なぜ？歯茎に血豆ができる原因。繰り返す・治らない場合は要注意！

「歯茎に血豆が…！」
「潰さない方がいい？」

歯茎にできた血豆について、歯医者さんに聞いてみました。
正しい対処法、要注意な症状も併せて解説します。

監修者

歯科医

菊地 由利佳先生

経歴

歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。

 歯茎に血豆ができている…これは大丈夫？

歯茎の血豆は、

• 歯磨きの際に歯ブラシがぶつかった
• 矯正器具が当たった

など外的刺激によってできることが多いです。
通常は放っておいても自然と治るため、一旦様子を見ても大丈夫でしょう。

歯茎の血豆はどう対処する？

潰したり刺激を与えたりしないで、そのままにしておきましょう。

一般的には、1週間程度で自然と治ることが多いです。

潰すのはNGです。
潰すとそこから細菌感染を生じることがあります。
特に清潔でない手指で触ると、細菌感染のリスクが高まります。

血豆を潰しちゃった…！どうすれば？

丁寧に歯磨きをして、口の中を清潔に保ちましょう。
また、うがい薬を併用することも効果的です。

口の中を清潔に保つことで、潰れた部分からの細菌感染のリスクを下げます。

血豆が繰り返しできる・治らない場合は要注意

歯茎の血豆が繰り返し発生したり、1週間以上経っても治らない場合は

• 歯並び・噛み合わせの悪さ
• 血管腫

が原因となっている可能性があります。

この場合は、原因となっているトラブルを改善する必要があるため、当てはまる場合は早めに歯医者で相談しましょう。

原因①　歯並び・噛み合わせ（血豆が痛い）

歯並びや噛み合わせが悪いと、食べ物を噛みにくくなったり、歯磨きがしにくくなったりします。
その結果、外的刺激が加わって血豆ができることがあります。

この場合の血豆は、

• 血豆に触れると痛みがある
• 熱い・冷たい・刺激物を口に含むと痛む
• 血豆の周りも炎症を起こしている

などの特徴があることが多いです。

どんな治療を受けるの？

再発を繰り返さないために、歯列矯正や歯を削るなどの治療が必要になる場合もあります。

血豆に関しては、そのまま放っておいても自然と治るため、特に治療は行わない場合が多いです。

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原因②　血管腫（血豆が痛くない）

歯茎の血管に似た細胞が増殖することで、血豆ができます。

血管腫は、根本的な原因は明らかになっていません。
血管の発育異常でできることが多いです。

血管腫の特徴は、

• 痛みはない
• 表面が膨らんでくる

などのケースが多いです。

どんな治療を受けるの？

比較的小さな血豆であれば、経過観察をするか、切除します。
比較的大きな血豆であれば、レーザー療法や組織硬化剤療法、凍結外科療法などを行います。

近年では、レーザー療法が主に用いられます。レーザー療法は、部分麻酔下で行うため痛みはほとんどなく、治療時間は数分程度です。

レーザー照射後は、内出血が生じますが、数週間から1ヶ月程度で少しずつ治ります。

もしかして…がん？見分け方は？

歯茎にできた血豆が、

• 1ヶ月近く治らない
• 何度も同じ場所にできる

場合には、がんの可能性が考えられます。

血豆のような黒褐色腫瘤ができる“がん”として、「悪性黒色腫」が考えられます。
悪性黒色腫だった場合、血豆は上顎歯肉に生じることが多いですが、下顎歯肉にも生じることもあり、形や大きさはさまざまです。
50歳以上の中高年に多く見られます。

この血豆「がん」かも…どうすれば？

がんを疑う場合には、早急に歯医者を受診しましょう。

悪性黒色腫（がん）は転移するケースが多いため、早期治療が重要になります。

悪性黒色腫（がん）の治療方法としては、主に外科手術を行います。
そのほか、放射線治療や化学療法や免疫療法なども行うことがあります。
ただし、残念ながら病気の将来的な状況は非常に悪く、5年生存率は20パーセント以下とも言われています。

手遅れになってしまわないよう、気になる症状が見られたら、放置せず歯医者を受診しましょう。

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