食後1時間の正常な血糖値はどれくらい?血糖値上昇をゆるやかにする方法も

更新日:2022-10-25 | 公開日:2022-05-30
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食後1時間の正常な血糖値はどれくらい?血糖値上昇をゆるやかにする方法も

「食後1時間の血糖値はどれくらいが正常なの?」
食後の正常な血糖値の基準について、栄養士さんに聞いてみました。

毎回140mg/dL以上の人は「糖尿病予備軍」も疑われます。
血糖値の上昇がゆるやかになる食べ方も解説しますので、糖尿病を予防したい人は必見です。

監修者
望月 理恵子 先生

株式会社Luce
管理栄養士

望月 理恵子先生

経歴

株式会社Luce代表/健康検定協会理事長、山野美容芸術短期大学講師、服部栄養専門学校特別講師、日本臨床栄養協会評議員、ダイエット指導士、ヨガ講師、サプリメント・ビタミンアドバイザーなど栄養・美容学の分野で活動をおこなっている。

「食後1時間の正常な血糖値」ってどれくらい?

専門家女性

食後1時間の正常な血糖値は、120~150mg/dLになります。

食後30~60分で最大値(120~150mg/dL)となり、2~3時間後にはもとの数値(70~110mg/dL未満)に戻ります。

時間

血糖値(健康な場合)

食前

70~100mg/dL

食後すぐ

100~120mg/dL

食後30分~1時間

120~150mg/dL

食後2~3時間

70~110mg/dL

血糖値が高めかも…これって大丈夫なの?

あまり心配いらない

糖尿病が疑われる

  • 糖質の多い食品をたくさん食べた
  • たまに数値が高くなる
  • 食後2時間で140㎎/dL未満に低下する
  • 糖質をたくさん食べていない
  • 食後血糖値が毎回140mg/dL以上
  • 食後2時間経っても140mg/dL以上
専門家女性

「ごはんを何杯もおかわりした」「甘い物をたくさん食べた」など、一度の多くの糖質を摂ると、健康な人でも血糖値が高くなります。

原因が食事だとわかっており、一時的な症状なのであれば心配しなくて大丈夫です。

血糖値が上がりやすい食べ物

 

砂糖/ジュース/ホットケーキ/菓子パン など

一方、食事内容に関わらず「血糖値が140mg/dL以上」ある場合は、糖尿病・糖尿用予備群が疑われます。
医療機関で診てもらっていない方は、一度内科で相談するようにしましょう。

内科を探す

「食事」と「血糖値」の関係をわかりやすく解説!

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炭水化物などに含まれる「糖分」を摂取すると、それが血液中に入って体のエネルギーとして使われます。

血糖値が上昇すると、膵臓から「インスリン」という血糖値を下げるホルモンが分泌され、バランス調整が行われます。

「食後の血糖値上昇を“ゆるやか”にさせたほうがよい」のはなぜ?

専門家女性
血糖値の上昇をできるだけ“ゆるやか”にさせていると、インスリンの分泌に異常をきたしにくくなるため、糖尿病の予防につながります。

血糖値の上昇が急激であればあるほど、インスリンの分泌量は多くなります。
食生活の乱れなどで「インスリンの過剰な分泌」が繰り返されると、次第に分泌する力が弱くなっていき、「インスリン不足」に陥ることがあります。
これにより血糖値が下がらなくなると、「糖尿病」の発症につながります。

また、インスリンには余った糖を脂肪として蓄える働きがあるため、過剰な分泌が繰り返されると「肥満」の原因にもなります。

ドカ食いによる「血糖値スパイク」に注意!

「血糖値スパイク」で起こりやすい症状

  • 体がだるくなる
  • 眠くなる
  • 頭痛
  • 吐き気
専門家女性

一度に多くの糖質を食べると、「血糖値の急上昇」が起こり、インスリンの働きによって「血糖値が急降下」します。

この血糖値の乱高下は“血糖値スパイク”と呼ばれており、糖尿病を招く原因になると考えられています。

特に「空腹状態でのドカ食い」が習慣となっている人は要注意です。
血糖値スパイクが繰り返されると、次第に血管にダメージが加わっていくため、心筋梗塞などのリスクも上昇します。

また、砂糖・ブドウ糖のような単純糖質は早く消化吸収され、糖質の中でも血糖値スパイクになりやすい食べ物です。
甘いお菓子・ジュースを口にする回数が多い人は、摂りすぎに気をつけましょう。

食後の血糖値上昇をゆるやかにする4つの方法

専門家女性

食後の血糖値が高めな方には、

  • 1口あたり20回以上噛む
  • 副菜→主菜→主食の順で食べる
  • 摂取カロリーは変えず、1日の食事回数を増やす
  • 温かいものを食べる

といった対策をおすすめします。

対処法① 1口あたり20回以上噛む

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1口あたり最低20回は噛むように習慣づけましょう。

調理の際に具材を大きめにカットすると、噛む回数が増やしやすくなります。

よく噛まずに早食いをすると食後の血糖値が上昇しやすくなります。

対処法② 副菜→主菜→主食の順で食べる

副菜

野菜/きのこ/海藻 など

主菜

お肉/魚 など

主食

ご飯/麺/パン など

専門家女性

食事は、副菜→主菜→主食の順で食べ進めましょう。

炭水化物から食べるのはNGです。

野菜などの食物繊維が豊富な食べ物から食べると、胃の中で糖質の吸収をゆるやかにし、血糖値の急上昇を抑えることができます。

また、食物繊維は胃の中での滞在時間が長いため、満腹感を得やすく食べ過ぎの防止にもつながります。

対処法③ 摂取カロリーは変えず、1日の食事回数を増やす

専門家女性
摂取カロリーを変えずに1日5食にして、小分けで食事をとるようにしましょう。

1回あたりの食事の量を減らすと、その分血糖値の急上昇を防ぎやすくなります。

実践する際には、

  • 食事の間隔を4時間程度空ける
  • 「1日で最後の食事」が遅くなりすぎないようにする

といった点も守りましょう。

食器のサイズを小さくしてみよう! 

専門家女性

食事の回数を増やすと、1回あたりに盛る量が少なくなるものです。

量を調整する際は、普段使用している食器を「一回り小さいサイズ」のものに変えてみましょう。

食器のサイズを小さくすることで、「量が少なくなった」というストレスを軽減できます。

小さい食器がおすすめですが、子ども用の食器ではなくきちんとした大人用を選びましょう。
子ども用では食べた満足感が下がってしまい、逆効果になる恐れがあります。

対処法④ 温かい食べ物を食べる

専門家女性
食事をするときは、お味噌汁などの温かいメニューを1品つけるようにしましょう。

温かい食べ物は早食いすることが難しいので、自然とゆっくりと噛む食事となり、血糖値の急上昇を防ぐことができます。

お味噌汁にする場合は、野菜・きのこ・海藻などの「食物繊維が豊富な食べ物」を入れるとよいでしょう。
食物繊維は糖質の吸収をゆるやかにさせます。

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▼参考

e-ヘルスネット
「血糖値は食べて下げる 寝て下げる」田中俊一、浅野まみこ著 アスコム出版
「ズボラでも血糖値がみるみる下がる57の方法」板倉弘重著 アスコム出版

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