お腹が痛い…。
トイレから動けない…。
「下痢を出し切る方法を教えて!」
下痢を全部出すためにはどうすればいいのか、お医者さんに聞きました。
「ただの下痢」と思っていたら、実は重い病気が隠れている可能性もあります。
病院に行く目安も解説しますので、ぜひ最後まで読んでください。
監修者
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医
岡村 信良先生
経歴
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
ちょっと待って!こんな下痢には要注意!
下痢に伴って、
がある場合は、自分で対処しようとせず、病院に行きましょう。
下痢を出し切る方法はある?
下痢がつらいです。
下痢を出し切りたいのですが、いい方法はありませんか?
下痢をしているときは、無理に出そうとせず、安静にして過ごしてください。
下痢を早く出し切るという方法はありません。
まずは「お腹を温める」「安静にする」の2点を行いましょう。
早く治したい場合は、病院に行って原因を突き止めるのが先欠です。
下痢をしたら…この3つを守ろう!
下痢のときは、次の3つを心がけてください。
1.水分補給
下痢により体内の水分が失われるため、脱水症状にならないよう、水分をこまめに摂るようにしましょう。
効率よく糖質や電解質を摂取できる経口補水液がおすすめです。
2.栄養補給(食事がとれる状態であれば)
脱水症状を起こしていると体に必要な栄養素が失われてしまいます。消化のよいものを食べましょう。
※消化の良いもの…食物繊維や脂肪分の少ない食材がおすすめ。材料を細かく切り、煮る・蒸す・茹でるなどし、やわらかく仕上げるとよいです。
3.保温
お風呂に入ったり、腹巻やカイロを使ったりすると良いでしょう。
市販薬は使っていい?
むやみに薬をするのは避けましょう。
早く治そうとして下痢止めを使用すると、原因となっているウイルスや細菌が体内にとどまり、症状が悪化する恐れがあります。
また、下剤の使用は、腸を刺激することで症状を悪化させて、脱水症状を引きおこす可能性があります。
なぜ?下痢が止まらない…もしや病気?
「出しても出しても下痢が止まらない…。」
そんなときは、単なる下痢ではなく、次のような病気の可能性もあります。
病気1.感染性胃腸炎
嘔吐や下痢が主な症状です。
37~38度の発熱、腹痛、脱水症状などが起こることもあります。
自分でできる対処法
安静にして過ごしましょう。
もしも嘔吐している場合は、嘔吐したものが喉につまらないよう横向きに寝るようにしてください。
こんなときは病院へ
嘔吐や腹痛などの症状が重い場合や、安静にしても2日以上改善しない場合は、病院に行きましょう。
ただし、嘔吐や下痢などで脱水症状を起こしたり、耐えられない痛みの場合は早急にいきましょう。
病気2.下痢型過敏性腸症候群(IBS)。
ストレスや緊張が原因で、お腹の痛みや不快感、下痢、便秘、吐き気、嘔吐といったの症状があらわれます。
自分でできる対処法
規則正しい生活、良質な睡眠、適度な運動を心がけましょう。暴飲暴食を避け、糖質や脂質の多い食品や香辛料も控えてください。ストレスをためないようにすることも大切です。
こんなときは病院へ
過敏性腸症候群を疑う場合は、一度医療機関を受診するといいでしょう。専用の内服薬などもあります。
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過敏性腸症候群とは、どのような病気なのかを分かりやすくまとめました。
過敏性腸症候群の主な症状も紹介するので、当てはまるものがないかチェックしましょう。
過敏性腸症候群とは
過敏性腸症候群とは、腹痛・腹部の不快感・便秘・下痢などを何度も繰り返してしまう病気です。
特にストレスを感じたときに発症しやすい傾向があります。
以前はなかった病気で、近年では若い人を中心に発症を増やしています。
検査で異常が見つからない点も特徴です。
過敏性腸症候群の症状チェック
お腹の痛み
お腹の不快感
下痢
便秘
吐き気・嘔吐
過敏性腸症候群の原因
根本的な原因は未だ不明ですが、発症にストレスが関わっていると言われています。
どの年代でも発症しますが、20〜30代の若い世代を中心に患者さんが増えています。
特に、ストレスに敏感な人、仕事が忙しい人に発症しやすい傾向があります。
過敏性腸症候群になりやすい人
不規則な生活を送っている
疲労・ストレスがたまっている
睡眠時間が短い
不規則な生活や疲労・ストレスは自律神経を乱しやすいため、過敏性腸症候群を引き起こしやすくなります。
過敏性腸症候群は自分で治せる?病院行くべき?
過敏性腸症候群の場合、腸自体に問題はないため、すぐに治療が必要なわけではありません。
ただし、長期間症状が続くと、それ自体がストレスとなって自律神経がさらに乱れる原因となります。過敏性腸症候群を疑う症状が続く場合は、病院で相談しましょう。
過敏性腸症候群の治し方
一日三回バランスの良い食事を摂りましょう
十分な睡眠をとりましょう
ストレスは溜めずに発散しましょう
定期的に運動をしましょう
市販薬を使ってもいい?
過敏性腸症候群に対する市販薬もあるため、症状が軽い場合は使用してもよいと考えられます。
ただし、市販薬を使用できるのは、医師による診断を以前に受けたことがある人に限ります。
また、市販薬を使用する場合は、自己流の治療で症状を悪化させる可能性もあると念頭に置いておきましょう。市販薬で症状が良くならない場合は、必ず病院を受診してください。
こんな症状は早く病院へ
排便のリズムが定まらない
ストレスを感じると便意を催す
急に便意を催すことが頻繁にある
腹痛を伴う下痢、便秘を数日間で何度も発症している
上記に該当する人は、医療機関の受診をおすすめします。
病院は何科?
過敏性腸症候群が疑われる場合は、消化器内科を受診しましょう。
まずは、他の消化器疾患がないかを確認することが大切です。過敏性腸症候群が疑われる場合、一度は胃腸内科、消化器疾患を受診することが望ましいでしょう。
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胃腸内科を探す
病院での治療法は?
生活習慣を見直しても症状が良くならない場合、薬を使用して治療します。
過敏性腸症候群では、一般的には消化管の機能を調節する薬や、プロバイオティクス(※)などが処方されます。
ガス型の症状に対しては、ガスを吸着する薬としてガスコンという薬が使われます。その他、漢方薬の処方で症状が良くなる人もいます。
また、ストレスが原因の場合や、うつ症状がある場合には抗不安薬や抗うつ薬を使います。
プロバイオティクスと抗不安薬を組み合わせた治療をすることもあります。
(※)プロバイオティクス…人間や動物の体に対して、良い働きをする生きた微生物のこと
深刻な病気のケースも
下痢の症状が頻繁に起こる場合、次のような重い病気を発症している可能性もあります。
深刻な病気1.潰瘍性大腸炎
大腸の粘膜に炎症が起こる難病です。
血や粘液を含む下痢や腹痛、便意切迫感が主な症状です。重症化すると、発熱、体重減少、貧血などが起こる場合もあります。
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潰瘍性大腸炎とは、どのような病気なのかを分かりやすくまとめました。
潰瘍性大腸炎の主な症状やなりやすい人、原因なども紹介するので、心当たりがないかチェックしてみましょう。
潰瘍性大腸炎とは
潰瘍性大腸炎とは、大腸に炎症ができ、表面が赤く腫れたり、潰瘍ができたりする疾患です。
初期段階は、下痢と便秘を繰り返すことが多いのですが、症状が悪化すると血便や下血が現れる場合もあります。
どんな痛み?潰瘍性大腸炎の症状
下痢
血便(赤黒い色の血便、粘血便)
激しい腹痛
下腹部の違和感
発熱
倦怠感
貧血
脱水
食欲低下
体重減少
下痢と血便を主症状として、激しい腹痛を伴うケースが多いです。
ゼリー状の粘液のような血便が出る場合もあります。
悪化すると、1日10回以上血便が出るようになります。
潰瘍性大腸炎の原因
潰瘍性大腸炎の発症原因は未だ明確になっておらず、国の指定難病に定められています。
考えられる原因としては、免疫異常・遺伝的要因・環境要因が挙げられます。
潰瘍性大腸炎になりやすい人・性格は?
ストレス過多・ストレスを感じやすい
腸内細菌のバランスが崩れている
生活習慣が乱れている
家族が潰瘍性大腸炎やクローン病を発症している
発症に男女差はなく、男性の発症ピークは20~24歳、女性の発症ピークは25~29歳にみられます。
ストレスが潰瘍性大腸炎の直接的な原因となるわけではありません。
ただし、過剰なストレスは腸内環境の悪化や免疫力の低下につながるため、潰瘍性大腸炎の発症に影響するという意見もあります。
「ストレスが溜まっている」「ストレスを感じやすい性格」などの自覚があり、潰瘍性大腸炎の症状が見られる場合は、注意が必要です。
家庭内で発症するケースもあり、遺伝的因子も関与すると考えられています。
そのため、家族に同様の病気の人がいると、発病のリスクが高くなる可能性があります。
▼参考
潰瘍性大腸炎(指定難病97)
潰瘍性大腸炎とは?症状と予防のために気をつけたい注意点を解説
潰瘍性大腸炎について- どのような病気か分かりやすく解説! -
潰瘍戦大腸炎を疑う場合は病院へ
潰瘍性大腸炎は再発しやすく、重症化して手術が必要になる場合もあるため、早めに病院を受診してください。
潰瘍戦大腸炎を疑う場合は、内科・消化器内科・胃腸内科の受診をおすすめします。
内科を探す
潰瘍性大腸炎の治療法
潰瘍性大腸炎の治療では、「薬物治療」や「手術」が行われます。
薬物治療は、大腸の炎症を抑える薬、免疫機能を調整する薬などを使用します。
薬が効かない、症状が重いなど、薬物治療で対処できない場合に、大腸を全摘出する手術が行われることがあります。
深刻な病気2.大腸がん
大腸の粘膜に発生するがんで、便秘と下痢を繰り返します。
そのほか、下血や血便、残便感、腹痛、腹部膨満感、貧血、体重減少などが起こります。
逆に全く症状がないこともあります。
こんな症状は病院へ!
次のような症状がある場合は、早急に病院で処置を受ける必要があります。
- 激しい下痢をしている。
- 血が混じった便が出る。
- 吐き気や嘔吐が止まらない。
- 発熱している。
- 排便しても腹痛が続く。
- 症状が悪くなっている、もしくは、良くなる兆しがない。
- 脱水症状を起こしている。
- 水分補給ができない状態である。
※このような症状がなくても、子どもや高齢者の場合や、心臓病や糖尿病、腎臓病にかかっている人は、病院に行きましょう。
何科を受診する?
消化器内科を受診してください。