足が変な感じ…。
もしかして、痛風の前兆?
痛風発作が起こる前の症状を、お医者さんに聞きました。
おすすめの市販薬など、痛みが出たときの対策も解説します。
監修者
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医
岡村 信良先生
経歴
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
痛風発作の前兆
※しかし、前兆なく無症状な状態で突然起こる場合もあります。
発作が起こってしまうと…?
痛風発作が起こると、手や足に激痛を感じます。
さらに患部が赤く腫れる、熱を持つといった症状も出ます。
痛みが激しいと、歩けなくなったり、仕事に行けなくなったりする方もいます。
前兆に気づいたら、どう対策する?
まずは内科を受診し、血液検査や尿検査を受けましょう。
「痛風」と診断された場合、発作を防ぐために治療を行う必要があります。
まず、検査では、尿酸値の高さや別の疾患の有無を確認します。
「痛風」と診断されたら、生活習慣の見直しや薬の処方によって、発作の防止を図ります。
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痛風発作が起こってしまったら
痛みがある部分を、氷や保冷剤などで冷やしましょう。
また、患部を心臓より高い位置に保つと、痛みが和らぎやすいです。
冷やす際は、凍傷を起こさないように気をつけましょう。
また、痛みが悪化する恐れがあるため、痛みがある部分を揉んだり、温めたりしないでください。
痛風の痛みは、通常1〜2週間程度で自然に治まります。
ただし、痛みが落ち着いた後も放置は禁物です。
痛風が悪化すると慢性化し、発作を繰り返す恐れがあります。
痛風発作は薬で抑えられる?

医療機関では、“痛風発作を抑える薬”を処方することができます。
痛風発作を抑える薬として
- コルヒチン
- 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
- ステロイド薬
などがあります。
いずれも、医療機関で検査を受けて医師に処方してもらわなければ、受け取れません。
<コルヒチン>
痛風発作を抑える作用がある。
痛風発作の予兆の段階に服用する。
<非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)>
痛風発作の痛みを軽減する薬。
発作が起きたときに服用する。
<ステロイド>
NSAIDsが使えない場合に処方される。
強力な抗炎症作用があるため、痛風発作を抑える薬。
発作が起きたときに服用する。
市販の鎮痛剤は使える?
痛風の発作を抑えるために、市販薬も使用できます。
ただし、痛風を悪化させる成分が含まれていないか注意しましょう。
市販の鎮痛剤の場合、ロキソプロフェン、イブプロフェン、ナプロキセンが配合された薬をおすすめします。
なお、アセチルサリチル酸(アスピリン)が配合された薬は、痛風を悪化させるので服用しないでください。
服用しても良い薬 |
服用してはならない薬 |
ロキソニンS、イブA など |
バファリン など |
日常的に薬を飲んでいる方、病気を治療中の方は医師と相談をしてください。
また、鎮痛剤は痛みを抑えることしかできないため、痛風の根本的な改善にはなりません。
痛みが治まっても、放置はNG!

発作が落ち着いた後も放置は禁物です。
痛風が悪化すると慢性化する恐れがあります。
また、慢性的な痛風は腎臓に悪影響を与え、糖尿病などの重い病気の発症リスクも上昇します。
これらを防ぐためには、医療機関での根本的な治療が必要です。
痛風が悪化すると…こんなリスクが!
<痛風結節>
尿酸が過剰になって、その結晶化したものが皮下組織に沈着してかたまりとなった状態のことです。
<尿路結石>
腎臓から尿道の間の尿路に結石ができてしまう状態です。
<脂質異常症>
生活習慣病の1つです。
悪玉コレステロール、中性脂肪が高い、または善玉コレステロールが低い病気で、動脈硬化などを引き起こします。
<糖尿病>
インスリンの分泌がない、または十分に分泌されず、血糖値が慢性的に高い病気です。
病院は何科?
痛風の場合は、内科を受診しましょう。
痛風は、治療を行うことで発作を防ぐことができます。
また、定期的に健康診断を受けて尿酸値の確認をし、ご自身の体の状態を理解することも大切です。
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2022-05-30
「血糖値スパイクの自覚症状ってあるの?」
血糖値スパイクで現れる症状には、眠気・だるさなどがあります。
動脈硬化によって突然死につながるリスクもあるため、放置は危険です。
血糖値を急上昇させない食事を解説しますので、病気を防ぎたい方は要チェックです。
「眠気」と「だるさ」は、血糖値スパイクの自覚症状かも
血糖値スパイクの「自覚症状」
眠気
だるさ
頭痛
吐き気
気絶
※いずれも食後に起こる症状
血糖値スパイクとは、糖質の過剰摂取によって、血糖値が乱高下する状態を指します。
上記の自覚症状は、インスリンの大量分泌で「低血糖状態」になると起こります。
血糖値スパイクの場合、食後数時間経つと正常な状態に戻るため、健康診断で発見されにくい点も特徴です。
こんな食習慣の人は要注意!
食事の回数が少ない
食事を摂る時間がいつも違う
食後におやつをたくさん食べている
糖質の多いものを一気に食べている
自覚症状がある方で、これらの食生活に心当たりがある場合は、血糖値スパイクが疑われます。
痩せ型の人でも、血糖値スパイクは起こるの?
血糖値スパイクは、痩せ型の人にも起こります。
痩せていて筋肉量も少ないと、糖質をエネルギーに変える能力が低くなり、早食い・大食いなどで血糖値が急上昇しやすくなります。
血糖値スパイクの放置は、「突然死」を招く恐れも…
血糖値スパイクを繰り返すと、次第に血管が傷ついて「動脈硬化」を引き起こします。
これにより心筋梗塞・脳梗塞を発症してしまうと、突然死につながる恐れがあります。
また、血糖値の急上昇は、インスリンの分泌機能にも悪影響を及ぼしやすいです。
インスリンの作用が低下して血糖値が下がらなくなり、糖尿病を発症する人もいます。
血糖値スパイクは「繰り返さない」ことが大切!
血糖値スパイクの予防法
同じ食事量で食事回数を増やす
毎日同じ時間に食事をとる
食物繊維をたくさん食べる
ゆっくり噛んで食べる
健康への悪影響を防ぐためには、血糖値スパイクを繰り返さないことが大切です。
上記の食生活を意識して、血糖値の急上昇を予防しましょう。
その① 食事回数を5回に増やそう
朝昼夜の3食にプラスして、補食として2食を追加した5食を食べるペースだと、血糖値の上昇が安定しやすくなります。
ただし、食事量を増やしてしまうと意味がないので、1日の食事量はそのままに食べる回数を増やしましょう。
食事の間隔を開けすぎず食べることもポイントです。
その② 毎日同じ時間に食事をとる
毎日決まった時間に食事をとる習慣をつけましょう。
食事の回数・タイミングをできるだけ毎日同じリズムで行うと、血糖値が安定しやすくなります。
その③ 食物繊維をたくさん食べよう
野菜
海藻
きのこ
など、「食物繊維」を豊富に含んだ食品を意識して食べるようにしましょう。
食物繊維を多く含んだ食品は、血糖値の上昇がゆるやかです。
また、次の食事のあとの血糖値も上がりにくくなる「セカンドミール効果」も期待できます。
「食物繊維を最初に」食べるのがおすすめ
糖質の少ないものから食べるようにするだけでも、血糖値が上がりにくくなります。
最初に食物繊維が多い副菜を食べ、糖質を多く含むご飯などの主食を最後に食べましょう。
その④ ゆっくり噛んで食べよう
噛みごたえのある食べ物を選び、ゆっくり食べるクセをつけましょう。
丼もの・麺類などの「早く食べやすいもの」は避けるようにしてください。
よく噛んでゆっくり食べないと、消化・吸収が速くなり、血糖値が上がりやすくなります。
特にやわらかい食べ物は早食いになりがちなので、注意しましょう。
▼参考
「食品成分表八訂対応 改訂版栄養学の〇と×」古畑公、木村康一、岡村博貴、望月理恵子 和光堂出版
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2021-02-24
「足の親指だけしびれる…」
「足の親指の感覚がおかしい…」
これって大丈夫?
足の親指がしびれる原因と対処法について、お医者さんに聞きました。
キケンな病気の可能性もあるので、心当たりのある方は要チェックです。
足の親指だけがしびれる…何が起こっている?
足の親指がしびれている症状は、親指に向かう神経が何らかの理由で正常に働かなくなっている状態です。神経が働かなくなる理由は主に、
物理的な圧迫
血流不足
病気による神経障害
の3つに分けられます。
物理的な圧迫とは、靴がきつかったり長時間足を組んだりなど、足先に負担がかかっている状態です。その他、血流が悪くなると神経の働きが弱まり、しびれを感じることがあります。
その他、糖尿病やビタミン不足などが原因で神経がダメージを受けることもあるため、きちんと見極めることが大切です。
足の親指だけがしびれる主な原因7つ
足の親指だけがしびれる主な原因は
物理的な圧迫
末梢神経の圧迫
モートン病
血流不足
冷え
ホルモンバランスの乱れ(ストレスなど)
病気による神経障害
糖尿病(動脈硬化)
ビタミンB欠乏症
腰椎椎間板ヘルニア
の7つが考えられます。
それぞれ、どういう症状なのか、なぜ親指だけがしびれるのかなどをひとつずつ説明していきます。
原因① 末梢神経の圧迫
例えば
靴がきつすぎる
長時間ヒールを履く
などの場合、親指に向かう神経が圧迫され、しびれる感覚があらわれることがあります。
きつい靴や先が細いヒールで足先に負荷がかかると神経が圧迫されてしまいます。
長時間足を組んでいたり、正座の後に足がしびれたりするのも同じ状態で、血流が悪くなることで神経に負担がかかっていると考えられます。
痛みの特徴
ピリピリとした痛み
長時間歩いたり立ったりした後に症状が強くなる
靴を脱ぐとしびれが軽減する
原因② モートン病
モートン病とは、足の神経が圧迫されて炎症を起こし、痛みやしびれを引き起こす病気です。特に足の裏にある神経が圧迫されることで起こります。
足の形状や歩き方の癖によって親指の付け根部分に負担がかかることで、親指の付け根部分に発症することがあります。
通常、モートン病の影響は第3指と第4指の間で起こることが多いですが、足の形状や歩き方の癖によって、親指の付け根部分に余計な負担がかかり、親指にしびれや痛みが起こることがあります。
痛みの特徴
ピリピリしたしびれ
じっとしていても痛む
足の裏、親指の付け根付近が痛む
親指の先端にまで痛みやしびれが広がることもある
足をもむと一時的に楽になることがある
足に小石が挟まっているような感覚がある場合もある
モートン病は神経が炎症を起こしている状態です。
そのため、靴による一時的な圧迫などと比べると、痛みや症状が激しくなることが多く、靴を脱いだりしても痛みが完全に消えないことがあります。
原因③ 冷え
冷えによるしびれとは、体が冷えることで血液の流れが悪くなり、神経や筋肉に十分な酸素や栄養が届かなくなるために起こる状態です。
足先、特に親指などの「末端部分」は体の中心部から最も遠いため、冷えの影響を受けやすいです。
冷えると血管が収縮して血流が悪くなり、神経の働きが鈍くなります。この結果、しびれや違和感が出ます。足には多くの小さな血管がありますが、冷えで血管が収縮すると親指など細い血管が優先的に影響を受けます。
そのため、足全体ではなく特定の部分(親指)だけがしびれることがあります。
痛みの特徴
足の親指全体、親指の先端にかけて痛む
張りで刺されるような軽いしびれ感
足を動かしたり温めると徐々に痛みが軽減する
足先が青白くなったり赤紫色になることがある
原因④ ホルモンバランスの乱れ
体内のホルモン(主にエストロゲンやプロゲステロン)が変動しバランスが乱れると、血液循環や神経の働きがスムーズに行かなくなり、足の親指のような末端部分にしびれを感じることがあります。
特に女性ホルモンであるエストロゲンが低下すると、血流が悪くなります。血液は体全体に酸素と栄養を運びますが、血流が悪くなることで足の親指のような末端部分には届きにくくなり、親指のしびれに繋がるのです。
またホルモンの乱れによって自律神経の働きが不安定になると、神経が敏感になり、しびれやピリピリ感を感じやすくなります。
痛みの特徴
軽いしびれ感がある
電気が走るような感覚があることもある
痛みやしびれが一定ではなく、周期的に現れたり消えたりする
全身の疲労感
イライラや落ち込みが増える
眠りが浅い、すぐ起きる
原因⑤ 糖尿病(動脈硬化)
糖尿病による高血圧が原因で神経がダメージを受け、足や手の体の末端部分にしびれが出ることがあります。
高血糖が長期間続くと、神経に栄養を送る細い血管がダメージを受け、神経が徐々に弱まります。その結果、足の親指など末端部分の神経が最初に影響を受け、しびれが起こります。
これを「糖尿病性ニュートロパチー」といいます。
痛みの特徴
しびれが慢性的で、安静時でも続く
チクチク、ビリビリ、ジンジンとした感覚
両足に同じようなしびれが出ることもある
感覚麻痺がでることがある
足の指から始まり、足全体や手に広がる場合がある
原因⑥ ビタミンB欠乏症
ビタミンB群は、体のエネルギーを作る代謝や、神経の健康を保つために重要な栄養素です。ビタミンBが不足していると神経の働きが低下し、しびれや感覚以上が起こりやすくなります。
ビタミンBが不足すると、神経の保護膜(ミエリン鞘)が損傷します。これにより、神経が正確に信号を伝えられなくなり、感覚異常に繋がります。
痛みの特徴
ビリビリ、ピリピリする痛み
電気が流れるような感覚
足の両側に現れることもある
安静にしていてもしびれが改善しにくい
原因⑦ 腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアは、背骨の腰の部分にある椎間板というクッションのような役割をする組織が傷んで中のゼリー状の物質が外に飛び出し、近くを通る神経を圧迫する病気です。
神経が圧迫されることでしびれや痛みがでます。
腰椎椎間板ヘルニアで足の親指がしびれるのは、腰の第5番目の神経根(L5神経根)が圧迫されている場合です。L5神経根が圧迫されると、足の親指やその周辺がしびれます。
痛みの特徴
電気が走るような鋭い痛み
前かがみになったり、重い物を持ち上げたりすると痛みやしびれが強くなる
横になっても痛みが取れない場合がある
足の親指だけがしびれる場合でも、腰やお尻に違和感が出ることがある
靴の圧迫などによるしびれは、通常、足の親指だけに限られるのに対し、ヘルニアの場合は、腰や脚の他の部分にも症状が出ることが多いです。
足の親指だけのしびれ…ストレスが原因!?
ストレスによって、足の親指だけのしびれが出ることはあります。
ストレスを感じると自律神経のバランスが乱れ、それにより血流や神経の働きが悪くなるため、足にしびれが出ることもあると考えられます。
また、ストレスによって自律神経が乱れると末梢神経への血流が低下します。そのため足の指周辺の血流が滞り、しびれが生じることがあります。
その他、ストレスが長く続くと
過度な筋肉の緊張
呼吸が浅くなることによる手足のしびれ感
神経過敏
などが起こりやすくなるため、足の指がしびれに繋がります。
【対処法】今すぐ痛みをとる方法
足の親指のしびれを緩和させるには、
軽くマッサージ
ストレッチ
足を温める
足を高く上げる
などをするといいでしょう。
対処法① 軽くマッサージ
マッサージをすると血流が良くなり、筋肉の緊張が和らぎます。また、神経への圧迫が軽減されることで、痛みが緩和される場合があります。
やり方
親指の付け根から先端に向かって、軽く押しながらほぐす
親指を優しく回したり、引っ張ったりして関節を動かす
どんな場合に効果的?
足の疲れや軽い筋肉のこわばりが原因と思われる場合
血流不足が関係している場合
対処法② ストレッチ
ストレッチをすることで筋肉や腱がほぐれ、神経への圧迫が軽減されます。また、血流が促進されるため、痛みが和らぎやすくなります。
やり方
足の指を広げたり、曲げたり伸ばしたりする
足の裏を床に押し付けるようにして軽いストレッチを行う
どんな場合に効果的?
長時間の立ち仕事や歩行後で、筋肉が疲れている場合
足全体がこわばっている場合
対処法③ 足を温める
温めることで血流が良くなり、親指に十分な酸素や栄養が届きます。また、筋肉の緊張も和らぎ、痛みを感じにくくなります。
やり方
温かいタオルで足を包む
足湯に5~10分浸かる(お湯の温度は40度前後が理想)
湯たんぽやカイロを軽く当てる
どんな場合に効果的?
足先が冷えていると感じるとき
血流不足が原因で痛みが出ている場合
対処法④ 軽くマッサージ
マッサージをすると血流が良くなり、筋肉の緊張が和らぎます。神経への圧迫も軽減されるので、痛みが緩和される場合があります。
やり方
親指の付け根から先端に向かって、軽く押しながらほぐす
親指を優しく回したり、引っ張ったりして関節を動かす
どんな場合に効果的?
足の疲れや軽い筋肉のこわばりが原因と思われる場合
血流不足が関係している場合
【再発しないために】こんな状況を改善しよう!
足の親指のしびれを繰り返さないためには、
窮屈な靴、高いヒールなどは避ける
靴下やインソールで足を守る
長時間の立ち仕事や歩行を避ける
適度なストレッチを取り入れる
足を冷やさないようにする
ビタミンBをしっかり摂る
などを心がけましょう。
特に足指の圧迫が原因の場合は、靴を見直すのがいいでしょう。
どうしても仕事などで窮屈な靴やハイヒールを長時間履かないといけない場合は、靴下やインソールで足を守るのもおすすめです。
圧迫感のない靴下を選ぶ
クッション性の高いインソールを使う
などのポイントで選んでみましょう。
足が冷えたり、長時間同じ態勢でいることで血流が悪くなるのもしびれの原因になります。適度に足の指を開いたり、曲げたりするストレッチをしたり、ヨガなどを定期的に行うのもおすすめですよ。