最近、生理周期が短くなった…。
妊娠を望むなら…病院へ行ったほうがいい?
生理周期が短い場合、不妊につながる可能性があります。
監修者
経歴
医療法人社団 石野医院
日本医科大学
日本医科大学付属病院
日本医科大付属第二病院
国立横須賀病院
東部地域病院
石野医院
生理周期が短いと妊娠する可能性は低くなる?
生理周期が短いと、不妊・流産を引き起こしやすいです。
これは、胎児の発育に必要な「子宮内膜」が十分に成長しないことが原因です。
「子宮内膜」には妊娠時に“赤ちゃんを育てるベッド”のような役割があります。
子宮内膜は妊娠の可能性がある生理前まで大きくなり、妊娠していないと排泄されるのが「生理」です。
生理周期が短いと、子宮内膜の形成が悪くなることで受精卵が着床しにくくなります。
そのため、不妊に繋がることや、妊娠しても順調に赤ちゃんが育つ可能性は低くなることがあります。
「生理周期が短い」と判断する目安
正常周期は25日〜38日で、24日以下の方は短いと判断されます。
この状態を「頻発月経」呼びます。
生理周期が短い原因には、卵巣機能の低下や子宮形態不全が考えられます。
病院に行った方がいいの?
妊娠を望む場合は、早めの受診をおすすめします。
生理周期は個人差があります。
そのため、排卵・子宮内膜の発育が正常な場合は、周期が短くても妊娠出産に影響しない人もいます。
一度検査を受けて、子宮内膜が正常に機能しているかどうか調べてもらいましょう。
異常が見つかった場合も、治療が早いほど妊娠につながりやすくなります。
なお、
- ここ2カ月で急に生理周期が短くなった
- 月に2回生理がきた
- 生理の経血量が減っている
といった症状がある方は、不妊・流産のリスクが高いため要注意です。
生理周期が短くなっている場合、原因には「無排卵症」などの病気も考えられます。
無排卵症とは
生理の出血があるのに、排卵が行われていない状態です。
発症の原因には、ストレスや過度のダイエット、喫煙習慣、不規則な生活、ホルモンの病気などが挙げられます。
病院は何科?
生理周期や妊娠のお悩みは、まず婦人科で相談しましょう。
お医者さんには、なんて伝える?
- 月経周期
- 生理周期が変わった時期
- 月経量の変化
- 妊娠を望んでいるか
- 飲酒・喫煙の有無
- 妊娠出産歴
- これまでにかかった病気(精神疾患も含む)
- ワクチンの接種歴
上記の点を医師に伝えてください。
また、基礎体温表をつけていれば見せてください。
上手く伝えられるか自信がない場合は、事前にメモにまとめておくと良いでしょう。
婦人科に行くとき気を付けること
基本的に内診があるので、スカートなどなるべく着脱が楽な服装で受診しましょう。
下着や靴下等も脱ぎやすいものを着用すると、スムーズに診察を受けられます。
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どんな検査を受けるの?
なお、生理中でも検査は受けられますが、生理が終わってから受診する方が望ましいです。
生理中に受診すると、性感染症やおりもの検査、子宮がんや卵巣がん検診など、生理中では正しく判断ができない検査があります。
検査費用は基本的に保険適用で、初診料等を合わせて5千円程度と考えておいてください。
検査結果は約1週間でわかる場合が多いです。
どんな治療を受けるの?
内分泌系の疾患が原因だとわかれば、ホルモン剤で治療を進めます。
子宮形態の異常や子宮発育不全など、子宮に問題がある場合は、手術で治療を行います。
ただし、妊娠を望んでいない方には、治療をせず経過観察を行うケースもあります。
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2021-08-23
「生理の量が少ないけど妊娠できる?」
「病院へ行くべき?」
短い生理周期と40代での妊娠について医師にうかがいました。
病院での治療方法や自分でできる対処法もご紹介します。
40代で生理周期が短くなっても、妊娠は可能?
40代で生理周期が短くなっていても、排卵があって子宮内膜に異常がない場合は、妊娠する可能性はあります。
ただし、40代での自然妊娠の確率は個人差があり、一概には言えません。
妊娠を希望する場合は、どうすればいい?
妊娠を望んでいるのであれば、まず産婦人科で相談しましょう。
産婦人科では、生理周期が短くなっている原因、病気の有無、卵子の状態などを調べてもらえます。
不妊の原因に合わせた治療を行うことで、妊娠につながりやすくなります。
お医者さんに伝えるポイント
医師には、
妊娠を望んでいる旨
月経周期、月経の状態
飲酒、喫煙の有無や量
妊娠、出産歴
かかったことのある病気(精神疾患も含む)
ワクチンの接種歴
などをお伝えください。
基礎体温表をつけている方は、もってきてください。
メモなどにまとめておくと、スムーズに診察を受けることができます。
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病院では、どんな検査を受けるの?
医療機関では問診、
内診
血液検査
子宮卵管造影検査
を行うことが多いです。
検査結果は1週間~2週間程度でわかります。
内診
子宮や卵巣に異常がないか調べます。
検査では、子宮・卵巣・子宮内膜の状態を画像で確認していきます。
内診によって、病気(子宮筋腫、卵巣囊腫等)が見つかる場合もあります。
血液検査
感染症の有無や、ホルモンの分泌などを調べます。
AMH検査といい「卵巣に卵子がどの程度あるか、残っているか」を調べる検査もあります。
子宮卵管造影検査
子宮の形状、または卵管が通っているかどうかを調べます。
子宮内に造影剤を入れて卵管へ流れてくるのをX線で撮影して、画像診断します。
検査の費用はいくら?保険適用になる?
不妊検査は保険診療と自由診療(自己負担での診療)のどちらもあります。
保険適用の場合は1万円程度の場合が多く、自由診療は各医療機関によって異なります。
不明な点を含め、検査前に問い合わせてみるのがおすすめです。
妊娠するために、病院ではどんなことをするの?
妊娠を目指すための治療法には
タイミング法
排卵誘発
人工授精
体外受精
などがあります。
その① タイミング法
妊娠する可能性が高い日(排卵の2日前ごろから排卵日まで)に性交を行う方法です。
目安は6回程度で、この方法で妊娠しなかった場合は別の方法を行います。
タイミング法の費用
保険適用で2,000~3,000円です。
ただ、薬や検査によって異なります。
排卵誘発剤や超音波検査を追加すると別途料金がかかり、保険適用外で1~2万円程度かかることもあります。
その② 排卵誘発
注射や飲み薬でホルモンの分泌を促し、排卵を起こします。
排卵が自然に行われていない場合に用いられる治療方法です。
排卵誘発の費用
保険適用外となり、1回1万円程度です。
その③ 人工授精
人工的に採取した精液から“動きの良い精子”を選別し、妊娠しやすい時に直接子宮に送り込みます。
主にタイミング法で妊娠しなかった場合に行われます。
人工授精の費用
保険は適用されません。一回につき2~3万円かかります。
その他の準備や検査費用は別途かかります。
その④ 体外受精
卵子と精子を取り出して外部で受精を行い、受精卵を子宮に戻すという方法です。
タイミング法や人工授精で妊娠しなかった場合に用いられます。
体外受精の費用
保険適用外で30万円〜60万円と幅があります。
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妊娠しやすくするために、こんなことを心がけて
食生活や生活習慣を整え、妊娠しやすい体を作っていきましょう。
生活習慣を整えることで、ホルモンバランスが良好になり、生理不順が改善されます。
妊娠後のご自身の体や胎児のためにも、健康な状態を保つようにしてください。
自分でできる妊娠しやすい体づくり
禁酒、禁煙
適正体重になる
体を冷やさない
ストレスをためない
バランスの良い食事を3食摂る
睡眠をしっかりとる
適度に運動する
産婦人科では、生活面でのアドバイスも受けられます。
気になること、わからないことがあったら、医師に相談してみましょう。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
一般社団法人日本女性心身医学会 女性の病気について
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2021-02-19
生理の量が少ないことと不妊にどのような関係があるのか、お医者さんに聞きました。
「なぜ生理の量が減るの?」
「対処法はある?」
といった疑問にもお答えします。
「生理の量が少ない」と「不妊」の関係
生理の量は、「女性ホルモンの分泌量」と関係しています。
生理に関わる女性ホルモン「エストロゲン」や「プロゲステロン」の分泌量が減ると、生理の量も減り、妊娠しづらくなります。
女性ホルモンの働きって?
エストロゲンは、毎月の生理に関わる女性ホルモンです。
毎月の生理には、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンの2種類が関係しています。
生理に関わる「2つの女性ホルモンの働き」
◆エストロゲン
…子宮内膜を厚くする働き
◆プロゲステロン
…子宮内膜を剥がし、子宮の中を綺麗にする働き
「エストロゲン」の分泌量が多くなり子宮内膜を厚くした後、「プロゲステロン」の働きで不要になった内膜を剥がし、経血として外に出すことで生理が起こります。
生理が少ない場合「ホルモンバランスが崩れている」可能性アリ
生理の量が少ない場合、女性ホルモン「エストロゲン」「プロゲステロン」のの分泌量が減っている可能性があります。
エストロゲンの分泌量が少ないと…
子宮内膜を厚くする働きや弱まり、経血量が減る(生理の出血量が少なくなる)。
プロゲステロンの分泌量が少ないと…
内膜が剥がされずに溜まっていくという現象が起きて、経血の量が減る(生理の出血量が少なくなる)。
ホルモンバランスが崩れて、生理の量が減っているというのは、“妊娠しづらい状態”といえます。
妊娠を望んでいる女性は、女性ホルモンバランスを整えることが大事です。
ホルモンバランスは、なぜ乱れるの?
ホルモンバランスが乱れる主な原因は、ストレス・疲れ・食生活の乱れ・睡眠不足です。
女性のホルモンバランスはとてもデリケートなため、ちょっとしたことですぐに乱れてしまいます。
また、加齢が原因になることがあります。
(加齢とともにエストロゲンの分泌量が減り、生理の量も減っていきます。)
ホルモンバランスが乱れているサイン
PMS(月経前症候群)の症状がひどくなる
生理痛がひどくなる
経血の量が少なくなる
経血の量が多くなる
不正出血が起こる
生理周期が乱れる
3ヵ月以上生理が止まる(無月経)
生理周期が短くなる(24日以下)
自律神経失調症になる(めまい・ふらつき・倦怠感など)
※PMS…生理開始3~10日前に起こる、腰痛・腹痛・頭痛などの身体的不調・精神的不調の症状。生理が始まると症状が改善するのが特徴。
ホルモンバランスの整え方
女性ホルモンを整える基本は、「生活を整えること」です。
規則正しい生活を心がける
1日しっかり睡眠時間を確保し、質のよい睡眠をとる
栄養バランスの良い食事を摂る
お腹や足などを温め、血行を良くする
ウォーキングなど軽い運動を1日20~30分程度行う
ストレスを溜めない
といったことを意識してください。
残念ながら「◯◯を食べれば大丈夫」「~~しておけばOK」というものはないため、日常生活の意識を変えることが必要です。
注意!生理の量が少ないのは「病気」のケースも
生理の量が少ないのは、“病気”が隠れているケースがあります。
<女性ホルモンの分泌に異常が起こる病気の例>
多嚢胞卵巣症候群
甲状腺機能低下症(橋本病)
下垂体腺腫
黄体機能不全
<生理の量が少なくなる子宮の病気の例>
子宮腔癒着症
子宮発育不全
生理の量が少なく、不妊でお困りの場合は、婦人科や産婦人科に行って相談してみましょう。
病気が隠れていないか、検査を受ける必要があります。
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病気①多嚢胞卵巣症候群
卵巣に小さな卵胞が詰まることで排卵に障害を起こすため、経血の量が減ります。
原因:卵巣内の男性ホルモンが多いことが原因です。
その結果、女性ホルモンのバランスが崩れ、排卵障害が起こります。
その他の症状:無月経・不妊・肥満・にきび・多毛・糖代謝異常など
病気②甲状腺機能低下症(橋本病)
甲状腺の機能が低下するとエストロゲンの分泌量が低下し、子宮内膜が正常に作られなくなり経血量が減ることがあります。
原因:自己免疫の異常が原因だと言われています。
その他の症状:疲れやすい・肥満・脱毛・抑うつなど
病気③下垂体腺腫
脳の下垂体に腫瘍ができ、ホルモンの分泌に異常をきたします。
母乳の分泌に関与している「プロラクチン」というホルモンが大量に分泌されると、妊娠していないのに母乳が出たり生理が止まったりします。
原因:現在、詳しい原因はわかっていません。
その他の症状:無月経・月経不順・不妊など
病気④黄体機能不全
黄体の働きが悪くなる病気です。
排卵後に卵胞からプロゲステロンの分泌が十分にされなくなるため、経血の量が減ります。
原因:現在、詳しい原因はわかっていません。
その他の症状:月経周期の短縮・不正出血・不妊・流産などの症状が起こります。
病気⑤子宮腔癒着症
子宮内膜が炎症を起こし、内膜同士がくっつく病気です。
そのため、子宮内膜が十分な厚さにならず、経血の量が減ってしまいます。
原因:帝王切開や妊娠中絶など子宮に関する手術や、結核菌など
その他の症状:着床不全・流産・癒着胎盤など
病気⑥子宮発育不全
子宮が十分に発育していない病気です。
子宮内膜が適当な厚さにならないため、経血の量が少なくなります。
原因:女性ホルモンの生産不足や生まれつきの子宮の形成異常が原因と考えられています。
その他の症状:月経不順、月経困難、不妊、流産など
妊娠を望んでいる方は、「早めに病院で相談を」
早めに病院を受診することで、妊娠しづらい原因となっている他の病気が見つかるケースや、妊娠しやすい状態にすることができます。
病気の発見が遅れると、不妊や子宮・卵巣摘出手術が必要になることもあります。
経血量だけでなく、生理痛など他の症状がある場合は、一度病院へ行くことをおすすめします。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。