揺れてないのに“揺れている感覚”になる…これは大丈夫?
原因として考えられる病気をお医者さんに聞きました。
「病院に行ったほうがいい?」「何科を受診すべき?」という質問にも答えます。
監修者
経歴
平成14年福井医科大学(現福井大学医学部)卒業
岐阜大学高齢科神経内科入局後松波総合病院にて内科研修、
岐阜大学高次救命救急センター出向。
美濃市立美濃病院内科。
東京さくら病院及び同認知症疾患センター勤務の後
令和元年7月かつしかキュアクリニック開業。
なぜ?揺れてないのに揺れている感覚
耳の奥にある内耳や脳に異常が起こると、揺れていないのに揺れている感覚が生じます。
体の平衡感覚が失われて、自分の位置・運動を正確に感じることができなくなるからです。
すぐに病院に行くべき?
一時的なものであれば大丈夫です。
揺れている感覚が何日も続く場合や、日常に支障をきたす場合は病院に行きましょう。
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「病気」の可能性も
実際には揺れていないのに揺れているような感覚になるのは
- メニエール病
- 良性発作性頭位めまい症
の可能性が高いです。
ストレスが原因に!「メニエール病」
突然、回転するようなめまいが30分~数時間持続し、その後もめまいが繰り返し生じる病気です。
ストレスや過労がきっかけで、発症することが多いです。発作を繰り返すと、高度の難聴になる恐れがあります。
内耳にあるリンパ液の量が過剰になりむくみを起こすことが原因で、揺れる感覚などの症状を引き起こすと考えられています。
メニエール病は、2週間以内に治療を開始しなければ、難聴が残る可能性があります。
メニエール病を疑う場合は、必ず病院で検査を受けましょう。
主な症状
- 回転するようなめまい
- 耳鳴り
- 難聴
- 耳がつまったような感覚
- 吐き気
自分でできる対処法
めまいが起きた時は、無理に動かず、安静にしてください。
音や光などの刺激を避けて、目を閉じて横になり、しばらく休みましょう。
また、日常生活では、睡眠不足やストレスを避け、ジョギングなど軽い運動をするなどの対策も大切です。
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2023-02-28
メニエール病ってどんな病気?
どうしたら治るの?
メニエール病について、分かりやすくまとめました。
症状のセルフチェックや発症しやすい人の特徴も解説するので、メニエール病の可能性がある人は必見です。
メニエール病とは
メニエール病とは、耳の中にある「内耳」という平衡感覚を司る器官に、リンパ液が溜まっている状態です。
平衡感覚に異常が生じ、自分や周囲がぐるぐると回っているような「回転性のめまい」が起こります。
メニエール病の症状チェック
自分や周囲がぐるぐる回るようなめまい
めまいの長さが、「数十分〜数時間以上」
何度もめまいを繰り返す
耳鳴りがする
難聴発作(突然、耳が聞こえにくくなる)
耳の閉塞感
吐き気・嘔吐
上記の症状に当てはまる場合、メニエール病の可能性があります。
一旦治まっても再発することが多く、症状が繰り返しあらわれます。
▼参考
MSDマニュアル
メニエール病について
メニエール病の原因は?どんな人がなりやすい?
原因やきっかけは今のところわかっていませんが、疲労・ストレス・睡眠不足などで発症しやすいといわれています。
30〜50歳代の女性
自分をおさえ、熱心に仕事をする人
ストレスを溜め込みやすい人
忙しい生活をしている人
に多い傾向があります。
メニエール病を疑う場合の対処法
ゆっくり休養を取ることが大切ですが、まずは医療機関で原因を確認しましょう。
メニエール病は、治療しないと治らない病気です。
放置すると、最初は片方の耳のみだった症状が、もう一方の耳にも発症してしまう恐れがあります。
病院で受ける治療法
メニエール病は、薬を使って治療することが多いです。
浸透圧利尿薬・循環改善薬・抗不安薬などを使用します。
「内耳へ直に薬を投与する治療」や「手術療法」を行うこともあります。
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治るまでの期間は?
早期に治療を開始できれば、2週間程度で快方に向かう人も多いです。
※治療を受けても完全には治らないケースもあります。
早く治すためにはセルフケアも大切!
ストレスを溜めない
6~8時間の睡眠をとる
水分補給をする
上記3つを心がけましょう。
水を多く飲むことで、内耳の水はけがよくなると考えられています。
男性は1日2リットル、女性は1日1.5リットルほどの水分をとりましょう。
一度に大量に水分を補給するのではなく、こまめに水分をとることが大切です。
加齢や運動不足で起こる「良性発作性頭位めまい症」
頭を動かした時に、回転するようなめまいが短時間生じる病気です。
本来、内耳にある耳石(炭酸カルシウムの結晶)が剥がれ落ちて半規管などに入り、過剰に刺激されることで、揺れる感覚を引き起こします。
加齢や、頭部の外傷、運動不足、骨粗しょう症などによるカルシウムの代謝異常が原因で発症します。
主な症状
自分でできる対処法
耳石を、症状が起こらない場所に移動させるために、この体操をおこないましょう。
- 仰向けで寝て、10秒数える
- 首だけ90度右に回して、10秒数える
- 体も90度右に回して、10秒数える
- 仰向けの状態に戻って、10秒数える
※左側も同じように行う
1日に2~3回、おこないましょう。
めまいを生じていても、頭を動かすことで症状がおさまるケースもあるため、怖がらずに体操しましょう。
病院に行く目安
- めまいを繰り返す
- 耳鳴りがおさまらない
- 吐き気・嘔吐
- 耳の聞こえが悪い
というときは、病院に行きましょう。
特に「早急に病院に行くべき」症状
- 物が二重に見える
- ろれつが回らない
- 手足がしびれる
- メニエール病の疑いがある
という場合は、なるべく早く病院に行きましょう。
病院は何科?
耳鼻いんこう科を受診してください。
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早期受診のメリット
早期に病院に行くと、医師の診断により適切な治療を受けられるため、病気の進行を防ぎ、早い回復が期待できます。
また、隠れた重い病気の発見にもつながります。
早く安心を得るためにも、一度病院で検査を受けましょう。
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2020-05-07
めまいと吐き気の症状がつらい…。
お医者さんに、症状の原因と「どう対処すべきか」を聞きました。
ストレス?それとも病気?女性特有の症状かも。
それぞれの症状の特徴についても解説します。
めまい&吐き気は「ストレス」が原因かも!
過度のストレスにより、めまいや吐き気が生じる場合があります。
ストレスのせいで、自律神経が乱れる、消化器系の機能が低下する、内耳の平衡感覚器が血流不全になる等の理由で起こります。
めまい&吐き気の「対処法」
めまいや吐き気が生じた場合、まずは深呼吸をして、安静にし、水分補給をしましょう。
その他、普段の生活から
ストレスを抱え過ぎない
十分な睡眠をとる
適度な運動をする
ことを心掛けることも大切です。
この方法で症状が落ち着くケースもありますが、めまいや吐き気の症状の裏には、重篤な疾患が隠れている恐れもあります。
気になる症状があるときは、早めに病院を受診してください。
女性特有の原因「ホルモンバランスの変化」のケース
女性は、ホルモンバランスの変化等の理由で、
月経
片頭痛
自律神経症状
良性発作性頭位めまい症
によってめまいを起こしやすいです。
1.月経
月経による出血でヘモグロビンが減少し、貧血を起こしやすい状態になります。
また月経時、プロスタグランジンが過剰分泌されて胃腸の収縮が活性化すると、吐き気を伴う場合があります。
体内の血液量不足が原因で起こる虚血性貧血の場合も、吐き気を伴うめまいが生じることがあります。
2.片頭痛
片頭痛によって、回転性のめまいが起こる場合があります。
3.自律神経症状
月経前症候群(PMS)や更年期障害の場合、ホルモンの変化が原因で自律神経機能が乱れると、自律神経症状が出現しやすくなると考えられています。
4.良性発作性頭位めまい症
朝起き上がるとき、寝返りをうったとき、横になったとき等、急に頭を動かすことで起こる回転性のめまいで、数秒から数十秒ほど持続します。
50~60歳代の女性に多くみられる症状で、更年期に伴う女性ホルモンの異常、カルシウム代謝異常等が関与していると考えられています。
めまい・吐き気が続く「病気」のケース
めまいや吐き気の症状は
起立性調節障害
前庭神経炎
脳疾患
メニエール病
椎骨脳底動脈循環不全症
突発性難聴
などの病気によって引き起こされることもあります。
めまいと吐き気を放置すると、とりかえしがつかなくなることもあります。
例えば「メニエール病」の場合、めまい発作を繰り返すと症状が悪化し、5~10年ほどで高度難聴を発症する恐れがあります。
また、「突発性難聴」の場合は、治療開始が遅れると、聴力回復が困難になることもあります。
疑わしい症状がある際は放置せず、早急に耳鼻いんこう科等を受診してください。
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病気①起立性調節障害
低血圧の方、思春期の子ども、若年成人に多くみられます。
起床時にフラッとする、長時間の立ち仕事や学校の朝礼で突然目の前が暗くなりフラッとする(立ちくらみ)状態です。
自律神経の調節障害、血圧低下、貧血等によって、脳への血流量が不足すると起こります。
病気②前庭神経炎
突如、驚くほどの回転性めまいが1分以上続き、吐き気、嘔吐を伴います。
症状は数日間続くケースが多く、改善までに1週間ほどかかり、入院が必要な場合もあります。
前庭神経にヘルペスウイルスが感染したことが原因で起こると考えられています。
<症状>
めまい・吐き気・嘔吐・ふらつき・耳鳴り・難聴 等
耳鼻いんこう科を受診しましょう。
炎症を抑えるためにステロイド薬の投与が有効と考えられています。
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病気③脳疾患
小脳や脳幹に異常が生じると、回転性のめまいが起こる場合があります。
<症状>
めまい・頭痛・意識低下・物が二重に見える・呂律がまわらない・運動障害 等
病院は脳神経外科を受診しましょう。
血栓溶解療法により血管詰まりを改善する、血栓が生じないようにする薬を用いた治療等が行われます。
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病気④メニエール病
30~50歳代に多いです。
めまい発作を繰り返し起こすケースが多く、精神的ストレス・疲労・睡眠不足等が原因になる場合があります。
明確な原因はわかっていませんが、内耳が腫脹する(内耳のリンパ水腫)ことで回転性のめまいが起こると考えられています。
<症状>
めまい・吐き気・嘔吐・難聴・耳閉塞感・耳鳴り 等
耳鼻いんこう科を受診しましょう。
ストレス等の原因を解消し、散歩等の適度な運動等を行います。
医療機関では主に内服による治療が行われます。
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病気⑤椎骨脳底動脈循環不全症
首を伸ばす、回す、体を動かす等の動きでめまいが起こる場合があります。
回転性のめまいが多く、目の前が暗くなる場合もあります。
脳内を流れる椎骨動脈の血流量が減ることが原因で起こると考えられています。
<症状>
めまい・吐き気・嘔吐・上肢しびれ・視界がぼんやりする・意識が遠くなる 等
病院は脳神経外科を受診しましょう。
病院では、血圧や血液の粘性をコントロールする薬物療法が行われるケースが多いです。
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病気⑥突発性難聴
突然片側の耳が聞こえにくくなる疾患です。
40~60歳代に多くみられ、糖尿病、ストレス過多、疲労過多、睡眠不足等の場合に起こりやすいです。
発症原因はわかっていませんが、内耳の血流障害、内耳のウイルス感染等が原因ではないかと考えられています。
<症状>
難聴・めまい(激しい)・耳鳴り・吐き気 等
副腎皮質ステロイド薬を用いた薬物療法が行われるケースが多いです。
疑われる症状がある場合、すぐに耳鼻いんこう科を受診する必要があります。
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病院に行く目安は?
体にしびれが生じる
麻痺症状がみられ歩けない
震えがとまらない
意識が朦朧とする
体験したことがないほどの激しい頭痛
物が二重に見える、視界の一部が暗くなる、視野が狭くなる
嘔吐を繰り返す
上記のような症状がある場合は、できる限り早く病院を受診してください。
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▼参考
一般社団法人 日本神経学会 めまいとは
公益社団法人 松坂地区医師会 めまいの季節
一般社団法人 江戸川区医師会 めまい
日本医師会 健康の森 メニエール病
一般社団法人 大阪府医師会 メニエール病
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト eヘルスネット突発性難聴について
一般社団法人 愛知県薬剤師会 16.メニエール病
日本めまい平衡医学会 めまいのQ&A
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2019-01-23
「めまいがつらい・・・」
「めまいの対策が知りたい!」
つらいめまいの種類と原因と、悪化させないための対処法などを医師が詳しく解説します。
めまいを悪化させないための「対処法」
めまい症状を悪化させない、そのためには
自律神経のバランスを整える
ストレスコントロールをする
を行いましょう。
自律神経のバランスを整える
食事と睡眠を決まった時間にすると、生活リズムがとれ、自律神経のバランスも整いやすくなります。
食事の面では、1日3食、決まった時間に食べるのを基本に、神経の修復に必要な栄養素が多いビタミンB群をできる限り摂取しましょう。
睡眠の面では、夜更かしを避け、毎日決まった時間に起きるように心がけて、睡眠不足にならないようにしましょう。
おすすめの食べ物
ビタミンB群…豚肉・納豆・魚介類・レバーなど
ストレスコントロール
休養や息抜きでリラックスできる時間を確保する
趣味やスポーツを行うなど
上記のような行動を日頃から意識し、自分の心身の健康状態に関心をもって、ストレスをため込まないように努めましょう。
めまいを悪化させないために、日常生活で心がけたいことは、まずストレスコントロールです。
過剰なストレスにさらされると、自律神経のバランスが乱れ、めまいが悪化することもあります。
めまいの原因の80%は「耳」にある
めまいの80%以上は、耳に原因があるといわれています。
耳は、外耳・中耳・内耳と3つに分けられ、その中でも、平衡感覚をつかさどる部位は、奥にある内耳になります。
内耳にある「前庭器」と「小脳」の連携によって、体の平衡感覚が保たれています。
しかし、左右どちらかの耳の前庭器機能に、不具合があると、平衡機能に左右差が生じてしまい、めまいやふらつきの原因になるのです。
また、一度経験すると「また、めまいが起きるかもしれない」と不安に思ってストレスを感じ、それが原因で、慢性化してしまうことも、少なくありません。
あなたのどのタイプ?めまいの3種類
めまいは、二次的症状として起こる場合が多いため、その根源となっている原因が何なのかを、探る必要があります。
大まかに、めまいは、
末梢性めまい
中枢性めまい
心因性めまい
の3つに分けられます。
1.末梢(まっしょう)性めまい
めまいの中では特に多いケースで、内耳の障害が原因で起こるめまいです。
良性発作性頭位めまい症
メニエール病など
2.中枢性めまい
脳幹や小脳に梗塞があり、それが原因で起こるめまいです。
椎骨・脳底動脈循環不全
脳幹・小脳の脳腫瘍など
3.心因性めまい
ストレスや過労が原因で起こるめまいです。
つらいめまいは、耳鼻いんこう科へ
現代のストレス社会の中、めまいに悩む人は多くなっています。
「疲れているせい」「そのうち良くなるだろう」と自己判断せず、まずは病院を受診しましょう。
めまいは、心理的な要因や、生活習慣が大きく影響している場合もあります。
一度「頑張りすぎていないか?」と自分の体や心と向き合ってみませんか?
病院では、どんな治療をするの?
内耳の障害が原因で、めまいが起こる場合は、耳鼻咽頭科や、めまい外来で治療を受けます。
基本的には、内服薬による薬物治療が中心です。
鎮めまい薬
吐き気止め
精神安定薬
末梢(まっしょう)血管拡張薬
自律神経調整薬など
自発的に体を動かす「平衡機能訓練」も有効です。
例えば、次のようなことを行って、平衡機能の向上を目指します。
頭を左右上下に動かす
首を回す
寝たり・起きたり・寝返りを打ったりといった動作を繰り返す
階段を上り下りするなど
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▼参考文献
『めまい・耳鳴り 確実に解消する知識と方法』神尾友信監修 株式会社法研
『難聴・耳鳴り・めまいの治し方』小川郁監修 株式会社講談社
『自分で治せる! めまい・ふらつき』新井基洋著 株式会社洋泉社
参考
MSDマニュアル家庭版:めまい(Dizziness)と回転性めまい(Vertigo)
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/19-耳、鼻、のどの病気/耳の病気の症状/めまい%EF%BC%88dizziness%EF%BC%89と回転性めまい%EF%BC%88vertigo%EF%BC%89
MSDマニュアル家庭版:メニエール病(内リンパ水腫)
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/19-耳、鼻、のどの病気/内耳の病気/メニエール病
大阪府医師会:メニエール病
https://www.osaka.med.or.jp/citizen/tv79.html
一般社団法人日本めまい平衡医学会:めまいのQandA(A1-A8)
http://memai.jp/QandA/QandA-index.html