「ブロッコリーは栄養最強なの?」
「どんな効果があるの?」
ブロッコリーの栄養や効能などを、栄養士さんに聞いてみました。
一日に摂取する適量や、おすすめの調理法なども紹介します。
美肌作り、筋力アップを目指す方は必見です。
監修者
株式会社Luce
栄養士・食育栄養インストラクター
神原 李奈先生
経歴
株式会社Luce・健康検定協会 所属
CA(客室乗務員)の仕事をきっかけに、健康と食の強い結びつきを実感し、食の世界に興味を持つ。大手料理教室の講師の経験を経て、栄養士を目指すことに。栄養士免許を取得後の現在は、現役CAとして世界中を飛び回りながら、栄養士として健康や食に関する情報を発信している。
「ブロッコリーは栄養最強」と言われる理由
- ビタミンを豊富に含む
- 野菜なのにタンパク質たっぷり
などが理由として挙げられます。
その① ビタミンを豊富に含む
ブロッコリーには100gあたり140mgものビタミンCが含まれています。
厚生労働省が定める日本人の食事摂取基準(2020年版)において、成人は1日あたり100mgのビタミンCをとることが推奨されていますが、ブロッコリー70g強食べることで、この量をクリアできます。
\他の野菜と比べてみると…?/
※100gあたりのビタミンC量を記載しています。
- にんじん(皮なし・生)…6mg
- トマト…15mg
- じゃがいも(皮なし・生)…28mg
- ほうれんそう…35mg
- ピーマン…76mg
ブロッコリーに含まれるビタミンCの量が圧倒的に多いことがわかりますね。
摂らなきゃ損!?ビタミンCの効能
ビタミンCには、
- 体の酸化を防ぐ(老化防止)
- 鉄やカルシウムなどの吸収を助ける
- コラーゲンの生成を促す
- 免疫力を高める
などの効果が期待できます。
適量を摂取することは日々の健康のためにもおすすめです。
その② 野菜なのにタンパク質たっぷり
ブロッコリーには100gあたり5.4gもタンパク質が含まれています。
タンパク質の1日の摂取量は、厚生労働省が定める日本人の食事摂取基準(2020年版)において、1日成人男性(18-64歳)で65g、成人女性(18-64歳)で50gとることが推奨されています。
\他の野菜と比べてみると…?/
※100gあたりのタンパク質量を記載しています。
- にんじん(皮なし・生)…0.8g
- トマト…0.7g
- じゃがいも(皮なし・生)…1.8g
- ほうれんそう…2.2g
- ピーマン…0.8g
野菜でないですが、タンパク質の多いイメージがある「絹ごし豆腐」は、100gあたりのタンパク質量は5.3gです。
このことからも、ブロッコリーに含まれるタンパク質の量が圧倒的に多いことがわかりますね。
摂らなきゃ損?!タンパク質の効能
タンパク質は主に、内臓、筋肉、皮膚、髪の毛など体の材料となる栄養素です。
そのため、
- 筋肉を作るのを助けてくれる
- 代謝を上げてくれる
- 髪の毛が健康的になる
- 肌のターンオーバーを促して美肌を作る
などの効果が期待できます。
また、体の働きを調節するホルモンや酵素、抗体などの成分でもあり、体の健康のためにもタンパク質の摂取はおすすめです。
ブロッコリーを毎日食べると、肌にいい?
ブロッコリーを毎日食べることは、美肌作りにつながります。
肌の材料となる「タンパク質」、皮膚細胞の酸化を防いでコラーゲンの生成を促す「ビタミンC」など、お肌に欠かせない栄養が摂れるため、肌にいいといえるでしょう。
ブロッコリーを毎日食べると、筋肉が強くなる?
筋肉の材料となるタンパク質を含むため、筋力アップにつながります。
ただ、ブロッコリーだけでは十分とは言えないので、吸収率の良い動物性タンパク質が豊富な肉や魚、卵、大豆製品、乳製品なども上手に組み合わせる必要があります。
他にもある!ブロッコリーを食べるメリット
食物繊維を含むため、お通じがスムーズになる可能性があります。
また、糖質や脂質が少ないため、ダイエット中の方にもおすすめの野菜です。
食感もあるので、他の野菜に比べて満腹感を得やすい点も嬉しいですね。
注意。食べ過ぎると体臭が出ることも…
ブロッコリーを食べ過ぎると、魚の腐敗臭のような生臭い体臭・口臭がすることがあります。
これは、ブロッコリーに含まれる成分が、臭いを発する「トリメチルアミン」という物質を発生させるためです。
トリメチルアミンは肝機能の低下や、酵素の遺伝子的欠如により臭いを発生させることがあるとされています。
ブロッコリーは魅力的だけど、体臭が心配…
基本的に、食べ過ぎなければ体臭の心配はいりません。
自身の体調や、1日に摂取する適量などを考慮しながら取り入れるようにしましょう。
※遺伝的に酵素が欠如していたり、肝機能が低下していたりする人は避けたほうが良い場合があります。
一日の適量は?

ブロッコリーのみでは100g程度がよいでしょう。
1日あたりの野菜摂取目標量は350gなので、ほかの野菜にも体にとって必要な栄養素が含まれるのでバランス良く食べることをおすすめします。
マヨネーズのかけすぎに注意!
ブロッコリーを食べるときに、マヨネーズなどの「高脂質・高エネルギーの調味料」をかけすぎると、太る原因になります。
こってりとした味付けは美味しいので、ついかけてしまいがちですが、健康のためにも脂質の摂りすぎに注意しましょう。
栄養を逃さないための調理法
ビタミンCは水に溶けやすいので、スープや炒め煮など溶けだした水分まで摂取できる調理法がおすすめです。
冷凍しても大丈夫?
冷凍することでビタミン量が減る可能性があります。
できれば、調理してすぐに食べるようにしましょう。
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2022-11-28
健康診断で白血球が少ないと言われた…。
もしかして、ストレスが原因?
ストレスによって白血球が減ることはあるのか、お医者さんに聞いてみました。
病気が隠れている恐れもあるので、当てはまる症状がないかチェックしてみましょう。
白血球が少ない原因はストレス?
健康診断で「白血球の数が少ない」と指摘されました…。
ストレスが原因で白血球が減ることはあるのでしょうか?
いいえ、ストレスにより、白血球が減るというエビデンスはありません。
白血球の減少とストレスの関連性はないと考えられますが、もしご自身で、はっきりと「ストレスがある」と実感しているのであれば、早めに対策をとりましょう。
ストレスが溜まると、自律神経に乱れが生じ、さまざまな不調を引き起こす恐れがあります。
▼おすすめのストレス解消法
趣味に没頭する時間を作る
6~8時間程度の睡眠時間を確保する
アロマなどの好きな香りを取り入れてリラックスする
などを実践するとよいでしょう。
白血球の基準値はどれくらい?
日本人間ドック学会では、白血球の基準範囲を「3100μL~8,400μL」と定めています。
白血球が少ないと、どんなリスクがあるの?
白血球が少ないと、免疫が正常に働かなくなり、
感染症にかかりやすくなる
疲れやすくなる・体が冷える
眠れない
傷口が治りにくい
口内炎ができやすい・悪化しやすくなる
といったリスクが生じます。
風邪など病気が原因で白血球が減ることも
白血球が減っている場合、
風邪をひいている(細菌・ウイルスに感染している)
「白血球が減少する病気」にかかっている
といった原因が考えられます。
原因① 風邪をひいている(細菌やウイルスに感染している)
白血球は、細菌やウイルスを体の内部に入れないように戦ってくれています。
これらの病原菌に感染すると、白血球が使われて、一時的に減少します。
この場合は、一時的なものなので、生活を整えて体調を戻せば問題ないでしょう。
原因➁ 「白血球が減少する病気」にかかっている
白血球が少なくなっている場合、「白血病」「ガン」「膠原病(全身エリテマトーデスなど)」といった病気が潜んでいることもあります。
白血球の数値が3000μL以下の場合は、注意が必要です。
病気が隠れている場合、
倦怠感(だるい)
体温の低下
傷が治りにくい(口の中の傷を含む)
出血・鼻血が止まりにくい
などの症状があらわれることがあります。
※症状は病気によって異なります。
病院に行く目安は?
健康診断で白血球が「少ない」と指摘された場合は、病院で詳しい検査を受けましょう。
特に、下記に当てはまる場合は、何らかの病気が潜んでいるリスクがあります。
体調不良が続いている
長期間、治らない傷がある
出血した際に止まりにくい
全身のどこかに痛みを伴う部分がある
病気によっては、放置していると命に関わるケースもあります。
早期に治療を開始するためにも、早目に病院に行きましょう。
何科で相談すればいい?
「内科」または「血液内科」に相談しましょう。
病院では、再度の血液検査を行います。
数値に影響が出ることがあるため、再検査の前日は、過度の運動や体に負担のかかる活動は控えましょう。
アルコールも控えて、早めに就寝してください。
内科を探す
血液内科を探す
白血球の働きをサポートする「おすすめの食事」
食事では、白血球の働きをサポートしてくれる、
ビタミンC・E
ポリフェノール
などの栄養素を積極的に摂取することをおすすめします。
以下の食品には、ビタミンC・E、ポリフェノールが多く含まれています。
栄養素
豊富に含む食品
ビタミンC
ブロッコリー
じゃがいも
いちご
オレンジ
ビタミンE
卵
アボカド
オリーブオイル
アーモンド
ポリフェノール
緑茶
ブルーベリー
ココア
そば
「生もの」には注意しよう
白血球が少ない場合、免疫力が下がっていることが考えられます。そのため、食中毒のリスクがある「生もの」は避けましょう。
また、特定の栄養素ばかり摂取するのはよくないので、栄養バランスを考えて食事をとるようにしてください。
1日3食、主菜・副菜・主食を揃えると、栄養のバランスがとりやすいです。
「お酒を飲み過ぎない」ことも大切
過度の飲酒は、睡眠不足や食べ過ぎにつながりやすく、体の免疫を低下させる原因にもなります。
特に、白血球が少ない状態の人は、免疫力の低下が懸念されるため、お酒の飲み過ぎに注意してください。
アルコールの摂取量は、1日20g(ビール500mlを1本程度)を目安にしましょう。
胃腸の負担を減らすために、食後に飲むことをおすすめします。
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
e-ヘルスネット 厚生労働相アルコールの吸収と分解
e-ヘルスネット 厚生労働相アルコールの作用