【歯の神経が死んでいるか自分で確認する方法】色・痛み・症状をチェック

更新日:2023-08-31 | 公開日:2021-12-28
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【歯の神経が死んでいるか自分で確認する方法】色・痛み・症状をチェック

「歯の神経が死んでるかも…」
「神経が死んでいるか確認する方法はある?」

歯の神経が死んでるのか確認する方法を、歯医者さんに聞いてみました。
5つのセルフチェックで自身の症状を比べてみましょう。

「最近、痛みがなくなったは、歯の神経が死んでいるサインかも!

監修者
菊地 由利佳 先生


歯科医

菊地 由利佳先生

経歴

歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。

「歯の神経が死んでいる」症状のセルフチェック

医師女性
次のような症状がある場合、歯の神経が死んでいる可能性が疑えます。
自身の症状をチェックしていきましょう。
  1. 歯が変色する
  2. 冷たいもの、熱いものを感知できなくなる
  3. 歯の痛みがなくなる
  4. 歯の根元の歯茎がぷっくりと腫れることがある
  5. 触ったり叩いたりしても感覚がない

症状① 歯が変色する

医師女性
神経が死んでしまうと歯が変色して、黒っぽい、茶色っぽい、グレーなどに見えることがあります。

通常の神経が生きている歯は、白く陶器のような透明感があります。

\神経が死ぬとなぜ歯が変色するの?/

 

歯の神経が死ぬと血液中の鉄分が変色します。

歯の色が暗く見えるのは、変色した鉄分が透けて見えるからです。

症状② 冷たいもの、熱いものを感知できなくなる

医師女性
歯の神経には「温度を感じる線維」があるため、神経が死ぬと温度を感知することができなくなります。

「食事のときに歯がしみて痛かったのに、最近は痛みがない」という人は、神経が死んでいることが疑えます。

症状③ 歯の痛みがなくなる

医師女性
歯の神経で「痛みを感じる」ため、神経が死ぬと虫歯などの歯の痛みがなくなります。

神経が死んで歯の痛みがなくなるまでには、症状の段階があり、

  1. 歯が痛む(冷たいものがしみる等)
  2. 何もしていなくても歯が強く痛む
  3. 歯の痛みがなくなる

という順に症状が変化していきます。

1~2の段階は、細菌感染によって歯の「細い神経」から「太い神経」まで炎症が進んでいることを意味します。
3の段階は、神経が死んで痛みがなくなった状態です。

症状④ 歯の根元の歯茎がぷっくりと腫れる(フィステル)

医師女性
神経が死ぬと、繁殖した細菌によって歯の根に「膿」が溜まります。
その膿が歯の根元の歯茎に流れて、ぷっくりと腫れることがあります。

このぷっくりとした腫れは、「フィステル」といいます。

\「フィステル」と「歯肉炎」の見分け方/

 

歯茎の腫れが「フィステル」の場合、ぷっくりと腫れた歯茎の表面に小さな穴のようなものができていることがあります。これは、フィステルの中身である膿の出口です。

 

「歯肉炎」の場合、歯茎が赤くなり、歯茎の腫れ出血などの症状がみられます。

症状⑤ 触ったり叩いたりしても感覚がない

医師女性
歯の神経には「外的刺激を感じる」働きがあるため、神経が死ぬと触ったり叩いたりしても感覚がなくなってしまいます。

虫歯で神経が死んでいないうちは、歯ブラシなどが触れると歯が痛くなります。
しかし、虫歯がさらに進行して神経が死んでしまうと、その痛みもなくなっていきます。

生きている歯・死んでいる歯の違いまとめ

 

感覚

痛み

神経が生きている歯

白い、透明感がある

冷たく感じたり、熱く感じたりする

・感染を起こしていなければ痛みはない

・虫歯が神経まで到達すると痛む

神経が死んでいる歯

茶色、黒い、グレーなどに変化してくる

感覚がなくなる

・痛みはなくなるが、歯はもろくなる

・虫歯などがある場合痛みを感じないので進行しやすい

よく聞く“半分死んでいる”状態って?

 

歯のトラブルで神経が死ぬ場合、「感覚が鋭い細い神経」が先に死んで、その後に「感覚が鈍い太い神経」が死にます。

半分死んでいる状態は、細い神経が死んで太い神経がまだ生きている状態です。

 

神経が半分死んでいるときの「自覚症状」としては、

  • 痛みが一時的に収まった
  • 症状が楽になった

ような感覚になります。

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思い当たる?歯の神経が死んでしまう原因

医師女性

歯の神経が死んでしまう原因として、

  1. 虫歯
  2. 歯への衝撃・外傷
  3. 歯周病
  4. 歯ぎしり・食いしばり

などが考えられます。

原因① 虫歯

医師女性
虫歯は歯の表面から内部に向かって広がっていきます。
歯の内部には歯髄という神経の通り道があるため、虫歯が進行していくと神経に感染し、神経が死んでいきます

<虫歯の主な症状>

  • 歯が黒っぽくなる
  • 歯がズキズキと痛む
  • 冷たい・甘いもので歯が痛む

など

原因② 歯への衝撃・ケガ

転倒などで歯に強い衝撃を受けると、歯の神経や血管がダメージを受けて、徐々に死んでしまうことがあります。

原因③ 歯周病

医師女性
歯周病が進行すると、歯周病菌が増殖し勢力が強くなります。
すると神経にまで炎症が達して、後に神経が死んでしまうことがあります。

<歯周病の主な症状>

  • 歯茎が赤く腫れる
  • 歯茎から膿や血が出る
  • 歯茎が下がって歯が長く見える

など

原因④ 歯ぎしり・食いしばり

歯ぎしりや食いしばりで、歯に強い圧迫を与えていると中の神経も圧迫を受け、その状態が長く続くことで神経が死んでしまうことがあります。

歯の神経が死ぬまでにかかる期間

医師女性
個人差がありますが、虫歯を放置した場合で半年〜1年ほどの期間で神経が死ぬケースが多いです。

ただし、歯磨きの仕方や食生活、免疫力の低下などでも虫歯の進行スピードが変わるため、期間はあくまでも目安として考えましょう。

神経が死んだ歯の放置は危険…

医師女性

神経が死んだ歯を放置すると、

  • 細菌感染が顎の骨などの歯以外にも拡がる
  • 血液を介して脳や心臓に深刻なダメージを与える

など、危険なリスクが高くなります。

自身の体の負担を抑えるためにも、早めに歯医者で受診しましょう。

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 歯医者さんを「早めに受診すべき」目安

医師女性

「歯の神経が死んでいるかも…」と感じている場合、

  • 歯が変色してきた(黒、茶色、グレーっぽい色味)
  • 以前あった痛み、不快感が無くなった
  • 温度を感じなくなった
  • 触っても感覚がなくなった

などは、神経が死んでいる可能性が疑えるため早急に歯医者で受診しましょう。

なお、「歯を残す」ためには、神経が死ぬ前の歯の痛みがある段階で、歯医者に行くことが一番です

痛みがあるうちに受診しましょう

  • 歯に穴が開いている
  • 歯茎が腫れている
  • 冷たい、甘い、温かいものがしみる
  • 歯ブラシが当たると痛む
  • ズキズキとした激しい痛みが続く

などは、神経が死ぬ前に感じる症状です。このような症状がみられたら早めに歯医者で受診しましょう。

上記の症状があらわれている場合、虫歯が歯の「象牙質」や「神経」まで進行していると考えられます。
歯を失うリスクを避けるには、痛みがあるうちに治療を受けることが大切です。

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 「神経の治療がこわい!」歯医者さんでは、どんな治療をするの?

医師女性
歯医者では、歯の神経の治療である「根管治療」が主に行われます。
治療の流れや費用などの詳細を解説します。

「根管治療」の流れ

医師女性
綺麗に神経を取り除き、同時に薬を入れて細菌を殺して歯の内部を綺麗にします。

費用の目安

1本の治療につき1回500円〜3,000円程度です。

治療完了まで4~5回かかります

通院回数・治療期間の目安

週に1回の通院で、治療期間は1ヶ月〜1ヶ月半ほどかかります。
神経は細かいので一度ではなく、何度か通院して治療を進めます。

治療後に気をつけること

医師女性
根管治療後は、神経を失って痛みを感じないため、気づかないうちに虫歯などが進行しやすいです。
そのため、口の中を清潔に保つようにして細菌を抑えましょう。

また、歯医者の定期検診に通って、歯の異常を早めに見つけてもらうようにしましょう。

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