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生理痛のつらさは人によって様々です。
痛みが全くない人がいる一方で、QOL(生活の質)が下がるほどに苦しむ人もいらっしゃいます。生理痛の薬を飲んでも効かないこともあり、悩まれている方も多くいらっしゃるでしょう。
今回は、薬が効かない原因とその対処法、病院の受診をすすめる生理痛の症状について解説いたします。
薬剤師
村田 直子先生
調剤薬局経営。薬剤師だけでなく、臨床検査技師としての生理学・病理学などの知識を元に患者さんをサポート。ケアマネージャとして介護制度や介護サポートの相談にも応じています。
生理痛の薬が効かない原因をより一層理解するために、「なぜ、生理痛が発生するのか」ということから考えていきたいと思います。
子宮内膜は毎月、妊娠準備のため、厚くなります。厚くなった内膜は、妊娠しない場合不要となり、剥がれ落ちていきます。
このとき、「プロスタグランジン」という生理活性物質が生成されます。プロスタグランジンの役目は、子宮の筋肉を収縮させ、剥がれた子宮内膜を体外に押し出すことです。
そのプロスタグランジンによる子宮収縮の加減で、生理痛が発生します。
非常に個人差があり、ちょっとした収縮でも敏感に痛みを感じたり、プロスタグランジンの生成量が多く、過度に収縮したりすることでも生理痛が発生します。
そのような理由で、プロスタグランジンが生理痛を発生させる原因物質となるわけです。
上記の解説から、生理痛をなくすためには、プロスタグランジンの生成を抑えればいいということがわかります。
このプロスタグランジンの生成を抑える薬がロキソプロフェン、イブプロフェンなど、NSAIDsといわれる非ステロイド性消炎鎮痛剤です。
これらの薬は、市販で販売されており、病院に行かなくても薬局やドラッグストアで入手できます。
薬は効果が出るまでに、15~30分かかります。
痛みの予兆があっても「薬はあまり飲みたくないから」と我慢し、痛みが強くなってから薬を飲んだのでは辛いときに効果が出ない場合があります。
従って、薬を飲んでからしばらくは効果が出ないことを頭におき、痛みの予兆を感じた時点で飲むのが生理痛の薬を効かせるコツです。
また、そのときの肉体や精神状態にも関係します。生活の不摂生からくる体調不良、精神的な不安も症状を強め、薬の効きを悪くしてしまうので注意が必要です。
いろいろな対処方法がありますので自分に合った、あるいはそのときの状況によって対処方法を選択しましょう。
寝込んでしまうほど、生理痛が強い状態を月経困難症といいます。月経困難症は機能性月経困難症と器質性困難症とに大別されます。
検査的には異常がなくても強い生理痛がある場合を機能性月経困難症といい、10~20代に多くみられます。一方の器質性月経困難症(子宮筋腫や子宮内膜症など)は30歳以降に多くみられます。
機能性月経困難症の場合、検査の上では異常がなくても骨盤内のうっ血、プロスタグランジンによる強い子宮収縮、さらには自律神経に関わるホルモンの乱れなどのために強い生理痛が発生します。
このようなことから、痛みの予兆を感じたときに生理痛の薬を飲むと同時に下腹部や腰を温めて筋肉の緊張を和らげると、血行も改善されるのでさらに効果的です。
毎月、生理痛がひどくなるとわかっている人は生理が来る前から、痛みがなくても下腹部を温めながら過ごされることをおすすめします。
また、リラックスしたり、ストレスを解消をしたりすることも生理痛の薬の効果を上げてくれます。アロマなども効果的です。
機能性月経困難症の場合、毎月の生理痛は脳と卵巣の関係がスムーズで女性ホルモンの分泌も正常、排卵もきちんとある証拠と前向きな気持ちでいることも大切です。
非常に重要なのは「いつ、飲むか?」ということです。
とても大切なことなので先に述べてしまいましたが、「痛みが最強になって我慢できず飲むのではなく、痛みの予兆を感じたときを逃さずに飲む」、これが生理痛の薬を最大限に効かせるコツです。
また、生理痛の薬を変えることも効果的です。
同じような作用機序でも、薬の製造過程の違いが効果出現にも違いが出ることがあります。
その他、ロキソニンなどのNSAIDsとは少し作用が異なるアセトアミノフェン(市販:タイレノール)やピリン系鎮痛剤(市販:セデスハイ)に変えてみるのも効果的です。
ただ、薬を変えてみたい場合はアレルギ―出現などを考慮する必要があるため、常駐の薬剤師や登録販売者に相談して選びましょう。
漢方薬は病名というより下腹部が痛い、重苦しい、頭が重い、肩がこる、吐気といったいろいろな症状で選ぶと効果的で、生理痛のときに感じる不定愁訴な症状改善に有効です。
そして、それらの改善がいつのまにか生理痛の強い痛みを抑えていることがありますので漢方薬も是非、選択肢の中に入れておきましょう。
たとえば……
○体格がよく、元気な人:桃核蒸気湯(トウカクジョウキトウ)
桂子茯苓丸(ケイシブクリョウガン) など
〇痩せて虚弱な人:温経湯(ウンケイトウ)
当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン) など
生理痛の70~80%が機能性月経困難症といわれています。
強く痛む期間も1〜2日程度で短く、痛みさえ消えれば、QOLも再び向上してきます。
しかし、 下記のような症状が出た場合は、器質性月経困難症を伴う子宮筋腫や子宮内膜症の可能性があります。即刻に専門病院を受診しましょう。
○経血量が増えた
○いつもより生理痛が強く、生理期間中、ずっと生理痛が続くこともある
○いつも通りの日常生活を営むことが困難になる
※子宮筋腫:
子宮の筋肉(平滑筋)に良性の腫瘍ができ、エストロゲンという女性ホルモンの働きで肥大していきます。
経血量が増え、鉄欠乏性貧血になってしまうことも少なくありません。
※子宮内膜症:
子宮内膜の組織が卵巣や骨盤のほうにまで入りこんでしまう病気で、強い下腹部痛を生じ、生理が来るたびに痛みが増強していきます。
生理痛が機能性であれ、器質性であれ、どちらも辛く、薬の力で痛みを抑えるのは有効な対処法といわれています。ただ、飲む時期を間違えると、効果のある薬でも効果が出にくくなります。何度も申し上げていますが、一番のポイントなのでここだけでも覚えておきましょう。
毎回、強い生理痛に悩まされるのでれば、痛みの予兆を感じときに飲んでおきます。
また、そのようにして飲んでも生理痛が消えない場合は即刻に受診してください。
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