「太ももに内出血や斑点があらわれた…」
「何科で診てもらえる?」
お医者さんに、太ももに内出血の原因や病院の受診目安について聞きました。
IgA血管炎やベーチェット病の可能性もあるので、早めの受診が大切です。
監修者
経歴
北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
横浜栄共済病院 形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長
を経て2024年JUN CLINIC横浜 就任
太ももに内出血のような斑点ができた…これはなぜ?
太ももに内出血したような斑点があらわれた場合、ぶつけたり、打ったりしたことが原因で、太ももの血管や皮下脂肪組織が炎症を起こしている可能性があります。
この症状は大丈夫?病院行くべき?
一時的な内出血ですぐに治るものであれば、一旦様子を見て大丈夫です。
ただし…
- 内出血の症状が14日ほど経っても改善されない
- その他の症状が見られる
という場合は病気が隠れている可能性が高いです。
一度医療機関を受診しましょう。
病院は何科?
太ももに斑点ができた時は、皮膚科を受診しましょう。
早期に受診し、適切な治療を受けることができれば、皮膚症状の悪化だけでなく、その他の体調不良を改善できる可能性があります。
例えば、隠れている病気の症状が進むと、心臓・腎臓などが侵されていることもあります。そうすると、腎機能低下、心肺機能低下などを生じます。早期治療により、こういった病気や寝たきりを避けることができます。
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2021-03-26
「太ももに赤い斑点ができた…」
「かゆくないけど、これって大丈夫なの?」
太もものかゆくない、赤い斑点に関する疑問などを、お医者さんに聞きました。
自分でできる対処法や早期に医療機関で治療を受けるメリットも解説していきます。
なにこれ?太ももにできた「かゆくない赤い斑点」
太ももにあらわれる「かゆくない赤い斑点」は
薬疹
IgA血管炎(ヘノッホ・シェーンライン紫斑病)
の可能性があります。
それぞれ詳しく解説していきます。
原因① 薬疹
ある特定の薬に対するアレルギー反応として、赤い斑点が生じます。
薬疹の場合、太もも以外の全身にも出ます。
薬疹の斑点の特徴
赤い部分が盛り上がっている
形と大きさはさまざまで、通常左右対称にできる
体の一部に現れ、少しずつ広がっていく
皮膚の色が紫色・青色・灰色に変色する
薬を使用してから数分以内に赤い斑点が生じる場合もあれば、数時間・数日・数週間後に生じる場合もある
なりやすい人
アレルギー体質の人
薬疹を起こしやすい薬を使用している人
斑点以外の症状はある?
痛みを伴う
倦怠感がある
口の中がただれている
発熱する
リンパ節が腫れる
肝臓・腎臓・骨髄などに障害がある
血圧が低下する
ショックを起こす
太もも以外にも斑点はできる?
太もも以外にも、全身の皮膚・口の中・目に現れます。
口の粘膜に異常がある場合、症状はひどくなり命に関わることがあります。
自分でできる対処法は?
まずは、原因と思われる薬の使用を中止してください。
その後、自己判断で対処するのではなく、皮膚科など医療機関を受診しましょう。
原因となっている薬を特定するために、使用中の薬やおくすり手帳を持って行きましょう。
使用している市販薬があれば、その旨を医師に伝えてください。
医療機関での治療方法
医療機関では原因のものを除去する指導を行い、その上で、症状に応じてステロイドや抗ヒスタミンの薬物療法を行います。
軽度であれば、2週間ほどで治ることが多いです。
原因② IgA血管炎(ヘノッホ・シェーンライン紫斑病)
詳しい原因はわかっていませんが「IgA※」という抗体が、血管の壁に付着し、皮膚の細い血管で炎症を引き起こすことで、太ももに赤い斑点ができます。
※IgA 体にウイルス・細菌などの異物が侵入したときに作られる抗体
IgA血管炎の斑点の特徴
あざのように赤い
斑点を触るとしこりがあり、押すと痛む
蕁麻疹が1つにまとまったような赤い斑点ができる
数日~数週間経つと、皮膚に新しい斑点や盛り上がりができる
なりやすい人
3~15歳の子ども
がん患者
感染症にかかっている人
薬を使用している人
妊婦
悪性腫瘍、細菌・ウイルスの感染、薬剤、妊娠などが誘因となることから、がん患者や感染症にかかっている人、妊婦はかかりやすい傾向にあります。
斑点以外の症状はある?
発熱する
足首・膝・腰・手首・肘などの関節が腫れる
足首・膝・腰・手首・肘などの関節がうずくように痛む
足首・膝・腰・手首・肘などの関節を押すと痛い
筋肉のけいれんを伴う腹痛がある
お腹を押すと痛い
吐き気、嘔吐
タール状の黒い便がでる。(黒色便)
下痢をする
便や尿に血液が混じる
太もも以外にも斑点はできる?
太もも以外にも、足・腕・体幹に現れます。
自分でできる対処法は?
症状は通常4週間程度でおさまりますが、数週間後に再発するケースが多いです。
再発予防のためにも、自己判断で対処するのではなく、速やかに医療機関を受診しましょう。
医療機関での治療方法
薬によって起こっている場合は、薬の中止を行います。
そのほかは、症状に対しての対症療法を行います。
治療には、1ヶ月ほどかかることが多いです。
医療機関に行く目安
赤い斑点が広がっている場合や「薬疹」、「IgA血管炎」のような症状が見られる場合は、できるだけ早く皮膚科を受診しましょう。
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原因がわからない「赤い斑点」は早期受診を!
紹介した病気の他にも「血管炎」「横紋筋融解」など、血管疾患が原因で太ももに赤い斑点ができることもあります。
早期に医療機関で検査を受けることで、赤い斑点が悪化する前に適切に治療していくことが可能になります。
斑点ができる部位によっては、放置すると命にかかわることもあるので、自己判断せずに早めに医療機関を受診しましょう。
◆血管炎…全身のさまざまな血管に炎症が起きる病気です。原因不明のケースもあれば細菌・ウイルス感染が原因の場合もあります。
◆横紋筋融解…筋肉を作る骨格筋細胞が溶けたり壊死したりすることで、筋肉の成分が血液中に流出してしまう病気です。薬・ケガなどが原因と言われています。
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▼参考
MSDマニュアル家庭版 薬疹
MSDマニュアル家庭版 IgA血管炎
考えられる2つの病気
太ももに斑点ができるのは、
- IgA血管炎(ヘノッホ-シェーンライン紫斑病)
- ベーチェット病
といった病気が原因だと考えられます。
病気① IgA血管炎(ヘノッホ-シェーンライン紫斑病)
皮膚の血管が炎症を起こすため、太ももに斑点ができます。
風邪などのウイルス感染・薬の服用・食品・予防接種・虫刺されなどがきっかけで、免疫システムが異常に反応した場合に生じることがあります。
症状の特徴
- 小さな斑点や赤紫色の斑状の発疹(紫斑)ができる
- 軽いかゆみを伴うことがある
- 斑点や斑状の発疹の皮膚の下が硬くなる
- 数日〜数週間後、皮膚に新しい斑点や隆起が生じる
- 潰瘍ができる
- 血ぶくれができる
斑点以外に、こんな症状がでることも!
- けいれんを伴う腹痛が起こる
- お腹を押すと痛い
- 吐き気がする
- 嘔吐する
- タール状の黒い便が出る
- 下痢をする
- 尿や便に血液が混じる
- 関節が痛む
- 微熱が出る
どんな人に多い?
3~15歳の男児に発生しやすいです。
しかし、どの年齢でも発生する可能性はあります。
自分でできる対処法は?
安静にしていれば自然治癒することもあります。
しかし、再発するケースが多いので、医療機関の受診をおすすめします。
医療機関では、重症の紫斑・強い腹痛・下血などの消化管症状がある・糸球体腎炎を起こしている場合は、ステロイドや免疫抑制薬を使用して治療します。
数週間で治るケースが多いです。ただ、約10%の人は再発すると言われています。
病院は何科?
IgA血管炎が疑われる時は、皮膚科を受診しましょう。
放置すると重篤な腎障害を引き起こすリスクがあります。
病気② ベーチェット病
皮下脂肪組織が炎症を起こしているため、太ももに斑点ができます。
今のところ原因はわかっておらず、難病に指定されています。
症状の特徴
- 赤みがかった紫色の斑点ができる
- 斑点の部分の皮膚の下は硬い
- 痛みがある
斑点以外に、こんな症状がでることも!
- 口の中に潰瘍ができる
- 性器に潰瘍ができる
- 目が痛い
- 目が充血する
- 関節痛が起こる
- 関節が腫れる
- 腹痛が起こる
- 下痢が止まらない
- 下血する
どんな人に多い?
30代前半に発症しやすい病気です。
男女差はほとんどなく、20~40歳に多く見られます。
自分でできる対処法は?
残念ながら、自分でできる対処法はありません。
医療機関での治療が必要な病気です。ベーチェット病の疑いがある場合、はやめに医療機関を受診しましょう。
病院は何科?
ベーチェット病の疑いがあるときは、皮膚科を受診しましょう。
全ての症状に効く治療法はないため、それぞれの症状に対して薬物治療を行います。
高齢者に多い内出血の原因
高齢者の場合、血管がもろくなり内出血を起こしている可能性があります。
また、寝たきりの高齢者など足の静脈に血栓ができ、内出血が生じることもあります。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
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2021-03-26
何これ?太ももに赤い湿疹ができた…!
そのブツブツの原因をお医者さんに聞きました。
「放っておけば自然に治る?」
「市販薬を使ってもいい?」
といった疑問を解決します。
太ももに赤い湿疹が…!どう対処すればいい?
かゆみがある場合は、濡らしたタオルやタオルに包んだアイスパックなどを使って、かゆみのある部分を冷やしましょう。
ヒドロコルチゾンを配合した市販の薬を使用しても良いです。
ヒドロコルチゾンを配合した市販薬
ロコイダンクリーム(クラシエ)
オイラックスA(第一三共ヘルスケア)
ドルマイコーチ軟膏(ゼリア新薬)など
かゆみがない場合は、かゆみの原因となる物質と触れた可能性が高いです。
すぐに石鹸と水で洗い流し、再びその物質と接触しないようにしてください。
これはNG!悪化させてしまう対処法
かゆみが悪化するので、温めないでください。
患部が傷ついてしまう可能性があるので、かきむしらないようにしてください。
考えられる2つの原因
太ももにできた赤い湿疹は
接触性皮膚炎(かぶれ)
アトピー性皮膚炎
の可能性があります。
原因① 接触性皮膚炎(かぶれ)
特定の物質に直接触れることで赤い湿疹ができる「接触性皮膚炎(かぶれ)」の可能性があります。太ももだけではなく、全身に出現する可能性があります。
接触性皮膚炎の原因は「特定の物質に直接触れること」ですが、特定の物質には「刺激性」と「アレルギー性」の2種があります。
① 「刺激性」の接触性皮膚炎
化学物質など特定の物質に触れることが原因で起こる皮膚炎です。
原因物質そのものの刺激によって起こるため、誰にでも発症すると考えられます。
▼原因物質
アルカリ(配水管洗浄用洗剤など)
酸
溶剤(アセトンなど)
強力な石けん
体液(唾液・尿など)
植物(ポインセチア・コショウなど)
赤い湿疹の特徴
かゆみよりも痛みが強く、発疹の中に小さな水ぶくれができます。
短時間の皮膚の赤みから、大きな腫れや水ぶくれを生じるケースまで、人それぞれです。
最初は原因物質に触れた部分だけ湿疹が発生しますが、皮膚が薄く敏感な部分から炎症が起こり、時間が経つと物質と触れていない部分や皮膚の厚い部分にも生じます。
発症しやすい人
20~30歳代と50~75歳代に多い傾向にあります。
② 「アレルギー性」の接触性皮膚炎
皮膚に触れた物質に対して、免疫系が拒否反応を起こすことで炎症が起こります。
ステロイド入りの薬など、特定物質に触れた後に太陽光線を浴びると皮膚炎が生じることがあります。
▼原因物質
植物(ツタウルシなど)
ゴム(ラテックスを含む)
香水
抗菌薬
保存剤
金属(ニッケルやコバルトなど)
日焼け止め
アフターシェーブローション
太陽光 など
赤い湿疹の特徴
特定の物質に触れたあと4~24時間以内に、強いかゆみを伴う湿疹が現れます。
高齢者では3~4日後に症状が現れることもあります。
発症しやすい人
アレルギー体質の人が発症しやすいです。
湿疹以外の症状はある?
痛みがある
かゆみがある
長期間続くと、皮膚の表面がガサガサ、ゴワゴワする
長期間続くと、色素沈着を起こす
接触性皮膚炎はどうしたら治る?
接触性皮膚炎が疑われる場合、自己判断で対処するのではなく、皮膚科で原因物質を特定し治療を受けましょう。
皮膚科では塗り薬や飲み薬を処方されることが多いです。
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原因② アトピー性皮膚炎
かゆみのある湿疹が慢性的に続く病気です。
子どもの場合、内ももに赤い湿疹ができることが多いです。
赤い湿疹の特徴
体のさまざまな部位にかゆみを伴う赤い湿疹が現れます。
プツプツと盛り上がったり、ジュクジュクしたり人によって症状はさまざまです。
発症しやすい人
もともと肌が弱く、アレルギー体質の人が発症しやすいです。
湿疹以外の症状はある?
かゆみ
アトピー性皮膚炎はどうしたら治る?
アトピー性皮膚炎は市販薬や自然治癒するのが難しい病気です。
症状が落ち着いても、再発する可能性が高いので、医療機関で治療を受けましょう。
医療機関では塗り薬や飲み薬を処方されることが多いです。
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医療機関に行く目安
市販薬を1週間程度使用しても症状が改善されない
痛み・かゆみが強い
という場合は、速やかに皮膚科へ行きましょう。
放置すると不快な症状が続くばかりでなく、皮膚がガサガサになったり、色素沈着を起こすこともがあります。早めに皮膚科を受診しましょう。
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▼参考
MSDマニュアル家庭 接触皮膚炎
日本皮膚科学会ガイドライン 接触皮膚炎診療ガイドライン 2020
第一三共ヘルスケア かぶれ(接触皮膚炎)