高齢者の「急に歩けなくなる病気」原因は?余命に関係ある?病院は何科?

更新日:2023-01-31 | 公開日:2022-07-08
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高齢者の「急に歩けなくなる病気」原因は?余命に関係ある?病院は何科?

高齢者が「急に歩けなくなる」のはなぜ?
もしかして、何かの病気?

高齢者が急に歩けなくなる病気について、お医者さんに聞きました。

歩けないことで寝たきりなってしまうと、余命が短くなる恐れもあります。
心当たりのある症状をチェックして、早めに病院を受診しましょう。

監修者
河合 隆志 先生

フェリシティークリニック名古屋
医学博士

河合 隆志先生

経歴

’97慶應義塾大学理工学部卒業
’99同大学院修士課程修了
’06東京医科大学医学部卒業
’06三楽病院臨床研修医
’08三楽病院整形外科他勤務
’12東京医科歯科大学大学院博士課程修了
’13愛知医科大学学際的痛みセンター勤務
’15米国ペインマネジメント&アンチエイジングセンター他研修
’16フェリシティークリニック名古屋 開設

高齢者が「急に歩けなくなる」原因

医師男性

高齢者が急に歩けなくなる場合、

  • 廃用症候群(筋力の低下)
  • 腰部脊柱管狭窄症(下半身の痛み)
  • 特発性正常圧水頭症(脳の病気)

などの原因が考えられます。

これらは、加齢による「体全体の機能低下」「骨・靭帯の変形」「脳の異常」により引き起こされます。

※急に歩けなくなったときに、無理に歩いたり、運動をしたりすると、転倒するリスクがあるのでやめましょう。

原因

症状の特徴

廃用症候群

  • 長く歩けない
  • 筋力低下

腰部脊柱管狭窄症

  • 足の痛み・しびれ
  • 歩くと痛みが出るので長く歩けない

特発性正常圧水頭症(iNPH)

  • 歩きにくい
  • 物忘れの進行
  • トイレに間に合わない

原因① 廃用症候群(筋力の低下)

医師男性

廃用症候群(はいようしょうこうぐん)は、体の運動に必要な筋力が減少してしまっている状態です。

主に、寝たきりで過ごした期間の後に起こります。

高齢者が、ケガ・病気などで一時的に寝たきり状態の生活をしていると、筋力が一気に落ちやすくなります。
寝たきりの生活は、「骨・関節の萎縮」も進みやすいため、歩行する力が落ちてしまうことが多いです。

「廃用症候群」かも…今できる対処は?

医師男性

家族や周囲の人がサポートして、一つずつ弱っている体の部位を動かしてあげましょう。

再び歩けるようにするには、ゆっくりと筋力をつけていくことが大切です。

必要でないのに安静な状態を継続してしまうと、症状がさらに進みます。
急に改善する方法はないので、少しずつ、時間をかけて取り組みましょう。

病院に行く目安

医師男性
  • 歩くことが難しく感じて、やる気が起きない
  • 一歩も歩けない

といった場合は、早めに医療機関に相談しましょう。

内臓疾患が無い場合は、「整形外科」で相談してみましょう。
運動機能の診療、およびリハビリテーションが行えます。

内臓疾患があり治療を受けている方は、まずはかかりつけ医に相談してください。

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原因② 腰部脊柱管狭窄症(下半身の痛み)

医師男性

腰には、脊柱管(せきちゅうかん)という神経の束が通る管があります。

その管が狭くなると、神経が圧迫されて、歩くと痛みが出るようになります。

腰椎脊柱管狭窄症の「特徴」

  • 足のしびれ・痛みを感じる
  • 歩いていないときは痛みがない

腰部脊柱管狭窄症を発症すると、痛みが出るため、長い距離を続けて歩くことができなくなります。
この病気は、加齢によって起きやすいので、誰もが発症する可能性があります。

「腰部脊柱管狭窄症」かも…今できる対処は?

医師男性

痛みが出にくい、「前かがみの姿勢」で歩いてみてください。

カートを使うのもよいでしょう。

また、歩かない時は、筋力をつけるために良い姿勢を保ちましょう。

病院に行く目安

医師男性
「歩くと痛む」という症状がある場合は、早めに整形外科で受診してください。

放置すると、歩く機会が減ることで筋力が低下し、さらに歩きにくくなる恐れがあります。

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原因③ 特発性正常圧水頭症(脳の病気)

医師男性
特発性正常圧水頭症(iNPH)は、本来一定に吸収されていくはずの「脳の髄液」が溜まってしまう病気です。

特発性正常圧水頭症の「特徴」

  • 歩けない
  • 物忘れが多くなる
  • トイレに間に合わなくなる

髄液が脳を圧迫することで、上記のような症状が現れます。

特発性正常圧水頭症は、加齢に伴って発症しますが、原因はわかっていません。
症状が、この病気ではない高齢者にもよくみられるものであることから、見逃されてしまうことも多いです。

病院に行く目安

医師男性
歩行困難に加え、認知症の症状尿失禁が急に増えてきたら、早めに「脳神経内科」を受診してください。

特発性正常圧水頭症は、病院で治療しないと改善が見込めません。
悪化すると寝たきりになるリスクがあるため、放置は禁物です。

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歩けない・立てない「余命との関係は?」

医師男性

歩けないことで「寝たきり」状態になると、体の機能が全体的に弱っていってしまいます。

その結果、間接的に余命が短くなってしまうリスクがあります。

症状がつらい場合は、体を動かす気力がなくなり、引きこもりがちになります。
少しずつでよいので、周囲のサポートを受けながら運動して、筋力を戻すのがいいでしょう。

また、早めに医療機関を受診して適切な診断を受け、病気の治療やリハビリを始めることも大切です。

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