最近、常に不安感がある…。
これってもしかして病気?
その症状は「不安障害」のせいかもしれません。
セルフチェックで確かめてみましょう。
不安障害を疑う場合、どう対処すればいいのかも解説します。
監修者
しのだの森ホスピタル
理事長・院長
信田 広晶先生
経歴
得意分野 心療内科・精神科 「うつ」「自然治癒」
昭和61年 青山学院大学文学部教育学科心理学専修コース卒、平成6年東邦大学医学部卒、東京女子医大精神神経科入局などを経て、平成11年信田病院(現しのだの森ホスピタル)入職。現在しのだの森ホスピタル理事長兼院長を務める。
常に不安を感じる…これって病気?
どんな人でも、日々の生活の中で不安や心配事を抱える場面は多々あります。
その不安をひとつずつ受け止めて、解消していくことで、気持ちが落ち着きます。
心配事、試験前、大切な仕事の前、大勢の人の前での発表など、不安になる原因が明確な場合はさほど心配する必要がないと考えられます。
しかし、実際に不安になる明確な原因がないにも関わらず、強い不安感に襲われて、動悸・不眠・精神不安定等の症状が出現している場合は、病的な不安(不安障害)の可能性があるため注意が必要です。
不安障害セルフチェック
あくまでも目安ですが、次の症状が同時に複数起こる場合、不安障害の可能性があると考えられます。
身体症状をチェック
- 体が痺れる感じ
- 頭痛、頭が重い
- 頭が圧迫されるような感覚
- 体がこわばる(緊張感)
- 手足の冷え
- 冷や汗がでる
- めまい
- ふらふら揺れるような感覚
- 体中がドクドクするような脈拍感
- 悪寒、熱感
- 動悸、息切れ、息苦しい
- 吐き気
- 頻尿
- 便秘
- 下痢
精神症状をチェック
- 小さいことが気になって不安を感じる
- 物忘れが多い(記憶力の低下)
- 疲れやすい
- 根気がない
- イライラしやすい
- 注意力が低下する(そわそわする)
- 些細なことを気にし過ぎる
- 寝つきが悪い(夜中に目が覚める)
- 意識が朦朧とする
複数個あてはまるときは、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
不安になったら、どう対処する?
不安な気持ちになった場合、一度大きく深呼吸をして気持ちを落ち着かせてください。
腹式呼吸がおすすめです。
横になれる場合は横になって、目を閉じて安静にする方法もあります。
また、気持ちを落ち着かせる作用が期待できる合谷のツボを押す方法もあります。
合谷のツボは、手の甲側の親指と人さし指の間にある骨の分かれ目にあるツボです。
両方の手それぞれ30回程度を目安に気持ちがいい強さで押しもみしてください。
「不安障害」を治すためにはどうすれば?
ストレスや疲労を溜め込まないようにしましょう。
また、十分な睡眠時間(7~8時間程度)を確保するのもおすすめです。
次のことを意識してみましょう。
- 決まった時間に起きる、寝る
- 決まった時間に食事を摂る(特に朝食をしっかりと!)
- 自分自身でリラックスできることを見つけて実行する
- 1日20~30分程度、軽い運動をする(ストレッチ、ウォーキング、ヨガ等)
- ぬるめの湯船に浸かる(40度くらい)
- 笑う
反対に、暴飲暴食・アルコールやコーヒーの過剰摂取は避けましょう。
喫煙者は禁煙しましょう。
病院に行く目安
次のような症状が出ている場合は、病院を受診しましょう。
- (不安になる原因がないのに)強い不安を感じる状態が長期間続く
- あり得ない出来事を想定し、過剰に不安を抱えている
- 強い不安感によって日常生活に悪影響を及ぼしている(外出できない、仕事家事学業ができない、乗り物に乗ることができない等)
- 強い不安感で精神的苦痛が起きている
- 気持ちのコントロールできない
受診するのは何科?
心療内科・精神科を受診しましょう。
心療内科を探す
早い段階で受診をしましょう
不安障害を放置すると、症状が悪化していく(うつ病発症等)場合もあるため、早い段階で受診して重症化を防いでください。
常に不安を抱えて生活することはとても苦しくつらい状態です。
日常生活に支障をきたすケースも多々あります。
早期受診により治療を開始することで、症状の改善が期待でき、そのような状態から解放され、日々の生活に活気が取り戻せると考えられます。
心疾患・内分泌系疾患・肺疾患等が原因で不安障害が起きているケースもあります。早期受診することで、不安障害が起きている原因を明確にすることをおすすめします。
精神科・心療内科に初めて行くときは
精神科と聞くと受診をためらってしまいがちですが、他の診療科の受診と同じシステムの医療機関が多いです。
あまり考え過ぎずに「ちょっと相談してみよう」という気持ちで受診してみてください。
受診の際は、気になっている症状についてまとめていくと、スムーズに診察が進みますよ。不安な方は、「出現している症状」のメモを持っていくのもおすすめです。
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2023-01-19
メンタル不調を抱える方向けに、社会復帰に役立つ情報を配信する『脱うつリヴァトレCh.』。
今回紹介する動画では、リワークについて、臨床心理士さんがわかりやすく解説しています。
「リワークって具体的にどういうものなの?」
「リワークのメリットやデメリットが知りたい!」
復職を希望されていて、リワークについて詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
※動画による解説は記事末尾から
そもそも、リワークとは?
リワークとは、うつ病などの精神疾患により休職をして療養期間を経た方が、職場復帰のために行うトレーニングのことです。
様々な職場復帰支援プログラムを通じて、病気の再発リスクを軽減しつつ、本格的な職場復帰へとスムーズに移行させるのが狙いです。
リワークは大きく分けて4種類ある!
リワークは大きく分けて4種類あり、それぞれ実施されている機関や対象者の条件が異なります。
医療リワーク
精神科・心療内科などの医療機関で実施されている。
うつ病などで休職している方で、復職の意欲がある方が対象。
職リハリワーク
各県の地域障害者職業センターで「職場復帰支援」の名称で行われている。
センターの職員が、求職者本人と雇用主、主治医をコーディネートして、三者の合意後に実施される。
職場リワーク
企業内で実施される、復職支援のプログラム。
例として、内部に専門部署や医療機関を持つ企業・役所で行われている職場復帰訓練制度などが挙げられる。
民間系リワーク
企業NPOなど民間団体によって行われているプログラム。
うつ病などの精神疾患があり、復職の意欲がある方が対象。復職の意欲がある方なら、失業中でも利用可能。
ここからは、それぞれのリワークの特徴を詳しく解説していきます。メリットやデメリットまで、しっかりチェックしていきましょう。
各リワークの特徴|メリット&デメリットは?【体験談あり】
① 医療リワーク
医療リワークは、精神科・心療内科などの医療機関で行われています。うつ病などの精神疾患で休職している方で、復職の意欲がある方が対象です。
リハビリの意味合いが強く、再休職の予防を最終目標としています。
リワークの期間は本人の体調やプログラムによって異なり、数ヶ月のケースもあれば、1年以上かけて終了するケースもあります。
医療リワークでは、健康保険だけでなく自立支援医療制度※が利用できます。そのため料金の自己負担額は、健康保険の適用で3割、自立支援医療制度を利用すれば1割に抑えることが可能です。
1日あたりにすると、約600円から700円で利用できます。
自律支援医療では、前年度の世帯所得により、1ヶ月あたりの自己負担額の上限が0円から2万円で設定されます。
そのため、上限金額以上の医療費を支払う必要がなくなります。
自立支援医療制度とは…
精神疾患などの治療にかかる医療費の自己負担額を軽減する公的な制度のこと。
▼参考
自立支援医療制度の概要|厚生労働省
医療リワークのメリット
スタッフに専門家が在籍していることが多い
プログラムの一環として治療も含まれている
医療リワークは、専門医・看護師・保健師・臨床心理士など、スタッフに専門家が在籍していることが多く、安心感があります。
また、プログラムの一環として、病状の回復と安定を目的とした治療が含まれていることもメリットです。
専門家に見てもらうことが一番だと思いお医者様の居る医療リワークを選びました。
こちらの精神状態への配慮や、復帰までのスピード調整等、私生活では考えられないほど慎重かつ丁寧に対応いただきました。おかげで再発することなく職場復帰ができました。
(29歳 男性)
知り合いに医療リワークに詳しい人がいて、病院を紹介してもらいました。会話・言語のリハビリも兼ねて、対人コミュニケーションの練習もできて良かったです。また、費用も保険適用で支払いできました。
(32歳 女性)
医療リワークのデメリット
失業中だと利用できない
どこの医療機関でも実施しているわけではない
医療リワークは、復職意欲のある休職中の方が対象です。そのため、失業中は利用できません。
また、限られた医療機関でしか実施されていないので、もともと通院していた病院や主治医の変更が必要となるケースもあります。
強いてデメリットをあげるとすれば、医療機関なので感染症患者さんが運ばれてくることもあり、病気の感染は心配ではありました。
(29歳 男性)
② 職リハリワーク
各県の地域障害者職業センターが、職場復帰支援の名称で実施しています。
センターの職員が求職者本人と雇用主、主治医をコーディネートして、三者の合意後に職業リハビリテーションを実施します。
リワークの期間は、約12週から16週間です。
職リハリワークは、職場への適用に向けて雇用を支援するために行われるので、治療は目的としていません。
職リハリワークのメリット
基本的に費用は無料(一部有料の施設もあり)
事業者に対しても助言や支援を行う
疾患を持つ方の就労・就活のノウハウが豊富
職リハリワークは、無料で利用できるケースが多いです。ただし、施設によって有料の場合もあるので、事前に確認が必要です。
また、休職者本人だけではなく、事業者に対しても助言や支援を行うので、よりスムーズな復職を目指せる可能性が高いです。
障害や疾患がある方の就労や就職に関するノウハウが豊富なので、具体的なアドバイスが受けられるのもメリットです。
会社の産業医の指定で、リワークセンター(公営)を利用しました。
当時、赴任していた三重から名古屋へ週5日、まずは通うことからリズムづくりを開始。同じような休職している方と簡単なプロジェクトをしたりと実際の復職に向けてのリハビリができました。
専任の相談員の方が会社の人事部や産業医との間に入ってくれたので、復職の判断材料を客観的視点で伝えてもらえて助かりました。
(48歳 男性)
職リハリワークのデメリット
公務員は利用不可
利用までに数ヶ月かかる場合がある
スタッフに専門医がいない場合が多い
職リハリワークは雇用保険を財源とした事業なので、公務員は利用できません。
費用は無料で利用希望者が多いため、実際に利用を開始するまでに数ヶ月間待機しなければならないこともあります。
また、治療を目的としたプログラムではないので、スタッフに専門医などがいないケースが多いです。
沢山の人が利用していたので、待ち時間がでたり、混雑していた事が少し大変でした。
(38歳 男性)
③ 職場リワーク
企業内で実施される復職を支援するプログラムを、職場リワークと呼ぶケースがあります。
復職した後、安定した就労を維持できるかどうかを見極めることが目的です。
職場リワークは、企業や役所の内部に医療機関や専門部署がある場合に、職場復帰訓練制度として行われている例があります。
企業内の組織だけでなく、外部組織の従業員援助プログラムのサービスを利用する場合もあります。
職場リワークのメリット
復職時のギャップが少ない
試し出勤など、復帰への段階的な取り組みが可能
職場リワークは企業の中で実施されるので、社内の人との連絡や連携がとりやすいです。そのため、他の施設よりも、復職時にギャップを感じることが少ない可能性が高いです。
また、職場の雰囲気に慣れるための試し出勤など、正式な復職に備えて段階的な行動ができるという点もメリットです。
うつ病の診断を受け、1年ほど休職した際に職場リワークを経験しました。職場では、3ヶ月以上の休職で職場リワークを利用することになっていました。
簡単な事務作業や、1人で完結する仕事を少しずつ振っていただき、徐々に働く事に慣れていくことができました。
職場の上司も親身になって相談に乗ってくださり、安心して働き続けることができました。
(26歳 女性)
職場リワークのデメリット
導入している企業が少ない
他の社員の目が気になる場合がある
職場リワークを実施している企業が少ないので、一部の企業でしか利用できません。
また、企業内で行われるリワークなので、他の社員など周りの目が気になってしまう方もいるでしょう。焦りや不安から体調不良になる可能性がある点も、デメリットの一つと考えられます。
すぐに職場の人と打ち解けることができませんでした。
休職の理由を聞かれたり、休職中何をしていたかを聞かれたりするので、肩身が狭い思いをすることがありました。
(29歳 女性)
④ 民間系リワーク
企業NPOなど民間団体によって実施されているプログラムです。
失業中であっても、復職への意欲があれば利用可能です。
リワークの期間は、人によっても異なりますが、およそ3ヶ月から6ヶ月程度となるケースが多いです。失業中の場合は1年以上かかるケースもあります。
費用は、福祉制度を利用することで、自己負担額を1割に抑えることが可能です。さらに、前年度の世帯所得に応じて、1ヶ月あたりの負担金額の上限が0円から3万7200円までに設定されています。
民間系リワークのメリット
失業中でも利用可能
独自のプログラムを利用できる施設もある
失業中であっても、復職意欲があれば利用できるということは、大きなメリットです。
農作業など独自のプログラムを実施している施設もあり、働き方の視野を広げられる可能性があります。
病気の発症で仕事をやめる必要があり、フリーな状況でも民間系リワークなら利用可能と知ったため選びました。
最初は何をすればよいのかわからず、職場復帰の不安しかありませんでしたが、「同じような人はたくさんいる」とスタッフの方が優しい言葉をたくさんかけてくれたので、不安はなくなりました。
(26歳 男性)
民間系リワークのデメリット
都市部で展開していることが多い
スタッフに専門医がいない場合が多い
民間系リワークの多くは、都市部で実施されています。そのため、地方にお住まいの方の利用は難しい可能性があります。
また、職リハリワークと同様、スタッフに専門医がいないケースが多いです。
職員の方や、施設の管理者の考え方があまり理解できませんでした。
また生活するお金がほとんど無かったので、通所にあたり交通費がきつかったです。
(41歳 女性)
リワーク施設を選ぶ4つのポイント
費用や期間
専門領域のスタッフがいるかどうか
プログラム対象者はどんな症状の人を想定しているのか
主治医とはどのように連携するのか
リワーク施設を選ぶときは、これらの4つを確認するようにしましょう。
主治医や家族と相談しながら、いくつかの施設を見学してみることをおすすめします。
リワークを受ける施設によって、プログラムの内容や専門領域、スタッフの人柄も異なります。
上記の4ポイントをおさえて、「自分の課題に向き合える」と思える施設を探すことが大切です。
経験者に聞く!リワーク施設を選ぶときに大切なこと
リワークを始める前に、体験ができるならば体験をすることをおすすめします。様々なプログラムがあり、リワークのスタイルも場所によって違うと思うので、よく確かめてから正式に始めるのが良いと思います。
(47歳 男性)
最初は踏み出すのが怖いこともあると思いますが、踏み出しさえすればあとはスタッフさんが支えてくださります。
それぞれの施設でプログラムの特徴があると思いますので、自分に合った施設・クラスを選ぶと、無理なくしっかり復帰できると思います。
(37歳 女性)
どのように主治医と連携を取るのかなど、事前にしっかりと質問した方が良いです。
(32歳 女性)
相談によく乗ってくれるし、いろいろな事例を紹介してくれてよかったのですが、自宅から遠く交通費が負担でした。そのため、家から近い施設がいいと思います。
また、大通りに面していないほうが人の目が気になりません。
(55歳 男性)
▼動画による解説はこちら
※本記事は、チャンネル運営者の許可を得て作成しています。
※本記事に掲載している体験談は、Medicalookが独自に調査したアンケートを元にしています。動画の内容には含まれていません。
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2019-05-30
「最近、体の調子を崩しがち・・・」
「休日も仕事のことばかり考えてしまう・・・」
その症状、もしかして適応障害かもしれません。適応障害の症状や対策まで、医師が詳しく解説します。
「適応障害」とは
「適応障害」は、職場の人間関係などのある特定の状況や出来事が、その人にとって、
とてもつらく耐えがたく感じられたために、心や体の調子を崩す病気です。
ストレス因子(=ストレスを引き起こす要因)を取り除く・緩和する、もしくは、ストレス因子から離れると、だんだんと調子はもとに戻ります。
「適応障害」と「うつ病」の違い
典型的なうつ病を発症している場合は、ストレス因子から離れても、気分の落ち込みが改善することはありません。
適応障害は「甘え」ではありません
ストレスに気づき、ストレスへの対処法を学ぶことは非常に重要です。
適応障害は、環境に適応することができず、心や体が疲れてしまう病気です。
決して「甘え」などではありません。
自分一人で抱え込まず、家族や親しい友人に相談することもよいでしょう。
働き方改革では、企業が労働者の健康を管理するため、産業医を巻き込むことについて触れられています。
今後、企業は労働者の健康管理ができるような組織づくりに力を入れると考えられます。
働き方改革では、労働時間の短縮に重点が置かれていますが、労働時間が減少し、時間あたりの生産性を向上させなければいけないとしたら、これまで以上に心身に負担になる可能性もあります。
職場で「適応障害になりやすい」4ケース
一生懸命働いているが、仕事量が多く、休めない
自分のペースで仕事ができない
仕事内容が、自分の性格や能力に合っていない
職場の人間関係がよくない
1. 仕事量が多く、休めない
2. 自分のペースで仕事ができない
→具体的にいうと…
残業時間が月に80時間以上
勤務時間中だけではなく、休日にも、常に仕事のことばかりを考えている
3.仕事内容が、自分の性格や能力に合っていない
→具体的にいうと…
自分の能力以上の仕事を任されている
自分の持つ知識や技術が生かされず、やりがいが感じられない
4.職場の人間関係がよくない
→具体的にいうと…
職場で孤立していて、困った時に相談ができない
同じ部署内で意見の食い違いがある
パワーハラスメントやセクシュアルハラスメントに苦しんでいる
「現場で立ち回る人」と「管理職」では、ちょっと違う
「現場で立ち回る人」で、適応障害になりやすいケース
さまざまな顧客と顔を合わせる必要がある営業の仕事は、心理的な負担が大きい職種のひとつです。
中には、クレームが多い顧客や、自分の性格とは合わない顧客と接することもあるでしょう。
プライベートであれば、そうした相手は避けることができます。
しかし、仕事となると、特に責任感が強く真面目な人は、「やらなければならない」と、無理をしてしまいます。
固定されたメンバーのみで顔を合わせて行う仕事であれば、それほどストレスを強く感じることは少ないかもしれません。
「管理職」で、適応障害になりやすいケース
これまで仕事の成績がよかったため、管理職に昇進したものの、部下の管理業務への適性がない場合に多いです。
管理職に昇進しても、なれない環境で働きにくいのであれば、適応障害を発症する場合があります。
管理職とは「マネジメント」と「意思決定の権限・責任」を担います。
したがって、仕事内容はガラっと変わることも少なくありません。
仕事を続けながら「メンタルを楽にする方法」は?
業務量を調整する
職場環境を整える
ストレス対処法を見つける
自己肯定感を高める
ストレス因子にもよりますが、上記の方法が考えられます。
① 業務量を調整する
業務量を減らす方法がないか、相談してみましょう。業務プロセスの効率化の可能性も検討しましょう。
② 職場環境を整える
通勤によるストレスが原因であれば、出社する時刻を変えてみる、人間関係が原因であれば、席の配置を変えてみる、といったことを、可能な範囲で行いましょう。
業務内容に対する適性の低さが原因であれば、配置転換も検討しましょう。
③ ストレス対処法を見つける
普段から、十分な運動や睡眠、バランスの取れた食事など、ストレスに強くなるライフスタイルを心がけましょう。
また、職場でも行える、自分なりのリフレッシュ方法を見つけましょう。(業務の合間の軽い運動、昼休み中の昼寝など)
④ 自己肯定感を高める
自己肯定感とは、あるがままの自分を受け入れ、自分自身をかけがえのない存在と思える感覚のことです。
適応障害になりやすい人は、この自己肯定感が低い傾向にあると言われています。
自己肯定感を高めるためには、自分の否定的な面ではなく、良い部分に目を向けること、否定的な感情がどうしても思い浮かんでしまう場合は、「自分は過度な思い込みをしている」と認識することが重要と思われます。
自己肯定感が低い傾向にある人は、自己表現が苦手である場合が多いです。この場合、アサーショントレーニングも効果的な方法の一つです。
※アサーショントレーニング:相手の気持ちを思いやりつつ、自分の考えや気持ちを率直に表現する方法を学ぶトレーニング
病院へ行く目安
適応障害の症状には、
情緒的障害
行為の障害
の2種類があります。
①には、抑うつ気分・不安・怒り・焦りや緊張といった症状があります。
②には、暴飲暴食・過度の飲酒・攻撃的な言動があります。
職場のメンタルヘルスにおいて重要な症状の具体例として、遅刻や欠席が増える、業務の成果が上がらない、といったことがあります。
こうした症状が現れた場合は、病院を受診して治療をする必要があります。
短期間によくなる場合もありますが、6ヶ月以上も続くことがあります。
うつ病に進展してしまうこともあります。
そうなる前に、我慢せず、病院を受診することをおすすめします。
心療内科を探す
▼参考文献
『パニック障害』と『適応障害』(武田病院)