指先が冷たい…男性でも末端冷え性になるの?
男性の指先が冷たくなる原因について、パーソナルトレーナーに聞いてみました。
末端冷え性を改善する方法も紹介します。
監修者
経歴
matou Tokyo ABM代表パーソナルトレーナー
アクティブボディメイク協会理事長
ビューティーボディアドバイザー
リズムボイストレーナー
男性の「指先が冷たい」原因は末端冷え性?
最近ずっと指先が冷たいです…。
女性に多いイメージがあるんですが、もしかして末端冷え性でしょうか?

末端冷え性は女性に多いですが、男性でも指先などの体の末端が冷えやすくなることはあります。
- 加齢や運動不足による筋肉量の減少
- 喫煙による末端の血管の収縮
- ストレスや不規則な生活による自律神経の乱れ
などが原因として考えられます。
心当たりは?「男性の末端冷え性」でよくある症状
- 手足だけ冷たい
- 手足が冷えて眠れない
- 便秘・下痢がある
- しもやけになりやすい
- 入浴後に手足がすぐ冷えてしまう
- 肩こり・腰痛がある
男性の冷え性は、肩こりや腰痛などの全身の症状があらわれて気づくケースも多いです。
末端の血管が収縮しているために、血行不良で冷えていることが考えられます。
「指先が冷たくなりやすい男性」の3つの特徴
上記に当てはまる男性は、末端冷え性になりやすいと考えられます。
特徴① 運動不足

運動不足の人は筋肉が低下し、基礎代謝が低下してしまいます。
基礎代謝が低下すると、「体温が下がる」「脂肪がつきやすくなる」ため、「冷えやすく温まりにくい体」になりやすいです。
特に、40代以降は加齢に伴って筋肉量が減少するため、末端まで血液が運ばれず、末端冷え性になりやすいので注意が必要です。
特徴➁ 生活リズムが不規則
不規則な生活を送っていると、自律神経のバランスが悪くなります。
自律神経の乱れは血流を悪化させるため、冷え性の原因となります。
通常、日中は交感神経が優位に、夜は副交感神経が優位になります。
このリズムを崩さないことが大切です。
自律神経を整えるポイント
- 起床時間・就寝時間を一定にする
- 6~8時間程度の睡眠時間を確保する
- 朝起きたら、日光を浴びる
- 1日3食、同じ時間に食事をとる
- 就寝1時間前くらいに、39~40度の湯船に15分程度つかる
特徴③ 腸内環境が悪い

ストレスや栄養不足などで腸内環境が悪くなると、「便秘」や「血流の悪化」を招き、末端冷え性につながります。
- 水を意識的に多く飲むようにする
- 1日3食、同じ時間に食事をとるようにして腸に刺激を与える
- 食物繊維の豊富な食品をとる
などを心がけて、腸内環境を整えましょう。
食物繊維が豊富な食品
- 玉ねぎ・大根・ごぼう
- キウイフルーツ
- わかめ・こんぶ 等
冷え性の改善に!5つの対策

- 手のツボ押し
- 1日30分、ウォーキングなどの有酸素運動を行う
- スクワットとストレッチを毎日行う
- 1日3食、主食・主菜・副菜のそろった食事をとる
- 39~40℃のお湯にゆっくり浸かる
上記の5つの習慣により、冷え性の改善や予防が期待できます。
おすすめ習慣① 手のツボ押し

虎口(親指と人差し指の間)と指間穴(人差し指から小指までの指の間)のツボを、反対の手の親指と人差し指でつまむようにして、10回程度押しましょう。
上記を行うと、ツボの刺激とマッサージ効果により、血行がよくなります。
冷えを感じたときや、就寝前に行うのがおすすめです。
末端の血管が温まり広がることで、冷えが緩和されます。
おすすめ習慣➁ 1日30分、有酸素運動を行う

1日30分、ウォーキング・ジョギングなどの有酸素運動を週3~5回程度行いましょう。
「ややきつい」と感じる程度の運動が効果的です。
習慣的に有酸素運動を行うことで、体が温まり、ふくらはぎの筋肉収縮により血行がよくなるため、冷え性の改善が期待できます。
有酸素運動は、生活に無理なく取り入れて、続けることが大切です。
夏であれば朝晩の涼しい時間帯、寒い時期なら昼間の温かい時間帯を選ぶと、気持ちよく運動できます。
平日働いている人なら、通勤時に数駅分歩いてみるなど、工夫して行ってください。
おすすめ習慣③ スクワットとストレッチを毎日行う
指先の冷え改善には、
が効果的です。
できるだけ毎日行うようにしましょう。
スクワットは太ももの大きな筋肉を鍛えられるので、発熱効果が高まります。
また、ストレッチで手指につながる筋肉をほぐすと、血流が良くなるため、冷えの改善が期待できます。
スクワット

- 足を肩幅より広めに開き、腕を前に伸ばす
- ひざが直角になるぐらいまで、腰をおろす
「①で息を吸い→②で息を吐く」をゆっくり30回ほど繰り返しましょう。
上記を1セットとし、1日2~3セット行いましょう。
スクワットは、ヒザを傷めないようにすることが大切です。
膝がつま先より前に出ないことを意識して、お尻を後ろにしっかり引くようにしながら、膝の曲げ伸ばしを行いましょう。
肩と腕のストレッチ


- 腕を上にのばし、ひじから先は頭の後ろにおろす
- もう一方の手で、ひじをつかみ支える(8秒間)
- 今度は腕を前にのばす
- もう一方の手で、ひじのあたりから胸のほうへ引き寄せる(8秒間)
①~④を、両腕とも4セットほど繰り返しましょう。
肩と腕のストレッチは、少なくとも1日1回行いましょう。
疲れ・冷えを感じたら、その都度行うとよいです。
おすすめ習慣④ 1日3食、主食・主菜・副菜のそろった食事をとる

栄養をバランスよく摂取することで代謝が上がり、冷えの改善につながります。
普段の食事では、
- 1日のうち1回は、大豆製品からタンパク質をとる
- お酢や香辛料を上手に使う
- お腹が空いたら、間食としてバナナなどの果物やヨーグルトを食べる
といったことも意識するとよいでしょう。
「お酢」や「香辛料」は代謝をよくする働きがあります。
「大豆製品」や「バナナ」に含まれるマグネシウムは、血管をしなやかにするので、血流をよくする助けになります。
なお、食事をよく噛むことで消化吸収の準備が整うため、ジュースやサプリメントは、補助的に活用したほうがよいでしょう。
おすすめ習慣⑤ 39~40℃のお湯にゆっくり浸かる

39~40℃のお湯に、15分程度浸かりましょう。
初めの5分は首まで、残りの10分はみぞおちまで浸かるとよいです。
入浴すると副交感神経が働き、末端の血管が広がって冷えが改善されます。
好きな入浴剤やリラックスできるアロマオイルを使ってみるのもおすすめです。
毎日の入浴が難しい場合は、2日に1回でも構いません。
要注意!手指のしびれ・痛みがでたら病院へ!
指先の冷え以外に、
- 手指がしびれる
- 手指に痛みがある
- 静脈に沿って赤くなっている
といった症状がある場合は、病院を受診しましょう。
この場合、動脈硬化などで、血管が「細くなっている」「詰まっている」おそれがあります。
放置し続けていると、血管が閉じて手指を切断しなくてはいけない事態に陥るケースもあります。
病院は何科に行けばいい?
「循環器内科」で受診しましょう。
循環器内科は、血管などの循環器系の病気の治療を専門としています。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
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2022-07-28
「体温が35度台だけど、これって何かの病気?」
体温が低い男性によくある原因について、お医者さんに聞いてみました。
食事・運動など生活でのアドバイスも載せていますので、「体温を上げたい」という人は必読です。
なぜ?男性にも多い「体温が低い」原因
体温が低い原因として
栄養不足
運動不足
不規則な生活を送っている
ストレスがたまっている
などが考えられます。
「栄養不足」や「運動不足」は、血液の流れを悪くし、新陳代謝を低下させます。
これにより、熱を生み出して体温を維持することが難しくなると、低体温を引き起こします。
また、「不規則な生活」や「ストレスフルな生活」は自律神経の乱れを招き、体温調節機能が低下する原因となります。
「平熱35度台」は、正しく測れていないケースが多い
一般的に「35度台が平熱」という方は、ほぼいません。
35度台が続く場合、体温計の測り方が間違っている可能性も考えられます。
※服の襟元から体温計を入れると、正しく計測できないことが多いです。
計測の際には、体温計を体の下側から脇に入れ、「体温計の先端を脇の中心に当てる」ようにしましょう。
体温が低いと、どうなる?
体温が低いと、代謝が下がって免疫力が低下しやすくなります。
乱れた生活に心当たりがある場合には、早めの改善をおすすめします。
低体温を改善するにはどうしたら?
早寝早起きして、生活のリズムを整える
1日3食、バランスよく食べる
1日30分・週2回の運動
ストレスをためない
シャワーだけでなく湯船につかる
体温を高めるためには、自律神経を整えたり、筋肉をつけたりすることが大切です。
まずは、上記の5つの生活習慣を心がけてみましょう。
対策① 早寝早起きして、生活のリズムを整える
日中はしっかりと活動し、夜は早めに寝るように心がけましょう。
早寝早起きをすると、自律神経が整うため、体温調節機能がうまく働きます。
また、平日も休日もできるだけ同じリズムで生活しましょう。
家の中でばかり過ごさず、散歩や買い物に行くなど、日中の活動量を増やすと入眠しやすくなります。
対策② 1日3食、バランスよく食べる
食事は1日3回とるようにして、主食・主菜・副菜をバランスよく食べましょう。
「和定食」をイメージすると、バランスよく栄養をとれるのでおすすめです。
体温維持に必要な栄養素をしっかりとることで、体が熱を生み出し、低体温の改善につながります。
特に、タンパク質が豊富な肉・魚・卵などを意識的に食べるようにしてください。
対策③ 1日30分・週2回の運動
1日30分・週に2回以上の運動を行いましょう。
特に下半身の筋肉をまんべんなく鍛えられる「スクワット」がおすすめです。
筋肉をつけることで、体温を高める働きが向上し、低体温の改善につながります。
ジムのトレーナーなど、専門家にサポートしてもらうのもよいでしょう。
スクワットの正しいやり方
肩幅より広く足を開く
つま先は少し外側に向ける
膝がつま先より前に出ないようにお尻を下げる
目線はまっすぐのまま、膝を45度曲げる
上記を10回で1セットとし、2~3セット行いましょう。
対策④ ストレスをためない
好きな音楽をきく
ゆっくりお風呂につかる
友人と話す
など、好きなことをしてストレスをためないようにしましょう。
自律神経のバランスを整えることで、体温調節機能がうまく働くようになります。
対策⑤ 入浴はシャワーだけでなく湯船につかる
湯船につかると、血行がよくなり、睡眠の質が向上するため、低体温の改善につながります。
入浴のタイミングは、就寝の2~3時間前までがおすすめです。
目安として、38度のぬるめのお湯に25~30分つかるとよいです。
40度以上の熱めのお湯であれば、5分程度にしましょう。
体の不調があったら、「内科」で相談を!
倦怠感・疲れやすい
無気力
眠気が強い
体が冷えるようになった(寒がりになった)
皮膚の乾燥
毛が抜ける
太る・むくむ
「体温が低い」場合に上記の症状を伴うときは、内科で受診しましょう。
この場合は、甲状腺機能低下症の疑いがあります。
甲状腺ホルモンが不足すると活動性が鈍くなり、体温が低くなることがあります。
甲状腺機能低下症が悪化すると、全身の臓器の働きが低下して、不調が強く出るようになります。
さらに脳の働きが低下して、精神面に悪影響を及ぼす場合もあります。
心当たりのある人は、放置せず受診するようにしましょう。
受診時に伝えるとよいこと
いつ頃から体温が低いのか
体温が低い以外にも症状があるか
時間の経過とともに、どのように症状が変わっているか
これまでにかかった病気・治療中の病気
服用中の薬
上記を伝えると、病気の診断がスムーズに進むと考えられます。
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▼参考
オムロン ヘルスケア株式会社 体温が35℃台と低めです。低いままだと何か問題があるでしょうか?
MSDマニュアル家庭版 低体温症