「歯茎が痛い…」
「ストレスが原因で歯茎が痛くなる?」
なぜ歯茎が痛むのか、ストレスとの関係についても、お医者さんに聞きました。
考えられる痛みの原因や対処法なども解説します。
監修者
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歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。
ストレスや疲れで歯茎が痛くなるって本当?
毎日きちんと歯磨きしているのに歯茎が痛い…。
ストレスや疲れのせいで歯茎が痛くなることってあるのでしょうか?
たしかに、歯茎の痛みは、ストレスや疲労が原因となっている可能性もあります。
これは、脳の「痛みをコントロールする機能」に異常が生じて起こります(心因性疼痛)。
また、過度のストレス・疲労は、血液中のストレスホルモンを増加させるため、歯茎の血管に悪影響を及ぼして痛みが出るケースもあります。
\こんな人はなりやすい!/
- まじめで几帳面な完璧主義
- 溜め込みやすく「嫌」と言えない
- 忙しく疲れが溜まっている
- 睡眠がしっかりとれていない
- 働き盛りの女性
自分でケアできる?歯医者に行くべき?
症状が軽い場合は、“適切なブラッシング”と“生活習慣の見直し”で改善するケースもあります。
ただし、知らず知らずのうちに歯周病や虫歯が進行している可能性もあるので、歯茎が痛むときは歯医者で診てもらうことをおすすめします。
特に、こんな場合は早めに病院へ!
- 数日経っても歯茎の痛みの改善がみられない
- 歯茎の腫れが徐々に大きくなっている
- 何もしていない状態でも痛む
- 歯茎から出血や膿が出てくる
などの症状がある場合は、早めに歯医者の受診をしましょう。
長引く歯茎の痛みには、虫歯や歯周病、歯の根っこの病気が悪化しているなどの可能性も考えられます。
悪化して歯を失ってしまうケースもあるため、放置せずに治療を受けましょう。
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ストレスからくる歯茎の痛みのケア方法
ストレスからくる歯茎の痛みは、
- ストレスを溜めない・発散する
- 質の良い睡眠をとる
などのケアで改善が期待できます。
その① ストレスを溜めない・発散する
- 好きなことをする時間を設ける
- リフレッシュできる時間を設ける
など、生活スタイルを工夫してストレスを発散させましょう。
ストレス対策を上手く行うことが症状の緩和につながります。
ストレスの原因となるものとは、可能な限り距離を置くようにしましょう。
その② 質の良い睡眠をとる
6〜8時間は睡眠時間を確保しましょう。
睡眠不足による疲労の蓄積もストレスとなります。
睡眠をしっかりとり、疲れをためないようにしましょう。
歯医者さんでは、どうやって治すの?
虫歯の治療
「歯に穴が開いていない」「歯の表面が白くなったような状態」であれば、歯垢(プラーク)を溜めないためにフッ素などを活用して虫歯の修復を行います。
「進行して穴が開いた虫歯」の場合は、歯の内部まで細菌が侵入している場合、細菌の入った部分を取り除く治療を行います。
そこに、金属やセラミックスなどの人工材料を被せたり、白い材料を詰めたりして、歯の形に整えます。
歯周病の治療
歯周病の場合、歯石の除去と、かみ合わせの調整を行います。
歯石は、歯垢(プラーク)が固まることで発生します。
歯石の表面にさらに歯垢(プラーク)が溜まっていくと、歯周病の悪化につながります。
そのため、まずは歯石をきれいに取り除き、きれいな歯の表面を作ります。
かみ合わせに原因がある(咬合性外傷)場合は、歯の一部を削って、歯と歯のかみ合わせの調整を行います。
歯科心身症の治療
ストレスなど心因的な問題が原因の場合は、歯科心身症の治療を行います。
歯科心身症の治療では、心理療法(医療のカウンセリング)と薬物療法を行います。
心理療法は、カウンセリングによって心因的な問題に変容をもたらして治療していく方法です。
薬物療法では、“向精神薬”という精神に働きかける薬を使って治療を行います。
向精神薬に関しては、精神科や心療内科に紹介し処方してもらうケースもあります。
一人で悩まないで!“早めの受診”が大切です
歯茎の痛みは「ストレス」だけでなく、「歯や歯茎の病気」も考えられます。
原因を調べるためにも、放置せずに一度歯医者を受診するようにしましょう。
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2020-12-28
なんだか体調が悪い…。ストレスのせいかも…。
ストレスが限界に達すると、どのような症状があらわれるのでしょうか。
お医者さんの目線から、「心の症状」と「体の症状」、それぞれ解説してもらいました。
ストレスが限界に達した時に出る症状
ストレスが限界に達すると、脳や自律神経の働きに影響が出て「心の症状」と「体の症状」があらわれます。
ストレスの限界サイン「心の症状」
気分が落ち込む
イライラして、怒りっぽくなる
やる気が出ず、集中できない
何に対しても興味が持てない
ストレスの限界サイン「体の症状」
肩こり
頭痛
腹痛、胃痛
胸が苦しい
息苦しい
だるくて体が動かない
食欲不振、または食欲過剰
下痢、便秘
寒気や冷え
涙が止まらなくなる
不眠、または過眠
過度なストレスを受け続けると脳が正常に働かなくなり、気分が落ち込みやすくなります。
さらに、ストレスは内臓など体全体の調子を整える「自律神経」の乱れを引き起こすため、体の不調の原因にもなります。
ストレスが溜まりすぎると起こる「行動の変化」
浪費が激しくなる
ギャンブルが止まらなくなる
アルコール量が増える
喫煙量が増える
ストレスによって心の調子が不安定になると、お酒を飲む量が増えたり、大胆な行動をとったりする方もいます。
「自分らしくない行動が増えた」という場合も、心の状態に注意したほうがよいでしょう。
ストレス限界サインを感じたら、こう対処しよう
質の良い睡眠をとる
好きな物を食べる
気が合う人と会う
などの方法で、ストレスを発散しましょう。
ストレス対処法① 質の良い睡眠をとる
ストレスの解消には、十分な睡眠が大切です。
質の良い睡眠をとれるよう、就寝前には
ゆっくり入浴する
リラックスを設ける
スマホよりも本を読む
の3つの点を心がけましょう。
湯船にゆっくり入浴する
湯船につかって、ゆっくりと温まりましょう。
時間や体力がないときは、熱めのシャワーを首元に数分当ててください。
入浴が終わったら、冷えないように着替え、水分補給をしましょう。
リラックスタイムを設ける
ゆっくりできる場所に腰を掛けて、気持ちを休めましょう。
好きな音楽やテレビを楽しむのもおすすめです。
スマホよりも雑誌や本を読む
就寝直前はスマホではなく、読書が適しています。
インターネットは情報がどんどん入ってくるため、過度な刺激になってしまいます。
眠気を感じたら、電気を消して早めに入眠しましょう。
ストレス対処法② 好きなものを食べる
好きなものを食べると、ストレスが和らぎます。
※ただし、暴飲暴食は控えてください。
食欲がないときは無理せず、食べられるものを食べましょう。
軽く運動すると、食欲が湧きやすくなります。
反対に、カフェインの強いものはしばらく控えてください。
過度のアルコール摂取も、睡眠の質を低下させる原因となるため、注意しましょう。
ストレス対処法③ 気が合う友人と過ごす
悩みを誰かに相談することも、ストレス解消につながります。
こんなときは病院へ!
なかなか寝つけない
就寝中に何度も目が覚める
いつもより寝すぎてしまう
朝だるくて起きられない
といった場合は、早めに病院で相談しましょう。
何科を受診すればいいの?
心療内科・精神科を受診してみましょう。
初診の際は、下記のことを医師に伝えられるように、まとめておくといいですよ。
今までできていたのに、できなくなったこと
特につらいと感じていること
仕事の内容・職場の人間関係
おかしいと感じる体の症状
メモに書いて持っていくのもおすすめです。
心療内科を探す
心が壊れてしまう前に相談しよう
過度のストレスは、うつ病や自律神経失調症を引き起こす恐れがあります。
頑張りすぎは禁物です。
心療内科や精神科に行くとなると、身構えてしまう方も多いかもしれません。
ですが、メンタルの不調で病院にかかることは、内科で風邪を相談することと大きな違いはありません。
一人で抱え込まずに、病院で相談してみましょう。
▼参考
厚生労働省 みんなのメンタルヘルス うつ病
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。