なぜ?「腕がだるい、力が入らない」病院は何科?痛みやしびれは要注意。ヘルニア・神経麻痺の可能性も。

更新日:2022-08-31 | 公開日:2021-07-12
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なぜ?「腕がだるい、力が入らない」病院は何科?痛みやしびれは要注意。ヘルニア・神経麻痺の可能性も。

「腕がだるくて力が入らない…」
「これって大丈夫?」

腕がだるくて力が入らない症状について、お医者さんに聞きました。
考えられる病気やその対処法、病院に行く目安なども解説します。

監修者
河合 隆志 先生

フェリシティークリニック名古屋
医学博士

河合 隆志先生

経歴

’97慶應義塾大学理工学部卒業
’99同大学院修士課程修了
’06東京医科大学医学部卒業
’06三楽病院臨床研修医
’08三楽病院整形外科他勤務
’12東京医科歯科大学大学院博士課程修了
’13愛知医科大学学際的痛みセンター勤務
’15米国ペインマネジメント&アンチエイジングセンター他研修
’16フェリシティークリニック名古屋 開設

腕がだるくて力が入らない…これって大丈夫?

医師男性
重いものを運ぶ、腕に負荷をかける運動などにより、一時的に腕のだるさや力が入らない感覚が生じることがあります。この場合は、筋肉疲労が原因なので、過度に心配しなくても大丈夫でしょう。

筋肉疲労が原因の場合は、

  • 腕を5分程度アイシングする
  • 筋肉のこわばりをほぐすように軽くマッサージする

ことで、早めの改善が期待できます。

こんな場合は病院へ

医師男性
腕のだるさの他に痛みが生じ、その症状が持続するようであれば注意が必要です。早めに医療機関を受診してください。

病院は何科?

腕がだるい 力が入らない

医師男性
腕がだるくて力が入らない場合、整形外科を受診しましょう。

早期治療することができれば、重症化のリスクを避けられます。
悪化して長期間の治療や手術が必要となってしまうケースもあります。

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考えられる2つの原因

医師男性

腕がだるくて力が入らないのは、

  • 原因① 頚椎椎間板ヘルニア
  • 原因② 橈骨神経麻痺

といった原因が考えられます。

それぞれ詳しく解説していきます。

原因① 頚椎椎間板ヘルニア

医師男性
頚椎椎間板ヘルニアは、頚椎(首)の神経を圧迫してしまうことがあり、よく起こる症状の一つに腕のだるさ、しびれ、感覚異常があります。

中高年以降の大人や高齢者に多いですが、若い人でも不良姿勢や外傷などが影響して、頚椎椎間板ヘルニアを発症することがあります。
首の神経は、その後全身に枝分かれしていくので、発症する症状は多岐に渡ります。

頚椎椎間板ヘルニアの症状

  • 首の痛み
  • 肩こり
  • 背中の痛み
  • 手のしびれ、だるさ、むくみ
  • 握力低下
  • 腕の筋肉の萎縮
  • 後頭部痛
  • 目の奥の痛み
  • 眼精疲労
  • めまい
  • 耳鳴り
  • 足のツッパリ感
  • 歩行障害
  • 足のしびれ など

頚椎椎間板ヘルニアになるキッカケ

医師男性
キッカケや原因は不明な場合もありますが、主に、加齢による組織の変性・損傷、首に負担がかかる姿勢、外傷などがあります。

頚椎椎間板ヘルニアは、椎間板という骨と骨をつなぐクッション材が損傷して痛みが出たり、飛び出して神経を刺激してしまうことで、様々な部位に痛みやしびれなどの不具合を引き起こします。

自分でできる対処法は?

医師男性
正しい姿勢で生活することを心がけましょう。自然によくなる場合もあります。

特に、長時間のデスクワークやスマホを触る姿勢には注意しましょう。

デスクワークの際の「正しい姿勢」

  • 背筋を伸ばす(椅子に背中をくっつける)
  • アゴを少し引く

デスクワーク中の「適度な運動」

  1. 首を左右にゆっくり倒す(5秒ずつ交互に5回)
  2. 首を左右にゆっくり向ける(首の筋が少し張る位置まで向ける。5秒ずつ交互に5回)
  3. 肩を大きくゆっくり回す(前回しと後ろ回しを5回ずつ)
  4. 腕を上げてブルブルと振る
  5. 腕を下げてブルブルと振る

 

※30分~1時間おきに行う

ただし、しびれや痛みなど我慢できない程の症状がある場合は、早急に医療機関を受診し医師の診断、治療を受ける必要があります。

病院に行く目安

医師男性
症状が持続している、違和感や痛みが良くならない、症状の出る範囲が広がってきたなどがあれば、一度、医療機関を受診しましょう。

診察およびレントゲンやMRIなどの画像検査を受け、痛みがある場合は神経ブロック注射、内服薬、場合によっては手術等の治療が行われます。

大きな問題がなく、腕のだるさや力が入りにくいという症状のみの場合は、リハビリテーションが中心になるでしょう。

病院は何科?

医師男性
頚椎椎間板ヘルニアが疑える場合には、整形外科を受診しましょう。

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原因② 橈骨神経麻痺

医師男性
「橈骨(とうこつ)神経麻痺」は、手首や手指に分布している、橈骨(とうこつ)神経に異常が起きてしまうことでだるさや力が入らない、指を動かしにくいといった麻痺症状が現れます。

若い人から高齢者まで発症する可能性はあります。
外傷により橈骨神経が損傷した、腫瘍ができて神経が圧迫されている等の問題によって引き起こされます。

なってしまうキッカケ

医師男性
骨折脱臼、外傷がきっかけとなって発症する場合と、腫瘍などのできものが神経を圧迫して発症する場合があります。

症状の特徴

  • 指を動かしにくくなる
  • 手首が動かない
  • しびれ
  • 感覚異常 など

自分でできる対処法は?

医師男性
外傷や腫瘍といった明らかな原因がある場合は、自己判断での対処はおすすめできません。
医療機関を受診し、医師の診察に基づき、適切な治療を受けましょう。

麻痺が生じている場合は手術を必要とする重度の症状の場合もあります。

病院に行く目安

医師男性
何らかの怪我をきっかけに腕を動かすのがつらい、力が入りにくいとった場合は、できるだけ早く医療機関を受診してください。

いつの間にか力が入りにくい、だるいという感覚がある場合は、腫瘍などの影響も考えられます。こちらの場合も、気がついたらすぐに受診し検査を受けましょう。

痛みを抑える内服薬の処方や運動療法などが行われます。外傷など原因がある場合は、そちらの治療も行います。腫瘍が原因の場合は、手術を行うこともあります。

病院は何科?

医師男性
橈骨神経麻痺が疑える場合には、整形外科を受診しましょう。

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