頭がサーっと冷たくなる…。
もしかして、何かの病気?
頭がサーっと冷たくなる原因について、お医者さんに聞いてみました。
対処法や予防法、疑われる病気についても解説します。
監修者
経歴
2011年3月香川大学医学部医学科卒。同年4月より徳島赤十字病院で初期臨床研修、2013年4月からは徳島赤十字病院麻酔科に所属。
保有資格に日本救急医学会ICLSコース認定ディレクター、日本麻酔科学会認定医・専門医
何コレ?頭がサーッと冷たくなる…
頭に水が流れるような、サーッと冷たくなる感覚になることがあります…。この正体は何でしょうか…?
頭がサーッと冷たくなる感覚は、
- ストレスによる心理的な反応
- 脳貧血(起立性低血圧症)
の2つのケースが考えられます。
原因① ストレスによる心理的な反応
いわゆる「頭が真っ白になる感覚」です。
何らかのストレスにより、色々と考えることがつらくなってしまい、血の気が引いたように感じて頭がサーッと冷たく感じることがあります。
実際に頭が冷たくなったり、周りの空気が冷たくなったりするわけではありません。
心当たりはありませんか?
- 「緊張する場面」で症状が起こる
- 「特定の場所」で症状が起こる
- 普段から緊張しやすい、ストレスを感じやすい
上記に当てはまる場合、「ストレスによる心理的な反応」により、頭がサーッと冷たくなる感覚を生じている可能性があります。
体を動かしたことに伴って起こったのではない場合、ストレスによる症状の可能性が高いと考えられます。
ストレスが原因かも…どうすればいい?
ストレスを感じる場所・状況から離れ、安静にしてゆっくり休みましょう。
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2020-12-28
なんだか体調が悪い…。ストレスのせいかも…。
ストレスが限界に達すると、どのような症状があらわれるのでしょうか。
お医者さんの目線から、「心の症状」と「体の症状」、それぞれ解説してもらいました。
ストレスが限界に達した時に出る症状
ストレスが限界に達すると、脳や自律神経の働きに影響が出て「心の症状」と「体の症状」があらわれます。
ストレスの限界サイン「心の症状」
気分が落ち込む
イライラして、怒りっぽくなる
やる気が出ず、集中できない
何に対しても興味が持てない
ストレスの限界サイン「体の症状」
肩こり
頭痛
腹痛、胃痛
胸が苦しい
息苦しい
だるくて体が動かない
食欲不振、または食欲過剰
下痢、便秘
寒気や冷え
涙が止まらなくなる
不眠、または過眠
過度なストレスを受け続けると脳が正常に働かなくなり、気分が落ち込みやすくなります。
さらに、ストレスは内臓など体全体の調子を整える「自律神経」の乱れを引き起こすため、体の不調の原因にもなります。
ストレスが溜まりすぎると起こる「行動の変化」
浪費が激しくなる
ギャンブルが止まらなくなる
アルコール量が増える
喫煙量が増える
ストレスによって心の調子が不安定になると、お酒を飲む量が増えたり、大胆な行動をとったりする方もいます。
「自分らしくない行動が増えた」という場合も、心の状態に注意したほうがよいでしょう。
ストレス限界サインを感じたら、こう対処しよう
質の良い睡眠をとる
好きな物を食べる
気が合う人と会う
などの方法で、ストレスを発散しましょう。
ストレス対処法① 質の良い睡眠をとる
ストレスの解消には、十分な睡眠が大切です。
質の良い睡眠をとれるよう、就寝前には
ゆっくり入浴する
リラックスを設ける
スマホよりも本を読む
の3つの点を心がけましょう。
湯船にゆっくり入浴する
湯船につかって、ゆっくりと温まりましょう。
時間や体力がないときは、熱めのシャワーを首元に数分当ててください。
入浴が終わったら、冷えないように着替え、水分補給をしましょう。
リラックスタイムを設ける
ゆっくりできる場所に腰を掛けて、気持ちを休めましょう。
好きな音楽やテレビを楽しむのもおすすめです。
スマホよりも雑誌や本を読む
就寝直前はスマホではなく、読書が適しています。
インターネットは情報がどんどん入ってくるため、過度な刺激になってしまいます。
眠気を感じたら、電気を消して早めに入眠しましょう。
ストレス対処法② 好きなものを食べる
好きなものを食べると、ストレスが和らぎます。
※ただし、暴飲暴食は控えてください。
食欲がないときは無理せず、食べられるものを食べましょう。
軽く運動すると、食欲が湧きやすくなります。
反対に、カフェインの強いものはしばらく控えてください。
過度のアルコール摂取も、睡眠の質を低下させる原因となるため、注意しましょう。
ストレス対処法③ 気が合う友人と過ごす
悩みを誰かに相談することも、ストレス解消につながります。
こんなときは病院へ!
なかなか寝つけない
就寝中に何度も目が覚める
いつもより寝すぎてしまう
朝だるくて起きられない
といった場合は、早めに病院で相談しましょう。
何科を受診すればいいの?
心療内科・精神科を受診してみましょう。
初診の際は、下記のことを医師に伝えられるように、まとめておくといいですよ。
今までできていたのに、できなくなったこと
特につらいと感じていること
仕事の内容・職場の人間関係
おかしいと感じる体の症状
メモに書いて持っていくのもおすすめです。
心療内科を探す
心が壊れてしまう前に相談しよう
過度のストレスは、うつ病や自律神経失調症を引き起こす恐れがあります。
頑張りすぎは禁物です。
心療内科や精神科に行くとなると、身構えてしまう方も多いかもしれません。
ですが、メンタルの不調で病院にかかることは、内科で風邪を相談することと大きな違いはありません。
一人で抱え込まずに、病院で相談してみましょう。
▼参考
厚生労働省 みんなのメンタルヘルス うつ病
原因➁ 脳貧血(起立性低血圧症)
脳貧血(※)とは、血液が脳までうまく循環していない状態です。
頭に送られる血液の量が減り、意識が遠のく感覚に伴って、頭がサーっと冷たく感じる人が多いようです。
※正式には、「起立性低血圧症」といいます。
心当たりはありませんか?
- 睡眠不足
- 起床時間・就寝時間が不規則
- あまり運動をしない
- 急に立ち上がる、急に熱い風呂に入る
- よくお酒を飲む
睡眠不足や運動不足、不規則な生活、飲酒などにより自律神経が乱れていると、頭の血流が悪くなり、脳貧血を起こしやすくなります。
自律神経が乱れると脳貧血を起こす理由
人間の体は、心臓よりも低い部分の血管を収縮させ、心臓よりも高い位置にある脳への血流を維持しようとします。
自律神経が乱れると血管の調節がうまくできず、急に起きたり座ったりしたときに、脳への血流が悪くなり、「脳貧血」の状態となります。
脳貧血かも…どうすればいい?
脳貧血の場合、足などの心臓より低いところに血液が集まっていると考えられます。
そのため、
などして、血液が頭に行きやすい姿勢になりましょう。
横になった上で「足の下に枕を置く」などして、足を高い位置に少し持ち上げると症状の改善に効果的です。
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2022-11-29
立ちくらみで目の前が真っ暗になるときと、真っ白になるときの、違いはあるの?
立ちくらみの原因として考えられる病気と、対処法についてお医者さんに聞いてみました。
立ちくらみを放っておくと、病気が進行するリスクもあります。
「病院に行くなら何科?」「お医者さんにはどう相談したらいい?」といった疑問にもお答えします。
立ちくらみ|目の前が「真っ暗」と「真っ白」で違いはある?
立ちくらみで目の前が「真っ暗」になる場合も「真っ白」になる場合も、同じメカニズムのため、違いはないと考えられます。
通常、脳に血液を送っているのは心臓で、心臓がポンプの役割をして、全身に血液が送り出されています。
目の前が「真っ暗」と「真っ白」になるときは、体の一番上にある脳へ血流が十分行き届かなくなった状態だと考えられます。
立ちくらみが起こったら…
まずは低めの体勢を取り、転ばないようにしましょう。
立ちくらみが落ち着いたら、一度座り、その後ゆっくり立ち上がってください。
立ちくらみで「よくある5つの原因」
起立性低血圧症
食後低血圧
自律神経失調症
ヒートショック
熱中症
真っ暗になる原因① 起立性低血圧症
起立性血圧症になると、血圧の調整がうまくいかなくなってしまいます。
そのため、急に立ち上がったときなどに血圧が低下し、脳へ血液が十分行き届かなくなります。その結果、立ちくらみや意識を失うことがあります。
「起立性低血圧症」になりやすい人の特徴
糖尿病や内分泌疾患、心臓弁膜症、心筋症などの病気になっていると、起こりやすいです。
ほかにも、特定の薬(精神安定剤や精神刺激剤、降圧剤など)を服用している人は起こりやすいです。
対処法は?
自己判断で対処するのではなく、まずは一度医療機関で検査を受けましょう。
起立性低血圧症の原因は様々です。
起立性低血圧を放置すると、原因となっている病気がさらに進行する可能性があります。
内科を探す
真っ暗になる原因② 食後低血圧
食後、食べたものを消化するために胃に血液が集中することで、血液が心臓に戻りにくくなります。その結果、立ちくらみがして倒れこむことがあります。
「食後低血圧」になりやすい人の特徴
水分や塩分の摂取量が少ない人、一回の食事量が多い人が起こりやすいです。
対処法は?
水分をこまめにとり、適度な塩分もとりましょう。
また、食事の量を減らし、回数を増やすといいです。
真っ暗になる原因③ 自律神経失調症
自律神経とは、体の外や中からの情報に反応して、体内の環境を整える神経です。
自律神経失調症は、この神経のバランスが乱れた状態です。
体や心に様々な不調を引き起こすため、立ちくらみや、視界が暗転することがあります。
「自律神経失調症」になりやすい人の特徴
不規則な生活をしている人、ストレスや疲労が溜まっている人に起こりやすいです。
対処法は?
規則正しい生活を心がけて、十分な睡眠をとりましょう。
ストレスをうまく発散し、疲れをためこまないことも大切です。
自律神経失調症を放置していると、うつ病などの心の病気を見逃す可能性があり、治療に時間がかかるリスクもあります。
生活習慣を整えてもよくならない場合は、病院で相談しましょう。
内科を探す
真っ暗になる原因④ ヒートショック
気温の変化によって血圧が大きく変動する現象です。
血圧が上下した影響で立ちくらみを起こすことがあります。
「ヒートショック」になりやすい人の特徴
高血圧症・脂質異常症・糖尿病などの病気が進行し、動脈硬化が進んでいる人や、心臓病の高齢者に起こりやすいです。
対処法は?
寒暖差が大きいと血圧が変わりやすいため、
脱衣所・トイレなどの寒い部屋は、暖房やヒーターで暖めておく
シャワーや湯船にはったお湯で浴室を暖めておく
などの工夫をしましょう。
※2022年12月現在、お風呂場で起こるいわゆるヒートショックと言われているものは、現在は他の要因(熱中症)という報告もあります。
真っ暗になる原因⑤ 熱中症
熱中症によって体温が上がると、体内の水分や塩分のバランスが崩れて、体温の調整機能が効かなくなります。その結果、立ちくらみやめまいなどを引き起こします。
「熱中症」になりやすい人の特徴
水分やミネラルをしっかり補給できていない人に起こりやすいです。
対処法は?
水分をこまめにとりましょう。
暑い日は、涼しい服装や日差し対策をしっかり行ってください。
室内ではエアコンをつけましょう。
立ちくらみが頻繁に起こる場合は、病院で相談しよう
立ちくらみを繰り返すようであれば、頻度に関わらず、医療機関で相談しましょう。
特に
立ちくらみが頻繁に起こる
そのほかの体調不良がある
という場合、病気が原因の可能性があります。
立ちくらみは、何科で相談すればいい?
まずは、内科を受診しましょう。
病院では、心電図検査や血液検査などを行います。
医師に伝えるポイント
診察では、次のことを伝えられるようにしておくといいでしょう。
立ちくらみするようになった時期、経過
立ちくらみ以外の症状
治療中の病気
服用中の薬
内科を探す
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
脳貧血を予防する5つの対処法
- ストレスをためない
- 7~8時間程度の睡眠時間を確保する
- 1日3食、栄養バランスのとれた食事をとる
- ジョギングなどの有酸素運動をする
- 「ゆっくりと立ち上がる」ことを意識する
脳貧血の予防には、上記のような「自律神経が乱れにくい生活習慣」を送ることが大切です。
対処法① ストレスをためない
- 趣味などを行う自由な時間を確保する
- ストレスを感じる仕事や生活習慣から距離を取る
などの方法で、ストレスを軽減させましょう。
自律神経はストレスの影響を受けやすいため、「ストレスをためない」「こまめに発散する」ことが大切です。
対処法② 7~8時間程度の睡眠時間を確保する
頭が冷たくサーッとする感じがある場合、睡眠時間が足りていない可能性があります。
個人差はありますが、睡眠時間は一般的に7~8時間程度必要なので、症状が落ち着くまで十分な睡眠をとりましょう。
寝る前に10分間ストレッチをするだけでも、頭がスッキリして、入眠しやすくなるのでおすすめです。
睡眠の質が低下してしまうので、就寝の直前にスマートフォンやパソコンの画面を見ることは控えましょう。
対処法③ 1日3食、栄養バランスのとれた食事をとる
- 欠食せずに1日3食、食事をとる
- 食事の栄養が偏らないように気をつける
- 夕食は就寝の2~3時間前に済ませる
といったことを意識しましょう。
規則正しい時間に栄養バランスのとれた食事をとることで、自律神経が整いやすくなります。
食事は「和定食」をイメージして、主菜・副菜・主食を揃えるとよいでしょう。
対処法④ ジョギングなどの有酸素運動をする
「ジョギング」や「水中ウォーキング」などの有酸素運動を週に2回以上、軽く息が上がる程度の強度で行いましょう。
有酸素運動が難しい人は、寝る前に10分程度ストレッチをするのもおすすめです。
有酸素運動やストレッチは、「ストレス解消」や「全身の血流をよくする」効果が期待できます。
有酸素運動は、食後2時間程度経ってから行うとよいでしょう。
対処法⑤ 「ゆっくりと立ち上がる」ことを意識する
横になった状態からいきなり立ち上がるのではなく、一度座る姿勢をとってから立ち上がるようにしましょう。
支えとなる手すりや台があると、体勢を急に変えずに済むので安心です。
急に立ち上がると、自律神経の反応が追い付かず頭への血流が保てないため、脳貧血を起こしやすくなります。
【注意】こんな症状は、「病気」の疑いも…
を伴う場合は、くも膜下出血や脳出血のような深刻な病気が隠れている可能性もあるので、早急に病院を受診しましょう。
また、頭痛がなくても、頭がサーっと冷たくなる症状が頻繁に起きる場合には、念のため病院で相談することをおすすめします。
病院は何科?
頭がサーっと冷たくなる場合は、「脳神経内科」または「循環器内科」で受診するとよいでしょう。
自宅の近くにこれらの診療科がない場合は、「内科」で相談しても構いません。
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
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2022-09-30
くも膜下出血には、どんな前兆があるの?
頭痛が起こらないこともある?
「くも膜下出血の前兆としてあらわれる症状」を、お医者さんに聞きました。
チェックリストで、当てはまるものがないか確認してみましょう。
すぐに救急車を呼ぶべき危険な症状についても解説します。
「くも膜下出血」の前兆チェック
血圧の急激な変動
突然の頭痛
頭の中がモヤモヤする(違和感)
めまい
吐き気・嘔吐
首筋から後頭部の痛み
肩こり(肩の痛み)が続く
目の奥の痛み
目が見えにくくなる(視力低下・二重に見える)
まぶたが下がる
意識低下
上記に1つでも当てはまる場合は、くも膜下出血の前兆の可能性があるため、注意深く状態を観察する必要があります。
これらの症状は、「脳動脈瘤(※)」が発生していて、そこから出血が起きることで生じることがあります。
特に、「血圧の急激な変動」「突然の頭痛」「首筋から後頭部の痛み」「肩こりが続く」「目の異常」等の症状がみられる場合は、脳出血による血圧変動の可能性があるため、要注意です。
(※)脳動脈瘤…脳の血管の一部が膨らんでこぶ状になったもの
くも膜下出血ってどんな病気?
くも膜下出血は、脳卒中(脳血管障害)の1つです。
多くの場合、脳血管の一部に発生した動脈瘤が破裂することで、「くも膜下腔」(※)という場所に血液が流入して、発症すると考えられています。
※脳と脳脊髄液を包んでいる「くも膜」の内側にある空間。
前兆から発症までの期間は?
何らかの前兆が現れてから、くも膜下出血を発症するまでの期間には個人差があります。
例えば「血圧の変動」は、くも膜下出血が起こる数日前から発生するケースが多いと考えられています。
「強い頭痛」「眩しく感じる」「まぶたが開きにくい」等の症状の場合は、くも膜下出血の発症の1~3週間前に現れることがあります。
また、前兆なく突然発症するケースも多いです。
前兆の「警告頭痛」はどんな痛み?
くも膜下出血が起こる前に生じる頭痛のことを「警告頭痛」と呼ぶことがあります。
警告頭痛の痛みの程度には個人差があり、軽い頭痛から激しい頭痛まで幅広い症状がみられます。
頭痛ではなく、頭の中がモヤモヤする等の違和感が生じるケースもあります。
また、前兆として頭痛が起こらず、突然くも膜下出血を発症することもあります。
片頭痛と見分けるのが難しいケースも
脳動脈瘤が破裂する前(脳動脈瘤が大きくなった際)に起こる頭痛は、片頭痛に似ています。
そのため、くも膜下出血とは思わず、「いつもの片頭痛」だと思い込んで放置してしまうケースがあります。
警告頭痛は、痛みが軽かったり、頭痛があってもしばらくすると症状が改善したりするケースがあるため、前兆とは気付かない場合があります。
前兆がない場合の発症のしかた
発症後1分以内に非常に強い頭痛が生じる
首を曲げられない(首の痛み・首の硬直)
嘔吐
めまい
血圧の急激な変動
まぶたの動きが悪い
意識消失
前兆がない場合は、上記のような症状とともに、くも膜下出血を発症するケースが多いと考えられています。
こんなときはすぐに救急車を!
今まで経験したことがないほどの激しい頭痛
頭の中がモヤモヤする(違和感)
片側のまぶたが開かない
ものが二重に見える
意識障害
上記の症状が出現した場合、くも膜下出血を発症している可能性が高いです。早急に救急車を要請するべきと考えられます。
出現している症状等により個人差がありますが、発症して1分~1時間程度で死に至るケースもあるので、速やかに救急車を呼びましょう。
「くも膜下出血」になりやすい人の特徴は?
40歳以上の中高年世代
高血圧
糖尿病
喫煙習慣
親族に脳血管障害を発症している人がいる
ストレス過多
特徴① 40歳以上の中高年世代
加齢に伴い、脳動脈瘤が増加する傾向があるため、中高年世代はくも膜下出血を起こすリスクが高いと考えられています。
40~50歳代は男性に多く、60歳以降は女性に多い傾向があります。
また、60歳以降の女性に多い原因としては、「女性ホルモンの分泌量の減少」による高血圧が挙げられます。
若い人が発症することも
くも膜下出血は、中高年世代に多いですが、20代・30代の若い人でも発症することがあります。
発症原因は様々ですが、ストレス過多・疲労過多・経口避妊薬の使用・喫煙習慣などが挙げられます。
特徴➁ 高血圧
高血圧の場合、発生している動脈瘤への圧力が常に高い状態になるため、破裂しやすくなると考えられます。
特徴③ 糖尿病
糖尿病によって血糖値が高くなると、血液がドロドロ状態になり、血管が詰まりやすくなったり、血管が脆くなったりします。
そのため、くも膜下出血などの脳卒中を引き起こしやすいと考えられます。
特徴④ 喫煙習慣
喫煙者は、タバコを吸わない人に比べて、動脈瘤が破裂しやすいというデータがあります。
タバコを吸うこと自体が、くも膜下出血の発症リスクを上昇させると考えられます。
特徴⑤ 親族に脳血管障害を発症している人がいる
親族の中に脳血管障害を発症した人がいる場合、発症リスクが2倍程度上昇すると考えられています。
特徴⑥ ストレス過多
過剰なストレスは、血管損傷につながり、くも膜下出血の発症リスクを上昇させると考えられています。
“前兆”に心当たりがある場合は、早めに病院へ
くも膜下出血の前兆と考えられる症状に心当たりがある場合は、早急に病院を受診することをおすすめします。
くも膜下出血を発症すると、後遺症が残ったり、命の危機に陥ったりする恐れがあります。
しかし、発症前の前兆段階で受診すれば、重症化の予防や命の危機の回避につながる可能性が高まります。
何科で相談すればいい?
くも膜下出血の前兆に心当たりがある場合は、「脳神経内科」または「脳神経外科」の受診をおすすめします。
医師に伝えるポイント
症状が現れた時期
どんな症状が出ているか
症状がどのくらい続いているか
どのように症状が現れたか(突然だったのか・徐々に気になるようになったのか等)
既往歴
親族に、くも膜下出血(脳卒中)を患った人がいるか
服用中の薬剤の有無
受診した際は、上記について医師に伝えると診察がスムーズに進むと考えられます。
脳神経内科を探す
脳神経外科を探す
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
オムロン 「くも膜下出血」を予防しよう
一般社団法人 奈良県医師会 くも膜下出血