奥歯の歯茎が痛いし、リンパも腫れてきた…これ大丈夫?病院は何科?医師監修

更新日:2023-04-24 | 公開日:2021-07-06
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奥歯の歯茎が痛いし、リンパも腫れてきた…これ大丈夫?病院は何科?医師監修

「奥歯の歯茎が痛い…」
「リンパまで腫れている…」

それは、かなり炎症が広がっている状態かもしれません!
歯医者さんに「応急的な対処法」や「痛みの原因」を詳しく聞きました。

監修者
菊地 由利佳 先生


歯科医

菊地 由利佳先生

経歴

歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。

奥歯の歯茎が痛い&リンパ節が腫れている!

医師女性
奥歯の歯茎の痛みがありリンパの腫れもある場合は、歯の炎症がかなり拡大している可能性が考えられます。早めに医療機関を受診しましょう。

親知らず・歯周病・虫歯などが悪化したことによって、奥歯の歯茎が細菌感染を起こし、リンパ節まで炎症が広がってしまっているのでしょう。できるだけ早い歯医者での治療が必要になります。

痛みを抑える「応急的な対処法」

医師女性

歯医者を受診するまで、口の中を清潔に保ちましょう。
まずは

  • できる限りの歯磨き
  • うがい薬の使用

をしましょう。

そのうえで、
奥歯の歯茎の強い痛み→市販の鎮痛剤の使用
リンパ節の腫れ→冷たいタオルなどで軽く冷やす
など行うと、痛みや腫れを抑えられることもあります。

病院は何科?

医師女性
「奥歯の歯茎の痛み」と「リンパの腫れ」がある場合、歯科を受診しましょう。

リンパまで腫れてしまっている場合には、抗生剤の使用が必要なケースが多いため、しっかり歯医者を受診しましょう。
歯や歯茎が原因の場合には、その治療をしない限り再発を繰り返す可能性があります。

歯医者さんに症状を伝えるポイント

医師女性

歯科では、

  • 歯や体のどこが痛むのか
  • いつから症状があるのか
  • どのような症状があるのか
  • 痛む歯は過去に治療したことがあるか

など、分かる範囲でより詳しく説明してください。

※抗生剤や、鎮痛剤を処方されることがあります。アレルギーや基礎疾患をお持ちの方は忘れずに申告するようにして下さい。

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考えられる3つの原因

医師女性

奥歯の歯茎が痛く、リンパも腫れる症状が出ている場合

  1. 親知らずによる炎症(智歯周囲炎)
  2. 歯の根っこの炎症(根尖性歯周炎)
  3. 歯周病

が原因となっているケースが多いです。

それぞれ詳しく解説していきます。

原因① 親知らずの炎症(智歯周囲炎)

医師女性
親知らず(=智歯)の周りの歯茎に炎症が起こっている状態を、「智歯周囲炎」といいます。
この症状が悪化すると、リンパの腫れや痛みにもつながります。

親知らずは、磨きにくく、汚れが溜まりやすいことが多いです。
特に真っすぐ生えていなかったりすると、細菌が繁殖して「智歯周囲炎」になりやすくなります。

「智歯周囲炎」の症状の特徴

  • 親知らずの周りの歯茎が腫れる・痛む
  • 親知らずの周りの歯茎から出血や膿が出る
  • 親知らずが痛む
  • 頬が腫れる

「智歯周囲炎」はこんな人に多い!

  • 10代後半~30代
  • 親知らず周辺の歯磨きがうまくできていない
  • ストレス・疲労が溜まっている
  • 免疫力が低下している
  • 食事のバランスが偏っている

どんな治療を受けるの?

医師女性
まず親知らず周りの洗浄・消毒を行います。
リンパまで腫れている場合には抗生剤も使用して治療を行います。

腫れが落ち着いた後、必要によっては親知らずの抜歯を行います。

原因③ 歯の根っこの炎症(根尖性歯周炎)

医師女性
虫歯の進行によって歯の神経が死んでしまい、細菌が繁殖して歯根の先に、膿の袋ができている状態を、「根尖性歯周炎」といいます。

虫歯を放置したり、歯の神経治療を途中でやめたりすると、「根尖性歯周炎」まで悪化してしまいます。
首や顎のリンパ節まで腫れているということは、細菌が歯根の先から骨にまで侵入し、重症化している状態です。

「根尖性歯周炎」の主な症状

  • 歯をたたくと痛む
  • 歯茎が腫れる
  • 痛む歯の歯茎から膿が出る
  • 熱さや冷たさを感じない

「根尖性歯周炎」こんな人に多い!

  • 虫歯が多い
  • 神経を抜く治療をした歯がある
  • ストレス・疲労が溜まっている
  • 免疫力が低下している

どんな治療を受けるの?

医師女性
根の中を洗浄消毒する根管(こんかん)治療という治療を行います。リンパまで腫れている場合は抗生剤の飲み薬も使用します。

原因② 歯周病

医師女性
「歯周病」とは、歯や歯茎に付着した歯垢(プラーク)の中にいる“歯周病菌”が歯茎に炎症を起こし、歯を支える骨が溶かされている状態です。

歯垢(プラーク)は、歯や歯茎の間が十分に磨けていないとどんどん繁殖してしまいます。
この歯周病菌による症状が悪化すると、リンパの腫れにつながります。

「歯周病」の症状の特徴

  • 歯茎が腫れる
  • 歯茎から出血する
  • 歯茎から膿が出る
  • 歯がグラグラと揺れる
  • 歯が痛む
  • 口が臭くなる

「歯周病」はこんな人に多い!

  • 中高年以上
  • 歯磨きが十分にできていない
  • 間食が多い

などの人に多くみられます。

どんな治療を受けるの?

医師女性
まず歯茎周りの洗浄・消毒を行い、抗生剤を使用して炎症を抑える治療を行います。
腫れが落ち着いた後に、「歯石などを取り除く」などの歯周病治療を行います。

歯周病の状態によっては「抜歯」になる場合もあります。

放置はNG!治療せずに悪化すると…

医師女性
奥歯の歯茎の痛みやリンパの腫れを放置すると、症状によってはリンパ節から細菌が全身に回って重症化し最悪の場合、命にかかわる危険性もあります。

また、奥歯の歯茎とは関係のない別の疾患で、リンパ節が腫れているケースもあります。
奥歯の歯茎の痛みや、リンパの腫れがある場合、できるだけ早く歯医者に行くようにしましょう。

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