
ものがゆがんで見える
といった症状があるときは、眼科を受診してください。
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ただの「疲れ」や「ストレスの影響」ではなく、目の病気が進行しているケースがあります。
代表例を2つ紹介するので、あてはまる症状がないか確認してください。
注意すべき目の病気①「ぶどう膜炎」
目がかすむときは、ストレスで免疫力が低下して感染症にかかり、「ぶどう膜炎」を発症している可能性があります。
症状の特徴
ものがかすんで見える
ものが小さく見える
ものがゆがんで見える
虫が飛んでいるように見える
視野の真ん中の部分が見えにくい
まぶしく見える
症状は片目だけのこともあれば、両目に起こることもあります。上記以外に、目の充血や痛み、視力の低下などの症状があらわれます。
ぶどう膜は、目の中にある虹彩、毛様体、脈絡膜の総称で、ぶどう膜炎は、ぶどう膜とそれに接する組織が炎症を起こしている状態です。
細菌・ウイルス感染やケガといった、全身性の病気の症状のひとつとして、ぶどう膜炎があらわれます。
対処方法
ぶどう膜炎が疑われる場合、病院を受診してください。
ぶどう膜炎の治療では、炎症を抑えつつ視力障害となる合併症の予防をします。
炎症を抑える副腎皮質ステロイド点眼薬を使用し、炎症が強い場合は、目の周辺に注射をすることもあります。
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注意すべき目の病気②「白内障」
片目がぼやけるのは、ただのストレスではなく、白内障という病気が原因の可能性もあります。
症状の特徴
ものがかすんで見える
ものが二重に見える
※通常、痛みはありませんが、眼球の腫れによる眼圧の上昇で、痛みを感じることがあります。
対処方法
片目が白内障になると、もう片方の目も発症する可能性が高いので、症状が出た場合は、早めに病院へ行きましょう。
初期の場合は、点眼薬で進行を遅らせます。
進行している場合は、手術で水晶体を取り出し、眼内レンズを入れる治療を行います。
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▼参考
公益財団法人 日本眼科学会 ぶどう膜炎
http://www.nichigan.or.jp/public/disease/budo_makuen.jsp
公益財団法人 日本眼科学会 白内障
http://www.nichigan.or.jp/public/disease/suisho_hakunai.jsp
MSDマニュアル家庭版 白内障
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/20-眼の病気/白内障/白内障
公益財団法人 日本眼科学会 中心性漿液性脈絡網膜症
http://www.nichigan.or.jp/public/disease/momaku_tyushin.jsp
要注意!こんな症状は「脳梗塞」かも
片方の目が見えにくい症状が、脳梗塞の前兆として生じるケースもあります。
脳梗塞の場合、次のような症状があらわれます。
- 頭痛
- 吐き気、嘔吐
- めまい
- 耳鳴り
- 手足片側のしびれ
- 唇片側のしびれ
- ろれつが回らない
- 身体をうまく動かせない
脳神経内科、脳神経外科を受診しましょう。
ただし、上記症状に複数当てはまる場合は、救急車を呼んでください。
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不快な目の症状は早く病院へ
目の不調には、なんらかの病気が隠れているケースがあります。
心当たりがある場合は早めに受診し、症状の悪化を防止しましょう。
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2021-05-21
「目の焦点が合わない…」
「もしかして、脳の病気?」
“脳の病気による視野の異常”について、お医者さんに聞きました。
脳梗塞、脳出血は命に関わるため、早急の受診が必要です。
心当たりのある症状がないか、確認してみましょう。
目の焦点が合わないのは脳の異常?
脳の異常が視神経に影響を及ぼすと、目の焦点が合わなくなることがあります。
これは、両目の視力のバランスが崩れることによって起こります。
脳の異常の場合、
物が二重に見える
片目が見えない
といった症状が現れるケースもあります。
目の病気との見分け方は?
脳の病気
目の病気
目の見え方
片目ずつ見え方が異なる
両目とも見え方が同じ
よく伴う症状
視野が狭くなる、体の片側のしびれ・麻痺
視力低下、目の痛み、目の違和感、まぶしい
脳は左右二つに分かれているため、脳に異常が生じると片目の視力にだけ影響を及ぼします。
両目の見え方が伴っている場合は、脳の異常ではなく眼圧などが影響していると考えられます。
こんなときは一旦様子を見てみましょう
目の使いすぎによる“眼精疲労”によって、一時的に目の焦点を合わせにくくなることもあります。
長時間のデスクワークなどに心当たりがある場合は、目を休めて一旦様子を見てみましょう。
目を休めて症状が改善するのであれば、心配する必要はありません。
こんな症状は「要注意!」脳梗塞・脳出血かも
頭を叩かれたような激しい頭痛
めまい
うまく歩けない
物につまずいてしまう
ろれつが回らなくて話せしにくい
言葉を理解できなくなる
手足の力が入らない
片足を引きずっている
体の片側だけ痺れる
上記の症状がある場合、脳梗塞や脳出血の可能性が高くなります。
特に体の麻痺、激しい頭痛などを伴うときは、救急車を手配してください。
脳の病気を引き起こす「原因」
脳の病気は、高血圧症や糖尿病といった動脈硬化を引き起こす生活習慣病が原因となるケースが多いです。
そのため、
塩分の多い食生活
喫煙習慣
運動不足
肥満
などに心当たりがある人は要注意です。
脳の異常を疑う場合、病院は何科?
脳の異常を疑うときは、脳神経外科を受診しましょう。
脳の病気が悪化すると、死に至る恐れがあります。
また、命が助かったとしても、治療が遅れることによって体の麻痺、言語障害などの後遺症が残る場合もあります。
これらのリスクを避けるためには、早めの受診が重要です。
どんな検査を受けるの?
CT検査やMRI検査などを行い、脳内の出血や動脈瘤の有無を調べます。
医療機関によって異なりますが、日帰りの場合や、検査内容によっては入院が必要になることもあります。
症状に合わせて、薬の投与や手術などの治療法が選択されます。
また、体の麻痺や言語障害といった後遺症が残った場合は、退院後にリハビリ治療を行います。
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一時的に回復したとしても、必ず病院へ!
一時的に症状がなくなったとしても、油断はキケンです。
脳梗塞の前兆として、視野の異常や体の麻痺が“短時間だけ現れて消失する”という症状もあります。
異変に気づいたら、すぐに医療機関を受診してください。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス 脳梗塞が起こったら