「顔が黒くなった気がする・・・これって病気?」
顔が黒くなる病気について、お医者に聞きました。
特に、お酒をよく飲む人は、肝臓の病気に注意しなければいけません。
病院に行く目安や、受診すべき診療科も解説します。
監修者
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医
岡村 信良先生
経歴
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
顔が黒いのは病気サインって本当?
内臓の病気が原因で、顔が黒くなるケースもあります。
これは、病気によって皮膚のメラニン分泌が増加するために起こる症状です。
こんな症状があったら病院へ!
顔が黒ずんで見えることに加えて、
- 全身の倦怠感
- 脱力感、筋力の低下
- 体重の減少
- 立ちくらみ、めまいが起こる(低血圧症状)
- 食欲の低下
- 吐き気、嘔吐
- 上腹部の不快感
- 体のむくみ
- 掻いても治まらない皮膚のかゆみ
- 口の中や眼の乾燥
といった症状が見られる場合は、病気の疑いが強くなります。
内臓の病気の場合、悪化すると命に関わる恐れもあるため、早めに医療機関で相談しましょう。
内科を探す
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2021-05-24
「顔が土色になった気がする…これは病気のせい?」
肝臓や胃腸の機能低下によって、顔色が悪くなる場合もあります。
倦怠感、吐き気などの症状を伴う場合は要注意です。
病院に行く目安や“何科で受診すべきか”も併せて解説します。
原因はなに?顔色が土色っぽい…
血流が悪いと、顔色が土っぽくなることがあります。
血行不良の原因には、
寝不足や疲労
過度のストレス
貧血
内臓の病気
などが考えられます。
私の顔色、大丈夫?病院行くべき?
疲労やストレスに心当たりがある方は、一旦様子を見てみましょう。
十分な休息によって顔色が元に戻るのであれば、心配いりません。
ただし、体を休めても顔色が戻らないという場合は、受診をおすすめします。
特に、
食欲不振
倦怠感、だるさ
吐き気
といった症状を伴う場合は、病気の疑いが強くなります。
病気が進行すると入院が必要になったり、命に関わるリスクもあります。
心当たりがある方は、早めに検査を受けるようにしてください。
病院は何科?
顔が土色で病気を疑う場合は、内科・胃腸内科を受診しましょう。
胃腸内科を探す
考えられる3つの病気
顔色が土色っぽい場合
肝臓の病気
胃腸の病気
腎臓の病気
が原因となっている可能性があります。
その① 肝臓の病気
急性肝炎、慢性肝炎、肝臓がんなどによって、顔色が土っぽくなることがあります。
肝機能が低下すると黄疸が出たり、血行不良になったりするため、顔色が悪くなりやすいです。
こんな「顔色」は肝臓病かも
肝臓病の顔色は、透明感のない、黄っぽい色が特徴です。
肝臓の病気の「主な症状」
皮膚や白目が黄色っぽくなる黄疸
吐き気
食欲不振
倦怠感
尿が濃く色になる
体のむくみ
肝臓の病気の「原因」
ウイルス感染
過度の飲酒
肥満
薬の副作用
などが原因となります。
暴飲暴食をする人や、日頃からお酒をたくさん飲む人は、肝臓病の発症リスクが上昇します。
自分でできる対処法は?
肝臓病は、ご自身でできる対処法はありません。
肝臓病を疑う場合は、まず医療機関で検査を受ける必要があります。
放置すれば症状が進み、肝硬変や肝臓がんを発症する恐れもあります。
肝臓の不調を感じるときは、早めに消化器内科を受診しましょう。
消化器内科を探す
その② 胃腸の病気
胃腸炎、急性盲腸炎などを発症していると、顔が土色になることがあります。
この場合、血行不良によって顔色が悪くなっています。
こんな「顔色」は胃腸の病気かも
胃腸の病気は、赤黒い土のような顔色になるケースが多いです。
胃腸の病気の「主な症状」
胃痛(みぞおち周辺の痛み)
右腹部の痛み
吐き気、おう吐
胸焼け
下痢
発熱
胃腸の病気の「原因」
細菌、ウイルス感染
過度の飲酒、喫煙
暴飲暴食
ストレス
などが原因として考えられます。
自分でできる対処法は?
胃腸の負担を抑えられるよう、消化の良い食事を心がけてください。
改善が見られない場合は、内科・胃腸内科・消化器内科を受診しましょう。
食事の際は、少量ずつ食べるようにしてください。
飲酒と喫煙はしばらく控える必要があります。
また、セルフケアだけでは、治療が必要な病気を見落とす恐れもあります。
特に急性盲腸炎の場合は、自宅でケアはできません。
日常生活に支障がある、症状が2日以上続く場合などは、医療機関で診察を受けるようにしましょう。
胃腸内科を探す
その③ 腎臓の病気
腎臓の病気によって、顔が土っぽい色になることもあります。
腎機能が低下すると、血液中の老廃物が排出されにくくなり、血液の色が汚れて黒ずみます。
この血液の色が顔に反映されたとき、顔色が悪くなります。
こんな「顔色」は腎臓病かも
腎臓の病気は、黒っぽい顔色になるケースが多いです。
腎臓の病気の「主な症状」
腹痛
頻尿
尿の色の濁り
血尿
体のむくみ
腎臓の病気の「原因」
肥満
暴飲暴食
過度の疲労、ストレス
などが挙げられます。
腎臓病は、高齢者や生活習慣病がある人に発症しやすい傾向があります。
自分でできる対処法は?
食生活の見直し、適度な運動によるセルフケアがありますが、医師の指導と病気の管理が必要です。
腎臓病を疑う方は、まず泌尿器科を受診してください。
腎機能に異常がある場合、薬による治療や人工透析が必要なケースもあります。
悪化すると命に関わる恐れもあるため、早めの受診を心がけましょう。
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病気を疑う場合は早めに病院へ
顔が土気色になっているときは、ほかに体の不調がないか注意してください。
倦怠感や腹痛、吐き気などがある場合、内臓の病気を疑う必要があります。
内臓の病気の場合、悪化すると入院が必要になるケースもあります。
悪化を防ぐには、早めに受診して検査を受けることが大切です。
「土っぽい顔色が元に戻らない」という方は、まずは内科・胃腸内科を受診してください。
どんな検査を受けるの?
問診と症状がある部分の診察をした後、血液検査、超音波検査などによって異常がないか調べます。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
MSDマニュアル 尿路結石
顔が黒いとき考えられる病気
顔が黒くなってきた場合、
- 副腎の病気
- 肝臓の病気
なども疑われます。
その① 副腎の病気
顔が黒ずんで見える場合、「アジソン病」という副腎の病気も疑われます。
アジソン病は、副腎皮質から分泌されるホルモンの低下によって発症する病気です。
体内の糖分を調節する「コルチゾール」、体内の水分・塩分・カリウムを調節する「アルドステロン」などのホルモンが足りなくなるため、体にさまざまな不調が起こります。
代表的な症状に皮膚の色素沈着があり、顔が黒く変色するケースもあります。
主な症状
- 疲れやすくなる、全身の倦怠感
- 脱力感、筋力の低下
- 体重の減少
- 立ちくらみ、めまいが起こる(低血圧症状)
- 食欲の低下
- 吐き気、嘔吐
- 無気力になる
- 不安を感じる
副腎の病気の原因
遺伝子の異常によるものは、子どもに発症しやすいです。
その他の原因は、発症に年齢や性別の差はありません。
自分でできる対処法は?
ご自身でできる対処法は、残念ながらありません。
アジソン病は、医療機関での適切な治療が必要な病気です。
症状に心当たりがある場合は、すみやかに内科を受診しましょう。
病院で受ける治療法
不足しているステロイドホルモンを補充する治療を行います。
発症して間もない時には、グルココルチコイドとミネラルコルチコイドの補充と、水分・塩分・糖分の補給をします。
この治療が遅れると命を落とす危険があります。
残念ながら完治する病気ではなく、難病指定されています。
発症後は生涯にわたる治療が必要です。
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その② 肝臓の病気
「肝硬変」や「原発性胆汁性胆管炎」などの肝臓の病気によって、顔が黒ずんで見えることがあります。
<肝硬変>
度重なるダメージによって、肝臓が硬く小さくなっている状態。
肝機能が大きく低下するため、他の臓器にも悪影響を与えてしまう。
重い合併症を引き起こすケースがあり、肝臓がんを発症するリスクも上昇する。
<原発性胆汁性胆管炎>
肝臓の中にある「胆管」が壊れてしまう病気。
胆汁の流れが滞ることで、徐々に肝機能が低下していく。
肝機能の低下に伴い、体のかゆみをはじめとした、さまざまな不調が生じる。
主な症状
- 体のかゆみ
- 体のむくみ
- 疲労感
- 口の中や目の乾燥
- 上腹部の不快感
- 皮膚やまぶたに小さな黄色いできものができる
- 皮膚や白目が黄色くなる
- 手のひらが赤くなる
- 手の腱が縮んで、指が曲がる
- 皮膚に小さな、クモの巣状の血管が現れる
- 頬の唾液腺の腫れ
※肝臓によって症状が出るのは、病気が大きく進行した場合のみです。
初期段階であれば、自覚症状はほとんどありません。
この病気の原因
「肝硬変」は、多量・長期の飲酒をしている人や、太っている人に起こりやすいです。
「原発性胆汁性胆管炎」の原因ははっきりとわかっていませんが、免疫機能の異常が関係していると考えられています。
35歳~70歳の女性に多く、関節リウマチ、強皮症、シェーグレン症候群、自己免疫性甲状腺炎といった免疫系の病気に合併しやすい傾向があります。
自分でできる対処法は?
肝臓の病気の場合、ご自身でできる対処法はありません。
治療が遅れると命に関わるケースもあるため、放置せず内科・消化器内科を受診しましょう。
病院で受ける治療法
肝硬変や原発性胆汁性胆管炎の場合、根治させる治療法はないため、症状を抑えるための対症療法を行います。
肝硬変は、治療と同時に禁酒を促します。
原発性胆汁性胆管炎は、薬を用いて症状を緩和したり、肝障害の進行を遅らせたりします。
いずれも肝移植が検討されるケースがあります。
残念ながら、どちらも完治する病気ではありません。
原発性胆汁性胆管炎は、一度症状があらわれると、余命は約10年だと言われています。
少しでも悪化を防げるよう、肝臓の病気を疑うときは早めの受診をおすすめします。
病院は何科?
「顔が黒くなった」と思うときは、まずは内科で相談しましょう。
内臓の病気が隠れている場合、放置すると命に関わる恐れもあります。
病気の悪化を少しでも防ぐには、早めの受診が重要です。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
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2022-05-30
「なんだか肝臓が弱っている気がする…」
「原因は…一体何?」
肝臓の機能が低下する原因を、お医者さんに聞いてみました。
肝臓からくる体調不良がある場合、「アルコール性肝炎」や「肝硬変」などの重い病気が疑われます。
悪化すると命に関わるケースもあるため、放置は禁物です。
肝臓が機能低下する5つの原因
最近なかなか疲れが抜けず、肝臓が弱っている気が…。
肝臓の機能が低下する原因って何でしょうか?
「肝臓の機能が低下する原因」として
アルコールの過剰摂取
肝炎ウイルスの感染
薬剤
脂肪肝(肥満)
などが考えられます。
なお、肝臓の不調を感じるときは要注意です。
肝臓は“沈黙の臓器”と呼ばれており、機能が少し低下する程度では自覚症状はありません。
倦怠感・体のかゆみ・腹部の圧迫感・黄疸等の症状があらわれている場合、肝臓病がかなり進行した段階だと考えられます。
原因① アルコールの過剰摂取
1日にビール大瓶3本・日本酒3合以上摂取している人は、アルコールの過剰摂取です。
過度の飲酒が長期にわたると、アルコールの分解で負担がかかり、肝臓の機能が低下してしまいます。
この状態が続くと、「アルコール性肝炎」を発症したり、「肝硬変」へと症状が進行したりするリスクがあります。
特に肝硬変は「肝臓がん」を発症しやすくなる等、命に関わる恐れがある病気です。
原因② 肝炎ウイルスの感染
肝炎の種類
発症のキッカケ
A型肝炎
海外渡航時に生水・生ものを摂取した
B型肝炎
母子感染
性交渉による感染
C型肝炎
ウイルスに汚染された血液の輸血血液製剤の使用
注射器の使い回し等
E型肝炎
豚・イノシシのレバーの生食
肝臓が「肝炎ウイルス」に感染してしまうことで、肝機能障害を引き起こすと考えられています。
この状態を放置すると「慢性肝炎」に移行して重症化する、「肝硬変」や「肝細胞がん」を発症するといったリスクが高まります。
原因③ 薬の副作用
「解熱消炎鎮痛剤」をたくさん飲んだ
自己流で漢方薬を服用している
複数の薬を一緒に飲んだ
といった影響によって薬の副作用が出ると、“薬物性肝障害”を発症するリスクがあります。
薬には肝臓で代謝されるものがあり、誤った服用を続けると肝機能が低下しやすくなります。
上記に挙げた薬以外でも起こる可能性があるため、自己判断での薬の服用には注意しましょう。
原因④ 脂肪肝(肥満)
脂肪肝になりやすい人
肥満傾向
糖尿病・高血圧・脂質異常症を患っている
つい食べ過ぎてしまう
運動不足
お酒をよく飲む
脂肪肝とは、肝臓に脂肪が溜まっている状態を指します。
肝機能の低下の原因となり、悪化すると肝炎を招くことがあります。
重症化すると、肝臓がんを発症するリスクもあると考えられています。
肝機能を回復させたい!
症状・原因によって異なるため、セルフケアだけで肝機能を回復させられるとは限りません。
ただし、運動・食事の習慣を見直すことで、肝機能の悪化を防ぐ効果は期待できます。
肝機能の低下が気になるときは、
1日3食、よく噛んでゆっくり食べる
栄養バランスのよい食事を摂る
休肝日をつくる
30分程度の有酸素運動をする
といった生活習慣を意識しましょう。
対処法① 1日3食、よく噛んでゆっくり食べる
食事をよく噛んでゆっくり食べると、過食による肝臓への負担を抑えられます。
1日3食、毎日決まった時間に規則正しく食事を摂るようにしてください。
朝食を抜くと、昼食や夜食の食事量が増える傾向になり、肝臓に負担をかけてしまいます。
また、肝臓は脂肪を溜める作用があるため、高脂肪な食品にも気をつけたいです。
対処法② 栄養バランスのよい食事を意識する
栄養素
食材の例
タンパク質
肉類/魚介類/卵/乳製品/大豆製品
ビタミン
卵/肉類(レバー)/魚介類/バナナ/ブロッコリー
ミネラル
ブロッコリー/にんじん/乳製品/レバー/にぼし
食物繊維
玄米/麦めし/とうもろこし/豆類/芋類/キャベツ/白菜
食事からしっかりと栄養を摂りましょう。
特にタンパク質・ビタミン・ミネラル・食物繊維を意識して取り入れるようにしてください。
タンパク質は、しっかり摂ることで健康的な肝臓を維持できます。
また、ビタミン・ミネラルは、アルコールや栄養素の代謝を助け、食物繊維は糖質や脂質の吸収を抑えたり、食べ過ぎの予防になります。
対処法③ 休肝日をつくる
アルコールを摂取しない日を、週に2日以上設けましょう。
「2~3日お酒を飲む日が続いたら、翌日は控える」という間隔で休肝日を作りましょう。
肝臓を休めると、肝臓や消化器系の臓器の修復や脂肪の代謝改善等が期待できます。
※週5日間連続でアルコールを摂取して、2日休むという間隔はおすすめしません。
対処法④ 30分程度の有酸素運動をする
おすすめの有酸素運動
ウォーキング
ストレッチ
ヨガ
ジョギング
サイクリング
上記のような運動を週に3~5回(毎日でも可)、1回30分程度目安に取り組むようにしてください。
有酸素運動により、肝臓に蓄積された脂肪の減少につながります。
筋肉にはアンモニアの代謝により、肝機能の作用を補完する働きがあるため、運動により筋力アップすることは有効と考えられます。
肝臓の不調を感じるときは、迷わず病院へ!
肝臓の不調を疑っている方で、
全身の倦怠
食欲不振
かいても治まらない「かゆみ」
むくみ
微熱
等の症状が出現している場合は、病院の受診をおすすめします。
肝臓疾患の場合、自覚症状がないまま症状が進行していくことが多いです。
倦怠感などの症状が出ているときは、重症化していたというケースが多々あります。
放置すると症状が悪化して「肝硬変」や「肝臓がん」等、命に関わる病気を発症するリスクが高まります。
また、肝機能の低下で解毒作用が十分行われなくなると、有害物質が体の中に蓄積され、脳にまで悪影響を与える恐れがあります。
「肝臓が悪くなっているかもしれない…」と思うときは、早めに医師の診察を受けましょう。
「肝臓の機能低下」は、何科で相談すればいい?
肝臓からくる不調がある場合は、消化器内科で受診しましょう。
病院では原因を調べるために、血液検査・CT検査・MRI検査・腹部超音波検査等が行われます。
原因に合わせて、食事や生活習慣の改善指導・薬物療法・手術療法等の治療が検討されます。
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