膝裏ぽっこりの原因。痛くないのは「ベーカー嚢腫」の可能性大!病院は何科?

更新日:2022-08-12 | 公開日:2021-08-04
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膝裏ぽっこりの原因。痛くないのは「ベーカー嚢腫」の可能性大!病院は何科?

「膝裏のぽっこりと腫れている…これは何?」

この症状には、ベーカー嚢腫が考えられます。
稀に重い合併症を引き起こすケースがあるため、放置はキケンです。

受診すべき診療科も併せて確認しましょう。

監修者
河合 隆志 先生

フェリシティークリニック名古屋
医学博士

河合 隆志先生

経歴

’97慶應義塾大学理工学部卒業
’99同大学院修士課程修了
’06東京医科大学医学部卒業
’06三楽病院臨床研修医
’08三楽病院整形外科他勤務
’12東京医科歯科大学大学院博士課程修了
’13愛知医科大学学際的痛みセンター勤務
’15米国ペインマネジメント&アンチエイジングセンター他研修
’16フェリシティークリニック名古屋 開設

膝裏がぽっこり腫れているのは「ベーカー嚢腫」が原因かも

医師男性
膝裏のぽっこりとした腫れは、ベーカー嚢腫の可能性が高いです。

ベーカー嚢腫は、膝関節の「滑液包」「滑液」が溜まりすぎている状態です。
滑液包が膝裏に押し出されると、ぽっこりとした膨らみが現われます。

<滑液包(かつえきほう)>
衝撃を吸収して摩擦を軽減するために存在している袋状の組織。
袋の中には、滑液を含んでいる。

<滑液(かつえき)>
膝の関節の動きを円滑にさせる液体。

ベーカー嚢腫になりやすいのはどんな人?

  •  40歳以上の中年世代の女性
  • サイクリング、ランニングを過度に行う人
  • 太っている人
  • 膝をケガした人

ベーカー嚢腫の特徴

  • 膝裏がぽっこり膨らむ(ぷよぷよした感じ)
  • 膨らみは卵くらいの大きさ
  • 押しても痛みがない
  • 膝の不快感、圧迫感
  • 膝が曲げにくくなる
  • 曲げるとしびれが生じる

なぜベーカー嚢腫になってしまうの?

医師男性
膝への過度の摩擦、圧迫によって、滑液の分泌量が増え、滑液包に溜まりすぎると発症します。

具体的な原因には、

  • 膝の使いすぎ
  • 膝の病気(※下記参照)

となどが挙げられます。

こんな「膝の病気」に心当たりはありませんか?

医師男性
ベーカー嚢腫を引き起こす膝の病気には、変形性膝関節症、関節リウマチ、痛風などがあります。

変形性膝関節症

膝のクッションの役割を担っている「関節軟骨」がすり減ってしまっている状態です。
骨と骨がぶつかりやすくなるため、膝の痛みを引き起こします。

発症の原因には、膝の使いすぎ、肥満、遺伝的要因などが挙げられます。

関節リウマチ

免疫機能の異常により、体の関節に慢性的な炎症が起こる病気です。
関節のこわばり・痛みが特徴で、膝の関節に発症するケースもあります。

発症の明確な原因はわかっていませんが、女性に発症しやすいと言われています。

痛風

関節内に溜まった尿酸の結晶によって、関節の腫れや痛みが起こる病気です。
足の親指の第一関節に発症しやすいですが、膝の関節に痛みが出るケースもあります。

主な原因として、暴飲暴食・運動不足・ストレス過剰などの生活習慣が挙げられます。

ベーカー嚢腫かも…どう対処すればいい?

医師男性
ベーカー嚢腫を疑うときは、医療機関を受診しましょう。

稀に深部静脈血栓症などの重い病気を併発し、命に関わる状態になるケースもあります。
膨らみ以外に症状がない場合も、念のため検査を受けることをおすすめします。

こんなときは早めに病院へ

  • 嚢腫が急に大きく膨らんできた
  • 痛みや腫れが強い
  • しびれが生じている
  • 膝が曲げにくい

といった場合は、早めに受診してください。
ベーカー嚢腫が大きくなって破裂すると、周りの組織にも炎症が拡がり、強い痛みを引き起こす恐れがあります。
悪化を防ぐためには、放置せずに治療を受けることが重要です。

病院は何科?

膝裏 ぽっこり 原因

医師男性
ベーカー嚢腫を疑うときは、整形外科を受診しましょう。

整形外科を探す

どうやって治すの?

痛み・腫れの症状がなく、日常生活に悪影響が出ていない場合には、経過観察が行われるケースが多いです。

医師男性

痛みや腫れが生じている際には、

  • 飲み薬や湿布薬を用いた治療
  • ステロイド薬注射を用いた治療
  • 注射器により滑液を吸引して排泄する治療

などで改善を図ります。

上記の治療法で改善しない、もしくは何度も再発する場合は手術が検討されます。
また、膝の病気の治療を行うことで、自然治癒していく場合もあります。

治療期間には個人差があり、一回の治療で改善する人や、再発によって再度の治療が必要になる人もいます。

※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。

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